日々のライブな情報ページ

2018
01/16
Tue

心が折れそう.......

day by day

  (21:15)先週の土曜日の午後かな。銀座の確か3丁目、中央通りと昭和通りの間にあるアイタワーに向かって中央通りの方向から歩いていたのです。そしたらワンワンと泣いている小さな、恐らく就学前の男の子が歩いてきた。とても大きな声で。

 見たらお父さんに手を引かれていて、その横には彼より少し大きい小学校低学年くらいのこれも男の子。お父さんは言葉を失ったような所在なげな顔をしていて、お兄ちゃんは顔に悔しさを滲ませていた。歯ぎしりしているように見えた。

 「ああ、獲れなかったんだな.....」と思いました。お父さんが、自分がやりたいが為に(恐らく ?)二人の子供に、「凄いのが今日から出たよ.....」「獲りに行こうよ....」とかなんとか言って。そりゃ二人の男の子は期待を膨らませる。多分お母さんはお買い物。ちょうどいいと二人をお父さんに預けた。

 しかし今回の「凄いの」は、ちょっとやそっとでは捕獲できない。PokemonGoでグラードン(土の伝説Pokemon)に続いて出た海の伝説Pokemonのカイオーガ。左右に、そして上下に動くので的が絞れない。麻雀で言えば「サンハン縛り」くらい。

 実は私も新しいのが予想外に土曜日から出たことを朝から知っていたので、「ご対面」「初対決」と思って銀座に出たついでに「いないかな....」と見たらマクドナルドのアイタワー店にいた。そしてその親子三人連れに遭遇。可愛そうだった。「小さい子が泣き出すゲームって...」と思った。

 それはちょっと悲しい話だが、先日のヒルズでのパーティーで、とっても良い話題を持ってきてくれた人が居た。子供さんが二人。お姉ちゃんと男の子。男の子は一年前までPokemonゴーをやっていたが、飽きてやめていた。

 そこに親御さんのAさんへの招待状。レアものである「ミュウツー」のレイド(戦い EXレイドという)への。ジムは近所だが週日の仕事日でAさん行けない。しかし一年前に飽きた男の子が「俺が行く」と言い出したそうな。そして訓練の上に出陣して、見事ミュウツーをゲット。

 きっと彼はドキドキしながら戦った。普通の伝説Pokemon(例えばカイオーガ)よりはとれやすくなっている。招待状が必要なので。でもミューが欲しい親父のために戦い、そして勝った。多分自信になったんだろうな。ミューの貴重さを知っているだけに。

 就学前の子供を泣かしたり、そして一つのキャラが小学生のやる気を喚起したり。その後彼はまた親父とお姉ちゃんととともにPokemon捕獲に付き合っているという。外を歩くので良いことだ。近所の地理に明るくなる。

 「仮想の力」が今の一つのテーマの私にとって、この二つはなかなか面白い話です。子供を泣かせたり、そして自信を回復したり。確かに仮想のゲームだが、とってもリアリティがある。泣いたり笑ったりの原因になる。

 時々見るNHKの番組に「ぼくらはマンがで強くなった」があるが、「漫画」とは一種の仮想なので、これも「仮想の力」と言える。人を強くしたり、人にモティベーションを与えたり。仮想にはいろいろな力がある。

 もともと人間は仮想と現実の狭間で生きているような存在だと思っているので、改めて「仮想の力」と言っても、私には違和感がある。しかし多くの人はその境界がくっきりしていると思っている。私はもうちょっと曖昧かな......と今は。

 でもね、銀座のアイタワーでお父さんに手を引かれながらワンワン泣いていた君。心配しなくていいよ。お父さんを責めないでね。おにいちゃんもガッカリせずに。だってね、なかなかカイオーガが一つも獲れなかったり、獲れても勝率が極端に悪いと嘆いている立派な大人はあまたいるのだから........。彼等は「心が折れそうだ.......」と。

 そう、書いている私も威張れない。君達だけじゃない。まだチャンスはある。

21:14
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