日々のライブな情報ページ

2012
05/17
Thu

2012年05月17日(木曜日) レアメタル回収のカプセル技術

day by day

(07:29)昨日はあれから、シームレスカプセルを二重、三重、さらには4重、5重にする技術とか、水などに溶け込んだレアメタル(イオン化した)を回収する技術、さらにはバイオカプセル種子に関する技術などを見せてもらいました。

「森下仁丹」というある意味古色蒼然とした名前を持つ会社が、実は内容的に著しく変わり、最先端の「包む技術」を持つ会社として世界からオーダーがくる会社になっていることが興味深かった。

私はいつも企業を見るときに、昔ながらの製品を社名に残しながら、その製品の出荷高が会社全体の出荷高(他の製品を含む)の極一部に知らぬ間に落ちている会社は「素晴らしい」「自ら脱皮している会社だ」と思っているのですが、森下仁丹もそうした会社でした。

カプセルを二重から始まって多重化する技術は、例えば薬を腸で機能させたい、と言ったときに重要です。見せてもらいましたが、胃液は強烈です。胃酸が含まれていて、たいていのものは(鉄製のたわしまで)溶かしてしまう。

その「胃液の攻撃」にも持ちこたえて腸まで届いて機能する薬を作れば、腸に関連した様々な症状(便秘から始まる)や病気を治せる。それが実現していた。例えば「ビフィーナ」という製品だったかな。

あと「レアメタル回収」「バイオカプセル種子」の発想も面白かったな。使えると思いましたし、直径0.5ミリの超微細カプセルをシロアリの卵に似せて作って(形状や柔らかさ)、その外皮にシロアリを駆除できる薬を塗り、シロアリが卵の世話(舐めたりするそうです)をして一定時間経過したらシロアリを一網打尽に駆除する、というアイデアもナイスと思いました。

イクラ状の丸いシームレスカプセルが次々に出来上がるのを見て思ったのですが、言ってみれば動物の卵にしろ、植物の種子にしろ、細胞分裂を直接する原始動物以外は、何らかの形で経過的にカプセルに近い”卵”を経て大きくなる。

人間が生まれてくる元となる女性の卵子も、ちゃんと「卵」と書く。つまり、カプセルの形をした卵は生命を揺籃するものです。だとしたら、カプセル技術には無限の可能性があると思いました。なかなか面白かった。6月14日の地球アステクで放送されます。

今日はこれから大阪府立大学の植物工場研究センターにお邪魔して、「最新野菜工場」という仮題でロケをします。野菜工場はいろいろな機会に取材していて、どのような「最新」があるのか楽しみ。こちらは、6月21日に放送されます。BSジャパン、午後10時から。

そう言えば、今日の「地球アステク」は、「新東名開通!高速道路の技術」です。高速道路総合技術研究所(NEXCO総研)を取材したもの。ははは、思い出すな。担当者が、「道路屋は悲しいんですよ。うまく作って当たり前。技術を開発しても、名前が残るわけではない」とぐちっていたな。まそうですが、新東名故に今年のゴールデンウィークは渋滞が少なかったし、パーキングは趣向を凝らしたアイデアで混んでいるとか。

皆さん、是非見てやって下さい。「へえ、こうなっていたんだ」という技術が一杯紹介されます。

07:05
2012
05/16
Wed

2012年05月16日(水曜日) 今はたった3%

day by day

(13:29)今日は懐かしい響きのする会社を取材しています。「森下仁丹」。HPはここですが、「そう言えば仁丹」は最近見なくなったな.....と。

実際に、森下仁丹の売り上げの中で仁丹という製品の占める割合は3%しかないらしい。なのに会社は隆々としている。その秘密を探りに来たのです。なぜやろ。

今昼飯で、なぜ仁丹があれほど銀箔に包まれて小さくなるのかを見せてもらいましたが、午後は肝心な、未来志向的な「包む技術」を取材します。

12:59
2012
05/15
Tue

2012年05月15日(火曜日) ドイツの海賊党

day by day

(23:29)緊縮政策反対、成長路線への政策シフトを主張してフランス大統領選挙に勝ったオランド氏の就任の日(15日)に、ギリシャでは連立政権樹立のための話し合いが最後の「大統領調停」まですべて失敗。”決裂”の判明は日本時間の午後10時半過ぎでした。

この結果、ギリシャは16日にcaretaker 内閣を作った上で、恐らく6月17日(10日の可能性も)に総選挙のやり直し、となる。5月6日の総選挙直後には、

  1. 旧連立2党に対するパニッシュは終わった、と国民が考え
  2. 故に旧連立2党に支持が戻ってくる
とも囁かれていた。つまりギリシャがEUなどと合意した「緊縮財政路線」に戻ってくるシナリオだが、今はその可能性も薄くなっている。選挙だから直前まで分からないが、直近の世論調査だと連立樹立の全ての動き(大統領の実務者内閣の構想を含めて)を「緊縮路線の継続で飲めない」と主張した急進左派連合(Syriza)が第一党になる勢い。

この一貫した緊縮政策反対の政党は、ツィプラス党首の若さ(37才)がウリの一つだ。ギリシャに行っていろいろな人に話を聞くと、彼等は「手垢の付いていない政治家」を欲しがっていた。今のギリシャ人にとって、「手垢の付いた政治家」は憎しみの対象だ。次がドイツ。

ツィプラス党首とその若さは国民の欲求に合致する。だから彼は個人的人気があり、Syrizaは世論調査での支持率で先の総選挙で108議席を取って第一党になった新民主主義党(ND)を上回っているのだ。

と言うことは、Syrizaが100議席近くを取って第一党になる可能性も高まったということだ。先週の総選挙では確か56だったと思った。6月中旬の再総選挙までは、EUなどはギリシャ国民に、「そんなことになったら大変ですよ」と警告を続けるしかない。

その中でももしSyrizaが総選挙で実際に勝利したら、EUとの話し合いは最初から至難の業になる。Syrizaは151(ギリシャ議会での過半数)を上回るとは思われないので、再び連立樹立の動きとなる。しかし新たな枠組みで連立政権ができたとしても、話し合い(EUなどとの)の決裂はかなりの角度で運命づけられる。

なぜなら、Syrizaが勝ったと言うことはギリシャ国民が、「我々は妥協しない」「EUが勝手に我々を助けるべきだ」「我々は義務を負わない」と主張していることになるからだ。これはEUも飲めない。前回の総選挙で108議席を取った新民主主義党、旧連立のパートナーである全ギリシャ社会主義運動(PASOK、その両党合計議席は149)が、第2党、第三党になりながら151を上回る可能性は限りなく少ない。  ということは、昨日も私が話題にした「Grexit」の可能性が限りなく高い、ということだ。実はSyrizaという政党、またはその党首たるツィプラス氏はギリシャのユーロ離脱には反対だ。以下の文章を読むと分かるが、「ブリュッセルとベルリンは、ギリシャをユーロからの離脱に追い込むべきではない」と言っている。

Alexis Tsipras, Syriza’s charismatic 37-year-old leader, who emerged as a kingmaker following his party’s surge to second place at last Sunday’s inconclusive general election, is gaining in support. Opinion polls published at the weekend showed Syriza would win first place in a second election, with 20-25 per cent of the vote.

Mr Tsipras insists Brussels and Berlin will not force Greece out of the euro because of the contagion effect this would have on Portugal, Ireland and Spain. He has demanded a reversal of salary and pension cuts imposed by the bailout, as well as the hiring of 100,000 new public sector workers to reduce the impact of a 21 per cent unemployment rate.

しかし、彼が主張する「a reversal of salary and pension cuts imposed by the bailout, as well as the hiring of 100,000 new public sector workers to reduce the impact of a 21 per cent unemployment rate」をEUやドイツが飲む訳がない。ということは、Syrizaが多数を占めるギリシャの新政権とEUとは衝突コースということだ。

私が載せている文章は、FTのこの記事から採取しましたが、この記事は今後を考える上で参考になる。

ところで、ドイツの地方選挙(ノルトライン・ウエストファーレン)の結果を見ていて、面白い名前の政党が大きく躍進(総投票総数の7%強)していることを発見しました。その名は「海賊党」。調べたら、北欧などに広く存在し、政治的主張としては、「著作権・特許・商標といった知的財産権の現行運用が不当なものであるとして、著作権の保護期間を5年間に制限する事」など。

ネット上にはドイツの海賊党の党大会(?)のユーチューブ画像などあり、それを見ていたら「全てのドイツ人に最低生活保障」といった主張があるようだ。メルケル率いるCDUの大敗は「今の緊縮財政にある」とされるが、「全てのドイツ人に.....」の主張まであったとは。

失業率が5%台(若者で8%)と突出してヨーロッパでは低いドイツにしてこの主張(政府の役割増大、国民に富の分配を主張する)が勢いを増す現実。アメリカの「ウォール街占拠運動」は代表を国の議会に送らないのが特徴のスタンスだが、こっちは「議員を増やしたい」と。

あちことで面白い政治運動が始まっている。

23:25
2012
05/14
Mon

2012年05月14日(月曜日) ”Grexit”

day by day

(23:29)そうですか。松井君が3Aに昇格ですか。ま、今のところ体調も良さそうだし、試合に出ればヒットやHRも出ていますから、上に上がっても良い結果が出るのではないでしょうか。

報酬ね。日本円にすると、えらく安い。7000万円ちょっと。それもメジャーに上がったらの話で、その前段階は「月給80万程度」らしい。しかし彼にとってはそれに代えられない意味があったということでしょう。「野球ができる」ということには。

日本のプロ野球の選手でも、「ただただ野球が好き」ということでプレーを続けたがっている選手がいる。無論それだけでは試合に出させてもらえないので、力を示し続けないといけない。中日なんかに立派な選手がいますよね。

応援してやりたいですね。そうした選手は。松井選手がその仲間に入るのにはちょっと早い。同期のジーターはまだ大活躍だし(今年は珍しく開幕から調子がよい)、イチローだってやや疲れが見えるが頑張っている。

今年のアメリカカン・リーグの東部地区はいつもの年からは様変わりとなっている。いつもだったら、この逆の方が多い。それだけ面白いと言うことです。早くメジャーに上がって松井が活躍するのを見たい。

ところで、ギリシャの問題については、新語が登場したようです。「Grexit」。笑えるな。ニューヨーク・タイムズの記事から。

In a sign of how far things have come, the once-taboo topic of Greece being forced to abandon the euro has become so common in public discourse recently - with even policymakers now chiming in - that a new term, “Grexit,” has been coined.
23:57
2012
05/13
Sun

2012年05月13日(日曜日) ギリシャの我が儘

day by day

(23:29)ギリシャは相変わらずもめているようですね。上位3党の党首説得に大統領が失敗、と最新ニュース。上位3党による独自の連立努力もむなしかったあとの大統領の説得失敗。

それで全てが終わりだと思うと間違いで、ギリシャという国のややこさしさというべきか、今後その他弱小政党への大統領打診も個別に行われる。旧連立与党は今回の選挙で獲得した議席の数が149。過半数に2足りないだけなので、その議席を持つ政党が参加すれば理論的には新たな連立の枠組みはできる。

しかし、今回の第一党と第三党になった二つの旧連立の二政党以外は、右であろうと左だろうと「緊縮反対」で議席を増やしたわけなので、選挙の余韻が残っている今の段階で「それでは姿勢を変えます」とは言い難い。

おまけに最近のギリシャでの世論調査では、今回総選挙で第2党に急激に勢力を伸ばした急進左派への支持が上がっているようで、その政党にとっては今の段階での妥協は意味をなさない。

一部には今回の総選挙で

 「旧連立2党に対するパニッシュは終わった」
「故に旧連立2党に支持が戻ってくる」

との見方もあったが、そうではなさそうだ。ということは、EUとはcollision course をギリシャは選ぼうとしているように見える。

結局のところ、「EUには残りたい」「しかし緊縮策は嫌」というギリシャ国民に改めて「そんな甘い選択は無いですよ」と言い聞かせた上で、「どちらかを選べ」と迫ることしかない。今EUの指導部がやっていることはそうです。何とか「緊縮を飲む」方向に向けたい。飴を見せたり、ムチをちらつかせたり。

だってそうでしょう。ギリシャが終わっても、スペイン、イタリアと待っているかも知れない。例外を設けたら、他の国もそれを要求する。そしたらEUは終わりです。しかし、その気持ちがギリシャ国民に理解されているとは思えない。

としたら、collision course の行く先は見える。「”離脱”は規定にない」のは確かだが、しかしだからといってEUはギリシャ故に譲歩を重ねるわけにはいかない。ドイツ国民の感情の問題もある。

あと一ヶ月ぐらいはヨーロッパの情勢は不安定でしょう。その間に、中国とかアメリカの景況も若干悪くなった。困ったものです。

23:06
2012
05/11
Fri

2012年05月11日(金曜日) ル・アーブルの靴みがき

day by day

(23:29)珍しく今週は2本の映画を見ました。

  1. 「裏切りのサーカス」
  2. 「ル・アーブルの靴みがき」
です。二つとも人間を深く扱い、そして見応えのある映画でした。片方はスパイの世界、そしてもう一方は靴みがきを中心にル・アーブルという街の人々の世界。

まるで、裏と表のようです。人間の。どちらがどちらとは言えない。人間には両方ある。明と暗。恐らくどちらも人間の真実です。見る人によって、どちらが好きか分かれると思う。

しかし私は人間と映画の可能性の両方において、心の中で「靴みがき」に軍配を上げました。ちょっとエンディングが綺麗すぎる印象はする。しかし見終わった後爽やかになる。

しかし「裏切りのサーカス」のエンディングは、「なんだこれか」という終わり方。もうちょっと良い終わり方があったろうに。あの複雑な筋書きの最後にしては、あまりにも何もない結末。

「靴みがき」には、南の欧州が持つ人の良さ、それ故の人間社会の哀感が良く伝わってくる。逆に「サーカス」には、欧州の北の連中が持つ陰湿さ、執拗さが出ているように思う。私の印象ですが。

だから気質としては後者がどうしても好きになってしまうのです。しかし、警官までもが言ってみれば犯罪に荷担するような風土がいろいろと問題を引き起こすことは確か。だから債務問題でも、南のヨーロッパの方が問題が多い。

ま、これは考え過ぎかも。

23:52
2012
05/10
Thu

2012年05月10日(木曜日) 竜巻を考える

day by day

(15:29)番組のお知らせです。今日も午後から東京は突然の雷雨に見舞われましたが、今話題と言えば「竜巻」。今日の東京FM TIMELINEは「竜巻注意情報の精度を上げることはできないのか。また今後日本は竜巻への対策をどうすべきか」を考えます。

それにしても、ゴールデンウィーク最終日の6日に発生した竜巻は、恐ろしかったですね。茨城と栃木、両県の被災建物は7日までに合計1500棟を超えた。なぜ、「竜巻注意情報」は住民に伝えられなかったのか?

茨城県龍ヶ崎市の担当者は「的中率1%という低さが理由の一つであり、逆に無線で広報することでパニックになる可能性も否定できない」と説明しました。それは妥当だったのか、を考えます。午後6時55分から。東京FMです。

夜10時からはBSジャパンで「地球アステク」です。タイトルは、「銀座線新型車両で大興奮!!」です。東京メトロ 上野車両基地で取材しました。

話題の主は、今年4月に登場した地下鉄銀座線の新型車両1000系。実は私も銀座線で実車されているものには遭遇していない。早くしたいのですが、あまり機会が。今回はそのテクノロジーに迫ります。

新しい1000系には、カーブが多い銀座線の路線をスムーズに曲がれるよう「操舵台車」が採用されています。この台車は、カーブに合わせて車軸が曲がるので、騒音や振動を軽減することができる。

ブレーキは3種類の異なる方式を搭載しているのですが、運転士のブレーキ操作に合わせて、車両制御情報管理装置(TIS)が、おのおののブレーキの最適な強さを計算し、車両のスピードをコントロールします。これらの新しい設備によって、従来の車両に比べ約20パーセントの省エネを実現しました。

お楽しみに。

15:31
2012
05/09
Wed

2012年05月09日(水曜日) 竜巻3条件

day by day

(18:29)日本は地震が多くて「地面が危ない」と思っていたら、そうですか、今日は中部国際空港の近くで被害なしですがまた竜巻ですか。

いえ、大阪も一瞬今朝はその雰囲気だったのです。午前6時半過ぎ。大阪城を一周して、そろそろ桜宮のホテルに帰ろうかなと思って走っていたら、ものすごい雷と黒い雲と雨。丁度大川沿いでした。雨はそれほど大粒でもなくヒョウは混じっていなかったのでまだ安心でしたが、「これってあの3条件?」と思いました。

改めてニュースをチェックしたら、中部国際空港の竜巻は「愛知県常滑市の中部国際空港島にある中部航空地方気象台によると、9日午前8時40分ごろ、空港島の北約5キロの海上で竜巻が観測された」となっている。私が大阪で一瞬「これって竜巻」と感じたのが移動したのか?

部屋に帰り着いてテレビを付けたら、「今日は全国的に天気が不安定.....」と。「やはりそうか」という印象でした。何せ突然なんですよ。ホテルを出るときは「今日は曇りか」という程度。それがあっという間に黒い雲と雷、それに雨ですから。

北関東の週末の竜巻は三本走っていたそうな。時速60キロでの20キロ移動という素早さ。携帯やスマホの時代とあって、たっぷりと映像が残っていて、そのすさまじさは撮った人の声と解説にも感じることが出来る。

シャワーを浴びた後、「大阪商工会議所」から頼まれた「朝の勉強会」の講師をしましたが、これは面白かった。名簿を頂いたのですが、「誰が来ているか頭に入ってしまうと良くない」と思って、名簿には目を通しませんでした。

日頃ニュースなどでお見受けする方も多かったのですが、私の忌憚のない「商」と「工」に関する見方・見解をご披露しました。少しでも参考にして頂けたら幸いです。大勢の方に来て頂いて良かったと思っています。

ああいう会合なら何回出ても良い。昼頃の飛行機で東京に帰ってきましたが、一瞬「竜巻」の事が頭に浮かびましたが、それも一瞬で、いつもの通り飛行機が離陸する前に寝ていました。

17:39
2012
05/08
Tue

2012年05月08日(火曜日) お見限りの始まり

day by day

(23:29)「なんだ、素早くできることもあるじゃん」と一瞬思ったのですが、これは「なせなかったこと」でした。ギリシャの今回の総選挙で第一党となったND(ニュー・デモクラシー 日本では”新民主主義党”と訳されることが多い 108議席獲得)の与党連合結成断念です。「3日間」の猶予が与えられているのに、6時間で「諦めました」と。

同党と今まで連立与党を組んでいたPASOK(全ギリシャ社会主義運動党)が持つ議席は41。足しても149で、過半数の151に「2」足りない。他の政党は、2位になった急進左派連合(52議席)を含むすべての少数政党が、今まで緊縮策を進めてきたNDとの連携を拒否か、あまりにも主張が違いすぎてNDサイドが声をかけなかった。まあそうでしょう。

ということは、昨日も書いたとおりギリシャは再選挙に突き進む可能性が高くなった。緊縮を拒否してきた政党の持つ合計議席は151で、数字的には連立与党を組める。しかしその中はと言えば、極左と極右を含む。とても仲良くなれない。それにしても”再選挙”は国庫にとって負担でしょうに。

ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、今後のギリシャの展開は以下のように予定されている。3日間あるのに6時間で事態は次の段階に進んだので、既に展開は早まっている。

In Athens, the Next Steps

May 10-12 Syriza leader Alexis Tsipras will try to build a governing coalition after New Democracy leader Antonis Samaras fails
May 13-15 If Syriza were to fail, Pasok leader Evangelos Venizelos gets a mandate to start coalition talks
May 16 If needed, Greek President Karolos Papoulias invites leaders of the seven parties elected to Parliament in a final effort to agree on a coalition
May 16, or soon after If final effort fails, caretaker government is appointed to lead Greece to elections
June 10 Earliest date to hold fresh elections
June 30 Deadline for Parliament to approve EUR11.5 billion ($15 billion) in further cutbacks under bailout plan agreed with international lenders

本当は今すぐに組閣を終えてギリシャは進めなければならないことが一杯ある。公務員給与を支払ったりするための国庫には、実際的に何もない。お財布の中身はゼロに近い。

international lenders(EUやIMFなど)との融資協定での合意に基づき、予算を削り、新たな税を設けて赤字を減らし....と。約束履行(赤字削減目標承認など)をすることが、国庫にお金(借入金だが)を入れる唯一の方法だ。

caretaker governmentにこれらをやらせるには無理があるし、多分そんな権限は与えられていないでしょう。しかしEUサイドはギリシャに、「選挙があった、あるからといって猶予は与えない」というスタンス(5月7日現在)。この日程ではEUから条件に従ってお金が下りてくる可能性は薄い。

「再選挙」をしたら、どういう結果になるのか。「連立与党だった二つの、今までのギリシャを牛耳ってきた政党に対するパニッシュは済んだ」と国民が考えれば、もしかしたらこの二党が合計151を超える議席を獲得すると見ることも出来る。しかしあまりにも今までの政治に怒っている国民が、改めてそれを拒否するかも知れない。出てくるのは極左や極右だ。そうなったらギリシャはもう混乱だ。今でも混乱だが。

私がギリシャに行って取材し、このサイトに書いたとおり、ギリシャの人々が政治家を描写するときの舌鋒は鋭い。ギリシャの腐敗の根っこだと激しく非難する。しかし、そういう政治家に甘い汁を吸わされて(公務員にしてやるとか。”甘い”とその時はギリシャ国民は思ったのだろう)彼らを選んできたのは、他ならぬ国民だ。

それにしても、「神の配剤」とは良く言ったものだ。旧連立与党が獲得した議席は、過半数に二つ足りない149。こんなシナリオは誰にも書けない。とっても面白いシナリオだが、ギリシャ国民が迫られている正気と選択は厳しい。

政治家は誰でもそうだが、「当選したその瞬間が一番輝いている」。オランドの勝利宣言の演説を見てそう思う。「うなぎ」のあだ名だそうだし、過去に何人も子供をもうけた旧パートナー(社会党の有力政治家)からは、「30年間政界にいて、何もしてこなかった」と手厳しい指摘を受けているが、その言葉は一瞬力強く響いた。「フランスには、そしてヨーロッパには成長が必要だ」と。

しかし就任直後の16日に行く予定のドイツは、今までの「EUでの緊縮財政を巡る一連の合意」を見直すつもりはないようだ。オランドは財政支出を伴う経済成長戦略を考えているようだが、これは今までの欧州全体の合意に真っ向から反する。メルケルも「成長」の必要性は指摘しているが、それは予算措置を伴わない構造改革(労働市場の自由化など)だ。しかしフランスの社会党にはそれが多分できない。

全体に進みつつあるのは、南欧を中心とした「ヨーロッパの没落」だ。この地域の多くの人の生活水準は劇的に下がっている。同じようなタイトルの本を読んだ記憶がある。ギリシャ人は自分達の歴史を「ビッグ(big)」という。「長い」とは言わない。「グレート」はそれにしても言い過ぎだと思うのか。しかし自分の国の歴史を「ビッグ」という国民を私はあまり知らない。

市場の動きを見ていると、既に「見限りは始まった」と思う。月曜日の欧州株式市場は、ギリシャの株だけが7%弱(銀行株は12%)下げた。他は上昇だ。ユーロも特に下げていない。市場は既に「ギリシャがユーロから飛び出るリスク」を織り込み始めたように思う。

23:07
2012
05/07
Mon

2012年05月07日(月曜日) 二つの「理屈」

day by day

(23:29)「日経ヴェリタス」の収録を終えて新幹線で移動し、新大阪に着いたのは夜11時前でしたが、駅にも街にもまあタクシーの多いこと。

運転手さんに「どうしたんですか」と聞いたら、「今日は暇なんですよ....」という返事。「連休明けですから」と。街に出る人も少ないし、ましてや飲み歩く人もいない。それにしても、「こんなにタクシーがあったのか」と思うほど。

知りませんでしたが、今朝は新聞が無かったのですか。夕刊段階で欧州の二つの大きな選挙が今頃になって大きな記事になっている。日本の新聞もあまり休みが多いと、自らの存在感と重要性を否定しているようなもの。

デジャブの記事が多いと感じたのは、私の場合既に今朝の段階で「分析」を書いていたからかも知れない。久しぶりに夕刊に目を通して、「これは参考になる」と思ったのは、日経の

ギリシャの法規定では、第一党が3日以内に連立の枠組みを提示できなければ第2党が三日間、それも不調なら第三党が三日間を期限に交渉する。すべてが不調に終われば再選挙になる。
となっている部分。連立の枠組みです。「そうなんだ」と。と言うことは、実際に再選挙になる可能性があると言うことです。

そりゃマーケットは不安になりますよ。というより、今年は一年間を通じて不安に満ちた展開になりそうです。まだまだトップが次々に代わるか、その可能性がある。日本の首相も分からない。

竜巻も凄かったのですね。あまりテレビも見ていなかったので、その甚大な影響にビックリ。

23:54

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