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2007
05/03
Thu

2007年5月3日(木曜日)

日記

新幹線の下り上りで、「北京炎上」を読みました。面白かったな。今の中国の共産主義体制が崩壊するとしたらどういう形でだろう、その後は中国はどうなるだろうという気持ちが自分の心の中にあるから、局面局面で自分のシナリオを重ねながら読める。

中国には何回となく行っていますが、いつも「いつだろうな」と思うことがある。それは、天安門の毛沢東の肖像がなくなる時はいつか、という問題です。たぶん私が生きている間にそうなる。それには自信があるが、いつかは分からない。

しかしこの小生は2017年という年を提示する。そしてそれがいつ起きるかを大胆に予測している。シミュレーションしているのである。賛成できるところ、もっと詰めた方が良いと思うところも一杯あるが、しかし最初にシミュレーションを提示したと言うことで非常に大きな価値がある本だと思う。

今の中国の体制がいびつであることは間違いない。経済的自由を最大限許容しながら、実は政治体制は非常に窮屈。経済成長すればするほど、矛盾は拡大すると思う。その矛盾は既に、貧富の差の極端な拡大、農村と都市の戸籍が違うことに根を持つ大きな格差、そして地位を利用した官吏の汚職の多さ、そしてそれを反映した各地での暴動やスト、デモで象徴される。だから問題はいつ、どのようなきっかけで今の体制が転換するかである。

大騒動になるという人もいる。しかし東西のドイツが合体したとき、大きな衝突があっただろうか。だから私は「案外静かに進行するかもしれない」と思っている。「北京炎上」の著者は、その中間を選んだと思う。天安門事件の再発という形で。

小説としては、ナイストライだと思う。著者の今までの作品より、ハードボイルドとセクシーさがかなり入れられている。全体にバランスを欠いているところもあるが、それがまたシミュラフィクションの面を際だたせている。一気に読みました。中国の政治の冷徹さも出ている。一読をお勧めします。

00:28
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