(23:35)私の記憶では、確か羽生選手はソチ五輪の時にはフリーの演技で二度ほど転倒した。それでも金メダリストになったので、ロシアの有名な女性フィギャースケートコーチが「あれほど転んで金メダリストになった人はいない.......」とか言っていたと思う。
今回の平昌のオリンピックでの羽生選手は違った。何と言っても圧巻は完璧だったショートプログラムだったが、フリーも転倒はせず、耐えて全体の演技は引き続き流麗だった。
なんでしょうね。あの滑らかさは。韓国の新聞が「剣闘士の気迫、少女の柔らかさ」といった表現を使っていたが、美味いことを言うと思いました。フェルナンデス選手や宇野選手の演技には、「男の体の演技」というイメージが残る。
しかし羽生選手の演技には、男の「ゴツゴツさ」がない。男らしい胸とか肩やお尻のでっぱりがない。すっとしなやかな立ち姿。あの姿だからこそ、流麗なスケーティングが出来ていると思う。
ネーサン・チェン選手のフリーの演技は素晴らしかった。彼がもしショートでいつもの演技が出来ていたら、羽生選手にとっての大きな脅威になっていたと思う。しかし彼はショートの演技が完璧だった羽生の直ぐ後の出番。雰囲気に飲まれたんでしょうね。
ネーサン・チェンの体つきは、羽生選手のそれに似ている。やはりスラッとしていて、体は柔らかそうに見える。羽生君は「もうしばらく」という意向らしい。それからすると、宇野選手も絡んでくると思うが、この二人の戦いのような気がする。
それにしても、羽生選手の右足は完全に良くなったのか。氷上で右足に感謝している姿が印象的だった。しっかり考えて哲学的な志向をする羽生君と、「なんも考えていない」と羽生に言われる宇野。それにしても対照的だ。