(06:55)もうちょっと色々な動きに発展するかと思ったが、「急速に尻すぼみ」かな。クルドとカタルーニャです。ちょっと残念な気持ちもある。
今朝の日経によると、独立のための住民投票を強行したイラク北部クルド自治政府のバルザニ議長は29日、議会に対して11月1日に退任する意向を表明したそうな。「住民投票後の混乱」が理由だそうだ。
一方カタルーニャの情勢も世論調査の結果などから、「独立派の不利」が明確になりつつある。この週末にはカタルーニャのスペインからの分離・独立に反対する大規模なデモ(100万人が参加したとされる)が行われた。
これは以前から報道されていたが、企業が次々に本部をバルセロナなど域内都市から出ている現実もあって、カタルーニャ州内でも「独立はやり過ぎ」「スペインとの共生が望ましい」との穏健な意見が増えているようだ。
もともと「独立派」は、反対派が議場を退場したときに住民投票実施を決めたり、その投票も反対派がボイコットする中で実施された。そもそもの「投票の正統性」が問われる中での独立に向けた動きだった。
遠い二つの地域に存在するクルドとカタルーニャの分離・独立の動きだが、そもに盛り上がり、そしてともに尻すぼみの様相を呈しているのには、二つの共通の背景があると思う。
クルドにしてみれば「また国際社会から裏切られた」との思いを強くするものだ。しかし内部もガタガタだったことが明らかになりつつある。故のバルザニ議長の退任表明だ。何よりも「我々の地」と宣言したキルクークを簡単にイラク政府軍に制圧されたことが痛かった。石油がなければクルドの繁栄もない。
カタルーニャについても、彼等以外にカタルーニャの分離・独立を支持した国、国際機関(EUを含めて)はなかったとも言える。多分これはスコットランドの分離・独立の問題とも絡む。
一週間前に調べたらカタルーニャは確か700万ちょっとの国。有権者は500万ちょっとらしい。新しい国が出来ると言うことは、その煩雑さを含めて国際機関にとっては「ややこしい問題」を数多く生む。
善し悪しの問題は別にして、国境線を引き直す、書き換える、新しい国を作るというのはやはり相当なエネルギーと計算が要ると言うことが分かる。気持ちや感情だけではなかなか前に進まない。