(22:25)帰ってきて久しぶりにマーケットを覗いたら、やはり目立ったのは「ヨーロッパの苦境」ですね。
モスクワで一つ文章を書いたのですが、そこで改めて「(国民の多くが)クリスマスのプレゼントさえ抑制する」厳しさの中にあるイタリアに関しても書きました。リアルな現実だと思ったからですが、今日のマーケットを見る限りユーロ安、株安で一人イタリアのそれではなく、欧州全体の問題のように見える。
イタリア出身のドラギECB総裁は、そのヨーロッパの金融政策の舵取りをどう取るのか。それが当面のマーケットの不安材料です。飛行機の中で読んだ記事の中には、「たとえドラギが国債対象の大規模な量的金融緩和をしても、欧州経済は救われない」とあった。
私もその意見に賛成で、「しかしそれ以外に中銀としてやることはない」という選択肢の狭さの中にある。ドイツなどの反対をどう乗り切るのか。旅行中ずっと弱いユーロを目にしましたが、帰ってきてもそうでした。今は1ユーロが143円弱しか買えない。
むろん今のユーロ安は、過去一年日本に来た旅行者が目撃した円安ほどのスピードではない。しかし足早なことは確かで、特に対ドルでは1ユーロ=1.2ドルのレベル割りの中にある。
ヨーロッパと言えばギリシャが特に問題です。直近の独誌シュピーゲルは「ドイツはギリシャのユーロ離脱の覚悟は出来ている。影響も小さいからと判断しているから」との記事を掲載した。独政府は否定しているが、マーケットの受け止め方は「ありうる話」と見た。
ギリシャの総選挙は今月25日ですが、実際に急進左派連合が政権を取れば、ギリシャのユーロ離脱は現実化する可能性がある。その場合、ユーロはお荷物の一つであるギリシャの負荷がなくて強くなるのか、それとも「"ユーロという制度"の一角の崩壊」を嫌気して弱くなるのか。
今は後者のように見えるが、まだ即断は出来ない。まイタリアもそうですが、南欧は皆問題を抱えているんですよ。行くと楽しいですが。