日々のライブな情報ページ

2017
09/21
Thu

NYダウ、史上最高値を更新.....FOMC受けても

day by day
EOF; } ?>

 (04:15)声明全文を読んで私が最初に思ったのは、「その後のドル・円の112円台、ニューヨーク株価指数の最近の高値からの反落、そして米指標10年債の2.287%への上昇は、いずれも声明の内容を素直に読んだ場合の妥当な当初反応だ」というものだ。

 いずれの相場の動きもまだ引けまで1時間弱を残しての反応だが、印象としては「(FOMCは)利上げ継続の意向を変えていない」。附属資料の中のドットチャートで見ると、今年末のFF金利水準の予想は、16人分の有効投票者の中で12人は「年内の利上げ」を見ている。これは「年内は利上げはないのでは」との見方に傾いていたマーケットにはちょっと驚きだっただろう。

 しかし一方でFOMCは2020年末の長期FF金利見通しに関しては、前回まで3.0%に見方が集まっていたのが今回はかなり下方にばらけて、ウォール・ストリート・ジャーナルなどの分析では「2.85%前後に収斂した」との見方になっている。

 今回のFOMC声明を見ながらやや長期的には、「年内はもう一回やって年3回、来年も年三回、2019年は年2回、そして2020年には年一回の利上げになるのではないか」との見方も出来る。これは過去の米利上げ局面から見ると非常にスローペースだ。

 「なぜスローペースになるのか」については、アメリカのインフレ状況は今後とも穏やかなものにとどまる、との見方が出来るため。その点に関してはFOMCも見方を収斂しつつあると言える。しかし問題は「どの程度穏やかなのか」という点だ。

 FOMC声明はインフレに関して「Higher prices for gasoline and some other items in the aftermath of the hurricanes will likely boost inflation temporarily; apart from that effect, inflation on a 12-month basis is expected to remain somewhat below 2 percent in the near term but to stabilize around the Committee's 2 percent objective over the medium term.」と述べる。

 「中期的にはアメリカのインフレ率は2%近くになる」との見方を変えていないのが印象的だが、その点に関してFOMC内の意見がきっちりと収斂しているのかどうかは不明だ。今回の「金利は据え置き」「10月に資産縮小を開始する」との決断に関して異論を唱えた人はいなかった(反対論ゼロ)というに過ぎない。

 結局は「12月の利上げがあるのかないのか」を含めて、「今後の展開次第」ということだろう。しかし日銀のインフレ目標2%維持とあわせて考えると、「世界の中銀が依然として2%のインフレ目標に拘泥している」と思える。

 では今後のアメリカ経済。ハリケーンについての考え方「Hurricanes Harvey, Irma, and Maria have devastated many communities, inflicting severe hardship. Storm-related disruptions and rebuilding will affect economic activity in the near term, but past experience suggests that the storms are unlikely to materially alter the course of the national economy over the medium term.」は恐らく正しい。しかしこれは今後見守る必要があるし、マリアの次には来ないのかどうかもある。

 FOMCの「利上げへの意欲」、敢えて言えば「するつもり」を感じる文章は「Consequently, the Committee continues to expect that, with gradual adjustments in the stance of monetary policy, economic activity will expand at a moderate pace, and labor market conditions will strengthen somewhat further.」だ。つまり徐々なる利上げにアメリカ経済は問題なく耐えられる。だから「今後も上げるよ」「様子を見ながら」という事だろう。

 しかしこの文章から「強い意志」を感じる事は出来ない。マーケットはその点を迷っている。小反落したダウ指数はその後プラス圏になったり(あとで書くが)....で、ドル・円も再び高値から反落している。

 リーマンショック後から続いた超緩和政策の終了を意味する資産(4.5兆ドル)縮小に関については、最後の方に短く。「In October, the Committee will initiate the balance sheet normalization program described in the June 2017 Addendum to the Committee's Policy Normalization Principles and Plans.」と。粛々と行う、という意味でしょう。

 最後にニューヨークの引けを入れておきます。ドル・円は112円291銭、ニューヨーク株ではダウとSPが史上最高値を更新して、ダウは40ドル強上げて22412.59ドル、SPも小幅上げて2508.24。Nasdaqは5.28ポイントの小反落。ニューヨーク・ダウの22400ドル台は無論初めて。指標10年債の利回りの引けは2.264%。(尚引けはいずれも暫定の可能性あり)

 つまり総じて言えることは、FOMCは利上げ継続の意向を示したが、マーケットは「本当か?」と疑問視していると言うこと。つまり「ゴールディロックス」環境は変わらない、とマーケットは理解している。

05:36
EOF; } ?>
ページの先頭へ
twitter
伊藤洋一公式Twitterアカウント

サーチ


カテゴリー


最新の記事

カレンダー

キーワード