Essay

<二つの名前-Cyberchat>

 いや~、パソ通やインターネットの世界だけじゃなかったんですね....。

 この前、ラジオを聞いていた時でした。確か、インターFM(東京、確か76.01)かJ-WAVE(同、確か81.3)だったと思いますが、「おや」と思ったのは、リクエストにいっぱい登場する「ファックス名」なるもの。そうか、最近の中・高生(だけじゃないだろうけど)は、ファックスでリクエストする時も、実名ではしないんだ.....。

 パソ通の世界は徹底してますよね、これが。私はNiftyserveの金融プロフェッショナル・フォーラム(FKINYU)の6番会議室(株・債券・為替の相場関連)に間借りしている程度なのですが、私が知っている限りこのフォーラムに結構頻繁に「実名」で参加しているのは私とあと梅本君(現在フランクフルトからアクセス中)の二人だけ。私にはPROFILEで説明したような事情での「ycaster」というハンドル名があるのですが、エフキン(FKINYUを私はこう呼びます)でこの ycasterを使って文章をアップしたことは一度もない。全部実名です。

 「二つ目の名前」で今までもあったのは「ペンネーム」でしょうか。堺屋太一さんの本名はかわいらしいし、三島由紀夫の実名は、育った家の重厚な雰囲気が伝わってくる。私も10年ほど前に一つ、二つ作ったのですが、それぞれ一、二回使った程度。文章はほぼ全部実名でした。はっきり言って、ペンネームで文章を書いた時にはあまり「feel good」ではない。なぜだか分かりませんが。

 でも cyber の世界では、特にローマ字のハンドル名は、アーリア民族の連中にも一応は発音できる。明らかに日本人の実名より世界的な広がりがある。「ycaster」だったら世界中でちょっとは分かってもらえるという気持ちがあったことは確かです。エフキン6番で一番有名なハンドル名といえばもちろん「STATIONWAGON」ですが、これも一目瞭然。世界中誰でも分かる。私と同じ為替の世界の人間です。

 なぜ「二つの名前」がはやるのでしょうか。または、必要とされるのでしょうか。突拍子もない< a href=" http://www......."></a>、おっとっと「リンク」と思われるかもしれませんが、最近「バツイチ」から「ニドメ」に進んだ連中と話すと決まって「なぜ」のところで出てくるのが、「人生一度しかないですから」。ウーン、ということはどういうことだ。離婚・再婚したら、「人生を二度生きられる」。そうかな ?

 まあいいでしょう。本題に戻って、「なぜハンドル」、なぜ「ファックス名」。一つ言えるのは、別名(ハンドルであれファックス名であれ)を使うときは、自分を「somewhat different」な存在に感じられるということです。新しい自分を出動・出馬させているような。ちょっと、古い自分を横に置いて置いて。だから、「feel fresh」で楽しい、というか「わくわくする」。そう、みんなわくわくしていたい。でも、ちょっと「integrity」が分裂したような感情になりますよね。これも考え方によっては、ちょっとした緊張感につながる。

 「バツイチ」「バツニ」も、「ファックス名」も「ハンドル名」も増加傾向。結局「人生を複数回」生きたい連中が多くなってきてるんでしょうか。ちょっと重くなった自分を横に置いて.........

ycaster 96/06/04)