Essay

<Java(ジャバ)-Cyberchat>

 ホームページのフロントを変えようと思った最大のきっかけは、季節の変わり目でした。もう「秋」も深い。「秋」らしいものを。そして、もう一つ理由があるとしたら、それは「飽き」でした。どんな良いデザインも、しばらく使うと飽きる。前のも随分評判が良くて、良かったのですが。ちょっと寒かった。それに、右の写真がブラウザや使っている人のコンピューター・スクリーンのサイズでずれた。

 新しいフロントを作るに当たり考えたのは、cyberdiaryの9月15日に書いたとおり、

  1. ブラウザのサイズでイメージがずれないもの
  2. 夏の間は涼しそうなやつでよかったが、これを秋らしいものに
  3. フロントの絵のモチーフは、「ワインとパン」で、それをうまくセンターに入れる
  4. 秋らしいけれども、すっきりしたものにする
  5. Javaを2カ所くらいに使う

 ――でした。「ワインとパン」はソフィア・ローレンの「ひまわり」以来、なぜか好きなのです。「Java」はインターネットのあちこちのページで見ていて、動きがあって「面白い」と思っていましたし、既にインターネット・ユーザーのかなりの部分はJavaに対応できるブラウザを入手している筈です。技術はどしどし新しいものを取り入れた方が良い。

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  しかし、一筋縄では行きませんでした。前回同様、デザインはCielの和田ちゃんに頼み、彼女もはりきって作ってくれたのですが、Cielで一度完成したテスト版を私のマシーンで動かしてみるとcyber worldの部分が白抜きになってしまって、どうしても今皆さんが見えるような形では流れない。ポイントするとJavaでプログラミングされていることだけは分かる、しかし流れないのです。マウスを振ってみるとか、何回かクリックしてみるとかしてみました。Javaの起動にはタイミングとか、ブラウザの立ち上がり方とか、結構影響するらしいのです。しかし、駄目。

 最初はMAC(Cielの今のマシンはすべてMACと聞いています)でプログラミングしたせいかと思いましたが、和田ちゃんによれば、Windows環境でNetscape3.0、Internet explorer3.0で試してokだったとのこと。それじゃあどうして、というわけです。和田ちゃんには物理的にも走り回ってもらい、かつ何人かの彼女の“知恵袋”の知恵を借りて、分かったのは次の点です。

1.世に出回っているブラウザはベータ版を含めると正式版の何倍かはある
2.それらは少しずつ違うし、なにがしかのバグを持っている
3.同じバージョンでもブラウザはMacとWindowsでは動作が違い
4.さらにWindowsの中でも、マシンの環境によって違いがあること
5.Javaのプログラムにおいてはまだ実行環境によって誤動作を起こと

ブラウザについて言うと以下の通りです。

《現在入手可能な正式版》
1.Netscape3.0
2.Netscape2.0
3.Internet Explorer3.0
4.Internet Explorer3.0J(9/4revision)

《BETA版》
5.Netscape3.0PR1
6.Netscape3.0PR2
7.Netscape3.0b3
8.Netscape3.0b4
9.Netscape3.0b5
10.Netscape3.0b6
11.Netscape3.0b7

 これに加えて、Internet ExplorerのBETA版がたくさんあるのだそうです。なかなか大変でしょう。しかも、みな少しずつプログラムが違ったりしている。Javaのプログラムにおいてはまだ実行環境によって誤動作を起こし、また同じバージョンのブラウザでもMacとWindowsでは動作が違い、さらにWindowsの中でもマシンの環境により違いがある、というのですから大変です。また、和田さんのチームが調べたところによると、「本来Javaのプログラムにおいて基本的な命令が誤動作の原因になることもある」とのこと。これは、Javaのinternet newsから得た情報です。

 それだけのことが分かってプログラムし直したのが、今皆さんに見ていただいているそれです。和田ちゃんは、私へのレポートで「本来のプログラムにおいてMac/Windowsの隔たりをなくしたプログラム言語としてのJavaにおいて、ブラウザの対応がまだついてこれないこと」が今回の騒動の原因と指摘。

 まあ、こんなことは新しい技術を使おうとするケースではよく起きて居るんでしょうね。「定説どうりMacで動作するものはWindowsでも動作して当然」というのは、どうやらあちこちに落とし穴がありそうです。ブラウザもJavaもすごい勢いでevolveしている最中。当然こういうことは起こるでしょう。

 問題は、「それでは今のフロント用のJavaプログラムが、次に出てくるブラウザに合うかどうか.....」。もうこれは、分かりません。合わなかったら、あわせるしかない。でもこれは、今のインターネット関連ソフトの著しい進歩、発展、拡充の中で、never-ending storyなんでしょうな。この終わらないストーリーを楽しみたいと思います。

 それにしても、Cielの皆さんご苦労様。お互い、勉強になりましたね。
ycaster 96/09/16)