2006
12月

2006年12月の日記

日記

2006年12月31日

 (09:24)むろん、ニュースとしては「フセイン処刑」の方が大きいし、これによってイラクの安定がもたらされるとは思えず、より一層の混乱が予想されるのですが、記事としては日経の「ファミリー経済」の「ブランド店 なぜ増える?」が面白かったな。

 というのは、今年最後の忘年会が30日の夕方からあったのですが、ちょっと早く着いたので中央通りを1丁目から8丁目までをぶらぶら歩いたのです。そしたら、2丁目の当たりですかね建設途上のところがあって、そこに「ブルガリ」の字が見えた。

 「またブランド店か....」と思って、「どうしてこんなに出来るんだい...」と思っていたのです。記事はまさにこの問題を扱っている。だってそうでしょう。ブランドショップが、それも非常に大きな旗艦店的なショップが増えているのは、銀座ばかりでなく青山も大阪もそう。多分名古屋もそう。つまり増えている。

 購買層が日本国内でも拡大しているのは分かる。しかし「供給過剰では」と思っていたのです。しかしこの記事を読むと、中国や韓国からの顧客の増加が「不動産取引の活発化」の次に挙げられている。まあそうなんでしょうね。銀座を歩いていても、非日本語の会話が頻繁に聞こえる。海外から買い物に来ている人が多いのでしょう。

 「円安」が理由になっているのも面白かった。相場は波ですな。円高で「日本が高い」と言われたのは今は昔ですか。韓国のウォンは確かに上がっている。中国の元も上がっている。もっとも円安になっているのは対欧州通貨やオセアニアなのですが、その辺の人々にとっては日本が遠すぎる。ついでに観光客も増やしたいのに。

 でもね、まだ増えるんですよ。六本木には、ミッドタウンが来年の春に出来る。あそこにも名だたるブランドショップが並ぶでしょう。まあ理由は分かるが、私はちょっと供給過剰かな、と思っているのです。

 そうこうしているうちに、今年最後の一日ですか。まあ最後というのは人間が勝手に決めた仕切であって、その他の声明にはいつもの連続なんですが、でも区切りであることには間違いない。いろいろあったような、なかったような。

 ベット・ミドラーの「Experience the divine」というアルバムの最初の曲は「Hello in there」という彼女としては非常に静かな曲であって、その中に「all the news just repeat itself」という歌詞がある。長生きしていると、どのニュースも「ああ、昔あった」と思えるようになると言う意味でしょうか。

 「いじめ」とかは、多分昔からあった。それが大きく取り上げられた側面を持つ。飲酒運転もそうかな。だからと言って深刻なことには間違いないが、人間が昔から引きずっている問題というのは根が深い。対処も複雑になると言うことです。「いじめ」は特に一時の高揚で単純な解決策を施したら、あとあと大きな副作用が生じるような気がする。

 今でも思うのは、あらゆる動きやニュースは新しい側面、新しい背景を持っているということです。「all the news just repeat itself」とはとても思えない。今年行きたくて行けなかった国も多い。ロシアとか南米とか。来年は機会があったら行きたいと思っているのです。もうインドはしばらくいいかな、と。インドの本は一月早々に出ます。行くとしたら、2年後でしょうか。

 本と言えば、年末年始に読もうと思って銀座で三冊買いました。

 「インテリジェンス 武器なき戦争」
 「東京タワー オカンと僕と....」
 「ローマ世界の終焉 ローマ人の物語最終章」

 最初の2冊は結構簡単に読めそうですが、最後の一冊はちょっと難物です。でも塩野さんの膨大なシリーズの最後の本ですから、どうしても読みたい。今年もこのサイトの読者の方大勢からメールを頂き、多くのことを学ばせて頂きました。今年の特徴は、ipod のポッドキャストを聞いています.....という方の増加でしょうか。海外からのメールもたくさん頂きました。来年も毎週3〜4本がリリースされます。常に新鮮でいたいと。

 今朝は朝起きたらもうやじプラの特番が始まっていて、2時間くらいに編集されるのかと思っていたらえらく長時間やるようですな。お袋のところに行くので、私も全部は見られない。

 夜はテレビ東京系列の「ガイアの夜明け」が面白いと思います。元旦一番、つまり零時を回ったところでは是非日経CNBCの「経済塾」を。、元旦の夜は午後10時からのNHKのBS1「地球特派員」が面白いと思います。ラジオは元旦から4日まで、森本毅郎スタンバイをお楽しみに。ポッドキャストの第一弾は、日経ビズで元旦の午前11時です。

 それでは、皆様には良い年末年始をお過ごし下さい。

2006年12月29日

 (23:35)途中からでしたが、久しぶりに赤坂プリンスでのテレビ東京での忘年会に出ました。毎年何かあったり、海外に行っていたので何年ぶりでしたかね。

 懐かしい人と何人か会いました。邦銀を辞めて外国証券に転職した人、ラジオ局を辞めて証券会社に行った人、引き続き外資で株価の予想をしている人。テレビ東京のディレクターやアナウンサー。

 この忘年会の一つの楽しみは、どうやら最後に当たり(ウィーとかプレステ)が当たるくじ引きらしい。私も途中までいたし、kanbeiが富山に帰る際に残していった券も持っていたので当たるかと思っていたが、途中で時間切れでそれもパス。その後どうなったのか。

 この忘年会は日時もよく考えられている。29日の午後。午前中に取引が終わって、取引関係者が参加しやすい時間帯。何人かの人と来年の予想を話し合いましたが、意見がそれぞれ違って面白かった。

 番組的にもラジオを含めて「来年の予想」というのを何本かでやりました。為替が一番多かったのですが、株式、債券、そして来年の日本と世界の経済予測。予測はいつでも難しい。私が一番今気になっているのは、世界的な過剰とも思える流動性の行方です。

 この「過剰」というのも難しい。何をもって「過剰」というのか。ただ過去からの経験から「多すぎるのでは」と思っている可能性もある。まあでも結局、予想外のことが起きるから、そして時々断絶とも思える激変があるから生物も世界も変わってきていると言える。来年もいろいろなことが起きるでしょうな。

2006年12月28日

 (23:35)流れというのは早い。はっと気がついたら、自分の周囲にもうかなり指紋認証(生体認証の一種としての)が増えていることに気がつきました。USBメモリーもそうだし、PCもそうなった。

 確かに便利です。指紋も読み間違えてオープンしてくれないことはあまりない。そして他の人がやったら絶対に認証しない。これは凄いことです。指に怪我した場合に備えて、暗証番号でも認証できるようになっているので、二重の管理ができる。来年はもっと革新的な認証手段が生まれそうで、そうなると安心度が増す。今まではUSBメモリーを持って歩くのは結構気を遣いましたから。

 それにして、都内は今日が最後の人出なんでしょうな。昨日よりはかなり少なくなっていますが、29日は激減でしょう。私も今年はどこにもいかないで東京にとどまるので、それはそれで計画を立てて、有意義な正月にしようと思っていますが、まだ年賀状も出していない状況ではなかなかうまく予定を立てられそうにない。

 そうそう武士の一分をみました。なかなか良かったですよ。加世役の壇れいという女優に興味を持ちました。いままであまりいないタイプの女優で、なかなか良かった。はやくバベルを見たいのですが、なかなか来ない。

2006年12月27日

 (22:35)地震のあった台湾周りの回線が不調だそうで、ネットも調子が悪いサイトが多い。特に香港のサイトが重い。インターネットもまだまだ脆弱ですね。

 auのショップでW03Hをゲットして使い始めています。最高2ギガ以上が出るそうで、確かに早い。料金がエアエッジのように固定じゃないので、使った場合にどのくらいの料金になるのかは不安があるが、とにかくスピードがあるのが良い。

 新幹線の中でも非常に安定しているそうで、そういう意味ではロケフリを使えば新幹線の中でテレビがもう見られる可能性がある。まだ試してみませんが。まああの静かな車内なので、音は出せないでしょうが。来年はそれを試そうと思っています。

 昨日はあれだけ雨が降って天候が悪かったので、皆さんお帰りになると思っていたら、繁華街は凄い人出。タクシーを拾おうと思っても拾えない。結局家に帰るのが非常に遅くなってしまった。80年代の後半を思い出しました。28日もその可能性がある。

 新聞も薄くなって、そろそろ年末も押し迫ったという印象です。

2006年12月25日

 (25:35)年末はどうして音楽が聴きたくなるのでしょうか。昨日も「混んでいるかもな」と思いながら、Body and Soulに。結構なビッグバンドが編成されていて、なかなかよかった。ちょうど良い席も空いていて。

 その前に3人で食事をしたキッチン5の優子さんが、倒れそうだったのが印象的だったな。いつもは日月と休むのに、クリスマスと重なって今年は先週からずっと働きづめだったらしい。まあ今日から休みですから、ちょっと楽になるのでは。彼女はまた年始からしばらく海外に行く。ええなーー。

 私もここ数年は毎年年末年始は海外に行ってきたのですが、今年は全く短くなってしまって動きがとれない。30日まで何かあって、4日の早朝から。こりゃ無理だ、と諦めました。久しぶりにおせちでも食べようかな、と。

 昨日の午前11時にリリースされた今年最後の日経ビジネストレンドでは、今年の「私の気になった5つのトピックス」に関して、以下を挙げておきました。ディレクターが余計なことを言って、「いや、今までで一番良かったです....」と。やっている方は、「そうかな」と自信がないのですが、客観的に聞いている人がそうならそうなんでしょう。ダウンして聞いて頂ければ幸甚です。

 日経の佐々木さんと話をしていたら、なんだか私のポッドキャストは月間30万ダウンロードくらいあるそうで、相対的比較感が私にはないので分からないのですが、なかなか多いそうです。来年も続けます。

  1. インフレが起きなかった(世界的な資源価格の上昇にもかかわらず、長期金利も上がらず)
  2. 世界的な格差拡大論の高まりにもかかわらず、解決の方程式が見えず
  3. そうした中で、実は今が日本の人口の当面のピーク。今までのシステム変更が急務に
  4. IT技術の浸透による成熟産業の大化け
  5. 中国、インドなど新興国の台頭とアメリカの支配に陰り

2006年12月24日

 (25:21)今有馬のVTRを見ました。まるで二段ロケットのように他の馬がへたったころに伸びるあの強さ。やはり、日本の競馬の歴史に残る馬だと思いました。乗っていて気持ちよいだろうな、と。後ろから三番手、四番手にいるのにコーナーですっと上がってくるあのスピード感にも感服。

 それだけに凱旋門賞の失態が残念です。どういう経緯かは最後は分かりませんでしたが、もうちょっと気を付けてやれば良かったと思う。馬の汚点ということはないが、もっと盛り上がった有馬記念になったような。

 単勝の馬券はむろん換金せずに残します。馬連の相方のメイショウはちょっと重かったように思う。それにしても、たまにしか競馬を見ない人間としては、スイープの嫌がりようが面白かった。スタートも一番遅れていました。

 直接見られなかったのは、天王洲スタジオで午後2時から収録だったため。武田鉄矢、酒井和歌子、残間里江子各位とゲストで。MCは池上彰さんとTV東京の塩田真弓さん。私はどちらかというと、「勝手にくくってくれるなよ」という印象を持つ堺屋太一さん発明の言葉について。まあでも、歳からはそういうことです。

 いや、トークは面白かったな。特に武田鉄矢さんが。いろいろ苦労してきた人なんだな、と。学校の先生になるための学校に行っていたというのは、そういえば昔彼がテレビに出ているときに聞いたことがあるような。金八先生そのままです。彼の奥さんに対する言葉が面白かった。

 酒井さんは初めてお会いしましたが、ええとこのお嬢様のまんまという印象。残間さんとは以前新幹線の中でお会いした。饒舌な、しかし非常に面白い方です。収録時間はこれも午後2時から午後6時前までと4時間に及びましたが、まあ2時間番組ですからそんなところでしょうかね。

 大晦日の午後9時30分から、テレビ東京系で紅白の裏番組として2時間に渡って放送されます。

2006年12月22日

 (25:21)ははは、htmlを10年も扱っていて、こんなことに今気が付くとはお恥ずかしい話です。

 何の話かというと、リンク先をどこに表示するかの違い。今まで「<a href="  " target="other">文字</a>と「<a href="....html">....</a>」をあまり区別なく使っていた。つまり「"target="other"」があるかないかの差です。

 多分htmlの本を読んだときに一端は覚えたのでしょうが、その後すっかり忘れていた。こうしたタグはatok に覚えさせていますから、「りんく」と打って変換して出てきた方を使っていた。あまり意識せずに。

 しかし最近「直ちに画面の前面に出てくるリンク先と、下のバーに入ってしまってその度に操作しなければならないリンク先があるのは面倒だ」ということが気になりだした。今まではその度に上に上げていたのですが。そこでやっと、「これはhtmlの差かもしれない」と、ソースを見てみたのです。そしたら見事に下のバーに入るリンク先のタグには「"target="other"」が入っていた。で、それを置き換えで全部「"target="other"抜き」にしたのです。

 コンピューターや通信関係は、常にいろいろな問題が起きる。自分で忘れていたこと、分からなくなったこと。まあ問題が起きるから改めて考えて、「これはこうだった」とか、「もしかしたらこれはこう」と考えるので良いのですが、例えば最近家の光フレッツが時々繋がらなくなる。「どうしてだ」と思って、NTT東の光フレッツ担当に電話したら、向こうからも回線を調べてくれて、「ルーターを一度10分ほど電源を落として下さい」と。

 その通りにしたら、今度は順調にデータを拾うようになった。まだまだシステムにはいろいろな問題がありますよ。接触が悪くなるケースもある。例えば、私が使っているプロバイダーではメールの incoming は非常に容易だが、ジャンクメール防止システムの影響もあるのでしょう、私から見てoutgoing のメールがしばしば順調にはいかない。FTPもそうです。

 また最近もリンクのページの構成を少し変えた。それはあまりにもグーグルをよく使うので、今までよりグーグルのバナーを上げたのです。いままではラップトップではグーグルを使うときにスクロールダウンしなければならなかった。

 まあいろいろありますよ。でも思うのは、人間時々トラブルに巻き込まれた方が、「ああ、こういう問題があった」と考えると言うことです。コンピューターや通信にあまりトラブルがないと、「これは何だっけ」と忘れてしまう。トラブルが発生すると勉強になる。

2006年12月21日

 (25:21)タクシーの中で、運転手さんとちょっと一笑い。何かというと、左に紙を持ち、右手で携帯電話を掛けている人の急増。

 確か麻布10番の交差点だと思った。まさにその格好をした人が二人ほど。どういう人かというと、多分忘年会なんでしょうな。会場をPCのメーラーからプリントして手に持ち、「近くまで来ているが分からない」状態。で取り出すのが携帯電話。上を見つめて店の人と話している。何があるか、どちらに向かって歩けば良いか。

 実際の所、この時期は「紙を持って歩く人々」が急増する。正確な地図から、不正確な地図まで。使い終わればこれらの地図は使い捨て。可哀想に。それにしても、21日と22日は11時を過ぎたらタクシーが拾えなくなる。22日金曜日に忘年会の人は気を付けてくださいよ。

 そういう私も、木曜日は「打ち上げ」でした。総勢5人で、松井を心から応援する会の。なにせ、今年はシーズンの大部分を松井は休んでいた。ブログに誰が一生懸命書いたの、書かなかったのから始まって、投手陣の話、ここ数年ヤンキースが優勝できないのは誰の責任か、と言った話。面白かったな。好きな連中の集まりですから。

 情報として、松井はオフで日本に帰ってきて以降、女性を連れて都内某所に出没しているとの情報をゲットできたことかな。どういう女性かは不明でしたが。私は今年の松井の課題として、差し出がましいのですが「結婚」を挙げました。もうそろそろ固めた方が良い。なにか優柔不断なんだよな。

 川崎とイチローはキャッチボールで始動したとのニュースがあったが、松井は日本に帰ってきて何をしているのやら。最後は全員で広尾日赤の前の店で軽くワインを飲んで解散。来年も早々に会合を開こうと思います。今年は井川も入った。レッドソックスもヤンキースも強い状態。

 結論から言うと、「だから今年は勝てる」とう結論には達しなかった。ランディーもムッシーナもちょっと危なくなってきている。若手の投手とA-ロッドの出来が大きいという話し。

2006年12月20日

 (25:21)ある人が、「今一番になっていますよ」と教えてくれたので見たらそうでした。まあ、皆さんの支持(ダウンロード)が多いと言うことはよいことです。やっている私としても、嬉しい。

 何のことかというと、itune store の podcast のビジネスの部門です。音楽系とか新規登録が上に来る今の傾向の中では、もう長くやっている私の2本のポッドキャストは全体での順位はそれほど上ではないのですが、セクションを「ビジネス」に限ると、以前から健闘していた。確か2位とか3位が多かった。

 しかしそれがここ数日に、1位に「伊藤洋一のビジネストレンド」が、5位に「伊藤洋一のRoundup world now」が入っている。常に上下するものですからあまり気にもしないのですが、より多くの人に聞いてもらえるということはよいことだと思っているのです。「伊藤洋一のビジネストレンド」は全体で15分くらいですかね、よく海外から「毎回聞いています」というメールをいただいている。多分、ダウンして車の中とか電車の中で聞いておられる人が多いのでしょう。

 「伊藤洋一のRoundup world now」は30分前後はある。これは一つのテーマに限らず、ニュース解説と3本くらいのテーマを分けての解説。ここでもメールをしばしば頂いています。今はメディアは数多い。それをどうやって使い、何を視聴者、読者に届けるかということのアイデア勝負の時代です。

 やっていて、podcast は新しいメディアとしては非常に浸透性が高いと思う。世界中どこでも好きなときにダウンできて、好きな場所で聞けるというのが良いのだと思う。

 まあ、これを励みに podcast も良いものを作っていきたいと思っています。

2006年12月19日

 (25:21)まあそうなんでしょうな。これだけ消費と物価の指標が利上げをまっとうに正当化してくれない状況では、日銀としてもリスクは取れないということになる。しかし、「利上げをしないデメリット」というのも大きいんですよ。預金金利は低いままで、預金者には何らメリットがない状況が続く。円安は進む。

 日銀が利上げしないうちに、仮にアメリカの景況が悪くなって利下げ局面に入ったら、日本の利上げはそれだけ世界市場への影響力が強くなってしまう。今年も日銀が量的金融緩和、ゼロ金利解除をした段階で、世界の金融市場は大きく乱れた。最低金利の国が利上げするというのは、以前からそうですが世界の金融市場を動揺させる。ま、来年早々には利上げをしないといけないんでしょうね。だいたい0.25%では、下げ余地が少なすぎる。

 日経CNBCから連絡があって、サイトが立ち上がったと。綺麗に出来ていますね。放送は12月31日から連続的にということで。今年の春に続いての第三回、第四回。ずっと続くと良いと思います。

 火曜日なので大阪に来ていますが、また良い店を教わりました。肉料理 神谷(カノヤ)は既に紹介しましたが、そこですき焼きに加えて野菜ソムリエの方が作ったカレー味のピクルス(ブロッコリーと人参で、良くできていました)を頂いたりしながら吉富さんといろいろ話していたら、ひょっと「ジャズ」の話になった。

 彼が「いい店がありますよ」ということで行ったのが、近くの「NOUVEAU」(ヌーボー)。大阪でジャズの店に行ったことがあるのは、大阪駅の近くのブルーノートだけでしたから、「興味あり」ということで歩いて。

 面白いシステムでした。大石さんというマスターが育てた印象がする店で、客も歌えるし、また楽器を演奏できる。私たちが居た1時間ちょっとの間に、お客さんの中から男性二人と女性一人が歌い(なかなかうまい)、一人がドラムを受け持った。もちろん、ピアノの大石さんが中心で、それに店のママさんが中心的に歌い、加えてまだ19才の才能溢れる若手女性シンガーが歌うという仕組み。

 店の雰囲気もこなれていて、楽しかったな。東京で私がよく行くBody and soulとは違った雰囲気がある。また行きたい店です。ちょっと音楽には全く関心のないような大人数のグループが入っていたのが残念でしたが。ああいう店は、せいぜい2〜3人で来て、演奏が始まったら少し静かにして欲しいな、と思いました。

 「NOUVEAU」は大阪市北区曽根崎新地1-8-3のビルの2階にある。電話は、06-6341-0348。

2006年12月18日

 (25:21)午後8時から始まって終わったのは零時過ぎ。また4時間という長時間収録。NHKに入ったのは午後6時過ぎですから、拘束という観点からは6時間。

 実は長時間収録は、過去3日間で2回目。土曜日にはテレビ朝日のそれがあった。これは実質収録時間はもう忘れましたが、6時間以上あったと思う。「打ち上げやりますが」と言われましたが、土曜日は失礼しました。ははは。

 でもNHKのBS1の収録は面白かったな。テーマが決まっているし、実際に自分が取材にアメリカ、メキシコ、それにインドに行っているし。討議参加者が4人で比較的一人一人がしゃべれる時間があったし、討議のルールも明確だった。この番組は正月元旦の午後10時からNHK衛星放送(BS1)でニュースを挟みながら2時間放送されます。

 それにしても、今年は私の目から見て興味ある一年でした。月曜日にある文章を書きながら、次のような特徴を指摘しておきました。

  1. 原油価格が急激に上がったにもかかわらず、世界経済はインフレにもならず、従って各国共通の政策金利の大幅引き上げもなく、経済成長はどの国際機関の予測でも5%弱の高いレベルを維持しているし、当面その状態が続きそうだ
  2. 石油を含めて資材価格の上方を背景にインフレ懸念はあるものの、長期金利は世界的に安定した水準を続けており、それは先進国であるアメリカ、欧州それに日本で顕著である

  3. アメリカのように金利がインバージョン(長短金利が通常の順鞘でなく逆転した状態)になって、通常なら「リセッション」を予感させるような状況なのに、来年のアメリカ経済も2%を上回る成長が続きそうで、「弱い」と言われている割にはしっかりしている

 つまり何かが変わってきているのです。なぜそうなっているのかは私にはアイデアがありますが、まあこのコーナーで書くようなことではない。しかし面白い問題がいっぱい詰まっている。年末はこの新しい動きを見ながら、「来年がどうなるか、その先は」をある程度考えをまとめながら過ごせたらな、と思っています。収録は24日にもあと一本あるんですがね。

2006年12月17日

 (23:20)この本を読み始めたら、二度ほど電車を乗り過ごしそうになってしまいました。調べに調べた本だし、ファイルの真新しさ故に迫力がある。調査本のパワーといったところでしょうか。

 まだ全部読んでないのですが、だからといって今の日本テレビがどうのこうのということではなく、設立の際の意図が「そうだったかもしれない」という地点からは大きく外れて会社自体は展開している。しかし「日本テレビ放送網」の「網」の持つ意味などは面白かったし、戦後の日本にそういう戦勝国の意図が働いていたかも知れないとは容易に想像が付く。

 憲法の問題もそうですが、そういう意味では一種の「軛」が戦後の日本にはあった。もうかなりの程度外れていると言えるが、しかし残っている軛を外そうという動きは当然出てくる。それは歓迎すべき事なのですが、問題はそれがどういう方向で外されるのか、という問題です。ま、本を全部読んでからまた印象を書きたいと思う。

 新聞記事では、日経の「経済論壇から」が面白かった。「問題と対峙、脱パターンで」というのですが、「問題が事件として表面化すると、特定の犯人(悪玉)を見つけて一斉に叩くのがメディアの得意とするパターンである。しかし、それでは問題解決につながらない」というのは事実で、「その熱狂のもと、本質的な改革とは程遠い制度が作られている」、そうして出来た制度がまた別の問題を孕んで、多くは無用の長物になっている面も確かにあるのでしょう。

 しかしだからといって問題が起きたときにある程度の熱をもって問題を論じるのは意味があるし、その中でこそ新たに出てくるファクトいうのはあると思う。しかし、この記事が指摘しているように問題解決が「パターン化」しつつあるし、終わると直ぐに風化してしまっているのも実際のところだ。

 いじめの問題を考えると、「いじめをなくす」ことは必要だし、それから起こっている悲劇を繰り返すべきではないと当然思う。しかし、学校の実体が実は「いじめのロシアンルーレット化」している現状では、「いじめた子は別教室」という現在考えられている方法を実施すると、また別の問題が生じるとも考えられる。

 例えば、何をもって「いじめた子」と判定するのか、また誰が。教師だとすると、親との関係はどうなるのか。また、別教室に入れた子をいつをもって子供を通常教室に戻すのか、その子には「別教室行き」のレッテルが貼られてしまうのではないかという問題、「見て見ぬふりをしてもいじめ」と言った場合は、「あとで意見を言おう」と思っていた子はどうなるのか、など限りなく新たな問題が生ずるし、そこには事細かな基準が必要になる。

 実際に大人の人間社会も子供の社会も実に複雑系で出来ているわけで、単純な施策を当てはめることはかえって新たな問題を生むし、恐ろしい管理社会を想定しないとすべてをなくすると言うことは出来ないような気もする。だから、制度設計というのは慎重に、そして冷静にやるべきなんでしょう。

 まあそういう思いを残しつつの年末なんですが、そのためにはいろいろな問題を日本全体としても、個々人としてもゆっくり考える時間が必要なんでしょうね。忙しさにかまけて忘れている考える時間を少し取り戻さないと、とも思います。

2006年12月16日

 (13:27)ノロウイルスって「変な名前だな」とずっと思っていたのです。名前が「のろのろ」した感じだし。今日TBSラジオを床屋さんで聞いていて、初めて「ああ、そうだったのか」と思いました。

 行きつけの我が家の近くの床屋さん。もう長く通っているのですが、入っていったらTBSラジオの永さんの番組をやっていた。と思ったら、知り合いの崎山記者が出てきてノロウイルスの説明を始めた。彼はスタンバイにもちょくちょく出るのですが、実に物知りだし、よく調べる。

 彼の話で一番面白かったのは、その名前の由来。オハイオ州のノーウォークという街の小学校で最初発見されたので、Norwalk virusと呼ばれ、その後見つかったウイルスは「norwalk-like virus」と呼ばれていたのだそうです。それがつづまって「ノロウイルス(norovirus)」となったと。彼は「サポウイルス(sapovirus)」の話もしていたな。「札幌ウイルス」から来ているらしい。似ているがちょっと違う。

 彼の話を聞いていて分かったのは、「これといった撃退法」はないということです。予防接種もできないし、注射もない。肝心なことは、感染者に接近しない、牡蛎や海の貝類を生では食べないなど。あとは、体力を保ち、衛生意識を高く保つ。wikipediaを調べたら、

 最初は1968年、米国オハイオ州ノーウォークの小学校において集団発生した胃腸炎の患者から発見され、1972年に電子顕微鏡によりその形態が明らかにされたウイルスが「ノーウォークウイルス(Norwalk virus)」と名づけられた。この後、このノーウォークウイルスとよく似た形態のウイルスによる胃腸炎や食中毒の例が、世界各地で報告され、それぞれその土地の名前を冠して呼ばれた。
 とある。うーん、この前寿司屋で貝類を食べるときに一瞬考えたが、「ここは大丈夫だろう」と食べてしまった。ま、注意はしますがね。ところで、昨日はある場所で、クリオネを知らないと言ったら、異人種のように思われてしまったな。絵を見て、「そう言えば、見たことあるな」という程度なんですが。

2006年12月14日

 (23:27)明日の発表になるんでしょうが、松坂は決まりなんでしょうな。個人的には、「アメリカの交渉はこんなもの」と一時強まっていた決裂説をまったく信じていませんでした。代理人も、西武も、ボストンも、そして大リーグで試合をしたい松坂も、交渉決裂は望んでいない。

インド服の初披露 関心があったのは条件で、1000万ドルに乗るかな....ということろでした。今ボストンのマスコミで流れている60億円とか70億円とかは、ちょっと届かないかもという数字。しかし、裏があるかもしれないし、出来高払いもあるかもしれない。期間は6年と言われているが、フリーエージェントはどうなっているのか、興味は尽きない。まあ明日には明らかになるでしょう。

 それにしても、岡島も、そしてもしかしたら桑田もレッドソックスに行くか、行くかもしれない。レッドソックスは急に日本人選手を数多く抱えるようになった。アジア戦略の一端と言えるかもしれない。松井との対戦も楽しみだな。日本での過去の戦いは、松坂の優位だと思った。

 ところで、年末は収録が多い。昨日はCNBCの特別番組の二本撮り。ははは、やはりいつもはナマを一本という感じでやっているので、ちょっときつい。終わったらもう元気になりましたが。またシノビーにも参加してもらって。彼の所に全員写真があるので、私は二人写真を。

 何を見て頂きたいかというと、前々回インドでおもしろがって作ったインド服です。メジャリングをして、チャタルジーさんに送ってもらったのです。それほど高くなかったな。せっかく惚れ込んだ国だから、着るものもと思ったのです。

 そういえば、この服を今度の本に載せる手もあったな、と思っています。ははは、半分冗談ですが。昨日収録した番組の放送予定は、以下の通りですが、要するに2007年の年初早々からの放送と言うことになります。お楽しみに。

2006年12月13日

 (06:27)FOMCは10月の会合時より少しアメリカ経済に対する認識を「拡大ペース鈍化警戒型」に変更する声明を発表して今年最後の会合を終えました。しかし予想通り、FOMCはFF金利の誘導目標は5.25%で据え置いたし、年初の高いレベルからの経済成長ペースの鈍化は進行しているが、今後まずまずのアメリカ経済の成長は「数四半期に渡って」(over coming quarters)続くとし、「この先、直ちに利下げするような環境ではない」と市場に示唆しながら会合を終えた。

 具体的には、変更されたのは声明の第二パラグラフ。前回

 Economic growth has slowed over the course of the year, partly reflecting a cooling of the housing market. Going forward, the economy seems likely to expand at a moderate pace.
 となっていたのを、以下のように変えた。
 Economic growth has slowed over the course of the year, partly reflecting a substantial cooling of the housing market. Although recent indicators have been mixed, the economy seems likely to expand at a moderate pace on balance over coming quarters.
 付け加わったのは、住宅市場の冷え込み(cooling)に関して、今回はsubstantial という単語を入れて、住宅市場の冷え込みが大幅であることを認めたことと、前回「先を見れば」(going foward)と景気(または指標)に関する注釈なしで済ませていた部分を、「Although recent indicators have been mixed,」(最近の指標は強弱まちまちながら、)という形で現状の経済指標がまだら模様であることを認めたこと。つまりこの二つは、「住宅市場のクーリングが大幅であり、最近の経済指標はまだら」と米経済の先行き成長ペース鈍化のリスクを指摘してると言える。

 しかし、FOMCはその後にこのアメリカ経済の成長歩調に関して重要な時間的枠組みを与え、市場の時期尚早な利下げ観測に警告している(ように見える)。具体的には、前回「the economy seems likely to expand at a moderate pace」としていた部分に今回、「on balance over coming quarters.」と入れたのである。

 今回調べたが、FOMCが声明の第二パラグラフに「moderate」とかそれに関連した単語を入れたのは今年3月からで、それ以降毎回使っている。今年1月の声明ではこの単語はなく、アメリカ経済が年初は非常に強かったことを想起させる。もっとも「moderate」も動詞として使われるケースと、形容詞として使われるケースではだいぶ違う。動詞はやはり動きを示唆する単語として使われる。対して形容詞としての「moderate」は、「いいとも悪いとも言えないようなまずまずの」という意味で、あまり動的ではない。

 「the economy seems likely to expand at a moderate pace on balance」は、直接訳すと「アメリカ経済は差し引きするとまずまずのペースで拡大する可能性が強い」となる。満足は出来ないが、まだ拡大するという認識の表現だ。今回はここに「over coming quarters」という時間的枠組みを与えた。これは筆者の印象だが、市場の「来年早々にはFRBは利下げ」と言った市場の性急な観測に「そんな単位じゃないですよ」と警告を与えたように思える。

 「over coming quarters」は訳せば「これからの複数四半期に渡って」となる。「複数四半期」は最低二・四半期を意味するから、それは半年である。つまりその間は「at a moderate pace」ではアメリカ経済は拡大するとFOMCは見ている訳である。その後の第三パラグラフの冒頭の「Readings on core inflation have been elevated」という表現と繋げると、筆者には「利下げもなかなかしませんよ」とFOMCは市場に警告しているように思う。今年最後のFOMC声明の全文は以下の通りです。  

Release Date: December 12, 2006

For immediate release

The Federal Open Market Committee decided today to keep its target for the federal funds rate at 5-1/4 percent.

Economic growth has slowed over the course of the year, partly reflecting a substantial cooling of the housing market. Although recent indicators have been mixed, the economy seems likely to expand at a moderate pace on balance over coming quarters.

Readings on core inflation have been elevated, and the high level of resource utilization has the potential to sustain inflation pressures. However, inflation pressures seem likely to moderate over time, reflecting reduced impetus from energy prices, contained inflation expectations, and the cumulative effects of monetary policy actions and other factors restraining aggregate demand.

Nonetheless, the Committee judges that some inflation risks remain. The extent and timing of any additional firming that may be needed to address these risks will depend on the evolution of the outlook for both inflation and economic growth, as implied by incoming information.

Voting for the FOMC monetary policy action were: Ben S. Bernanke, Chairman; Timothy F. Geithner, Vice Chairman; Susan S. Bies; Donald L. Kohn; Randall S. Kroszner; Frederic S. Mishkin; Sandra Pianalto; William Poole; Kevin M. Warsh; and Janet L. Yellen. Voting against was Jeffrey M. Lacker, who preferred an increase of 25 basis points in the federal funds rate target at this meeting.

2006年12月13日

 (05:27)北朝鮮が六カ国協議から日本を排斥しようとしているのは、拉致問題を突き詰めていけば北朝鮮の「体制の犯罪」が明らかになり、現体制の不法性に問題が行き着くことを北朝鮮としても認識しているからだと考えられる。金正日は小泉前首相が訪朝したときに、「一部のふとどきものが拉致をした。彼等を処分した」と述べた。しかしその言葉を信じた人はいなかった。あの国で、金正日が命じない大きな事件というのは考えられない。

 金正日は最初、拉致被害者を何人か帰せば日本はこの問題で態度を軟化させて、国交正常化にも乗ってくると思っていた、または思わせられていたのでしょう。しかしそうは事態は動かなかった。日本の立場は例え核の問題で前進があったとしても、拉致の問題が解決しなければ、北朝鮮支援は出来ないし、しない、である。

 しかし繰り返すが、拉致を日本が望む形で追求すれば、その責任者としては最後は金正日に行き着く。北朝鮮という国の「体制の犯罪」だから。北朝鮮はそれを嫌っている。拉致問題が解決しなければ日本からの支援も望めないわけだから、北朝鮮が当面日本を話し合いに巻き込むメリットはない。危険なだけだ。だから六カ国協議では日本はいらない、という論理になる。

 では日本としてその北朝鮮にどう対応したらよいのか。アメリカとのスクラムを崩さないことと、中国の会議の進め方に、きちんと日本の立場を反映させることだろう。中国は18日からの六カ国協議でイントロでの米朝会談をセットした上で、以下の五つの作業部会を作りたい意向と言われる。

  1. 非核化
  2. 米朝関係正常化
  3. 日朝関係正常化
  4. 経済・エネルギー支援
  5. 地域安全保障メカニズム
 このうち、中国が「日朝関係正常化」を一つの作業部会として設定していると言うことは、日本の拉致問題に対する真剣な取り組みを知っているからでしょう。国際的には「核」が話し合いの中心になると思われるが、日本は拉致もきちんと提起していかなければならない。中国が「日朝関係」で作業部会を設置したいとの意向を示しているのは、日本にとっては朗報だ。

 しかし重要なのは、「拉致は最後は北朝鮮の国家犯罪だ」という認識だと思う。そこからしか出発できない問題がいっぱいあって、それが解決していない。その点が問題なのである。いずれにしても、18日からのクリスマスまでの会期では短い。北朝鮮は、その間の「話し合い参加」を評価してもらって、中国と韓国から今年の冬を乗り切るための支援を得られればと思っているのでしょう。だから開催されても短期であり、「ではまた来年話し合いましょう」となる可能性が高いと思っている。

2006年12月12日

 (25:27)関西にいる間に硫黄島からの手紙を見ましたが、確かになかなか良い映画でした。ただし、渡辺謙や伊原剛志なにがしの映画と言うよりは、私にはパン屋をやめさせられて戦争にかり出され、あの激しい戦いを奇跡的に生き延びた若者の映画のように思えた。私は知らなかったのですが、嵐の二宮和也君が演じているらしいのですが、素人くさいことは置くとして、あの人物こそがこの映画に味と意味を与えていると思うのです。

 見所はいっぱいありますよ。日本の兵隊の母親と、アメリカの兵隊の母親が出した手紙の中味がほとんどアイデンティカルで、「どこが違うんだ」と俳優達が唸るところ、アメリカ兵が「better idea」だと言って、日本人捕虜(白旗を掲げている)を射殺する場面、日本の兵隊が徐々にアメリカ兵の本当の力に気づいていって、日本の軍部の嘘に唖然とするプロセス。

 しかしこのパン屋の青年のキャラクターこそ、この映画になごみを与え、見苦しさを緩和していると。これも知らなかったのですが、関西テレビでこの話をしたら、「クリント・イーストウッドが激賞したのが二宮君.....」と聞いて、「そうだろうな」と。彼がいなかったら、この映画は死んでいる。

 日本のニュースとしては、渡辺謙がアカデミー賞の主演男優賞に接近といった感じになるのでしょうが、うーんちょっとカッコつけ過ぎのような気もするし、アメリカ通の彼が特に悩んだ風情もない。淡々と軍人を演じたという印象。しかしこのパン屋は生まれる前の、母親のおなかの中の子供に語りかけた「お父さんは帰ってくる」という約束を結果的に守った。人間ドラマとしては、こちらの方が面白い。確かに渡辺謙は熱演だったと思うが、私はそういう印象を持ちました。うーん、二宮君が助演男優賞 ?

2006年12月11日

 (25:27)所用あって約1日関西に早く来ていて、その関係もあってあちこち動いています。神戸には確か夏の終わりにも来たと思うのですが、考えたらいつも仕事に来るだけで何も見ていないので、今回はゆっくり南京街の辺も歩いてみました。大震災の直後に歩いたことを思い出しながら。

 当たり前ですが、もう完全に修復されている。しかし、何というか「街のつや」とか「色気」は当時の方があった気がするな。タクシーの運転手が、「(神戸は)ダブルパンチでしたから」と。90年代の景気の悪さと地震。この運転手さんは、「橋とか、海岸の開発とかで神戸の周辺の地面に刺激を与えたのがきっかけと違いますか」と。まあそれもあったかもしれない。

 夕方ちょこっとだけ、ルミナリエを見ました。最初に見たのは、確か....と思ってday by day の過去を見てみたら、1997年12月12日でした。地震があったのは平成7年、1995年でその年からルミナリエを始まっている。HPを見させてもらったら、各年で作品はまったく違っている。それぞれの年にテーマがある。

 ただし実施している通り(ストリート)が同じ事もあったのか、どこか既視感があった。人も流れていて、当時よりは新鮮味に欠ける気がしたのはなぜか。まあでも相変わらずきれいでしたね。大勢の人が詰めかけて。しかし皆が写真を撮る割には流れていた。一昨年だかの丸の内のミレナリオの方が人の数はすごかった。今度は違う会場でやるのも良いかもしれない。

 あとは、京都で一つ新しいカウンターの店を教わって行ってきました。未在というのです。そこに書きましたが、吉兆に勤められて、その後店を出された。面白いところにあって、丸山公園の中なのです。詳細は「カウンターな店店」のサイトで。

2006年12月10日

 (25:27)アジアの店が日本に進出してきているという今週のワールド・ビジネス・サテライトの話は面白かったな。特に興味があるのは、火鍋の話かな。

 むろん、日本にも美味しい火鍋を作ってくれる店はありますよ。例えば私がよく行く店では、銀座交詢ビル・趙楊など。ここの火鍋は本当に美味しいし、最近六本木に新しい新しい店を作った。うーん、はよ行かないと。

 塩田さんが行った渋谷にある店も行ってみたい気がしますね。あと焼き肉屋さんの話は面白かった。日本でダメになった焼き肉屋を新しい店に改装する。そりゃ新規の設備投資は入りませんよ。排気とかあの特殊なテーブルは揃っている。アイデアがいい。

 アジアには確かに日本にない美味しいものがある。そりゃもう北米大陸なんかと比べると、食の文化、多様性は目を見張る。だからアジアの店が日本に進出してくるのは大歓迎です。ポイントは、「日本人のテーストに合わせない」ということでしょうか。今はそういう徹底した店が人を集めているように思う。

 その代わり、日本から進出して欲しい店もある。これはいつか書いて、多くの方からメールを頂いたのですが、例えば日本のカレーライスはインドのそれとは全く違う。かつ非常に美味しいモノだと思っているのです。だから私は日本のカレーライスは世界に羽ばたいて欲しい。「カレーの本場はインドだから」という遠慮はいらないと。

 フランス人なんかに比べると、日本人は好奇心が強い。新しい店が出来ると、とにかく入って食べてみる。しかし日本でも創作料理の店がなかなか続かないのと同じで、海外から来た店の本当の評価というのは、2〜3年後ですかね。まあでも、クロスオーバーは良いことです。

2006年12月09日

 (11:27)今朝の朝刊には安藤前宮崎知事の逮捕が大きく報じられ、例えば日経のその左の解説記事の見出しを見ると「知事の犯罪 分権に試練」と。

 まあそうなんでしょうな。和歌山、宮崎、その前は福島。こう続くと、「地方分権」と言って地方に権限とお金を移譲することは賢明なのか、という疑念が生ずる。この日経の記事は地方行政に「統治なき暴走」が発生していることに関して

  1. 談合を「必要悪」とみなす官の側の風潮
  2. 知事の権限が強大になったこと
  3. 議会のオール与党化
 の三つを挙げている。もしこうした状況を続けていけば、まだまだ地方、県レベルの談合は続きそうな雰囲気である。民選の知事にとって怖いのは、やはり選挙。その時に「支援してやる」という勢力を頼りにすれば、その勢力に後々取り込まれると言う結果は分かっていても、頼りにする。一回手を結べば、その後は関係を断ち切れない、という事情。和歌山の木村前知事は、精錬で斬新なアイデアの知事として有名だったのに、蓋を開けてみれば当選当初からお金をもらっていたという。

 しかし私は、それでも地方分権は進める必要があるという考え方で、土曜日の東京新聞にその旨のコラムを書きました。東京新聞をお読み頂ければ良いのですが、今までの中央集権的な日本のシステムは、今後の日本の再生に似つかわしくないと考えるからです。人材が足りなくても、やはり徐々に分権は進めなくてはならないと考えるのです。

 まあそのためには、一般住民が「監視の目」を光らすことなんでしょうね。それがないと、「暴走」が始まってしまう。そう思いながら知事逮捕の記事を読みました。

2006年12月07日

 (24:27)今まで使ってきたUSBメモリーがちょっと書き込み障害的な事例が起き始めたので、「うーん、これは寿命かな」と思って新しいものに変えることを決意。USBメモリーも、何万回かの書き込みで寿命がくる。最近ずっと「そろそろ寿命かな」と実は思っていたところでした。

 ビッグカメラに行って見ていたら、セキュリティー付きなのが結構出ている。いつもUSBメモリーで心配だったのは「なくした時」でしたので、ちょっと高いが「指紋認証」のタイプのを。

 バッファローの1ギガのやつでしたが、開けてビックリ。かなり大きいのです。今まで使っていたソニーの512に比べると。しかし認証の部分があるのだから、まあそれは仕方がない。そのうち細くなるだろう、といった印象です。

 コンピューターは簡単に認識してくれました。さて指認証。結構何回もやらないといけない。開けるときも何回もなぞる。この機械が楽なのは、暗証番号でのUSBメモリー開封が出来ること。というのは、指認証はUSBメモリーが刺さっている方向に一回体を向けないといけないので、ちょっと面倒なんです。

 安心感が高まったからといって、まだポケットの中に収まってしまう大きさであることには違いない。暫く使い心地を試す予定です。

 ついでなので、ビスタパソコンをいくつか見せてもらいました。我々が買うであろうタイプは来年の1月末のリリースですからまだ相当先ですが、店員の方に説明してもらってだいたいビスタの特徴は分かった。

 あと考えないといけないのは、オフィスをどうするかです。2003では全く買う気がせず、ずっと2000を使っている。今度出るのは2007ですからね。変わるのはエクセルだそうで、ワードはあまり変わらないと。まあ出てちょっと時間がたってからですかね。ビスタもオフィス2007も。

2006年12月06日

 (24:27)自分のインドに関する本やPHPのシンポジウムのゲラへの筆入れが済んだので、また時間を見付けては新幹線の中などで本を読み始めているのですが、人口が変える世界大阪破産はともにずんずん読み進める本だし、面白かった。

 特に本の構成として面白いと思ったのは「大阪破産」で、その論理立ては分からないのですが、やたらに日本語の単語の後に英単語が入っている。「英語の勉強本か」と思うほどだが、私には「本のラップ」のように思えた。読んでいてそう思うのです。じゃまくさいなと思うときと、「あ、この単語の訳語はこれね」と思うときと。

 最初、この吉富さんの本だけかと思ったのですが、毎週会っていて彼が英語が得意という印象はまったくなかった(失礼)。「おかしいな」と思っていたら、この光文社ペーパーバックシリーズというのは全部こういう構成になっているらしいのです。つまり、英単語がやたらに間に挟まってくる。まあ一つの試みかな、と。

 大阪市、そして大阪府の行政がいかにでたらめ、お手盛り、outrageous なものだったのかということはよく分かる。これでもかと具体的な例が出てくる。地下鉄の駅に電車を止めただけでも....という話になると、ほとんど笑ってしまう。よく調査した本です。

 一つ注文があるとすれば、なぜ大阪市、府がそうなったのか。一般的に考えれば、関西は関東よりも合理的な側面が少なくとも人間性、商売の上ではある。その大阪でなぜこうしたややこしいことになったのか。そこをもうすこし突っ込んで掘って欲しかったな、と思うのです。関西特有の難しいややこしい問題の歴史的顕現化なのか、それとももっと別の問題があるのか。最近の奈良で起きた事件などを見ていると、複雑な事情も推測できる。

 問題は、お手盛りが大阪の話だけではないという点です。良くも悪くも全国の自治体で程度の差こそあれ見られる。このファットになった行政を絞り込むのは、かなり時間がかかる。その間にも公的部門の赤字はふくらみ続けるということです。これからは市民も県民も国民も、「自分の支払ったお金」がどう使われているのかを目をこらして監視しなければならない、ということでしょう。

 「人口が変える世界」は、火曜日に大阪に行く前にインド本のゲラを渡した際に堀口さんから「この本は面白いですよ」と頂いたもの。ははは、よくまとまっていて面白かった。というより、各国が直面している人口面の問題が一杯出てくる。日経の特集記事のまとめですから、「あ、これは読んだ」という記事も出てくるのですが、読み落としている回もあるので。

 「これ以上人口が増えたら」というのは、かなり昔からあった懸念です。しかし今までのところ世界は、食料供給量などで技術革新を経て問題をある程度乗り切ってきた。問題はこれからです。人口の急減に見舞われているロシアのような国から、これから人口の減少に直面する日本、そして未だ人口が増え続けているアメリカ。爆発している中東とアフリカ。様々な角度から世界を考える上で非常に役立つ本です。

2006年12月05日

 (24:27)「そうだ、もしかしたらこれで出来るかもしれない....」と思ってやってみたら出来ました。ははは、まだ使える。

 いえね、目の前にDVDドライブのついたノートPCとついていなノートPC。アンタイバイルスのCDを買ってきたのです。年末で警告が繰り返し出るので。5アカウントのを。買ってきたあとで、DVDドライブのないPCの存在に気づいた。といって、外付けのドライブは東京にある。大阪での話です。最初はUSBのラインで二つのPCを結べば、一方のドライブをもう一方が認識するかと思ったが、ヨドバシカメラの専門家に電話で聞いたら「ダメ」と。電話を切って、「じゃ、来週か」と思ったのです。

 しかしそこで、「あれ、CDのコンテンツをUSBメモリーに移せればどうにかなるかも」と思ったのです。軽いソフトは今までもCDからUSBメモリーに移して持ち歩いている。しかしアンチバイルスのソフトがどのくらい重いか知らない。で、今別のコンテンツが入っている2ギガのUSBメモリーを空にして、CDの中味を移してみた。

 心配したよりも遙かに軽いソフトだったようです。プロパティで見たらいままでの中味をはずす必要もなかった。「さて、動くか」です。DVDドライブのないPCのUSBポートに入れて稼働させてみる。ははは、心配することもなく動きました。ついでなので、DVDドライブのついているPCでも、USBメモリーからアンチバイルスのソフトをダウン。そのあとが時間かかりますがね。

 CDより静かで、速い。CDはとっておきますが、もう全部のPCにソフトウエアを入れるのにUSBメモリーだけで大丈夫そう。USBメモリーの大容量化は役に立つ。

2006年12月04日

 (24:27)土曜日の夜からずっと「インド本」のゲラと睨めっこしています。初稿ゲラほどには直しはない。しかし、微妙なところで表現を悩むことはある。まあ、今まで日本では無かったインドに関する本にしようと思っています。

 カウンターから日本が見えるは、評判がよいのがちょっと嬉しい。まあ視点が新しいので、読んだ人も「そういう見方があったのか」という印象を持つようです。筆者としては「ああすれば良かった」「こう書けば良かった」という反省は色々あるのですが、それは今後に生かそうと思っています。

 雑誌、特に男性誌が興味を示してきますね。もうかなりのインタビューをしました。昨日もまた一つ申し込みが。こうした依頼には丁寧に対応しています。雑誌が興味を持つのは良く分かる。年内そんな状況が続きそうです。

2006年12月02日

 (08:27)今朝のニュースで一番興味深いのは、読売新聞の「北に核実験場の封鎖要求、事前協議で米が4条件提示」でしょう。六カ国協議再開の前提条件を北朝鮮に示したもの。それによると4条件とは、

  1. 10月に核実験を実施した咸鏡北道吉州郡豊渓里の地下核実験場を埋め立てるなど完全に封鎖する確約

  2. 北朝鮮国内にあるすべての核施設・核計画の自己申告

  3. 国際原子力機関(IAEA)要員による全核関連施設への査察の早期受け入れ

  4. プルトニウムを生産している寧辺の実験用原子炉の稼働停止
 これに対して、北朝鮮の金桂寛(キム・ケグァン)外務次官は本国に持ち帰って検討する、と答えたという。

 この4条件は11月にハノイで開かれた日米韓の首席代表会合などで決まった内容で、特に核実験施設の封鎖や実験用原子炉の稼働停止は、北朝鮮が将来にわたり核実験を二度と出来ないようにする意図があるという。

 考えるに、この前提条件は金正日がリビアのカダフィになることを覚悟しなければ受け入れない内容でしょう。ということは、「年内にも六カ国協議」という展望はなかなか開けないということになる。「飢餓で滅びた国はない」という態度の北朝鮮は、ある程度今年の冬の厳しさを覚悟しているようですが、ロシア国境の街で起きている住民の騒擾の動きと併せて、北朝鮮情勢は六カ国協議が開かれる開かれないは別にして、今年の冬は少し動きそうな気がする。

2006年12月01日

 (17:27)昨日書いたプラグイン・ハイブリッドについては、つくば市の丹野さんから以下の二つのサイトを紹介して頂きました。TBSのラジオ番組やポッドキャストを聞いておられるそうです。こういうサイトは勉強になります。ありがとございました。

http://www.jafmate.co.jp/mate-a/pluginhv/p2.html
http://hotwired.goo.ne.jp/news/technology/story/20050713301.html

 ところで思い出しましたが、今週の火曜日にお邪魔した大阪の一宝は、確か10月の初めから上海店を「花楽」の名前でオープンさせたと言っていました。今パンフレットが手元に出てきたので、上海在住で「時にはうまい天麩羅を」という方には推薦ではないでしょうか。

 女将さんの話によると、ビルの外観は普通のビルですが、中は徹底的に日本にこだわったそうです。ご長男が店の開店に奔走したとか。住所は「上海市斜土路2421号4号楼」で、電話番号は「021-6438822」だそうです。無論、私はまだ行ったことはありません。

 海外に進出したという日本の天麩羅の店といえば、ニューヨークのウォルドルフ・アストリアに1970年代からあった「稲菊」があって、東京に帰ってきても半蔵門の本店には良く行ったが、ニューヨークの店は天麩羅の店というよりは日本食の店になっている。

 そういう意味では、上海の「花楽」は珍しい店になるかもしれない。店員はほぼ全部中国の人を鍛えたと言っていました。