日々のライブな情報ページ

2019
01/03
Thu

「補助金」が重要だし、故にとっても豊かな....気付きの③

day by day

 人も物資も「おがまる」で丸一日24時間の航海時間と船舶燃料を使って運ばれてくると言うことは、本来は「島の維持コストは高い」ということです。例えばガソリンはレギュラーでリッター190円くらい払った。レンタカーをしたので知っている。しかしそれでも本来の価格からは随分と安くなっているらしい。島内は目の子軽四輪が7割です。当然借りたレンタカーも黄色ナンバーだった。島の車全体として白ナンバーが少ない。あとはバイク、スクーター。

 以前は島のガソリン価格はリッター250円に接近していたらしい。ではなぜ本来価格から大幅に安くなっているのか。それはリッター55円に達するらしい補助金故です。少し前から付くようになったらしい。

 小笠原村が東京都下の村であり、車のナンバーも「品川」であるということは、非常にこの島にとって重要です。それは村の財政が補助金故に豊かであるということを意味する。都ばかりではない。国もこの島に補助金を出している。なにせこの島は「日本が領有を宣言し、各国もそれを認めた」のは明治維新以降。つまり150年くらいしか時間がたっていない。「国もここが日本の領土ですよ」と主張し続けなければならない。それには維持費がかかる。

 私はこの島にしばらくいて、「海上のブータン」だと思った。道路はあるが追い越し車線のある道路はない。急峻な山が続く。しかし片道一車線の道路でも、みな立派に整備されている。とても「村民3000人」の島に出来ることではない。それが出来るのは国と都から潤沢な補助金をもらって財政が豊かだからです。島の主な産業としてはむろん観光が一番らしいが、二番か三番に土建業が入る。道路の整備、そして家屋の建設などなど関連の仕事が多い。あるラーメン屋の待ちで一緒になった親子としばらく話したら「内地から来て砂防ダムを造っている」と言っていた。そもそも資材を運んでくるのに時間と経費がかかるので、軽く内地(日本本土)の何割か増しになるらしい。

 しかし生協や商店、レストランに行くと「あれ、割高な筈なのにほぼ同じ値段だ」と思う。各種食べ物や生活必需品。それも「補助金故に値段が抑えられている」からだという。「(生活必需品には)補助金が出て、値段は内地並み」とガイドが言っていた。内地と言っても、東京など都会と地方ではモノの価格は大きく違っているので、「内地のどこ」が基準かは知らない。しかし小笠原では「生活必需品には補助金が出ている」「なので価格が内地なみ」というのは重要です。その意味では生活はしやすい。

 ではなぜ国が小笠原について「ここは日本の領土ですよ」と主張し続けなければならないのか。それは小笠原諸島という絶海の海洋島を領有しているが故に、日本の領土・領海が大きく拡大しているからです。日本人は日本のことを「小さな島国」と思っているが、それは事実ではない。領海などを入れると日本は世界第7位くらいの面積・領域を持つ大きな国ですが、その三分の一は「小笠原諸島の領有ゆえ」です。(続)

06:36
2019
01/03
Thu

「おがまる」次第で起動し、そして休む島....気付きの②

day by day

 小笠原には決して大部分の観光客には見せない顔があります。それは定期船の小笠原丸(おがまる)が父島の二見港を竹芝桟橋目指して出港して、また観光客を乗せて戻ってくるまでの数日間(2〜4日)。観光客はほぼ全員(フルに乗せて830人と聞きました)が「おがまる」で来て、そして一週間後の「おがまる」で帰る。なのでその「おがまる」が二見港に停泊していない父島は基本的には観光客ゼロです。二週間以上宿泊しているごく少数の人以外は。今回の場合は1月3日から数日間。私たちも3日に島を離れます。

 なので、島のレストラン(二見港の桟橋近くに集中しています)や観光業(各種ツアー、民宿、ペンションなどなど)は、「観光客がいない時が休み」となります。観光客ゼロなので。だから私は見られないが二見港の近くのレストラン街も、初めて3日の午後から「お正月休み」となって夜は灯りが落ち、真っ暗になるらしい。

 実際に「おがまる」で動く島時間故に、食事が付かないペンション宿泊の我々は、元旦でも外食先を選ぶことが出来た。でなかったら年末年始もやっている吉野家などなどのチェーン店やホテルがない小笠原では、観光客は正月三が日を越せない。食べられたのは「おがまる次第の島じかん・スケジュール」故です。ありがとう「おがまる時間」。だから島の人達と話していると、「今はおがまるが来ているから」という言葉が頻繁に聞かれる。「来ているか」「来ていないか」がとっても重要なのです。

 「おがまる」は観光客だけを運んでくるわけではない。物資も運んでくる。大量の。だから面白い事が起きる。我々が乗ってきた「おがまる」は30日の昼に二見港入港ですが、その直後に港近くの生協に入ったら鮮度が必要なものの棚、例えば内地からしか運んでこれない野菜などの棚は空っぽだった。しかし入港後2〜3時間で「おがまる」が運んできた物資が二見港近くの生協的なお店に並び始める。それを島で生活している人達も続々と買いに来る........という展開。なので島で生活する人にとって「おがまる入港」は大事なのです。(続)

04:31
twitter
伊藤洋一公式Twitterアカウント

サーチ


カテゴリー


最新の記事

カレンダー

キーワード