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2018
07/23
Mon

冷笑は格好の餌食

day by day

  (10:30)日本の財務省がアルゼンチンの「良い空気の街」で行われたG20の会合から出てきたコミュニケを素早く掲載してくれているので、後で全文を読んでみます。最初の2パラくらいは、朝の文章を書くために読んだ。いつもより緊張感がある。

 文章という意味では、 この週末に読んで一番「面白い」と思ったのは、日経ヴェリタスの59面「異見達見」の「トランプ流、冷笑すべきでない」だ。加藤創太氏(国際大学教授・東京財団政策研究所研究主幹)が書いた文章。

 「主流経済学の立場からは、トランプ大統領の保護主義は非難の対象である。しかし、トランプ氏の主張と各国の通称交渉官の立場に大差はない」という実践的な見地から冷静に「トランプの主張」を分析している。

 私もそうだが、トランプ大統領を考える時に、「その知性を感じない発言や行動」「今までの大統領を綺麗でない言葉で否定する姿」「外国のトップも平気で罵倒するツイート」などなどで、「なんだこの人は」と冷笑的に考えがちだ。

 しかし考えてみればアメリカ国民が選んだ大統領。しかも最近彼の支持率は上がっている。「なぜか?」は良く考えないといけない。そう考えていたところに、この文章に出会って、見だしを見た瞬間にこれは面白い分析かも、と思った。

 文章として興味深いのは、「私は、トランプ大統領の一連のスタンスは、国家を企業に見立てる(一部の)ビジネススクール的な見方に通じていると考える」と「選挙で選ばれたリーダーに対する識者の侮蔑や冷笑は、反エリートのポピュリズムの格好の餌食になる」の二つだ。

 ここは非常に重要なポイントで、ある意味「政治と経済の接点をどう考えるか」という問題に通じる。どう見ても不可分で、トランプという人はその体現者だ。伝統的経済学の主流の考え方からは冷笑されているが、そこにどしっと存在し、政治と経済を動かしている。

 しかも先ほども書いたが、世論調査ではトランプ氏の支持率は上がっている。「現状では民主党の誰が出ても次の大統領選挙でトランプに勝てないのではないか」との見方も台頭しつつあるらしい。海外の一部の新聞が報じていた。

 多分我々は安易に主流経済学の立場に立つべきではないと思う。なぜなら「べき論」とは別に実際に世の中を動かしている論理は別にあり、「政治の流れ」には大きな関心を払わざるを得ない。

 今まさに世界を動かしているのは「政治と経済の混然一体物」としてのトランプ大統領そのものだからだ。

11:40
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