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2020
03/10
Tue

恐れるべきは「医療崩壊」

day by day

 月曜日のテレビ(フジ 午後2時からのグッディ)で、新型コロナウイルスに関する先週末からの私の疑問を専門家に質問することが出来たので、備忘で書き残しておきます。その日のゲストは吉田正樹さん(新型コロナウイルス感染症対策専門家会議のメンバー https://www.cas.go.jp/jp/influenza/senmonka_konkyo.pdf)と感染症に詳しい医師の金子俊之さんでした。

 疑問とは「時間的推移の中で見ても、日本の患者数と死亡者の数が他の国に比べて少なく推移しているのは何故か?」でした。この文章を書いている時点ではイタリアの感染者は9172人で死者が453人(10日午後7時のNHKの報道)。韓国の感染者は7513人、死者は59人(同時刻の中央日報の報道)。対して10日夕現在で発表された日本の感染者は511人、死者の数は10人で、圧倒的に少ない(別にクルーズ船感染者703人、死者7人)。

 実は「感染者のカウンティング」については、国によって検査システムも検査能力もかなり大きな差異があり、出てきた数字は国によって意味合いがかなり違う。それは色々な報道で分かってきている。ずっと私は「単純な比較は出来ない」と思っていました。よって私の関心事は「COVID-19による死者」の数でした。「なぜ日本はこの数字が少ないのか。人口が日本の二分の一以下のイタリアに比べると、その少なさが際立つ」と思ったのです。この疑問をゲストに投げたのです。主に吉田さんがお答えになってくれた。

 その回答は、「やはり日本の医療システムが優れていることがあると思いますし、感染者を激増させなかった、ゆっくりな伸びにとどめたことが良かったのでは」というものでした。私も「そうかな」と思っていた所でのご指摘でした。普通日本人は「私たちが優秀なので」とはなかなか言わない。吉田さんはよくおっしゃって下さった。でもその矜持は重要だと思う。

 改めて感じるのは、イタリアの対感染者での死者の割合の高さです。4.93%。「なぜイタリアの死者の数は絶対数でも感染者との比率でも多いのか」というのが私の別の疑問でした。これについては直近のイタリアからの報道で分かった気がする。

 それは「医療崩壊」です。「使えるスペースには全部ベッドを並べ、廊下まで患者で溢れている」とミラノ近郊の病院看護師がテレビのインタビューで応えていた。「お医者さん、私たち、すべて疲労困憊です」とのこと。それは私たちが少し前に武漢からの報道で目にしたものです。武漢で起きた「医療崩壊」が、今はイタリアの北部で起きている。もっとも恐れるべきはこの事態だと分かる。どの国でも、それを起こしてはいけない。

 ゲストの方に「安倍政権が採った二つの措置」についても聞きました。小中高校の春休みまでの休校」「中国・韓国からの入国制限」。吉田さんは前者に関して「一斉ではなく、インフルエンザと同じような個別学級・個別学校の閉鎖の方が良かったと思う.......」ということで、後者に関しては「韓国はあの時点で患者が急増していたのでそうだと思いますが、中国は既に感染者の伸びが鈍化していたので....」とお答えになったと思う。どちらの決定に関しても総理から諮問はなかったことに関しては「聞いて下されば良かったのですが......」ということでした。

 10日午後7時のNHKニュースにゲストで出られていた同会議副座長の尾身茂さんは、「実は2009年の新型インフルエンザ発症の時も、日本は圧倒的に感染症抑止で成果を挙げた。この新型コロナウイルスは感染しても8割の方が他の方にはうつさない。重症化しても半数の方は回復する」とおっしゃっていた。念頭に置いて、冷静に対処していきたい。(了)

21:57
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