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2016
08/10
Wed

常に、誰もが不安な........社会

day by day
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 (23:09)日本のオリンピック・メダリストの演技ほどに切れ味鋭く、かつ勉強になって、加えて楽しい本を紹介します。「爆買いと反日」というタイトルの本です。

 だってこの二つは矛盾しているように見る。しかしこの本を書いた柯隆さんは「この二つは矛盾しない」として、中国、それに中国人の内なる論理を紹介してくれる。話しが具体的で分かりやすい

 柯隆さんは私の金曜日のラウンドアップの「中国特集」でのゲストです。この本の副題は「中国では、指導者から草の根まで誰一人安心していない」という部分が非常に面白いし、具体的に述べられる。

 彼は「中国社会は昔から異常に上昇志向が強く、誰もが科挙を通って官吏(役人)になろうとした上昇志向が強い、常に不安定な社会だったし、それ故に技術や、それに資本の集積がなかった」と述べる。

 具体的には「江戸時代までの日本では鍛冶屋の子は鍛冶屋、醸造家の息子は醸造家」と職業の継続が決まっていたが、その結果は資本と技術の集積が進んだと。確かに。今でも日本は「父親の職業を継ぐことは、美しいこと」との見方がある。それにより、特に技術の深掘りと継承が出来た、と。

 対して中国は、「鍛冶屋の子も科挙を目指した」として、中国が各産業で技術の集積がないのは、この職業の非継承性で説明が出来る、と述べる。確かに。今でも中国では誰もが良い大学にいって役人を目指している面がある。

 しかし日本では「親の職業への回帰」志向がプロ的な仕事の分野では強いし、大学への憧れもそれほど強い訳ではない。カズやカヌースラロームの羽根田のように最初から大学など狙わずに「自分がやりたいこと」に集中する連中がいる。素晴らしい。なかなか出来ない。

 ちょっと焦点がずれましたが、この本は今の中国を理解する上で非常に役立つ。私も今日の午後読んでいて「良い本だな」と思いました。推薦です。

23:26
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