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2011
02/20
Sun

2011年02月20日(日曜日) 問題は「その後」

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 (23:25)午後9時からの「NHKスペシャル ネットが革命を....」は面白かったな。今まで知らなかった事も多かったし、よくあれだけ撮影が出来たと思う。撮った方も、撮られた方も覚悟が必要だったのでは。

 チュニジアのあの投稿(焼身自殺した人を撮影)をした人、それをキャリーした女性。それにゴニムさんではなく、エジプトで4月6日運動をしていた若い人の話。興味深いものでした。全部顔出しだったので、ある意味ビックリ。

 それからアノニマス(「anonymous=無名、匿名」だと思うが)という謎の軍団。600人と言っていたが、NHKが接触を試みてそれに成功していたのには、なかなかの取材力だと感じた。カメラマンをアラブ系の人にしたり、接触にも細心の注視をはかったりだと思いますが。

 映像の力は強いし、ネットワークの波及力の強さも良く分かる仕組みに番組は出来ていた。ネットでの出来事を番組にするのはなかなか難しい(絵が面白くない)のだと思いますが、人々が動いた事件だったので、映像的にも良い番組に出来上がっていたと思う。

 ただしこのNHKの番組でも謎かけのように短く取り上げていたが、「その後」が大きな問題です。「その後」とは、体制を崩すところまで進んだ動きの「その後」です。つまり、新し体制をどうするのか、誰を指導者にし、何を理念とするのか。

 強権的な体制が崩れた後、支配的な思想が消えた後、の社会がどうなるかについては、ユーゴスラビア崩壊後で世界はその一端を見てきた。抑えられていた欲求が吹き出し、民族感情が噴出し、そしてそれが収まるまで対立や戦争が続く。「これじゃダメだ」でやっと収まる。その間は悲惨です。

 この問題に関しては、2月15日の文章でも書いたのですが、体制が崩れた国は今後この問題に直面する。しかしだからといって今の体制を続けて良いとはとても言えない。難しい試練がアラブ諸国を待ち構えているのです。今のままでもダメ、しかしそれが崩れても新しい体制は直ぐには出来ない。

 NHKの番組もそうでしたが、アラブ諸国を巻き込んでいるネット革命は、主に「主役はフェースブック」という形で取り上げられる。ツイッターが主役の日本のSNS(世界規模の)の世界ではやや意外に思われた方が多いと思うが、私には結構はっきりその理由が分かる。今は一応両方ともまずまずやっていますから。

  1. ツイッターはグーグルのリアルタイム検索の対象になっていることでも分かる通り、監視(例えば独裁体制)する方にも今何が起きているのか、誰が何を書いているのか分かりやすい
  2. 対して、フェースブックはグーグルのリアルタイム検索の対象にならないことでも分かる通り、基本的には検索対象外のネット内インサイドのSNSであって、その中でのやりとりは密で外に出ない
  3. またネットワークの仕組みの特徴として、ツイッターはフォローしている人が多い場合においては、タイムラインが流れてしまって実際にはどんな情報がやりとりされているかが分からないケースもある
  4. 対してフェースブックでは、個々の発言についてコメントが関連づけされていて、発言とそれに対するコメントの構図がはっきりしている

 などでしょうか。ツイッターはある発言をして、それに関連するレスが返ってくる平均限界時間、というかタイムスパンは20分でしょうか。それ以降めっきり減るのは、タイムラインが流れてしまうからだと思う。

 対して、フェースブックでは2~3日前の発言に関しても、「私はこう思う」というコメントが付いてきたりする。それは、フェースブックの方が過去の発言を見つけ出すのが容易だからです。またフェースブックの発言は、メールでも確認できる。メールでツイッターで確認出来るのは、「フォロー関係」だけです。

 だからどっちが優れているといった問題ではないのです。明らかにツイッターの方が瞬発的なレスポンスは速い。比喩的に言えば、ツイッターは瞬発型。私は一時、『ツイッターが「直行型SNS」だとしたら、フェースブックは「絡み型SNS」』と考えたことがある。この見方についても、フェースブックでは多くの意見を頂いている。

 それにしても、SNSはキックオフには極めて有用です。問題はその収拾です。または体制作り。実はこっちの方が難しい。

23:38
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