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2007
12/02
Sun

2007年12月02日(日曜日) 二人の想い

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 (07:54)日本人はノースカロライナの州都であるRaleighについてなんかあまり知らないだろう、自分が知らないんだから、と思ったら大間違いでした。二人の方から日本でローリーと表記されること街に関する熱いメールを頂きました。許可を得ましたので、転載します。どちらもこの南部だが北に位置する州や州都に関する思い入れが伝わってくる。

伊藤 様

 お元気そうで何よりです。おぼえていらっしゃいますでしょうか? 住信ロンドン支店で貸し株をやっています伊藤さんのかつての部下、田中です。2年くらい前に伊藤さんがロンドンにいらした際にお会いしたと思います。

 20年以上前、私は伊藤さんが今いらっしゃるローリーダラム(ダラム)のデューク大学に学生としておりました。 前回ダラムを訪れたのはNY支店勤務中の10年前ですが、きっとずいぶん変わっていると思います。 

 当時は日本の自動車会社などがようやくアメリカに進出し始めたころで私がダラムのショッピングモールで日本人だと言うと珍しがられた頃です。若かったので当時のことは今でも鮮明に記憶に残っています。まず、広大で美しいキャンパスの中の近代的な設備、院生の寮に24時間無料で自由に使えるよう設置された当時は高価であった何台ものPC、モノレールやヘリポートまである大学病院、高学歴で豊かな大学関係者。一方で寂れたダラムのダウンタウンとその周辺で慎ましく暮らす黒人、さらに西の山岳地域へ行けば貧しい白人(Poor White)。 実際に行った訳ではありませんがTVで"Heart of North Carolina"と言って地元の人々が誇る、まるで西部劇の町のようなKellyとかいう町、素朴な人々。 NYやLA、或いはNew Englandとも異なるアメリカの原風景を見たと思っています。

  North Carolinaは他の南部の州より北に位置しますが、他の南部以上に南部の面影を残した州で人種差別のKKKの本部もあります。デュークの日本人学生でKKKの町へ迷い込みガソリンを売ってもらえなかったという話も聞いたことがあります(ホント)。また、南部の大都市以上に地元の人には「なまり」があります。例えば日本語発音で言うと「チェックダ オウ ファラ ヤ?」ってなんの事かわかりますか? これはガソリンスタンドで店員が"Check the (that) oil for you?"と聞く時の発音です。なまりについては東部から来た人は皆苦労するとのこと。

 当時の私のルームメート(NY出身ユダヤ人&オランダ系金持ちの子弟)は2度とこんな田舎はいやだと言っていましたが、私は好きでした。全米有数の低犯罪率、素朴な人々、すばらしい自然,、大学という知的環境。 日本と同じにNorth Carolinaには四季がありますが、春と秋が短いところが違います。 秋から冬にかけては香ばしい松林の香り(巨大な松ぼっくり)、森の枯葉の中のリスの音、寒く凍る冬の終わる頃、朝起きて外に出るとたった1日で突然春になってしまっていて、むせ返る花の匂いと舞う蝶。

 すみません、思い出話になってしまいました。 伊藤さんの取材がどのようなものかわかりませんが、North Carolinaはかつてのジェシーヘルムズのような頑迷な保守の地盤から貧しい白人であっても教育を得て身を起こしたエドワーズのようなリベラルな政治家を出す州へ変わりつつあるのかもしれません。是非取材の成果をホームページへアップして下さい。たった2年、しかも20年以上前なのに、今だに North Carolinaのことを思い出すので....

 いやお久しぶり。突然のメールで驚きましたが、そう言えば田中君が「デューク大学留学だ」と言っていたことを思い出しました。

 ははは、私は別に東部から来たわけでもなく日本から来たのですが、ここの人の発音、というか英語にはえらく苦労しました。いえね、土曜日は72才の田舎の農家のおじいさんにインタビューしたのです。正直おじいちゃんの言っていることの9割が分からない。言いだしは比較的分かる。しかし言葉が繋がり始めるとお手上げなのです。

 コーディネーター件ディレクターとしてアメリカに住み渡辺さんに、「今なんて言ったの」と聞くことしばしば。だって相手がなんて言っているか分からないと、インタビューも前に進まないじゃないですか。彼はもうおじいちゃんと3回も会っている。だから私よりは「慣れた」と。しかしその彼でも往生するらしい。何回も聞き直している。南部なまりは本当に凄いのですが、田中さんのメールで「アメリカ人も苦労して居るんだ」と納得。

 KKKの本部がノースカロライナだとは知りませんでした。関係ないかもしれませんが、今日行ったApexという街では、黒人を一人も見かけませんでした。クリスマス・パレードの直前で、道に簡易椅子がずらっと並んでいる不思議な後継の中を歩きましたが。

 田中さんが熱く書いているダラムは今は早魃で大変らしいですよ。早魃といえば日本では松山とか福岡のホテルで「今夜はなるべくお風呂はシャワーで」というほど深刻な事態はもう数年前に経験しただけです。ローリーのこのホテルでは今は何の問題もない。

 今ロンドンですか。自分の住んだ街は時間が経過するほど懐かしくなる。アメリカでは私にとってのニューヨークが、田中君にはローリーダラムなんでしょうね。またいくか来てやってください。もう一つ。時々メールをいただけるMLBファンの真野さんです。

 ノースカロライナでの取材、ご苦労様です。さて、州都の発音ですが、昔地元の人(英語教師)から「モンテカルロラリー」のラリーと同じ発音だよと教えられたことがあります。日本ではあまりなじみがない土地でもあり、ローリーと表記されても特に支障はないのでしょうが、今まで役所もメディアも自分の耳で確かめたことはなかったのでしょうね。

  私が昔勤務していた銀行は比較的鷹揚な職場で、当時のNY支店長は人繰りに余裕があるときはNY支店に赴任した社員を語学学校に送り込んだりしていました。私はシャーロットにある英語学校に2ヶ月間滞在し、アラブ系の金持ちの息子やPLOから派遣された若者たちに混じり、めったに味わえない経験をしました。ラリーの発音もそこで教わったのですが、もう20年以上昔(プラザ合意の1年前)のことなので今ではすっかり様変わりしているでしょう。

 当時NCNB(North Carolina National Bank)と名乗っていた小さな地元の銀行は、今ではBank of Americaという大銀行になっていますし、Wachovia Bank(この銀行をワコービアと発音するのもこの地で教わったものです)もNCNBと同じシャーロットを本拠とするファーストユニオン銀行が近隣銀行を吸収して一大勢力に成長したものです。

 昔からタバコの産地として有名でしたが、比較的保守的な、貧しい州のひとつでした。今は金融が加わり、MLBを除くメジャープロスポーツも揃ってかなり活気のある地域ではないでしょうか。

 取材の成果をお待ち申し上げております。

 シャーロットはローリーよりちょっと南です。「タバコ」は昨日会ったおじいちゃんも「作っていた」と過去形で言っていました。今や全米の名前が轟くWachovia Bankがこの州出とは知りませんでした。「プロスポーツ」と言えば、土曜日の昼も夜も多くの人がテレビにかじりついていました。地元のチームがアメフトで出ていたようです。

 アメフトの「フト」で思い出しましたが、今泊まっているこのホテルには女子サッカーチームが宿泊している。多分高校生くらいです。土曜日の夜はそのメンバーの一人が誕生日だったらしく、ロビーは大騒ぎだったのですが、アメリカでは「サッカーママ」という言葉があるくらい「サッカー」という単語が日本と同様に使われる、というのです。イギリスはサッカーのことは「フットボール」と言う。ベッカムも聞いていると普通は「フットボール」と自分のやっている競技を表現する。しかしアメリカではあのスポーツは常に「サッカー」です。

 なぜなら、アメリカで「フットボール」と言えば、「アメリカン・フットボール」になってしまうからだと。渡辺さんが言ってました。今回のメンバーは私を入れて4人で、昨年11月のアメリカ取材で一緒だった彼と、あとは地球特派員ではご一緒3回目となる江袋さん(彼の紹介は2006年06月15日木曜日)、それに彼の会社の新人で海外初めてという竹内さんです。こじんまりしていますが、機動力のあるチームです。

 真野さんが言う「取材の成果」は、その大部分が2008年元旦の午後7時からNHKBS1でご覧に頂けます。ちょっと先ですが、お楽しみに。

21:56
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