Essay

<ナイター・ゴルフもしてみました-Cyberchat>

「ナイター」という単語が和製英語であることを承知で、「ナイター・ゴルフ」と書きます。実はゴルフは長くやっているのですが、「ナイター」でゴルフをしたのは、私は今回の韓国出張での「付録」が最初でした。それは結構思い出に残る経験であったのです。
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 講演会場から姜さん、内藤、内田、伊藤の4人で出たのは11時ごろだったと思います。ゴルフ場(Korean Country Club)までは一時間。何せスタートは1時30分と聞いてましたから、まあ「途中までかな」と気楽な出発。行程は1時間ちょっとでしたが、既に「秋深ま る韓国」という風情でした。木々は葉が黄色、赤になり、落ち葉が道に散り、車が通るとそれが舞い上がる。景色は、日本の田舎と非常に似ています。田圃の風 景、山の形。

 ちょっとお待ちを(^_^)(^_^) ゴルフ場に着いたのは、12時30分くらいだったと思います。日本のゴルフ場だとこの時間帯は出る人、入る人がいなくて一番玄関が静かな時間帯ですが、韓 国のゴルフ場は違った。我々だけでなく、続々とプレーヤーが車で横付けするのです。聞くと、韓国のゴルフ場は午後の2時くらいまでスタートを取るのだそう です。日本は、せいぜい11時ごろまでなのと全く違う。韓国では、ゴルフ場がまだ足りない。に対してプレー希望者が殺到している。なかなか取れないのだそ うです。姜さんがメンバーだからこの時間でも取れたというのが解説でした。

 しかし、ゴルフはかなりうまい人でも、18ホールを回るには4時間はかかる。それに食事を入れたり、渋滞を入れると5時間とか5時間半になる。韓国のゴ ルフ場は「メシ」なしで回ります。とすると、午後2時にスタートすると、スムーズに行って終わりは6時。当然暗くなる。私でなくても「どうするのですか」 と聞きました。答えは、「照明施設の存在」。つまり、「ナイター・ゴルフ」です。日本でも無論ナイターができるゴルフ場はあります。私が知っている範囲で は、伊豆のラフォーレ修善寺はナイター施設があった。しかし、名門コースでナイター施設があるのに出くわしたことはない。Korean Country Club スタート間隔が普通のコースより1分長いなど、名門だそうです。でナイター施設。これには興味がわいてきましたね。どうやってプレーするのか。

 それはさておき、まずしたのは食事です。18ホール回りますから、体力を付けておかないと。しかも、朝の食事は十分にしてない。で、ヒルから韓国料理。 日本人3人が姜さんのすすめで食べたのは「松茸ご飯」。正式な名称は知りませんよ。しかし、美味しかった。日本で言えば、親子どんぶりの松茸版。姜さんは 何か韓国の家庭料理の珍しいモノを食べていましたが、それもちょっともらって食べたが美味しかった。練習する気はしませんでした。いつもの事ですが。 「数ヶ月前から日本語ができるキャディーを準備しました」とのこと。

 食事が済んだらスタートですが、「渋滞」でスタートは2時にずれ込み。風が凄い。そして寒い。面白かったのは、寒い時にする女性の仕草が、韓国の女性と 日本人の女性が全く同じだと言うことに気づいたこと。アメリカに何年もいましたが、アメリカの女性が寒いときに日本人の女性のように背を丸め、手をこす り、そして足をじたんだするのは見たことがない。しかし、韓国のキャディーさんは全く日本のキャディーさんと同じように、背を丸め、手をこすり、足を動か していた。ちょっとした観察が面白いんですよ。
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スタートは凄いアゲインスト。姜さんは調査担当になって新聞記者を相手しなければならなくなって2年前に始めたという。最初は心配しましたが、回りだし て安心しました。結構回れる。でも、面白い話を聞きました。韓国ではそれがどのくらい普及しているかどうか知りませんが、ビジネスマン同士でゴルフをする ときは、最初のホールはボキー以上の人も全部「ボキーだった」としてスタートするというのです。まあ、我々は日本式で打った数そのままでスタートしました が。

 もう一つ気が付いたのは、韓国の方々はパットを極めて慎重にやる。悪く言えば、時間がかかる。日本で(パットやアドレスに入ってからのヒットが) 「ちょっと遅い人」が「普通」くらい。だから、スムーズに流れるということがあまりない。最初は各ホールで渋滞です。まあ、前後のプレーヤーの特徴なのか もしれませんが、香港などで韓国の人と一緒にプレーした人は大体同じ印象をもったようですから、その国のゴルファーの共通の特徴なんでしょう。

 女性プレーヤーも何人か見かけましたが、日本のような若い女性は少なかった。生活に余裕のある家庭の奥様か、ミョンドンあたりで店を経営している人が多 いのだそうです。まだ大衆化はしていないと言うことです。韓国は北朝鮮と戦後ずっと軍事的対立関係にあった。とてもゴルフ場を大量に作るというような雰囲 気ではなかったのでしょう。むろんて、経済状態もあるでしょが。掲載した写真は、スタートを直前に撮影したモノです。凄い向かい風の中での。キャディーさんに撮ってもらいました。

 我々に着いたのは、良いキャディーさんでした。ゴルフを楽しめるかどうかは、キャディーが良いかどうかが一つのファクターです。だから私はゴルフをする ときに、悪い言葉を使えば「手なずける」努力をする。まずまずのプレーができるから心配しなくて良いよ、こちらもフレンドリーだよと知らせる。そうする と、大体のキャディーさんはこちらに好意をもってくれる。キャディーさんが嫌がるのは、「遅い」「威張る」「ごまかす」客です。「遅い」はひどいところだ とキャディーさんに対する罰金となる。「威張る」は最低ですよね。「俺は客だぞ」と。どこでも嫌われますわな。「ごまかす」は、各プレーヤーのスコアを一 番知っているのはキャディーですから、まあ軽蔑の対象です。

 韓国でも同じです。スタートの前に少し会話する。向こうの片言の日本語でわかる範囲で。そうするとすぐ親しくなれる。結構話をしていると面白いのです。 家族とか、仕事の事など。慣れたキャディーさんで、大体その人の技量を見て、必要なクラブを渡してくれる。内田さんはレフティーですから、皆と逆の方向を 向いて打つ。まあ、彼だけは日本からクラブを持ち込みましたから、力が入っていましたね。良いコースでした。
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ところでナイター。アウトからスタートして15番くらいから暗くなった。各ホール渋滞して、延び延びに。16番からカーと照明がついた。ティーグラン ド、ティーショットが着地しそうな場所、そしてグリーン周りが明るく照れし出される。また寒くなった。そこで考えたのは、「ミスショットしたら、玉を探す のが大変。よって、楽に上がるためにはティーショットをきちんと」ということ。だってチョロしたら逆に玉が何処に行ったから分からなくなるのです。という わけで、最後の3ホールはティーショットは good でした。

 ナイター・ゴルフの特徴は、視野が狭くなると言うことでしょうか。OB杭も谷も、コース周辺の木もうっすら見えるだけ。良く見えるのははっきり照明され ているとこだけ。ちょっとエキゾチックな印象。真夏の日本だったらナイターも良いかもしれない。涼しくなるでしょうが。でも、寒かった。内藤さんなんて途 中で投げ出しそうだったので、私が元気づけて4人とも終えました。18ホールを。キャディーさんとも気持ちよく別れて。そう、何でも別れの形が大事なので す。ナイスでした。
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終わって簡単に風呂を浴びて、近くの焼き肉屋に移動。これは私のリクエストだった。韓国で食べる焼き肉はうまいんです。ブルゴギ、骨付きカル ビ.....。考えただけで、食欲がわく。個室スタイルですね。無論注文は姜さん頼み。ビールを頼み、コースを頼み。ビールを飲みだしたところで姜さん が、

「友遠方よりきたる。ゴルフをし、ビールを飲む。なんという幸せ......」
  ナイスな言葉ですね。来たかいがあったと思う。ただ講演しただけではこういうせりふは出ない。一緒に遊ぶと言うことが重要なのです。酒を飲むのも、遊ぶ うちに入る。だから、何処に行っても誰と居ても遊ぶと言うことが重要なのです。食事をし終えたのが、9時30分くらいでしょうか。それからは車に乗って一 路ソウルへ。はは、あたしゃ寝てました...。どこでも寝れる。スヤスヤ......。

ycaster 97/11/09)