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2007
10/25
Thu

2007年10月25日(木曜日) 疑心暗鬼 

day by day
(22:54)ウォーレン・バフェットは今大連にいるようだ。2003年に資産の大部分を中国株、特にペトロチャイナに投じると発表して注目を集めたアメリカの大投資家だ。今彼は「この間にペトロチャイナは7倍に上がったが既に売った」と言った上で、「ここ2年間だけで6倍に上がった中国の株にはご注意を....」と中国内外の投資家達に警告している。

 中国株の最近の上げに警告を発しているのは彼ばかりでない。香港の伝説的な投資家リカシンやグリーンスパンもそうである。別に彼等でなくても、今の中国の株式市場の異常さは見ていて分かる。何よりも株に対する中国の一般投資家の熱意が尋常ではない。NHKの最近の番組が、それを丁寧に追っていた。

 その中国の経済は、率を見る限り引き続き高速であるが故の軋み音を立てながら成長している。7-9月も輸出と固定投資を中心に11.5%だ。しかしその高い成長率が、中国当局の目標とする3%の二倍以上の物価上昇率(6.2%)が生じさせていて、またまた中国金融当局が利上げに動くとの見方が強い。

 株高と利上げは歴史を見ると、いつかはっきりと離反する。同じような状況はインドにもある。インドの準備銀行も利上げを実行中だ。G7声明が世界経済の成長にとってクリティカルだと言っている途上国の経済にも成長の結果としてのインフレが忍び寄りつつある。一方で、先進国経済はサブプライム・ローンから派生した金融商品と、それを抱えた金融機関に対する不信感で、金融市場の一部に機能不全が見え、欧米経済に鈍化の兆しが見える。

 周知の通り、世界には次々にお金持ち国が生まれている。ロシアであり、中国であり、インドである。従来組としては産油国。加えて日本を含めた先進国の資金が「より高い利回り」を求めて動き回っている。しかし投資資金が潤沢であるが故に、世界の金融市場は不安定感を増しているようにも見える。お金自信がお互いに疑心暗鬼になっているから、落ち着きようがない。

 こうした市場にはいろいろな対処の仕方があるだろう。リスクを承知で投資を続けるというのもあれば、投資を選別的にする方法もある。プルーデントな収益率に満足するという方法もある。敢えて高利回りを狙わない、というスタンスだ。

 しかし、最近はアイカーンも言っていると伝え聞いたスタンスがある。それは、「Cash is King」(現金こそ王様)と、極めて慎重にリスクに対して身構えるスタンスだ。最近ではポッドキャストでも講演でも、筆者はそのスタンスの有効性に触れるようにしている。

 最近のG7声明を見るまでもなく、今の世界経済にはセンターがどこにあるのか徐々に不明になってきたという不透明感もある。パワーシフトが起きるときにはいつも、金融市場でも大きな変化が起きる。それは基軸通貨の変調だったりする。

 興味深い変化が次々に起きる世界の金融市場。規模が大きくなったが故に、「激変」や「危機」は今後も続くと予想できる。

22:41
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