Essay

<ソウルの夜=日韓親善・・・-Cyberchat>

  「近くて遠い国」と言われる韓国。でも、その韓国は大きな変化の中にありました。ウォンや株価の急落に揺れる国。前2回の韓国訪問では金浦空港に降り立 つとその熱気に当てられたものです。人々はまるで喧嘩をするかのごとく、口を尖らせてしゃべっていた。熱気を感じました。しかし、今回の韓国は何か静かで した。韓国という国の今直面している苦境や、平均年齢の上昇(=高齢化)を想起させるような。

 今回韓国に行ったのは、私、ナショナル証券の内藤さん、アイネスの内田さん。このお二人と韓国に行くのは、3回目でしょうか。こちらから持ちかけた面もあったのですが、大宇証券の 姜理事(前東京支店長)や孫理事(同)の呼びかけもあって、ソウルで講演会を実施するのが目的だった。しかし小生には、今回のアジア全体を巻き込んだ大き な危機のうねりを見ようと言う気持ちがあった。3日間という非常に短い期間ではあったものの。そしてもう一つは、国際的なネットの通信環境を見る目的が あった。果たして自分のページをソウルから更新できるのか。向こうはどのようなネット環境になっているのか。
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 24日に東京の高円寺の自宅を出たのは9時30分くらいだった。新宿から成田エクスプレスで行くのだが、ちょっと買い物があって早めに。ラップトップを 入れ、古いゴルフシューズを入れ、そして衣類を入れ完璧な筈だった。しかし、重要なものを忘れた。デジタル・カメラ。これは後で後悔することになる。新宿 発は10時45分くらいだったと思う。NEXは成田空港まで一時間10分の旅だ。

 (^_^)(^_^)成 田に着いたら、内藤さんも内田さんも既に着いていた。例のごとく、内田さんは空港内の床屋に(この人は必ず空港で床屋に行く)。私と内藤さんチケットを受 け取り、食事をした。空港で何を探すかというと、コンセントである。ラップトップを使って文章を作ったり、それを送ったりする。バッテリーを食う。羽田は 待合室のあちこちにコンセントがある。しかし、成田はしぶとかった。結局ないことに気がついた。新幹線に乗るときも、コンセントの場所を確認する。バッテ リーが高性能になるか、コンセントを増やしてもらいたいものだ。

 飛行機が出たのは、午後1時30分過ぎだったと思う。満席。まず寝る。機上のメシはまずい。夕刻からは宴会が待っているので、控えめに。それが食事をう まく食べるこつだ。行きは風が逆なので、2時間半くらいかかる。ゴルフの予定があって、私と内藤さんは貸しクラブを使うが内田さんは左利きで韓国にはまだ ない左用が必要なので、バッグ持参の韓国行き。飛行機の中は、日本語とハングルが飛び交っている。
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着いたのが午後の遅い時間。姜さんの運転手が待っていてくれた。寒い。東京より5度は低いという。仙台くらい。自動車電話にすぐ気がつく。思ったのは、 「これで東京に電話してみよう」ということ。しかし日本でいう「001」が分からない。運転手はごく片言の日本語しか分からない。えい、とばかりに001 -82-と電話してみる。なんとつながった。あとで分かったことだが韓国では002も国際電話の頭3桁らしい。

 ソウル中心部の大宇証券本社前で寒い中、姜さんが待っていてくる、彼を拾って料亭に一直線。確か「宣川」という韓国の伝統的な料理屋さん。そこで、勉強 会の第一段。姜さんや孫さんが日本に来たときには、なんだかんだといって勉強会・食事会を開催している。今日は韓国で同じ事をしようというわけである。こ こでは、「日本語」を公用語とさせてもらった。メンバーは

姜・大宇証券理事(調査担当)
孫・大宇証券理事(社長室長)
鄭さん・ロシアとの取引をしている韓国の実業家
鄭・投資顧問会社社長(独立系)
伊藤(私)
内藤(ナショナル証券常務)
内田(アイネス取締役)
井上正弘・UBS日本支店長(大宇証券との定期会合で出張中)
杉浦昭義・ジャルファイナンス取締役
大寺久夫・東京海上保険国際投資課(アジア投資担当者)
黒澤 毅・第一生命国際企画部外株投資課課長補佐(アジア投資担当者)

 韓国の方々は全員知っていたが、下の4人の日本人の方はたぶん初めてだったと思う。落ち着いたレストランで直ちに親しくなる。あとは、写真の通り。 ちょっとお待ちを(^_^)(^_^)  一枚目の私の向かって左が投資顧問会社社長の鄭さん、右が姜さん。二枚目の写真は、左から孫さん、内藤さん、内田さん。伝統的な韓国の料理が出てくる中 で、がんがんやりましたね。韓国の方々は、皆結構酒が強い。ほんとにあたしゃ、ついていけませんでした。「韓国で酒宴」というと直ぐにキーセンを思い出す 人もいるかもしれませんね。でもそれは、古い。昔は良い女の子もいたそうです。それも昔の話。我々も、飲んで騒いだあとはとっとと解散となりました。私 は、部屋に帰って今度はネットの接続具合を見る興味があった。
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これが珍事だったのです。まず重要なのは、日本に国際電話がどのような形で繋がるかです。繋がれば情報の授受は可能です。外線接続の№は大体が「0」で す。しかし韓国の我々が止まったロッテホテルは、これは「9」でした。小生のラップトップは、モデム内蔵で32Kまでの通信は出来るように設計されてい る。問題は、電話ジャックの口。事前に集め集めていった情報(NORIちゃんありがとう)では、「同じ」。もうこれで問題は9割解決したようなものです。

 でそこからやってみたかったのは、「国際ローミング」。使っているプロバイダーが国際的に組んでいるプロバイダー・ネットワーク。ちょっと心配だったの は、行く直前に契約した事。つまり間に合っていない可能性があった。実際そうでした。いくつか示された韓国国内プロバイダーの℡番号に電話して、アクセス できても入れない。やはり時間不足でした。しかし、こうしたことを繰り返しながら、「規格の統一」の重要性を感じましたし、それは市場を大きくする上でも 必要なことだと思いました。例えば、小生が東京で使っている携帯電話が韓国で使えたら、どんなに便利でしょう。帰国後、「こうなっているから使えない」と いう説明は色々な方から受けました。それは理解できた。しかし、「海外でも自分の℡が使える便利さ」は想像を絶するでしょう。海外に行く「不安」を和らげ てくれる。ニューヨークの空港について、もっていった携帯電話で「今着いた」と電話すれば、家族は安心する。これは、「市場の大きな拡大」に つながるはずです。だって、日本からもっていった℡ジャックが韓国で使えることが分かっただけで、ものすごく安心出るんですよ.....。海外には行き 慣れた小生でも....。文化や言葉は違っても良い。しかし、ツールの規格は「国際標準」にして欲しいと強く思いました。

ycaster 97/11/09)