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2020
05/25
Mon

「美術展の不都合な真実」(新潮新書)

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 強く「そうだったのか」と思う本です。最初タイトルを見た時に「これは面白そうだ」と。だってずっと「日本の展覧会って、どうしてこんなに混むのだろう、並ばなければならないのだろう」と思っていたのです。「その理由が明かされるのでは」と期待した。

 思った通り、謎が氷解しました。なぜ私が若冲さんやフェルメールを見るために上野の森に早めに行かねばならなかったのか、それでも長い列を作らざるを得なかったのか。日本の美術展になぜ日本の新聞社とかテレビ局が主催等々にずらっと名前を連ねているのか。

 ネタバレするのであまり書きませんが(なぜなら新規発行本です)、大手メディアが中に入ることによってやはり歪んでいるんだな、と思う。仲介手数料は取られる、人を多く繰り出さないと(集客しないと)採算が取れないなど。日本の入館料は、世界的に見ればばか高い。

 ニューヨークにいたときは、近くに住んでいたのでメトロポリタンやグッゲンハイム、それに近代美術館などによく行きました。日本でその手の時間を過ごそうとすると、凄く手間暇がかかる。やはりちょっと頻度が落ちているな。良くない。

 ま、日本にも良い美術館はありますよ。地方だと島根の足立美術館(https://www.adachi-museum.or.jp/)は2年ほど前に行ってよかった。でも少数をのぞけば、日本の美術館は常設展示物がちょっと力不足というのは否めない。

 その中にあって、この本の7章「本当に足を運ぶべき美術館はどこか」は参考になる。千葉や横浜はちょっと遠いが、その他は都内で近い。行っているところもあるのですが、教えて頂いたので少し足を運ぼうかな。自分の知らない分野なので、この本はとっても面白かった。

10:18
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