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2008
06/25
Wed

2008年06月25日(水曜日) 金塊輸入の一時停止

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 (09:02)ロンドンの小鹿さんが教えてくれたのですが、今朝の日本の新聞に載っていないベトナム情報としては、「金塊輸入の一時停止」(英フィナンシャル・タイムズ)というのがある。ベトナムはこのコーナーで何回もお伝えているように凄まじいインフレ。ベトナム国民は自衛措置として金塊を輸入して購入していた。それがベトナムの貿易収支を悪化させ、ドンへの売り圧力になっていたという。これに対して政府が動いたというわけです。

 ベトナムのインフレ率は5月が25%。誰も自国通貨など持っていたくない。実際に行ってみると、ドンで支払おうとすればかなり札を集めなければならない。最高紙幣は50万ドンです。ベトナムの商店では平気でドルでの支払いを受け付ける。日本ではそんな商店はないでしょう。

 通貨であるドンも弱い。実際のところ私がいたたった一週間の間に、円とドンとの為替レートは1円=165ドンから170ドルに軟化した。たった5日間に起きた相場変動です。では国民にとって、何がインフレ対処策として良いか。まずはドル紙幣の保持でしょう。ベトナムのレストランでは、既にメニューがドル建てになっていることはお伝えしました。

 別の方法が、金塊の購入だったようです。ベトナム戦争を経験したベトナムの人々は、「財産の保全手段」としての金には昔から馴染んできた。それが再燃したのは当然なのでしょうが、フィナンシャル・タイムズによれば今年上半期の貿易赤字は、昨年同期の52億ドルに対して172億ドルになったという(6月はまだ終わっていないが、FTにはそう書いてある)。2007年一年間の貿易赤字が124億ドルだったというから、今年上半期の貿易赤字の額は異常だ。

 ドンは私がベトナムに居た6月11日から、一日の変動バンドが対ドルで2%に拡大された。それまでは1%のバンドだった。今朝の日経にも「インフレ加速、市場混乱」という記事がある。市場経済に慣れていないベトナムの社会主義政府は、どうも見ていると動きが鈍い。というか、何をして良いのか分かっていない。中国の方がよほど日本の経験などを学んでいる。

 問題は、外資がどう動くかです。私がいたときはまだ外資は先行きを心配しながら、まだ投資の勢いを鈍らせてはいなかった。インフレは世界的な現象とはいえ、ベトナムは世界的インフレの最も深刻な国のチャンピオンになってしまった。

 インフレはロシアでも年率15%以上に達していると言われるが、直近で動いたという意味ではインドです。インド準備銀行(中央銀行)は24日にレポレートを0.50%引き上げ8.50%にした。預金準備率も0.50%引き上げ8.75%とした。レポレートの引き上げは今月に入って2度目。6年ぶりの高水準。

 ロイターによると中銀は声明で、「金融政策の最優先事項はインフレ圧力の高まりを回避し、インフレ期待をしっかりと抑制することだ」「金融政策によって、明らかに強まっている需要圧力に緊急に対応する必要がある」との認識を示しているという。

 心配なのは株ですな。先週ニューデリーから東京に来たチャタルジーとは木曜日に食事をしたのですが彼は「12000くらいになれば嬉しい」と言っていました。そこに来たら買うと言うことでしょう。以前に比べて随分弱気になった。

 それにしてもニューヨークの株は下げ止まらない。昨日はプラスになる場面もあったのですが。まあ、日本時間明日早朝のFOMC声明待ちでしょうか。

08:19
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