(17:33)ハードディスクを含めてかなりの部品を東芝など日本のメーカーが造っていてもipod を日本製という人はいない。どう考えてみても、アップル製であり、アメリカ製品です。同じように、ボーイング787の主翼を含む35%(バリューベース)を日本のメーカーが造りつつあると言っても、やはりボーイングはアメリカの飛行機なのです。やはり全体を構想し、その名前が機体に付くメーカーが一番偉い。
その意味で三菱重工業が推進しているリージョナル・ジェットMRJは以前から注目していたのです。それが出来て初めて日本に航空機メーカーが誕生することになる、と。5日にようやく取材する機会を得られました。MRJのサイトはここにありますが、やはり実際に薄いことがウリの椅子に座り、機内の大きさを実寸大で確認し、その天井に淡く富士山が遠近法で浮き上がり、車内の光が和室の雰囲気であることを確認するのは別格でした。ライトボタンなどはポップ調で良かった。
戦後の日本は船でも、自動車でも新幹線でも、実にうまく動くものは造ってきた。しかし空を飛ぶ飛行機とロケットだけは様々な制約からこれまで大きく成功したとはまだ言えない状況。YS11も成功とは言えない。
そういう意味では、カナダやブラジル、ロシアや中国のメーカーに互して、日本のメーカーが売れる100人乗り以下のリージョナル・ジェット市場(例えば成田ー香港など)で羽ばたけるかは、大きな関心対象でした。
聞いてびっくり。いかように数えるかにもよるが、MRJの部品の数は100万と聞いた。現在主流の内燃機関の自動車の部品の数は3万と言われる。MRJクラスの飛行機でも、そういく意味では非常にすそ野の広い産業です。それが、1000機、2000機と売れていったときの波及効果は凄まじい。
三菱重工さんにはいろいろ見せて頂きましたし、解説もして頂きました。MRJの開発状況、受注状況、そしてターゲット。それにボーイング用に造っている機体の一部も。おまけにH-ⅡAなどの製造現場も。日本でもちゃんと航空・宇宙産業が育っていることを確認できたことは良かったし、嬉しかったですね。
それにしても、名古屋の飛島村というところにも移動したのですが、ここは凄い。見渡す限りの工場地帯、コンビナート。サイトで解説を読みましたが、村役場のすごさは地の運転手さんが言っていた。飛島を移動していると、日本の産業力の凄まじさと、将来の「産業遺産」を思ってしまう。
なお今回のロケの果実は来週火曜日の関西テレビ・アンカーで放送されます。残念ながら東京など非関西圏の方は見ること不可です。改めて思うが、現場はいい。