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2017
05/28
Sun

アメリカ孤立の証拠.....G7首脳宣言

day by day

 (06:33)ネットを探したらここにあった宣言を読んで、「あ、ここだ」と思いました。いまだかつてG7サミット首脳宣言には無かった「不一致の証拠」が残っている。

 この声明の「32」項です。随分下の方。全部で6ページしかない宣言(「39」項で終わり 伊勢志摩は31ページあった)の最後の方。ま、不一致を前の方、上の方に載せるわけにはいかない。

 「32. The United States of America is in the process of reviewing its
policies on climate change and on the Paris Agreement and thus is not in a
position to join the consensus on these topics. Understanding this process, 
the Heads of State and of Government of Canada, France, Germany, Italy,
Japan, and the United Kingdom and the Presidents of the European Council and 
of the European Commission reaffirm their strong commitment to swiftly
implement the Paris Agreement, as previously stated at the Ise-Shima Summit.」

 と書いてある。トランプ政権の孤立の証拠です。「 アメリカ合衆国は気候変動とパリ協定に関して政策見直しの過程にあり、よってこれらのトピックにかかわる合意に参加する立場にない」と。こんな文章をG7の宣言に見るとは思いませんでした。

 これに関してトランプ大統領は「I will make my final decision on the Paris Accord next week!」とツイート。つまり「来週決める」と。

 直ぐに思ったのは、「来週決められるのなら、なぜ先週、または今週決められなかったのか」と。「今大統領は勉強中だ。各国首脳の意見も聞けたし」とホワイトハウスのコーン報道官。随分アメリカも追随型政策の国になったものだ。

 板挟みなのは分かる。アメリカの労働者には「職を守る」と言い、選挙期間中は「地球温暖化は作り話」と明言。だったら迷うはずはないのに。サミットの場ではそうは言い切らなかった。多分彼自身が迷っている。

 だから「今再検討中だ」と。私は気候変動への対処は新しい職を作ると思うし、安倍さんを含めてかなり各国の首脳は説得したのだと思う。うーん、多分ホワイトハウスの中も割れている。

 パリ合意に参加するのか、それとも離脱するのか。それは今後のトランプ政権を占う上で非常に重要だ。ホワイトハウスの中の「どちらの見方がプリベイルするか」の分かれ道になるからだ。インターナショナルで行くのか、完全ドメの道を選ぶのか。バノンか、それともイバンカか。

 もし「やっぱりパリ協定に残る」となれば、バノンはホワイトハウスを去るかも知れない。もっともその可能性はどうだろう。少ないかも知れない。トランプ大統領と二日間顔を合わせたメルケル首相は、「アメリカがパリ協定の残る兆候はない」と言っている。

 とすると、ニューヨークで洗煉した東部の常識を持って育ったイバンカはどう出るか。くしくも夫のクシュナーはFBIなどの捜査対象筆頭だ。多分父親は見限らないが、ホワイトハウスの陣容が変わるかも知れない。

 恐らく192カ国・地域とEUの既に大半の主要国が既に承認した協定を「変える」「修正する」と言い出す可能性がある。その時世界はどう動くか。「修正」となれば、また大騒ぎだ。

 また来週には非常に重要なことに、コミー前FBI長官の議会証言もあるとも思える。トランプ大統領についてのヤマ場が続く。

06:54
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