日々のライブな情報ページ

2009
05/28
Thu

2009年05月28日(木曜日) 軍事衝突

day by day
EOF; } ?>

 (17:53)北朝鮮は言っているとおり、黄海での境界線を巡って軍事衝突を辞さないかも知れません。むろん、過去何回もあったような限定的な衝突です。衝突しておいて直ぐに理由をつけて引く、という形。長期戦を戦う力はない。石油もない。国内引き締めに役立つし、「どうせ口だけ」という周辺国を北朝鮮との取り組みで本気にさせる効果がある、と読むかも知れない。

 PSI(Proliferation Security Initiative)の全面受け入れを表明した韓国の決定は当然ですが、北朝鮮はずっとこの問題について、「宣戦布告と受け取る」と警告してきた。出入り船舶の臨検などを警戒しているのでしょう。韓国やアメリカの船に積荷を調べられることなど受け入れられない、という考え方。

 もともと北朝鮮と韓国の黄海側の主張領海は相手側に入り込んでいて、常に紛争の種になりうる。島もいくつかあって、両方の主張が重なっている。北朝鮮としては、そこに船を入れれば限定的な軍事衝突に繋がりうる状況を作り出すことが出来る。円が今日の外国為替市場で97円台まで一端下がったのは、明らかに地政学的なリスクを読んでいる。

 「読んでいる」と言えば、アメリカの長期債の利回り上昇(10年債で3.72%への)は、明らかにアメリカ政府の国債発行環境の悪化見通しを一因としている。まだ景気が戻りを確実にしていない中での金利上昇。3.72%は長くアメリカ経済を見てきた私のような人間には低い水準ですが、それでもこの水準はFRBが3月17日に国債買い切り決定をする前(3.01%)の水準を大きく上回っている。

 数日前「最近の長期金利上昇は行き過ぎか」という設問で何人かと話をしたところ、「そう思う」という意見が強かった。長期金利が上がれば、投資を狙っている資金はその買いに向かう。4%に乗ったら買いたい投資家は山ほどいるでしょう。しかし、長期金利の上昇は住宅金利などにも響くので米経済にとっては打撃です。

 GMの破綻説というよりはこの長期金利上昇を嫌気してニューヨークの株価は下落。しかし他にも面白い兆候が。日経の夕刊には、「国際商品、半年ぶり高値」という記事がある。筆者は穀物などの相場上昇に関心を払ってきたが、最近では原油が63ドルになるなど、景気回復の兆しを受けて商品相場は上げ基調だ。「上げが過度だ」という説もある。最初は「フロス」(.。o○)のように見えて、それは案外あっという間に本物の化け物になる。アメリカの住宅がそうでした。グリーンスパンは最初アメリカの住宅市場のそれを「フロス」(froth)と呼んでいた。フロスは直ぐ化ける。

 GMはpre-packaged の破綻でしょうね。事前調整型。債権者に冷たく当たって「ノー」を言わせ、予定通り「破綻」に持ち込むという着地かもしれない。債権者はCDSで保険を付けてありますから。それにしても、「史上もっとも複雑な破綻」になるでしょう。

 今週GMは予定より早く給料を支払った。従業員を落ち着かせるためです。事前調整型の破綻になれば、生産活動は続く。しかしだからといって、「売れる車がない」というGMにとっての厳しい状況は変わらない。

17:09
EOF; } ?>
ページの先頭へ
twitter
伊藤洋一公式Twitterアカウント

サーチ


カテゴリー


最新の記事

カレンダー

キーワード