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2007
05/11
Fri

2007年5月11日(金曜日)

日記

退任表明が予想されていたイギリスのブレア首相は、次のような記憶に残る、そして「正直な人だった」という印象を改めて感じさせる言葉を残して労働党の党首退任、よって首相辞任を表明しました。

I ask you to accept one thing. Hand on heart, I did what I thought was right. I may have been wrong. That’s your call. But believe one thing: I did what I thought was right for our country.

This is the greatest nation on earth.It has been an honor to serve it. I give my thanks to you, the British people, for the times I have succeeded, and my apologies to you for the times I have fallen short.

何せ首相になったのが43才。10年たった今も53才の若さ。出てきたときは鮮烈でしたね。確か首相になってから最後のお子さんが出来たと思った。ご夫人も人気があった。躓いたのはイラク政策でのブッシュ支持だったと思う。「I did what I thought was right for our country」(この国にとって正しいと思ったことをした)といいながらも、「my apologies to you for the times I have fallen short」(至らなかった時に対する陳謝、反省)を口にした。

もっとも退任は6月27日であり、その間のブレア首相の日程は詰まっている。フランスに行き、アフリカを訪問し、最後の訪米をして、その間にサミットにも出席する。議会では法案通過を目指す。その7週間の間に労働党は党首選びをして、ほぼ確実にブラウン蔵相がブレア首相よりも年上の首相(56才)になる。

ブラウン蔵相は、長年ブレア首相の下で蔵相をしており、党内では政敵だったが、内閣では言ってみれば片腕だった。政策は内外ともに変わらないとみられる。しかし違うのは印象だ。ブレアが出てきたときには鮮烈な、そして若い首相という印象だったし、労働党を人気政党にした立役者で、保守党から政権を奪った人物だったが、ブラウン蔵相は「改革者」のイメージはしない。

最後はイラク戦争で躓いたが、「ブレアの10年」はイギリスがほぼ一貫して景気が良かった時代でもあり、その内政に対する評価は高いままだろう。ただし、イラク戦争に突き進んだことと関係あるのだろうが、この間イギリスは何回もテロ、テロ未遂に見舞われた。

ブラウンが首相になったからといって、イギリスが直面している問題の深さは変わらない。イラク政策の見直し、アメリカとの関係見直し、イラクからの撤退をどうするのか。そしてEUとの関係の立て直し。私が注目するのは、ドイツでメルケル政権が出来たのが去年であり、今年はこの時期になって相次いでフランスでシラクさんが代わり、イギリスでブレア首相が替わったことです。つまり、ヨーロッパ主要国の顔が全部変わった

シラクにしろコールにしろ、「自分が率いたこと」、具体的にはEUやユーロに対する思い入れは非常に強かったに違いない。ブラウンはそれを横目で見ながら、イギリスという老大国の舵取りをしてきた。ブラウン、サルコジ、メルケルの英仏独の新トップ3人が、どのようなハーモニーを、そして不協和音を奏でるかはまだ分からない。

私には、「ブラウンは何をするのか」ということ以上に、この3人の関係がヨーロッパをどう形作っていくのかに興味がある。さらにはこの3人が、対米、対日、対中関係をどう築くのか。

それにしてもイギリスのテレビは、「ブレアはまだ若い。今後彼は何をするか」といったテーマで話題を進めている。

「党内の支持がないのでクリントンにはなれない」
「ゴアと一緒に環境問題への取り組みをするのではないか」

といった。他の政策ではブッシュ支持のブレアだったが、確かに環境問題への関心はひときわ高かった。「ゴアーブレア」。確かに強烈なタッグだ。

06:28
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