(23:25)午後9時からの「NHKスペシャル ネットが革命を....」は面白かったな。今まで知らなかった事も多かったし、よくあれだけ撮影が出来たと思う。撮った方も、撮られた方も覚悟が必要だったのでは。
チュニジアのあの投稿(焼身自殺した人を撮影)をした人、それをキャリーした女性。それにゴニムさんではなく、エジプトで4月6日運動をしていた若い人の話。興味深いものでした。全部顔出しだったので、ある意味ビックリ。
それからアノニマス(「anonymous=無名、匿名」だと思うが)という謎の軍団。600人と言っていたが、NHKが接触を試みてそれに成功していたのには、なかなかの取材力だと感じた。カメラマンをアラブ系の人にしたり、接触にも細心の注視をはかったりだと思いますが。
映像の力は強いし、ネットワークの波及力の強さも良く分かる仕組みに番組は出来ていた。ネットでの出来事を番組にするのはなかなか難しい(絵が面白くない)のだと思いますが、人々が動いた事件だったので、映像的にも良い番組に出来上がっていたと思う。
ただしこのNHKの番組でも謎かけのように短く取り上げていたが、「その後」が大きな問題です。「その後」とは、体制を崩すところまで進んだ動きの「その後」です。つまり、新し体制をどうするのか、誰を指導者にし、何を理念とするのか。
強権的な体制が崩れた後、支配的な思想が消えた後、の社会がどうなるかについては、ユーゴスラビア崩壊後で世界はその一端を見てきた。抑えられていた欲求が吹き出し、民族感情が噴出し、そしてそれが収まるまで対立や戦争が続く。「これじゃダメだ」でやっと収まる。その間は悲惨です。
この問題に関しては、2月15日の文章でも書いたのですが、体制が崩れた国は今後この問題に直面する。しかしだからといって今の体制を続けて良いとはとても言えない。難しい試練がアラブ諸国を待ち構えているのです。今のままでもダメ、しかしそれが崩れても新しい体制は直ぐには出来ない。
NHKの番組もそうでしたが、アラブ諸国を巻き込んでいるネット革命は、主に「主役はフェースブック」という形で取り上げられる。ツイッターが主役の日本のSNS(世界規模の)の世界ではやや意外に思われた方が多いと思うが、私には結構はっきりその理由が分かる。今は一応両方ともまずまずやっていますから。
対して、フェースブックでは2~3日前の発言に関しても、「私はこう思う」というコメントが付いてきたりする。それは、フェースブックの方が過去の発言を見つけ出すのが容易だからです。またフェースブックの発言は、メールでも確認できる。メールでツイッターで確認出来るのは、「フォロー関係」だけです。
だからどっちが優れているといった問題ではないのです。明らかにツイッターの方が瞬発的なレスポンスは速い。比喩的に言えば、ツイッターは瞬発型。私は一時、『ツイッターが「直行型SNS」だとしたら、フェースブックは「絡み型SNS」』と考えたことがある。この見方についても、フェースブックでは多くの意見を頂いている。
それにしても、SNSはキックオフには極めて有用です。問題はその収拾です。または体制作り。実はこっちの方が難しい。