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2016
09/20
Tue

メルケルなきEU ?

day by day
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 (09:55)>今朝の最大のニュースは「あのメルケルさんが、去年の自分の移民政策の失敗を認めた」と言うことかも知れない。もしかしたらそれは、ドイツのメルケル時代の終わりの始まりだろうか。

 英語バージョンですが、メルケルさんはベルリンでの地方選挙での与党CDU(キリスト教民主同盟 自分の党)の大敗に関連して、「If I could, I would turn back time for many, many years, to prepare better」と述べたという。

 「better」が何を意味するのかは不明だ。もっと難民施設を作っておけば良かったということかもしれないし、去年一年間で100万人以上ドイツに入った難民の数を50万人にしておけば良かったと言うことかも知れない。それは分からない。

 しかしメルケルさんはつい最近まで自分の難民政策に関して「absolutely correct on balance」と言っていたのだから、今回の発言は彼女にとって大きな方向転換だ。彼女のこれまでの主張は「 "wir schaffen das" (we can manage it)」だった。

 それを「 a sort of simplified motto」だったと反省した。あの頑固で立場を変えないと言われたメルケルさんにとっては大きな方向転換だ。党内での求心力を回復させようとしたのか、来年の総選挙に備えた戦略なのかは不明。しかし「じゃ、これからドイツの難民政策はどうなるのか」という大きな問題が生じる。これは「ドイツへ、ドイツへ」と流れていた難民の流れを変える可能性がある。

 ドイツでは最近アメリカとの貿易協定(確かTTIPと言った思う)を巡って大規模なデモが展開されたばかり。つまりドイツでもメルケルさんを中心とする「エリート層」への反発が強まっているということだ。CDUが負けたが他の既存政党が伸びたわけではない。

 伸びたのは「ドイツの為の選択肢」(AfD)という移民排斥の右翼政党です。EUにも強い疑念を持つ。ドイツでは国家財政の健全化を追求するあまり「橋、学校などインフラが酷い状態になっている」とも言われる。最近ドイツに行ってないので詳しくは知りませんが。

 「メルケルさんが直ぐに政権を投げ出す」との見方は少ない。何せ彼女には国内にこれといったライバル(首相を務められそうな)がいない。国民は全体的にはメルケルさんが好きだが(支持率は高い)、地方選でお灸をすえているとも言える。

 しかしメルケルさんが抱えた問題は大きい。去年100万人以上入ってきた難民は、その大部分は依然としてドイツ国内にいる。それを大量に本国に帰すのは今のシリア情勢から無理だ。とすると、いつか難民がらみの問題が起きれば、それはメルケルさんにとって致命傷になる、ということだ。

 「メルケルなきドイツ」「メルケルなきEU」を考えておく必要があると思う。

09:51
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