日々のライブな情報ページ

2010
08/02
Mon

2010年08月02日(月曜日) 技術は愛

day by day
EOF; } ?>

 (22:55)取材すると応援したくなる会社というものはあるものだな、とつくづく思いました。この日は、二つの会社さんを取材したのですが、その一つが篠田プラズマさんです。

 ずっとプラズマの研究をしておられた社長の篠田傳さんが、勤めていた富士通の事業継続断念によって2005年に独立して、世界で唯一の技術で今着々と事業を伸ばしつつある。しかし富士通も事業断念を決める一方で、この元社員が作った会社を陰に日向に応援している。なかなか懐が深い。

 「篠田プラズマ」の目に見える作品は、HPのフロントの右側にあるような、大きな、しかも湾曲したプラズマ・ディスプレイです。PTA(プラズマ・チューブ・アレイ)という技術を使って、ちょうどすだれのような形でこのチューブを組んで、ゆっくりした湾曲を持たせることを可能にした。だから、今は直径一メートル近くの柱にも巻くことが出来るプラズマ・ディスプレイです。

 「傳」(つたえ)さんという、ディスプレイを作るには最適とも言える名前の読み方を持つ社長さんとは、お名前の由来を含めて40分近くインタビューしましたが、「痩身で、しゃべり方も比較的ゆったりして技術者然とした方だが、技術に対する愛情は人一倍だな」と感心しました。

 だって、平屋建ての、どう見ても立ち上げてまだ奮闘していることが分かる会社社屋(神戸)の入り口には、「技術は愛」と大きく、白い文字で刻印された石がどーんと置いてある。

 「昔からの信念だ」とおっしゃる。大事ですよね。愛のない技術は、ろくな使われ方をしない。わたしもそう思います。このPTA技術を使ったディスプレイの凄いところは、等身大の人間をいくらでも登場させることが出来る、ということです。

 コミュニケーションの基本の問題ですが、やはり理想は「相手も等身大が良い」ということです。多くのテレビ会議でも相手は小さい。テレビの画面などはもっと小さい。しかし、等身大だとより現実感のあるコミュニケーションが可能だと確認しました。

 サッカーや野球などスポーツを、等身大の人間達が目の前で展開したらどうなるか。それはそれは迫力があるものになるだろう、と思うのですが、それを篠田プラズマは可能にした。

 まだまだ課題は多いようです。一つは値段。2メートル3メートルのスクリーンで、まだ3000万円弱する。しかし、これは社長さんとも話したのですが、1000万を割ったら、相当売れると思う。社長さんも、「急速に安くなるのではないか」と力強い言葉。(1000万円割れは)「5年以内に可能」と。

 平屋建ての社屋のすぐ裏側に工場もある。約60人強の会社ですが、「日本には良い会社があるな」と実感しました。なにせ、韓国も中国も世界のどの国の企業もまだ作れない技術を抱えて伸びている、というところがいい。

 この日は、関空でまず大スクリーンのプラズマ・ディスプレーを取材し、神戸に移動して「篠田プラズマ」さんを取材し、終わったらその足で京都に移動して今度はタッチパネルで伸びている日本写真印刷さんを取材するという強行軍でしたが、日本写真印刷さんも一杯面白い技術を披露して下さって、疲れを感じない一日でした。取材に対応して下さったNISSHAさんには感謝したいと思います。

 この取材の成果は、来週火曜日のスーパーニュース「アンカー」で紹介されます。関西地方の方はお楽しみに。それにしても、こういう取材は楽しい。

23:05
EOF; } ?>
ページの先頭へ
twitter
伊藤洋一公式Twitterアカウント

サーチ


カテゴリー


最新の記事

カレンダー

キーワード