私が食べ歩いたお店の紹介

私伊藤洋一が全国津々浦々を食べ歩き、見つけたおススメのお店を紹介します。

大阪の店

 2006年4月から関西テレビのこの番組出演で毎週行っている大阪は、また「食」でも楽しい場所です。同じ関西でも、京都とはまた違った趣がある。以下紹介するのは、私が行ったことのある店の中で、ご紹介できるごく一部の店です。

むらさき

 大阪の肥後橋の近くにある鯨料理の店です。HPはここで、場所も分かりやすい。私が行ったのは2006年の4月。スーパーニュース・アンカーの面々と。山本さんの紹介。

 この店の一番のウリ、少なくともわたしがそう思った料理は店のサイトにはなく、 はりしゃぶ 写真の料理です。ハリハリ鍋ではなく、言ってみればハリハリしゃぶしゃぶ。水菜を下にした肉をそのまま鍋に入れて、それをしゃぶしゃぶのように食べる。私は高知(例えば酔鯨亭)などで鯨料理を何回も食べているが、しゃぶしゃぶは初めてでした。これがまたうまい。特にスープが。

 ウリはもう一つある。店の名物オヤジさんです。実にダジャレが好きな親父さんで、料理の説明に来たときに短い間に10個以上のダジャレを言っていた。含羞はあるが、よく喋るという好感の持てる親父さん。例えば「ハリハリ鍋」の名前の由来には三つある、水菜の葉っぱの形.......とは別に、ハリーアップで食べるから」とか。ははは。お見受けしたところアイデアマン。もらった名刺をまじまじと見たら、「はりしゃぶ 商標登録第4600134号」と。しっかりもしている。

 いや、正直うまかった。もちろん鍋好きということもあるが、また私はスープ好きということでもある。大阪には他にも徳家とか鯨の店があって何軒も行っているが、「so far best」でした。店はHPにも出ていますが、「大阪市西区江戸橋1-15-4」にある。うーん、私だけでなく参加者全員がおいしかったと意見一致。お勧めです。親父さんともども。

肥後橋・一宝

 東京は銀座にある交詢ビルの確か5階だと思ったが、同名の関西天ぷら屋さんがある。東京の天ぷら屋さんがゴマ油を使うのに対して、紅花の油を使っていて、口に爽やかな天ぷらを食べさせてくれるのだが、その本店がここだ。

 東京の店が近代的なのに対して、大阪の肥後橋から歩いて3分のこの店は、料亭作りでどっしり貫禄のある店構え。玄関には料亭とも天ぷら屋さんとも何とも書いてない。140年続く店だが、ご主人と話していたら最初は油屋さんだったらしい。つまり油を売っていた。

 そのついでに始めたのが、その油を使った天ぷら屋さん。今ではむろん天ぷら一本です。最初は北新地にあったそうだ。しかし、夜11時すぎたら車が入れなくなる新地ではお客さんに迷惑ということで、近くに淀屋橋のビジネス街を控えた肥後橋の今の場所に移ってきたという。

 システムが面白い。最初は座敷に通されたのだが、そのときは「天ぷらを座敷か ? なんだこれは」と思った。しかし座敷で食べるのはお造りまで。終わったところで場所替え。つまりカウンターの場所に移動。天ぷらを食べた後はまた座敷に戻るという方式。それぞれ非常にプライバシーを保つ方式になっている。かつては接待中心だった店の名残。

 しかし、最近は個人客も多いそうで、土曜日にはそういう個人客に向けたメニューも作っているようです。今4代目のご主人、奥様、それにお嬢様まで出てきて歓待してくれたのですが、そうした家族的な温かさもこの店の魅力です。東京の店は、今のご主人の二番目の男の子さんがやっているようで、今は上海にもご長男が店を作る努力をしていて、2006年7月頃が開店予定だという。

 落ち着いた良い店です。店内も綺麗で、トイレにお茶の葉っぱが置いてあって、そのにおいもまた良い。
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 (2006年12月01日追記)ところで思い出しましたが、今週の火曜日にお邪魔した大阪の一宝は、確か10月の初めから上海店をオープンさせたと言っていました。今パンフレットが手元に出てきたので、上海在住で「時にはうまい天麩羅を」という方には推薦ではないでしょうか。

 女将さんの話によると、ビルの外観は普通のビルですが、中は徹底的に日本にこだわったそうです。ご長男が店の開店に奔走したとか。住所は「上海市斜土路2421号4号楼」で、電話番号は「021-6438822」だそうです。無論、私はまだ行ったことはありません。

法善寺横町・本湖月

 まだ料理カウンターに関する本を書いているときだ。関西テレビのアンカーのスタッフである吉富さんと、法善寺横町のバーで「料理カウンターは大阪の西区新町がスタートで.....」みたいな話をしていた。

 マスターが話しに加わってきて、「今大阪で一番良い和食のレストランは、この近くの本湖月さんじゃないですか.....」てな話になった。その時はへえと思って聞いていたが、その店を出て帰ろうとしたら本当に「本湖月」という店がすぐあった。

 少し酔っていたこともあったし、私の特徴というか「聞きたい」と思ったら止まらないというか、吉富さんがいたにもかかわらず、ずかずかずかと店の中に入っていって、既に10時を過ぎていてお客の上がった店に入っていったのです。そしたらちょうどご主人らしき人(それが穴見さんでした)がいて、突然「吉兆にいらっしたと聞きましたが、それになのになぜカウンターの店にしたのですか.....」とインタビューを始めてしまった。後ろで吉富さんがおろおろしているのを感じながら。

 その時はいろいろ聞いて頭に納めただけ。しかし、翌日思い出してそれをまとめたら以下のようになった。

 『大きなキッチンの中で働いているときは、要するに最後の仕上がりが綺麗であるかどうかが勝負でした。多少切り身の切り方がおかしくても、仕上がりがよければ良かったのです。帽子が曲がっていても、髪の毛が少し揃っていなくても、食材を多少落としても大きな問題はない。仕上がりだけが重要でした。

 (吉兆で)キッチンの中に入って一番歯がゆかったのは、「今夜のお客様はどういう人か」というのが分からないことでした。仲居さんから「お年を召した方です」とか「食べ方が遅い方です」とか聞きますが、目の前にお客さんがいるわけではない。結局は手探りなのです。

 自分の店を持つときは、お客様を目の前にして作る方式がよいと考えました。最初は作るプロセスまで見られるわけですから、仕上がりさえよけれ良いという世界とは全く違います。胃に穴が空くような思いもしました。しかし、今やっていて、このカウンターの方式の方が、お客様の食事のすすみ具合を見て作るタイミングを見図れるという意味でも良いと考えています。」

 しかし、これをそのまま本の中に入れるのはどうかな、本人の承諾が必要だと思ったので、その翌週に吉富、村西両氏に帯同してもらって今度は食べに言ったのです。それがこの店で食事をした最初。確か2006年の6月だった。

 食事はおいしゅうござんした。高麗橋吉兆、ロイヤル吉兆など「吉兆」で料理長まで務めながら、その後自ら店を立ち上げた穴見さんの腕は確かです。一つ一つに気配りが利いているし、素材に対する目利きがすごい。食器もすばらしいものが多いのです。メニューは月初めに変えて、その月一ヶ月はそのメニューと通すと言っていました。つまり、その間は同じ。

 穴見さんはその理由を、「料理に合わせて食器を入れ替えるのですが、それが大作業。月一回以上は出来ないので...」と。なるほど。従って、「これして」「ああして」とは言えない。しかし、その分だけ出てくる料理は一級です。「大阪で二番は嫌。一番じゃなければ」というプライドの高さに惚れました。

 住所は、大阪市中央区道頓堀一丁目七番11号。電話番号は 06-6211-0201。

北新地・カハラ

 新地の中央通りを一本外れた、スエヒロと御堂筋の中間辺にある岸本ビルの二階にある。静かな、わずか8席だけのレストランである。「カハラ」と聞いて、最初店主の方の名字かと思った。しかしハワイのカハラにちなんだ名前で、ご主人は森 義文さんという。静かな、しかしアイデアマンである。

 このレストランを教えてくれたのは、元TBSアナウンサーである進藤昌子さんだ。TBSの日曜朝の「がっちりマンデー」という番組でご一緒したときに、「これから毎週大阪に行くことになるので」と言ったら、関西育ちの彼女が教えてくれた。森さんによれば、彼女はご家族と中学生の頃から来ているそうだ。

 ここも本湖月と同じく、月ごとに一回だけメニューを変える。つまり月に二回行くと、同じ料理を食べる羽目になる。それもいいが。私が行ったのは、2006年の7月。何が一番驚いたかと言って、「フカヒレの姿焼き」が出てきたときかな。だってそんなの食べたことないでしょう。だから、森さんはアイデアマンなのです。目新しさも加わって、面白かったし、美味しかった。

 他の月にそれが出てくるかは私は知りません。しかし、食べていて楽しい。次に何が出てくるか。カウンター料理屋なのだが、目の前が鉄板になっているので、エンディングは肉のケースが多いのだろう。最後は鉄板焼き屋さんなので。私の時は、5枚重ねのお肉の焼き。小さく切ってあって、わさびとのあわせが一番美味しかったかな。

 大阪で初めて見つけたちょっと和食を外れた名店だと思う。本湖月の穴見さんとは、穴見さんが法善寺横町で店を出したときからの知り合いだとか。そう言えば、ベネチア・グラスが一緒だったな。

 住所は大阪府北区曽根崎新地一丁目9-2。岸本ビル2階。電話番号は、06-6345-6778。

肉料理 神谷(カノヤ)

 「カハラ」からそれほど遠くない新地の中、全日空ホテルから歩いて直ぐの所にある。「肉好き」の方にお奨めです。野菜ソムリエの資格を持つ女性もいて、肉料理屋ながらバランスよく食べられる。

 看板は「肉料理 神谷」と大きく書いてありますが、その下には「カノヤ」と表記してある。カミヤでは面白くないので「ひねった」と経営者。「経営者」といっても、若くて魅力的です。守田奈津子さん。父も兄も新聞記者という記者一家の出ながら、本当に「肉好きなので」と自分で店を出したという徹底派。野菜ソムリエの女性と板前さん(男性)の3人で店を回す。

 メニューを見ると、最後に「阿波池田牧場」発行の肉証明書がある。見ていると、肉は確かに良い。食欲がわく。こういう証明書はあまり見たことがないな。ステーキばかりでなく、すき焼きも提供してくれる。カウンターが8席あって、その後ろにテーブル二つの上がりがある。

 本人がこだわりで作った店だけに、コストパフォーマンスの良い、感じのよい店になっていると思う。なによりも店が明るいのがよい。物理的にではなく、雰囲気が。突き出し(肉刺しとちび寿司)が来て、ミニサラダが来て、わさびを横に従えたステーキと続く。私は「わさび」を自分で追加で擦りました。これがいけた。うーん、今度はすき焼きも試したい。5000円に行かないコースト、超すコースの両方があった。

 むろん、自分一人で見付けたのではない。関西テレビで一緒の吉富さんに教えて頂いた。彼は記者仲間から、と。彼は大阪のいろいろな店を教えてくれる。感謝。飲屋街、クラブ街だった大阪の新地。一時はかなり街の勢いが落ちて「クラブが潰れてラーメン屋に」とか言われた時期があったが、最近は新地は「レストラン街になりつつある」と思いました。

 「神谷(カノヤ)」の住所は、大阪市北区堂島1丁目3番4号谷安ビル2F。電話は06-6344-0129。ご興味のある方は、一度トライを。

大阪 岬寿司本店

 大阪にはいろいろな料理があって、旨い店はいっぱいある。しかし、この店は使っている素材からして、また従業員のマナーからして良いと思う。地元でも有名な店なのでしょう。私は朝日放送からテレビ朝日にレンタル中の赤江アナウンサー(現在サンデープロジェクト担当)から聞いて行ったら、とても良かった。

 たまたま行ったときは大阪場所を控えていたこともあって、相撲取りの贈った花が店内に綺麗に飾ってあって、誰が送っていたかというと、千代大海関など。花だけでなく、そのときには九重親方(元横綱・千代の富士)が近鉄の梨田監督と来ているのに遭遇、びっくりしました。千代の富士は横はあるが、上背はそれほどあるわけではない。

 ここの店の売りの一つは、河豚の白子の鍋のようです。実は私はこれを食べに行ったのですが、ほかの方々も注文していた。白子を数かたまりで紙鍋の中に入れて、そこにネギや椎茸を入れて煮て食べるというシロモノ。

 実は我々も2004年の2月にこんな形で白子鍋に挑戦した。その話を赤江さんに言ったら、「大阪にもあります」ということで店を彼女から教わって行ったという次第。事前に予約しておいたので、直ちに鍋が出てきた。おいしかったですよ。白子もいろいろな食べ方がある。

 他の食材も優れていると思う。場所は大阪市天王寺区悲田院町3-23。℡番号は、06-6771-8817、ファックスは06-6771-1333。

お好み焼き やまもと

 「大阪の食べ物」というと、たこ焼きとお好み焼きを思い浮かべる人が多いようだ。この話しを大阪の人に言うと、かなりの人が「あれはおやつ。大阪にそれ以外の食べ物がないと思われたら迷惑」と言う。

 私も約一年大阪に毎週来ていて、この大阪の人々の反論はよく分かる。大阪の食文化は深い。去年の9月末に出した本も日本料理の一つの形としてのカウンター料理に関してだが、本の半分以上は大阪の話しだった。そんな料理を生んだ大阪が、関東やその他の地域に比べて劣っていて、「たこ焼き」「お好み焼き」しかない、ということはない。大阪は多様な、素晴らしい食文化を持っている。

 しかし、日本の他の地域で食べる「たこ焼き」や「お好み焼き」以上にまた大阪の「お好み焼き」「たこ焼き」が美味しいことも確かなのである。やや全国展開気味なのですが、千房(?)という店は比較的安定した味を出しているし、ちょっとした大阪のお店でも結構美味しいその手の食べ物を出してくれる。

 その大阪で有名なお好み焼きの店といえば、やまもとがある。この店の名前はずっと聞いていました。大阪に勤務したことのある人や、放送関係の人から。タクシーの運転手の方まで、「あそこはおいしい」と。でいつか行こうと思っていた。新大阪駅の近くなのです。

 ずっと行こうと思っていたのですが、ついに2007年1月末に実現。市内でタクシーを拾ったのですが、スリーメーター位で到着。近い。阪急京都線の駅から3分だそうですが、タクシーで降りたところからは1分でした。

 うーん、しっかりと焦げを付けた焼き方といい、個性が強い。何と言ってもねぎすじといったか、すじねぎといったか、それが逸品だと聞いていたのですが、確かにうまかった。ネギがよく効いているのです。お好み屋さんの焼きそばが好きな私としては、ちょっと多いかなと思いましたが、焼きそばも。太めの麺で、これも美味しかった。

 先週は広島に行きましたから、「お好み焼き食べ比べ」状態だったのですが、まあ私に言わせれば両方美味しいですよ。大阪のお好み焼きは混ぜ合わせますから、「これが何」と掘り起こす形となる。広島はそのまま重ねて焼き、食べます。食材が非常に明確に出る。そう言えば広島には「お好み村」というのが出来ていたな。広島のお好み焼きは戦後です。戦後の焼け野原から育った。だから大阪の方が歴史が長い。

 私はお店に入ると、店で働く人々の表情をじっとみる。イキイキしていれば、食べ物を作っている人も楽しんでいる証拠であり、プライドと自信があるということで、その店はたいがいうまい。その意味でも「やまもと」は合格です。真ん中に焼きテーブルがあって、そこで「山本」と名札を付けた女性がお好み焼きを一手にやっている。経営者か、経営者の奥様か、それか親戚か。ははは、全く別人かもしれませんが、店が混んでいて話は出来なかった。

 しかし店の男の子達とは話しをしました。皆表情がよい。「ネギ焼き」は「この店が元祖で」という。元祖なんて数多くあるなと思ったら、「商標登録してあります」と。ははは、そりゃ本物だ。この本店以外に、近くに「西店」とか言ったかな分店があって、それから梅田にも店を持ったそうです。

 まあ新大阪の駅に近いし、今度はまた行こうと思っています。店は混んでいるが、まあお好み焼き屋で長居する人は少ない。結構回転しています。06-6308-4625 十三本町 1-8-4 阪急京都線十三駅西出口から。

新地に進出 八幡浜「はなれ」

 非常に珍しい魚を頂ける店です。新地に進出してきている四国は愛媛県八幡浜の「料理や」さんで、グルナビHPはここにある

 ははは、「八幡浜」ってどこって感じですかね。実は私も最初行ったときにぴんと来なかった。店での最初の会話で、「人口三万」とは覚えましたし、大阪でよくご一緒する吉富さんの関係のある宇和島のご近所さんだってことはわかったのですが。グーグル・アースで調べたら八幡浜が天然の素晴らしそうな漁港であることは分かったが、四国のどこに八幡浜があるのかは細かすぎて分からない、鳥瞰図は八幡浜市のHPでも分からなかった。でもうちょっと見付けたらこの地図が良かった。よく出張に行った松山市の南西、宇和島の北。

 まあそんなことはよいのですが、この店はもともと八幡浜にあった。そこを「はなれ」て、大阪は新地に店を出した。感覚としては「はなれ」。吉富さんが「いい店を見付けました」と言うので、魚を食べたかった私も大賛成で、この店での食事となった。

 店は5人座れるカウンターと、あとは全部で4人がけのテーブルが六つくらい。だからまあ30人入る店です。私たちは当然カウンターに。目の前に朝注文した魚たちが八幡浜から届いて、おろされないままに前に並んでいるのが良い。「これはなに、これはあれ」とか魚を指さしていたら、「珍しい魚が入ってます」と。

 その魚の図を見せてもらって驚いた。まるで一刀の刀のような形をしていて、名前が「矢柄」というのです。そう言われれば「矢」に似ていなくもない。だから名前が「矢の柄」。多分私は初めて見ました。ネットを探したら、このサイトの写真が一番良く「矢柄」の形状を表している。

 実はこの魚、こう見えて高級魚らしい。房総半島から鹿児島まで時々上がるらしい。この店に入るのも二日にいっぺんだと。どう食べたかというとぶつ切りにして、多少の生姜と塩と醤油で煮て、という形。食べてみたら、肉が締まっていて美味しい。刺身もいけるそうです。

 この店は、八幡浜の高校の同級生3人でやっているというのが面白い。女性二人、男性一人。その男性と女性一人は結婚していて、1年ちょっとここ(新地)で頑張って店をやってきたという。仲良さそうに三人で店をやっていたな。

 この店は、なかなかうまい。調理される魚が目の前にあるというのが良いのと、「矢柄」もそうですが、結構珍しい魚がある。急遽鯛の頭の煮付けを作ってもらったのでそれは味が若かったのですが、お造りを含めてあとは美味しかった。印象に残ったのは「矢柄」の他に、最後に出てきた鯛飯かな。

 鯛飯といっても私が大好きな「鯛茶」に近い。普通(かどうか知りませんが)、鯛飯は東京などで食べると鯛を蒸して、その白い鯛肉がご飯の中にまぶして入っている。しかし、「はなれ」の鯛飯は、鯛の切り身をご飯の上に乗せて、それを卵をとじた美味しいだし汁を軽く掛けてある。その点では、食べた印象が鯛茶に近い。東京の鯛飯は食べていると喉につかえるような所があるが、「はなれ」の鯛飯にはそういうところがない。半分「鯛茶」だから。エンディングとしては良かったな。

 まあ日本全国、鯛飯といっても鯛茶といっても実に様々なタイプがある、と改めて思った次第。正直美味しかったな。それだけ食べて、一人6000円ちょっと。ビール、焼酎を飲んでの価格だからリーゾナブルです。また大阪に良い店を見付けた感じ。また行きたいな。

 店の場所は店のHPを見て頂ければ良いのですが、以前毎日新聞があった場所の近くで、一本歩くと新地中央通り。ビルの地下一階にあって、電話番号は06-6345-7017。

富久鮨

 この店はいろいろな人から推薦してもらっていました。一番直近は2006年の暮れにニューオータニで行われたPHPのシンポジュームで隣にいた伊藤元重さんから。「大阪に行ったら寄るんですよ。美味しいですよ」という話しだった。大阪の多くの人も、「その店は美味しい」と言い、タクシーの運転手の方もご存じのようでした。「無線で使ってもらえるので・・・・」と。

 行ったのは2007年の2月の末。大阪の食べ道楽仲間と4人で。おもろいメンバーですよ、店の経営者あり、骨董商あり、そしてテレビ局の音楽担当おり。大阪ではそれまで寿司は食べたことがありませんでした。まともな店では。そういう意味では「富久鮨」は初めての挑戦。

 小さい店です。店構えも気取っていない。20年以上は使っている。カウンターと座敷があり、カウンターは合計10人程度か。ご亭主と奥さん、それに娘さんを中心に店を回している。出てくるものは、東京の寿司屋さんのそれとはちょっと違って美味しい。ウニが美味しかったな。穴子も良い。そして何よりも良かったのは、白子酒かな。東京では味わえない濃さ。しかしアルコールは少し飛んでいた。

 まだまだ何回か行かないと良さが分からない店だと思うのですが、今から言えるのは非常に楽しめる要素が多いということ。ご亭主はざっくばらんで、店をここまで育ててきた自信に溢れている。サポートするお嬢さん達は、動きがきびきびしていて良い。どうというところにあって、何気ない店構えなのも良い。何回も行きたい店である。

 住所は、西区新町1-23-12。北から行くと御堂筋を下って永堀通りを左折、四つ橋通りをまた左に曲がって一つ目の信号を左。近くの目安としては、西区消防署がある。電話は、06-6541-3889。

心斎橋近く とうがらし屋

 いわゆる「ミナミ」で楽しめる店の一つは、とうがらし屋。心斎橋の近くで、ここも元記者の吉富さんの紹介。何から何にまでとうがらしを使っているというわけではなく、一品一品はよく気が利いていてうまかった。軽く一杯というのに良い店と判断しました。北から行って、御堂筋を下って左側に三井住友銀行があるので、そこを左に入って暫く歩いたところ。

 カウンター回りにずらっと置いてある一升瓶が圧巻です。うーん、だから料理と酒の両方で実を得たい人用の店だと思う。最後のうどんが関西風で良かった。ちょっと食欲が落ちたときなど行きたい店。

                            (2006年11月01日記)

 あと行ったことのある店、行きたい店のいくつか。一富士(局の近く。親父が面白い)、菊水(お好み焼きの美味しい店)、富久鮨(06-6541-3889 西区新町)など。噂だけ聞いている店では、「きた村(http://shimizu.or.jp/kitamura/access.html)」(すき焼き 心斎橋大丸南側東入る)、「三国亭(http://www.mikunitei.com/)」(中華)、「よかろ」(住所:大阪市中央区島之内2-9-9 電話:06-6211-2713)、や満弥(新地 06-6348-1460)、多田(06-6346-7227)、ニューハマヤ(平野町、横堀、北浜 道修町 4-5-1 06-6231-8787 ダブダブとかトリダブと頼む...)、マーブル・トレ