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2011
09/07
Wed

2011年09月07日(水曜日) ストラディバリの衝撃

day by day

(20:24)朝7時前の新幹線に新大阪で乗り、9時半頃東京に着いて、そのまま大手町の日経の本社に。楽しみにしていた人とのインタビューの為です。好評だった昨年の『「NIKKEI特集 ルフトハンザ ドイツ航空presents 伊藤洋一のReal Europe」』の続編として『「NIKKEI特集 ルフトハンザ ドイツ航空presents 伊藤洋一のLive Europe」』が間もなく紙面、ポッドキャストなどで始まるのですが、その第一回収録のためでした。

インタビューのお相手は千住真理子さん。千住さんとは2007年の12月12日にお会いしていて、その時は彼女のストラディバリウスでの演奏をわずか3メートルしか離れていないところで聞くことがきたのですが、それ以来。その時、少しお話もしました。ですから「お久しぶり」という感じ。

聞き役の私がドキドキするほどの今日のインタビューでしたから、是非皆さんにも聞いて頂きたい、読んで頂きたいと思っているのですが、ちょっと中味を紹介すると(全編公開時にはまた告知しますが)

  1. 千住さんが持っている音楽への、そしてそれを育んだヨーロッパへの思い
  2. 特に彼女が大好きなプラハという街の印象(「街が音楽を奏でているみたい」と千住さん)
  3. 欧州の観客と日本の観客がホールで放つ”空気”の違いと、その”空気”に動かされ、時にそれを動かし溶かす醍醐味
  4. 特に自分が手に入れたストラディバリウスである「デュランティ」との出会いの際に受けた強い、そして表現しがたい衝撃(お母様ともどもだそうです)
  5. 常日頃その名器にかけている時間とケアの大変さ(毎朝起きて数時間は”バイオリン筋肉”を落とさないために演奏されるそうです)
  6. そして今でも音色を少しずつ変えるストラディバリウスの不可思議な力
  7. それを一人で作り続けたアントニオ・ストラディバリ(1644年 - 1737年12月18日)という人への思いと、彼への驚嘆の言葉
などなど、実に息をのむほど自分としても入り込めたインタビューでした。いやあ、今思い出してもドキドキする。写真はインタビューを終えたあとでの一コマ。今思い出すと、2007年のその時聞いたのは
  1. G線上のアリア(J.S.バッハ)
  2. 主よ、人の望みの喜びよ(同)
  3. 愛の挨拶(エルガー)
  4. 夜想曲 第二番(ショパン)
  5. ツィゴイネルワイゼン(サラサーテ)
の5曲でしたが、それは『やっと「デュランティ」と名付けられたストラディバリウスが自分の思い通りの音を出し始めた頃』(千住さん)とのことでした。彼女がこの名器と対峙し、自分の思うとおりの音を出すのに5年かかったと。

千住さんは今日本中を飛び回っている。「今は本当に海外の演奏家が来ない」と嘆いていらっしゃったのが印象的でした。千住さんは10月26日に「日本のうた」というCDを出されます。千住さんが今まで演奏してきた音楽は、そのほとんどがヨーロッパ。

しかし3.11への思いもあり、「素晴らしい日本のうたを演奏したい」とのことで、お兄様の千住明さん(作曲家)の監修で「荒城の月」「浜辺の歌」「夕焼け小焼け」などが聞ける。「千住真理子が奏でる「デュランティ」での「日本のうた」というわけです。その後千住さんは11月16日には「アべェ・マリア」を新譜として出されます。

コンサートも大きな予定があります。来年の2月22日午後7時から、東京オペラシティコンサートホールでワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団との、「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調」(チャイコフスキー)、『交響曲第九番「新世界より」』(ドヴォルザーク)などを手がけるそうです。是非行きたいと思います。

ところで、番組の紹介です。私自身は明日からロシアに行ってしまいますから、実際にその時に体を持って行かねばならない番組はお休みです。しかし事前に収録できるものは、予定通りの放送です。

具体的には、明日8日の夜10時BSジャパンの「地球アステク」は、私にとって念願だったスーパーコンピューターを扱います。スパコンについては、今年は日本の「京」が世界一(演算速度毎秒8126兆回)になって大きな話題になりましたが、今回は「地球シミュレータ」を取材対象としました。

この世界的に有名なスパコンは、2002年からほぼ2年半に渡って世界一でした。今は単純演算速度では64位。しかし重要なのは、「地球シミュレータ」は特定の目的を与えた実効演算速度では、今でも世界一、二を争う能力を依然として持つと言うこと。2009年にそれまでのシステムが古くなったので、完全バージョンアップ。私たちはそれを見せて頂きました。

普段入れないところまで入れて頂き、この輝けるスパコンのいろいろな機能を見せて頂きました。「地球シミュレータ」ですから、例えば世界的な気象情報や温暖化に関する気温変動(産業革命以前と比較しての)など「地球」に関わる演算をしているのですが、その他にも産業用の演算(飛行機の翼計算、新薬開発、タイヤの性能アップなどなど)もいっぱいしている。

膨大なデータを3Dで表現することのできる「ブレイブ」も面白いですよ。もちろん気候変動に加えて産業面での応用事例など様々なシミュレート映像もお見せします。

伊藤 洋一のRoundup World Nowは、ロシアからの放送も考えましたが、ここは人気の二人とのインタビューを組みました。私のニュース解説がなくなりますが、お馴染みの二人の方の素晴らしいお話をお楽しみ下さい。

23:23
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伊藤洋一公式Twitterアカウント

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