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2018
06/14
Thu

上がらない米長期金利......利上げ、同予想でも

day by day
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  (06:30)私としては今朝は「U.S. Prepares to Proceed With Tariffs on Chinese Goods」というタイトルのこの記事により強い関心があるのですが、それは置いておくとして、朝起きて先ず見たのはアメリカの長期金利の動きでした。

 一日の動きを見ると、「2.946 - 3.006」とあって、「ああ、3%台に戻ったんだ」と分かる。しかし引けを見ると「2.966%」とあって、これは「一時3%台に乗ったが、その後落ちた」と読める。前日引値からの上げ幅は0.003とごく僅かだ。

 これは「驚くべき現象」と言えるでしょう。日本時間の14日朝3時に終わったFOMCは声明で「0.25%の利上げ」の決定を我々に伝え、そしてパウエル議長の発言などを総合すると、「年内あと2回、2018年としては合計4回の利上げ」を示唆した。

 しかしアメリカの長期金利は「knee-jerk」で一時は3%台に上がったが、その後は何もなかったように急落し、前日引値と同じレベルで終わった、ということ。ニューヨークの株はFOMCを受けて「やはり利上げのペースが速まるのか....」との嫌気もあって、ダウで100ドル以上の下げとなった。但しNasdaqは引けでは下げたが、日中はアマゾンとネットフリックスの上昇などもあって、高値を更新した。だから全般的には高い。

 ニューヨーク株の反落については、「FRBが年内あと2回の利上げを予告したから」と説明されているが、私は「早ければこの15日からの実体(関税引き上げ)を伴った対中貿易摩擦突入」を嫌気したものではないか、と考えている。だから15日はとっても注目なのです。

 今の2%近傍のアメリカのインフレ率を前提にすると、アメリカの政策金利の中立水準は3%前後とされる。FRBが公表した「Projection Materials」によれば、2018年のGDP成長率は引き上げられ、インフレ見通しも引き上げられている。そして何よりも驚くのは2020年の米失業率を3.5%に見込んでいる。これは「Longe run」とされるアメリカの通常時失業率4.5%を実に1%も下回る。

 今年あと2回やって、来年3回、そして2020年にあと一回程度政策金利を引き上げると、FF金利目標は優に3%を超えて、3.25とか3.5%に上がる。それが分かっていながらの今のアメリカの長期金利2.966だ。完全にリバースになる。

 もちろんそれは2020年の話なので、「それまでにアメリカの長期金利は上がる」と考える事は自然だ。しかしマーケットは「先取り」が原則なので、実は長期債市場は「FRBほど強気ではない」とも言える。

 今のアメリカには、多分世界中からお金が集まっている。大統領の評判は悪いが、「振り回される国よりも、振り回している国の方に資金を置きたい」という資本の論理もあるのだろう。しかしとっても興味深い現象だ。引き続きウォッチだ。 

07:30
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