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2017
07/07
Fri

ガソリン、ディーゼル車を販売禁止へ......フランス

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 (05:23)記事を見た瞬間に、「お、出た。ボルボの発表の比ではないな.......」と思いました。新政権の正式発表です。「2040年には、ガソリンやディーゼルなど化石燃料を使った車の販売を非合法化する....」。フランス政府の2017年7月06日の正式発表。

 発表したのはNicolas Hulot(ニコラ・ユロ、国務大臣、環境連帯移行大臣)。フランスらしい狙いはちらほら。パリ協定からの離脱を発表したトランプ大統領を困惑させ、7日からのハンブルクでのG20サミットの主導権を狙い、そして新任環境大臣(環境保護主義者と言われる)の存在感を高め........。

 とにかく、今の世界で走っている車の97%以上はガソリンかディーゼルで走る仕様。ガソリンと電気のハイブリッドを含め。ヨーロッパでもそうです。電気自動車はヨーロッパでも1.5%のシェアしかない。

 そういう現状を踏まえた上で、「2040年までに化石燃料車の販売をフランスでは禁止する」というのです。ユロ大臣は「難しいだろうが、フランスの自動車メーカーは出来るだろう」と言っている。その時点で走っている化石燃料車がどうなるかなどは不明。

 これはアメリカ、日本、ドイツなど世界の自動車市場を席巻してきた勢力に対するフランスからの前向きで、しかし重大な挑戦状です。既にノルウェー、オランダなどヨーロッパの小国では2025年とか2030年に化石燃料車の販売全廃の方針を打ち出している国はあった。しかしフランスは大国ですから。影響力が大きい。

 今ヨーロッパにいるトランプ大統領。大歓迎が予定されたポーランドを経て今はハンブルクへ。10万人のデモ隊(G20反対)が待っているらしいが、フランスの発表はデモよりよほどインパクトがある。トレンドを先取りしている。実現性は別にして。

 トランプ大統領は今月14日にもフランスを訪問の予定。マクロンは「手放しでアメリカの大統領を歓迎するわけではないよ」と宣言したに等しい。国内で批判(イギリスを出し抜く形でトランプを招待したことに関して)がありましたから。「彼にある意味恥を与えながら、しかし歓迎する.......」。実にフランスらしい。

 というより、産業的、ビジネス的インパクトが大きい。今は広がりを欠く電気自動車をどうやってフランスは2040年までに街を走る車の中心に置くのか。路上駐車が普通の国で、どこで充電するのか....?

 フランスが掲げる大きな目標は「carbon neutral by 2050」です。その計画の中で、2020年までに石炭を動力とする工場を閉鎖し、2025年までにフランスの電力供給に占める原子力発電の割合(確か8割近くだったと思った)を50%に削減し、新規の石油・天然ガス採掘許可証の発行を止め.......と続く。

 G20がフランスがあまり活躍の場のない北朝鮮問題で時間と討議の大部分を取られることを許さない、と言っているようにも見える。が、マクロン新政権の意図はもっと「長い先を見ている」ように思える。

 重要になってくるのは、「フランスが方向を打ち出して、パリ協定を意義あるものにしようとしている」という事実・決意であり、これは京都議定書の際には日本になかったものだ。

 多分この「意思」が重要で、ハンブルクではこのフランスの新方針を巡って各国が腹の探り合いをするだろう。どうやって電力を生産するのか、化石燃料を使わないのかなどいろいろ問題はある。

 しかし議会定数の33%削減と合わせて考えると、「マクロンは大統領になっただけで満足はしていない男だ.......」ということだ。

05:12
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