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2016
12/05
Mon

「トランプ現象」の反作用 ?

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 (05:45)イタリアの憲法改正(議会制度の改革)を巡る国民投票の結果が分かるのは日本時間の5日昼頃だそうですが、オーストリアの大統領選挙の結果は日本時間の早朝に判明。予想を覆してリベラル・緑の党のファンデアベレン候補(72)が勝利しました。

 優勢と伝えられていた対立候補の極右・自由党のホーファー候補(45)は4日夕に自身のFBに「皆さんが支持してくれたのに、それがうまくいかず非常に残念。ファンデアベレン氏の勝利を祝福する」と敗北を認めたそうな。

 オーストリアの大統領選挙は今年5月の選挙のやり直し選挙。同じ2人の候補者が5月の大統領決選投票(上位2者による)で大接戦となり、ファンデアベレン氏がわずか0・7ポイントの差で勝ったと当初判定された。

 しかし開票作業に不正行為が見つかって今回選挙がやり直しになった経緯があった。事前の世論調査などでは、EUが進める統合深化に反発し、難民の受け入れ制限などを掲げたホーファー氏が優勢ではないか、欧州で初の極右出身の大統領が出現するのではないか、との見方が欧米メディアでは強かった。アメリカで見られたトランプ現象の再現を予想する向きもあった。

 しかしフタを開けてみれば、またまた事前の大方の予想を覆す結果。トランプ現象には「作用と反作用があるだろう」との見方は強かった。今回の結果を見ると、「ああなってはいけない」というトランプ現象の反作用が出た可能性がある。

 しかしそれ以上に、オーストリア国民がホーファー候補の掲げる政策や候補そのものに信頼を置かなかったとも考えられる。前回のフランスの選挙では第一回投票ではルペン氏率いる右派勢力が勢力を伸ばしたが、決戦投票では右派の勢力の伸びがむしろ抑制された経緯もある。

 詳しい投票パターンを解析しないと分からないが、「欧州の有権者は一度は現状と現政権にノーを突きつけるが、二度目は考え直して余りにも右に偏った勢力の台頭に懸念を強める判断を下す」傾向があるとも考えられる。

 今回のオーストリアの大統領選挙でも、いったんはオーストリア国民は世論調査に出るような形でホーファー氏に傾いたが、イギリスの欧州離脱の結果やアメリカの大統領選挙結果をよくよく見て、「やはり親EUでいこう」と考えた可能性がある。いずれにせよ両候補の票差は非常に小さいと見られる。

 つまり非常に僅かな民意の揺れで、結果が左右されている。「選挙における事前の予想の難しさ」が今回も浮き彫りになったと言える。

05:55
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