Essay

<2006年の大水害、岡谷の現場写真-Cyberchat>

 下に掲げる12枚の写真は、2006年の7月下旬の長雨、大雨で日本全国で起きた水害のうち、長野県岡谷市小坂(諏訪湖の天竜川入り口の水門近く)で起きた鉄砲水の現場写真です。撮影したのは、2006年7月19日に起きた水害から10日余が過ぎた7月30日午前10時過ぎ。私が実際に行って撮影しました。

 事故現場を見て思ったのは、人間の建造物のうち残ったのは実に堅牢に作られている中央高速道路の橋脚のみで、あとは綺麗に押し流されていること。電柱などは惨めにひっくり返っていました。対して、自然の大木は濁流に直面しても、幹に傷は何カ所もついていましたが、大きな石がぶつかったであろうにもかかわらずしっかりと大地に根を生やしてびくともしていなかったこと。自然の強さを感じました。

 被害にあったか会わなかったのかは、実は数メートルの違いだと分かります。道一本違うと、全く被害に会わなかった家が並んでいる。しかしそこから数メートル歩くと、その一帯は上からの土砂に押し流されているという惨状。土砂の流れから数メートル離れただけで、被害を免れている家もある。

 押し流されたり、一階が濁流に流された家を見ると、例え2階が残っているにせよ、その家の人は大変だと思いました。家に流れ込んだ土砂には、実にいろいろなものが含まれていて、10日たっても焼け焦げたような臭いがする。それはすさまじいものでした。

 しかし大勢の方がシャベルをもって、徐々に土の除去が始まっていました。最初の二つの写真の家に、後の方で人が作業に取りかかっているのが分かると思います。土を取り除いた後に、家を再び建てるのか、それとも引っ越すのか。押し流された家にローンのあった人は、これから大きな負担を背負うことになります。



電柱は倒れ....

家の庭の上を....

壁に土の爪痕が....

別の角度から....

グシャグシャになった車....

中央高速を下に見て....

土砂に耐えた木々....

一階に侵入した土砂....

テレビにも映ったピアノが....

始まった後かたづけ....

下の家でも....

ピアノの家でも....
ycaster 2006/07/30)