2000
12月

2000年12月の日記

日記

2000年12月31日

 31日の午後9時前につらっと一巡世界や日本のニュースを眺めたら、20世紀の終わりに相応しいような華々しいものはない。去年2000年の大騒ぎがあったせいか、あれに比べればむしろ控え目。海外の新聞には、株がこの一年下がったという記事が多い。まあでも一つの区切りですか。

 2000年末の雰囲気から言うと、21世紀もいろいろなことが起きそうです。それこそ目まぐるしく。まあ、3日までは鋭気を養う期間としましょう。このコーナーの読者の方全員に、良い年末・良い年始が訪れますように.......とお祈りします。

2000年12月30日

 忙しさから解放されて、やっと日頃怠っていたサイトの手入れが出来ました。

  1. チャットのコーナーに新たに「この日本で安く本を買う方法」という一文を掲載しました。ここ数日のこのコーナーの情報を一本にまとめたもの
  2. 同じくチャットのコーナーのジョーク2000を大幅に充実しました。いままで送っていただいたものの、忙しくてこのサイトに載せられなかったものを掲載しました
 このコーナーの情報提供者の方には厚くお礼申し上げますし、2001年はジョークにもう少し注力する予定です。入手された方はどしどし送ってください。

 「スピードの経済」の文庫化がいよいよ動き出します。日経新聞から。どのような改訂になるか分かりませんが、来年に前半には終わりにしたいと思います。

2000年12月29日

 本を安く買う方法に関しては今まで東京の分しか集まってきていませんでしたが、関西を含めた状況に関して、京都の京坂(きょうさか)さんから以下のメールをいただきました。

伊藤様

(前略)

 今回は、Day BY Dayの「書籍値引き」の話題について。。。

阪急系列のペルソナ・カードに入会すると、書店「ブック・ファースト」 で2000円以上書籍購入で、3%の割引になります。 ペルソナカードのHPを見ると、横浜のモザイクモール港北店では 金額制限なしとあります。阪急系列なので、東京では渋谷、神田、 横浜モザイクモール港北位しかないようですが。。。

 もっとも、購入時点で値引きになるわけではなく、クレジット引落しの 際に、3%割り引かれる形になります。 たいした事のない割引率ですが、2000円すれすれの買い物の時 などは、ついもう1冊買うケースもあります。

 本来の書籍の値引きではないのでしょうが、流通経路で割引いた分を 私のような衝動買いによる増分で賄っているのでしょう。。

 ということで、再販制度のしばりをカードという媒体を経由させることによってクリアしているということでしょうか。もう一つ。
伊藤様

 福本と申します。本を安く買う方法として大学生協の話が出ていましたが、伊藤さんのオフィスの比較的近く(ちょっと散歩と いうほどの距離でもありませんが)では、青山学院の購買会(正門を入って左側にあります)でしょう。ここも学生証の提示 は不要です。ただスペースは比較的狭く、在庫は少ないのですが、取り寄せもしてくれます。

 なによりこの大学は、社会人 大学院もあるので、元々ビジネススーツでうろうろしている連中が多く、おじさん一人でも入りやすいのがとりえですね。

以上ご参考まで。

 青学は昼飯に歩いていく(結構ある)こともありますから、今度覗いてみます。tks

2000年12月28日

 このコーナーでは実に久しぶりにレストランの紹介です。正統派中国料理の店。日本人に歩み寄ってはいません。だから、味はどちらかというと日本人にはちょっと違和感があるかもしれない。しかし、私は美味しいと思いますし、料理を作ることにおいても、食べることにおいてもうるさい山中さんも同意見だった(と思う)。

 実は28日に来年早々の天童の平成鍋合戦全日本鍋物研究会として参加するに当たり、のぼりを作るのか、ユニフォームを作るのかなどなど、前日と当日の各メンバーのアクションをどうするかなど参加できるメンバーで打ち合わせをしたのです。私が選んだ打ち合わせ場所が以前一回来て、美味しかったこの「趙揚」(ちょうよう)というレストラン。もちろん食べたのは鍋の「四川鍋」です。

 ご存じの方はいるでしょうか。中国の鍋は、しばしばセパレーターが入っていて、一つの鍋で二種類、ないしは三種類の味を楽しめるようになっている。昨日はセパレーター一個の鍋でしたが、一方がメチャ辛い、そしてもう一方がどちらかと言えば辛さを排除した精進的な料理。その両方を一緒に楽しむわけです。

 材料は思い出しながら言うと、豚肉2種類、同内臓(これが実にきれいでした→3秒のしゃぶしゃぶ的食べ方)、鶏肉、各種野菜、豆腐、春雨、椎茸、海のもの(きれいな2種のエビ、イカ、白身の魚など)、餃子などなど。失念していて、5人なのに5人分を頼んでしまった。店の人も、「食べきれないと思います」というほど出てきたのですが、なんと全部食べてしまった。

 はっきり言って、辛い方の鍋を進んで食べられたのは私ともう一人の男性であった山中さんの二人、まずまず「おいしい」と言って食べていたのは辻さん、あとの女性二人、木下さん、石田さんは「辛い」というコメント。辛くない方も美味しいのですが、私は辛い方が好きだった。

 辛い方は、間違いなく辛い、しかも残る辛さでした。半端ではないのです。しかし旨い。料理長(小さな店ですから店主か)がしばしば見に来てくれて、「この料理は下ごしらえするのに5時間かかる」と解説してくれた。だから、当日行って「これちょうだい」で食べられる日本の鍋とは違う。前日に予約しないと駄目なのです。毎日食べるものではない、しかし一ヶ月に一回くらいは食べても良いと思う料理です。

 この店は、銀座中央通りを背にしながら博品館から新橋に入って直ぐのところ(港区新橋1−5−1銀座葵ビル2階 03-3289-2006)にある。高速道路の下を通って、その次のビル。小さな店です。全部で30人も入れない。だからいつ行っても満員です。鍋ばかりではない。中国の鍋になど関心がない日本人が多いのでしょうから、大部分の人はたとえばコース料理などを頼む。しかし、このコースも日本の中華には飽きたという人にはお勧めです。なんと言っても美味しいのが良い。

 席について暫くしたら、知っている人が入ってきた。そしてその後にも、知っている人が何人も。一人はこちらにジョインしようとした<^!^>。先頭を切って入ってきたのは、キッチン5の優子さんだった。あとは私も何回も食事したことがあるキッチン仲間。奇遇でした。

 彼女の店は今週半ばでもう冬休みに入っていて、これから彼女は地中海のスパイス・ロードをあちこちを周り、新しい料理、調理法、そして素材を集めてくる。楽しみでんな。

2000年12月27日

 昨日まであまり年末の雰囲気がなかったのですが、さすがに「あと数日」ということで、その気分になってきました。TBSのこの番組のコメンテーターが一同に会した形で、森本さんと座談会があって、一年を振り返り、そして来年、さらには来年から10年の予想をしたのですが、時間が足りないくらいにおもしろかった。例年のことですが。

 今年一番頭にきた人、こいつは許せない....から始まって、「この人には拍手を送りたい」「2001年の顔」などなど。「この人に拍手を送りたい」ではやはり女性が多かった。男性で出たのはイチロー、新庄などの野球選手と、経済関係では唯一ファースト・リテーリングのヤナイ社長だけ。

 こいちは許せないは、圧倒的に政治家が多かった。この一年を象徴しているのでしょう。これらの座談会は、年末年始の番組の中で紹介されます。
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 今年は結局年賀状は印刷しました。ソフトの上で何種類かの絵柄、図柄を考えて作るのはそれほど時間がかかるものではない。時間がかかるのは印刷なのです。延々と、しかもプリンターの近くにいなければならない。まあ他のことをしながらでも良いのですが、今年はそれだけの時間的余裕がなかった。

 もちろん、宛名は印刷しましたがこちらは速い。宛名はあっという間に印刷できた。葉書がプリンターできれいに印刷できる紙種のものではなかったことも一因でした。郵政省は増印刷したのに、青山の郵便局などでは瞬間蒸発の状態。見誤ったということでしょうか。
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 本に関しては、引き続きいろいろな方からメールをもらっています。まあ、基本的には日本でたとえ5%の割引で買おうとしても、それは極めて難しいということです。再販制度の抜け道はあるのかと探ってみると、これがなかなかない。

 そうした中で、木村さんがこのサイトを紹介してくれました。そこには「新本を安く購入する方法」として、こう書いてある。  

  1. 東京・神田神保町の古本屋街には、日本特価書籍(神保町2−5、Tel 3261-7608)と いう、新本を1割引で売る書店がある。小さな店舗ながら人文・社会科学系の品揃え は良い。
  2. 大学生協の書籍売り場を利用する手もある。都内では、御茶ノ水にあるM大や四谷に あるJ大の書籍売り場は、学生証等提示の必要なく、誰でも1割引で購入できる。 とか書いてますね。
 一般物価の大きな見直し(下方修正)が進む中で、値下がりを回避できているのは本などごく一部ですが、それではそれで業界にとっても良いかというと話は別です。本の売れ行きが悪化してきたのはすでに良く知られていることですが、大部分の一般週刊誌の販売部数の落ち込みも酷い。

 であるが故に、来年早々に「週間宝石」は休刊。あとも噂されている休刊、廃刊は大手新聞社系の雑誌など。週刊誌は一部送られてくるモノを除けば電車の中などで吊革広告を見るのですが、「読ませたい」という願望で見出しを作っているので一瞬読む気が起きるのですが、大体記事の内容が予測できること、そして実際にそれを読んだときの「がっかり感」が大きいことを思い起こして、大体止めてしまう。

 一般週間雑誌の売り上げが急激に落ちているのは、記事が大体において覗き見趣味丸出しで、読後感が良くないからでしょう。あれなら飽きられてしまう。週刊誌の記事を読んでも、一つも楽しい気分にならない。

 一人の人間が一日で持つ24時間を巡る争いはいっそう厳しくなるでしょう。私の場合も、本を読む時間が良くない傾向ながら徐々に減ってきている。ネット記事など、他に読まねばならないもの、読んで楽しいものがいっぱいある。まあ、日本の出版業界も考えなければならない時点に来たんでしょうね。再販制度に守られていると思っているうちに、足下はガタガタになること目に見えている。

2000年12月26日

 あらら、昨日このコーナーで紹介したメールの主である渡辺さんから朝メールが再び来て、「思い違いをしていました」と。  

 昨晩メールした渡辺です。ビューカードの件、私のメールを 取り上げていただき恐縮しております。

 実は先ほど伊藤様のHPを読んでいて、私の間違いに気がつきました。 ルミネの本屋さんで割引になるのは、正確にはビューカードではなく ルミネでも使える「ルミネカード」でした。 (これはビューカードにルミネの機能が付加されたものです)

不正確な情報をお伝えしてしまい、申し訳ございません。

 ということだそうですが、この件に関しては坪倉さんという方から以下のメールもいただきました。
 VIEWカード(ルミネカードとジョイントしているもの)は愛用して います。VIEWカードを使って横浜ルミネで買い物をするのですが、 横浜ルミネに入っている書店「有隣堂」では「割り引きの対象外 になりますがよろしいでしょうか」と必ず言われます。 本は町に出たときにまとめ買いをするため、たいていは持ちあわせ がなく「はい、構いません」と言うのですが、請求書を見ても 確かに割引にはなっていないようです。 同じルミネでも店によって違うのかもしれません。

  書籍は相当な額購入するので、たとえ5%でも割り引いてくれると 大変助かるのですが、いまのところその様な店は知りません。 ご存知の情報がありましたら、是非ページ上に流していただければ と思います。よろしくお願いいたします。

 うーん、私も混乱してきましたが、再販制度に守られた日本の本の販売というのは容易に値引きというわけにはいかないということでしょう。

2000年12月24〜25日

 週末から月曜日にかけて、諏訪に行っておりました。寒い。さすがに。月曜日は雪が降って、積もりませんでしたが東京とは違うという印象.....と思ったら、帰ってきた月曜日の夜は東京も寒かったですね。風があった。

 諏訪では一つ目新しいことをしました。足の具合がちょっと悪くなって、据え置き電話のところに敏速には動けない母親のために、常に携行できるということでモバイル(ケイタイ電話)をプレゼントしました。それまでも、子機を3カ所くらいに置いて対応可能なようにしておいたのですが、それも面倒そうなので。

 最初は使えるだろうかという心配がありました。しかし、やってみたら一発で覚えました。受信と、短縮を作って必要な10カ所くらいに電話することを教えたら、すぐにできるようになった。しばらく用もないのに電話していれば、覚えるでしょう。

 年寄りにはしゃれたものをと思って、209iのシェル型のワインレッドを。もう80に近い。しかし、年をとっていても覚える気があれば、あの程度のマシンだったら簡単に覚えられるのです。機器をいじれるいじれないは年齢ではなく、個人差が大きいと思いました。
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 JR東日本の新しいサービスに関しては、いろいろな方からメールをいただきました。tks。で出た結論は

  1. いったん買ったチケットはピックアップするしないに関係なく、カード会社へのJRからの請求項目となる
  2. ビジネス特急券との併用は可能
 と分かりました。tks。これに関連して渡辺さんから興味深い情報をいただきました。私はまだ試してありませんが。
 (前略)一度くらいは何かお役に立てるような情報はないかと思っておりましたら、先日のJRのビューカードに関する記事を見て、ひとつご参考になればと思いメールしました。

 大した話ではないのですが、日本で本を買う場合、書店であっても アマゾンドットコムジャパンであっても和書はすべて定価というのが 一般的な常識ですが、実はビューカードを利用して「ルミネ」に入っている 書店で本を購入すると、5%引きになります。ときどきバーゲンをやっているときなどは10%offにもなったように記憶しております。

 新宿ルミネに入っている青山ブックセンターはそんなに大きくないのですが 私が住んでおります大宮のルミネの本屋さんは結構大きくて重宝しております。

2000年12月22〜23日

 これは超便利。今頃と、笑われるかもしれませんが。1ッカ月くらい前でしたかね、K君と食事をしていたら「JRのVISA VIEW CARD」は便利だという話を聞いた。その時に「そうか」と思って、申し込んでおいたのです。しかし、カードが来ても、しばらくほっておいた。

 年末年始は列車を使うことが多くなるので、そろそろと思って「どう使うんじゃ...」ってなもんです。私は比較的移動が多いのですが、今まではだいたいどの駅に行っても「これから乗れる...」でそのときその時にチケットを買っていた。しかし、どう考えてもこの日のこの時間の前後は込みそうだという時はある。不安との戦いでもあるのです。スポット買いは。

 で、年末年始ということで「ちょと早めにチケット予約の必要性あり」ということで、先の話を思い出した。東日本のサイトに行って、もうカードは来ていて番号は分かっていますから会員登録をして、そしてすぐに買いに入ったのです。実は当日の午後の。2時間前なら買えると書いてある。

 「列車・乗換案内」にまず入って、目的の列車を見つけて、そしてその列車をダブルクリックしてとなかなか順調なのです。列車を決めたら座席のタイプを選んで、そしてOK。すぐに登録したメールアドレス(最高三カ所 一つはケイタイメール・アドレスにしました)に「受け付けました」というメールが来て、それからすぐに「取れました」とメールが来た。

 速い速い。あとは、VIEW CARDを持って、そしてメールで来た受付番号でももっていけば、代金はクレジットカードに回るという仕組み。1月も移動が多いので、これですべて予約は超簡単というわけです。でもちょっと疑問点がありますね。

  1. 予約はしたがその時間に不可抗力か何かでいけなかった場合(駅でチケットをピックアップできなかった場合)は、代金支払いの義務は生ずるのか
  2. ビジネス回数券とのあわせ技はできるのか。つまり、ビジネス回数券の「窓口で指定を受けて下さい」の部分をネットでできるのか
 などはどうなるんでしょうかね。ご存じの方いたら、教えてください。

 それからこのサイトの読者のみなさまには、良いクリスマスをお祈りします

2000年12月21日

 やっぱしそうだったのですな。20日夜10時過ぎに家に帰ってメールをチェックしたら、いつもはこない異様なメールやそれに対する re が全部で8通くらい入っている。?????が続いていたり、明らかに異様だった。添付ファイルもあって、ますます怪しいものもある。拡張子も exe でいかにも臭い。

 shift キーを使ってまず全部 trash に入れ、その後削除して、サーバーからもコンピューターから棄てました。来るべきひとからではないメールには注意するようにしているし、攻撃対象とされやすいアウトルックでは絶対メールを開けないようにしているのです。あれはなんだったんだろう、と思っていたら21日の午後の朝日に以下のような記事が載っていた。

 東京証券取引所がベンチャー向け新市場「東証マザーズ」の情報配信用に設けている無料のメールマガジンを使い、何者かがコンピューターウイルスをばらまいたことが21日、わかった。メールマガジンには不正侵入を防止する障壁(ファイアーウオール)を設けていたが、これを突破して流されたことから東証は不正侵入者の仕業と判断。念のため、一般投資家8000人の読者すべてに警告のメールを送り、ウイルスの削除を促している。
 発信元は「tselist01-admin@www2.tse.or.jp」で、これはいつもはマザーズに関する情報を送ってくれる。情報系ですから、取引所内のシステムとは関係ないんだろうと思います。あまり読んでいないが、登録していたのです。実際に開けたらどうなるか知りませんが、それにしてもしっかりして欲しいものです。因みにマザーズから来たメールは
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Mothers Information Service【緊急告知】

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 平素よりMothersSupportersClubメールマガジンをご購読いただき、ありが とうございます。

 さて、12月20日午後9:30以降、tselist01-admin@www2.tse.or.jpより、 MothersSupportersClub(一般会員)のメンバーの皆さんに、ウィルスの添付 されたメールが、ハッキングにより不正に送付されるという事態が発生し ました。

 よって、このメールにつきましては、決して添付ファイルを開くことな く、至急削除していただくようお願い申し上げます。

 今回の件につきましては、MothersSupportersClub(一般会員)の皆様に多 大なご迷惑をおかけしておりますが、ご高配のほど宜しくお願い申しあげ ます。

 というものでした。記念に残しておきます。一斉に送ったせいでしょうか、小生のプロバイダーのサーバーが送り出したのは21日の午後でした。メールの時間は午前8時31分でしたが。

2000年12月20日

 雑誌の世界にはこういう議論があるそうだ。

我々が極めて悲観的な記事を書く→消費者心理が冷えて→景気も悪くなる→広告収入も落ちて→雑誌も売れなくなって→我々(雑誌社)自身も自らクビを絞められることになる→そして我々(雑誌人)もいつかクビになる
 その可能性があるのに、なぜ日本の雑誌はことさら「悲観論」を売るのか。それはまだしも売れるからだそうだ。楽観論の雑誌はとんと売れないらしい。悲観的な雑誌はある意味で、読む人に優越感、自分も例外ではないという安心感を生むらしい。まだしも売れるから、「最後は自分のクビを絞めるかもしれないが、当面売るためには作る...」「自分がその雑誌を担当している間は売りたい」ということになっているらしい。

 逆説的なのは、じゃ売れるからといって部数がめちゃ伸びているかと言えば、そうではない。雑誌によっては、そして新聞によっては青息吐息のものがもう出てきているのは常識だ。そして、むろんのこと広告も集まっていない。だから、出版・新聞業界には大きな再編の波が押し寄せる。クビは締まってきているのだ。

 自分が担当している間は「部数を落としたくない」という編集長の立場は、日本の一部官僚が「自分が担当している間は...」と考えるのと似ている。「どこが違うんだィ......」と思ってしまう。期間限定の担当だから、「その間は......」と思う。でも、それでいいんでしょうかね。もっと先を考えないと、全員でお互いのクビを絞めちゃうんじゃないだろうかと。
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 今売られている雑誌の見出しをつらつら見ると、「日本の終幕の....」とか終わりを告げるものが多い。しかし、「日本」の定義が甘くはないだろうか。「古い日本」が終幕を迎えるのだったら、それは結構なことだ。古い日本が終わっても、新しい日本が生まれて日本人が豊かで活力ある生活をできれば、それはそれで結構だ。

 網野善彦流に言えば、もともと多様なのだからそれを無理に「日本」という単語ですべてを表象することはない。なにか欲求不満ですな。そろそろ日本にも新しいタイプの雑誌が現れても良い時期のような気がする。楽観でも悲観でもなく、事実を事実と見て提言をして人を捉えるような。これは僕の印象にすぎないが、「悲観論」も商品としては酷く陳腐化した

2000年12月19日

 12月01日にブッシュ次期政権の有力経済顧問のローレンス・リンゼー氏が行ったAEIでの対日政策に関する講演が、ほぼ20日遅れというタイミングで19日の日経朝刊経済1面に載っている。この講演については、このサイトではここで取り上げましたが、まあ日経もこの講演の取り上げ方には、頭を悩ましていたんでしょう。

 この講演は、読んで重要性が明らかだった故に直ちに翻訳に着手して、解説を付けてあちこちに送った。政界の知り合いにもいくつか流しました。その段階で、日本の新聞は全く取り上げていなかった。これだけ情報がシームレスに伝わる世の中でも、「つかみ」が悪いとその重要性が分からない。情報の非対称性はなくならないということです。

 ブッシュ政権は明らかにクリントン政権の対日政策からの決別を意図している。問題は、日本に受け皿があるかどうかです。
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 へえ、FRBはサイト・アドレスを変えたのですか。珍しいですね、この手の機関がアドレスを変えるとは。まあ以前のアドレスはちょっと長たらしかった。「http://www.bog.frb.fed.us/」とドットが多かったから。新しいサイトは「http://www.federalreserve.gov/で、ある意味ではすっきりしている。

For immediate release

The Federal Open Market Committee at its meeting today decided to maintain the existing stance of monetary policy, keeping its target for the federal funds rate at 6-1/2 percent.

The drag on demand and profits from rising energy costs, as well as eroding consumer confidence, reports of substantial shortfalls in sales and earnings, and stress in some segments of the financial markets suggest that economic growth may be slowing further. While some inflation risks persist, they are diminished by the more moderate pace of economic activity and by the absence of any indication that longer-term inflation expectations have increased. The Committee will continue to monitor closely the evolving economic situation.

Against the background of its long-run goals of price stability and sustainable economic growth and of the information currently available, the Committee consequently believes that the risks are weighted mainly toward conditions that may generate economic weakness in the foreseeable future.

 今回の声明は、FOMCが次の措置として「利下げ」を視座に置いていることを明確に示したもの。リスクの所在が前回の「インフレ」から「中立」を通り越して「景気重視」に展開したのは、私にとって予想通りです。いろいろなところにそう書いてきた。「中立」ではありえないと。今のアメリカの景況や置かれている状況を見て、FOMCは金融政策のスタンスを「中立」がふさわしいと考えているだろうと考えるとしたら、それはFRBの認識能力に対する認識不足でしょう。

 声明は、一気の利下げの是非に関しても議論が展開しただろうことを伺わせる。「economic growth may be slowing further」というのは、現在進行形の可能性を示唆していますから、FRBも景気の一段悪化の可能性を明確に認識している。しかし一部の米マスコミが予想した「利下げ」までFOMCが踏み込まなかったのはなぜか。

 声明の中には、「rising energy costs」という単語と、「some inflation risks」という言葉が出てくる。FOMCは、引き続きエネルギー価格の高騰と労働需給のタイトさを懸念していると見ることができる。原油相場が下がり始めたのに「riging energy costs」を指摘しているのは、卸売り、小売りの段階を言っているのでしょう。しかし、筆者はこの点は賛同できない。原油の先物・現物相場はかなり落ちてきている。

 あと、11月15日のFOMCでは「インフレ」警戒だったのが、たった一ヶ月とちょっとで「利下げ」というのも、市場に alarming なメッセージが伝わりすぎると考えたと思われる。中央銀行の prudence の行動規範に反すると。FRBは、景気と株価の調整は「予想よりちょっと速い」と考えている。しかし市場が騒ぐほどalarming になることはないと大勢の理事は考えた。ただし、一部の理事は景気の先行きを懸念した筈で、そこで議論が起こったはずです。

 それは随所に分かる。「景気を注視している」とした部分の「The Committee will continue to monitor closely the evolving economic situation. 」はこの手の声明にはよく見られる表現ですが、the risks are weighted mainly toward conditions that may generate economic weakness in the foreseeable futureというのは、強い表現です。

 今後を展望すると、現在のような「消費者の景気信頼感の低下」、「需要の減退」、「売り上げと収益の低下」、「金融市場の一部で見られる逼迫」、「経済活動の鈍化」、そして「上昇の気配が見られない長期インフレ期待」からすれば、次回のFOMC(1月30〜31日)には利下げが実施されることになるでしょう。

 筆者が懸念しているのは、次回のFOMCまでの一ヶ月半がちょっと長いという点です。この間にFOMCが指摘している「金融市場の一部で見られる逼迫」や「売り上げと収益の低下」が加速する危険性はかなりある。日本の例を見ても、景気が後退に向かうときの経済に対する中央銀行の措置は遅れがちで、その間は経済の参加者が感じる金融実体は「too tight」ということになる。その意味では最近では珍しく、今後一ヶ月半の間「今回のFOMCの措置は賢明であったのか」という疑問が出続けるでしょう。FRBの従来からの考え方の枠内では今回の措置は予想できたが、だからといってそれが正しいとはいえない。たぶんFOMCの理事の誰が経験したよりも、今のデジタル技術を基幹としつつある経済の変化は急速だからだ。

 おそらくグリーンスパンは、この一ヶ月の間に講演するたびに市場を calming する発言を続けるでしょう。「continue to monitor closely the evolving economic situation」というわけです。

2000年12月18日

 テレビカメラが3台据え置かれていて、それを操作する人はいない。つまり、固定なのです。出演者は二人で、そのカメラの前に座っていろいろしゃべる。そして、切り替えはと言うと、カメラに向かって左側にある調整室で担当者一人が行って、三つのカメラを上手に使い分けて番組を制作していく.....。

 「そうか、こういう番組の作り方もあったのか....」という体験でした。徹底的にコストを引き下げるとああいうことになるのかな、という印象。水木さんに誘われて、来年の1月に放送される番組の収録に参加したのですが、今までとは違った番組の進行に多少驚いたのと、逆にネットワークの局以外はこうして番組を作るしかないのかな、という点。こうした局は今後とも増えて行くんでしょうね。
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 昼と夜にあったそれぞれの会合は、ともに very impressive。最近シシリーに行った大先輩の話には笑いました。映画のメッカ、シシリーの話。むろん、映画の話もしたのですが、目新しかったのは携帯電話の話。とにかく大活躍なのだそうです。シシリアはまあ話好きな連中が多い。で何が起きるかというと、酒場では会話の輪に加わりながら携帯電話を片手に他の相手とも話を延々としている....と。

 かと思えば、シシリーの男性は必ずガイドであっても2時間置きぐらいに電話をする。誰にしているかと言えば、奥さんではなくお母さんだというのです、その相手が。今どこにいて、あと何分ぐらいで家に帰れて、そして今夜は何を食べる.....といった。

 では奥さんはどうしているか。奥さんは、ダンナに2時間置きに電話をする。母親を中心に家族が出来ていて、嫁の立場などというのです。シシリーの話はここや、ここにあるのですが、面白い島であることは確からしい。いつか行きたいものです。この人は映画の権威でもあるのですが、最近見た良い映画として「初恋の来た道」という中国映画を推奨していたな。
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 夜は The House of 1999で。去年の年越しをした場所ですから、へえもう一年たったのか、という印象。会は、N 君が昔から主催している為替、同関連業界の現役、オールディーズのクリスマス・パーティー。今年は一段と後者が多かった。懐かしい顔がずらり。Kaneko、Kanagami、Takei、Haraya、Ojiri、Hashimoto、Yokoyama、Uehara、Nashimoto.....うーん、Fukawaなどなどのミスター。

 今度オールディーズのパーティーでもしようと言うことになりました。

2000年12月17日

 入院させていたVAIOのSR9/Kの修理が終わりましたということなので、昼過ぎに秋葉原まで散歩がてらに。結構な人が出ていました。ラオックスなども人がいっぱい。これといった新しい製品が出ていないのに人出が多いと言うことは、なにかしら売れているのでしょうか。

 ラオックスで探したのはケイタイ・エディーの新版(15日発売)で、SO502iWMに対応しているかどうかを調べたかったのです。どうもだめみたいですな。ケイタイ・リンクというソフトもあって、それは「部分対応」。つまり、一つの登録に最近は電話3本、メール2本くらいが入るのケイタイ電話の形になりつつあるのですが、それにフル対応してるかどうかの違いから「フル」か「部分」の分かれ目なのです。

 一登録にある2〜3本の電話番号をすべてゲットし、それをまた電話に返せれば良いのですが、次々に出てくるケイタイ電話にフルに対応しているソフトは少ない。ケイタイ・リンクのSO502iWM対応も、一登録に一つの電話番号しかゲットできずに、その情報をケイタイに返すときにはあとの2本が消えてしまう。これではだめです。結局買うのはやめました。
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 ソニーのVAIOステーションというのは、地下鉄銀座線の末広町から線路の方向に歩いて3分くらいのところにある。見ていると、まあいろいろなものが持ち込まれている。受付をする女の子も大変ですな。古いラジカセを持ち込む人間もいれば、デジタル・ビデオカメラを持ち込む人もいる。

 VAIOステーションというのはその手のカウンターの左側にあるのですが、今回は受け取りなので、順番に入ったのですが、結構時間がかかる。いい加減にせいよ...という感じです。

 モデムを認識しないと言うのですから、それは接触不良の可能性が高いのですが、やはりそうだった。ソフトの問題ではない。今は順調に動いていますが、やはり最新PCがないのはなにかと不便です。というのは、音の関係の処理が古いPCではできない。一安心という感じ。
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 申し込んでいたADSLは、来年の最初の週末に開通という運び。NTTがやたらに頑張って料金を下げてきている。それも重要だが、対象領域がまだ狭い。ISDNにはいらいらし通しですから、来年の開通が楽しみになりました。

2000年12月16日

 考えたら、あと2週間で20世紀も終わり。なんか実感がわきませんね。まあ淡々と新しい世紀に入って行くんでしょうね。去年は考えてみたらThe House of 1999で年越しパーティーに参加して、そのあと日枝神社にお参りに行って、そして赤坂見附の近くで年明けカラオケをして2000年を迎えた。

 ちょうど31日が金曜日で放送があったために東京に残っていたためと、2000年問題もあってそれがどうなるか見たかったこともあって、外に出る予定を作ったのでした。わざと携帯電話を掛けてみたりしましたが、特に大きな問題はなかった。

 これも思い出したが、私はずっと2000年問題などたいしたことはないという意見だったが、ヤルデニ君などはえらく警戒的で「Y2Kで世界はリセッションになる」などと言ってましたな。うーん、「Y2K」などと、懐かしい。あれ以来、ヤルデニ君の意見は聞く気が起きなくなった。そりゃそうでしょう、あれほど見事に外した人はいない。
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 土曜日は「一般の人にとってうまい資産運用は」という週刊文春の取材を午前中に受けていました。記者さんが我が家に来て。時間がとれなかったのと、月曜日が待てないと言うので、そういうこになった。

 いつも思っていることを言いました。こざかしいことを考えないで、お金があったら自分に投資したら....と。今の日本の景気がはっきりしないのは、日本人一人一人が自分や社会、国の先行きに自信が持てない、不安な状況だから生じているというのが私の意見。自信を持つには、自分に投資する以外にない。

 何をするかはその人その人が考えれば良いのです。好きなこと、やっておかねばならないことを考えれば、自分の何に投資すれば良いかが分かる筈です。あとは、株式投資と対外投資でしょうか。円は安くなると見ているので。

2000年12月14〜15日

 ブッシュとゴアの勝利、敗北の宣言はどちらも予想したとおりで、あまりおもしろくなかったですね。ゴアの宣言で目立ったのは、「this is America」という2回の表現と、「I accept it」でしょうか。ブッシュの演説には、「together」が12回出てきていた。新聞記事でおもしろかったのは、ワシントン・ポストに共和党首脳は「ローレンス・サマーズ財務長官に留任を要請することを検討している」という部分。
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 ところで、今まで使っていた F502i という携帯電話がちょっと具合が悪くなったので、来年のIMT2000発売の前なのですが、新しい機能をもったものをと思ってソニーが最近出してきた SO502iWM という機種を買って使い始めました。

 この機種の最大の売りは音楽。つまり、マジックゲートのメモリースティック搭載スロットがあって、そこにMSを潜り込ませて音楽を他の各種マシンから録音したり、再生したりできること。購入と同時についてきたマジックゲートのMSは64。最大128まで可能とあるので、再生時間としては2時間強くらいまでいけるということになります。

 以前メモリースティック・ウォークマン用に使っていた録音済みのスティックを入れて音楽を楽しんでいるのですが、音はなかなか良い。なによりも、一つのマシン(携帯電話として売られていますが)に電話とウォークマンが相乗りしているのがいける。ついでにいうと、電卓の機能も持っているので、それで3つ。あと i ですからインターネット、メールもできるということで、かねて予想していたように all in oneの形が見えてきている。

 家に置いておく機器は別ですが、持ち運ぶものはなるべく all in one がいい。もう数年前ですが、ロイターのかなり地位の高い人がきて食事をしたときに、ポケット・ロイターなんていらないから携帯電話の窓に為替相場を入れてくれといったら怪訝な顔をされた。その程度なら、ロイターは落ち目になりますわな。
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 それはそれとして、この現象を突き詰めていくとデジタル技術の進展の中では様々な機器が基幹技術レベルでは同列になってものすごい勢いで融合していくということになります。今のPCはすでにテレビであり、ステレオでもあり、カメラでもあり、音の変換装置でもありネット端末でもあり、と数えていったらきりがない。

 たぶん売れなかったのでしょうが、「メモリー・スティック・ウォークマン」は消えゆく運命にある。出たばかりなのにです。なぜなら、携帯電話と一体化したらあえて別物としてウォークマンを持ち運ぶ意味はない。まあ、好きな人はいるでしょうが、減っていく。

 という形で、機器の大掃除、大整理が進むはずです。もっとも組み合わせは実に多様になる。その人その人、その消費者のニーズに合わせて。どういう機能の組み合わせの、どういうデザインのものを作るのかがこれからの勝負なんでしょう。

 マジックゲートのMSについていうと、今度の SO502iWM についていうと、アナログ、デジタル問わずかなりいろいろな機器から音の録音ができるようになっている。だからたとえば、MSに英会話の音を入れてもいいわけです。それを携帯電話で聞く。電車の中ではぴったりです。

 まあでも、来年のIMT2000は本当に楽しみにしているんですよ、どんなものになるか。

2000年12月13日

日本時間にして14日の午前11時にまずゴアがワシントンで敗北宣言(concession speech)をし、それから一時間後の正午にブッシュがオースチンから勝利宣言をする....というのが段取りだそうです。11月7日が投票日でしたから、ゆうに1ヶ月以上はかかった。

 12月3〜4日に紹介したゴルフのジョークで言えば、「第一ホールを終了するだけでなんと19日間かかった」という部分は、「一ヶ月以上かかった」となる。どんなスピーチになるのか。ブッシュ陣営のスポークスマンはこういっている。

I think it will be a very gracious and thoughtful address to begin the healing process of the country,'' said a Bush spokesman, Dan Bartlett.
 この短い文章の中にも、いくつか目に着く単語がありますね。gracious→礼儀正しく、上品で、寛大な...という意味です。まずはゴアに対してでしょう。おそらく非難する言葉を抑え、ゴアの努力がアメリカの民主主義の強さを証明した、といった内容になる。

 thoughtful→思慮深い。誰に対して。アメリカと世界に対してでしょう。ブッシュの選挙戦での標語は、compassionate conservatism だった。もともと情は詰まっているから、その発露を探せばよい。まずはゴアに、次はアメリカの民主主義に。そして世界に対しても。

 まあ一番気になるのは、「healing process」でしょうね。ニューヨーク・タイムズのアップル記者は、今回アメリカはそれまで超然としていた最高裁まで「真っ二つ」であることを露呈したと書いていたが、その谷間をどうやって埋めることができるのか、その道筋はどうなるのかの枠組みを知らせなければならない。

 ゴアの concession speech は彼が4年後に再び大統領を狙える立場に立てるかどうかの重要なものになるでしょう。今回のこだわりから言って、ゴアが大統領の座を諦めたとはとても思えない。今回は時間がたつに従ってゴアに逆に吹いてきた風を、このスピーチで自分にフェーバーなものにできるかどうか、それがポイントです。ゴアは昼前のスピーチの内容と、そのトーンを入念に考えている筈です。

 そういう意味では、ゴアのスピーチの方が読み応えがあるかもしれない。何をどういい、民主党の中で「やはり次の大統領候補もゴアだ」と思わせる雰囲気を作り、国民にも「彼にもチャンスを与えたい」と思わせることができるかどうか。すべて、日本時間の午前11時に予定されているゴアの演説次第、そこが第一歩ということです。これで躓けば、国民を失望させれば、ゴアは政治家としての道を断たれる。

 ブッシュにとってはこれから数多くこなさねばならない演説の一つに過ぎないが、ゴアにとっては自らの将来を形作る重要なものとなる、ということです。

2000年12月12日

 年末が近づいて、「ああ、あの人とは年末に会っておきたいな...」なんて思って企画を立てる、という機会が増えてますね。よく見ると結構年末まで一杯になっている。タクシーも先週の金曜日はかなり混んでいたようです。

 ただし運転手さんによると、「金曜日以外は大丈夫」と。まあでも、ここしばらくは混み合う日が続くかも知れない。私の印象では、「21世紀末」というのはあまり実感がない。やはり、1999年から2000年になるときの方が「時代の変化」というか、実感が強かった。

 「世紀末」をやたらに台詞に使うのは長島ジャイアンツ監督で、彼がこの言葉を使うと「えらい気にしとんな...」と思う。あの人の頭の中には、「20→21世紀」への変化が強いインパクトとしてプリントしているようです。新聞の世紀末特集というのもスポーツ面に少し目立つ程度。ほんとうはもう少しお祭り的動きがあった方が景気にも良いのですが。

2000年12月11日

 私は行けなかったんですが、この週末から月曜日にかけては千葉の幕張に出来たカルフールに関していろいろメールが来たりと情報が集まってきました。幕張の小売業界に与えたインパクト、消費者に与えたインパクトが大きかったようです。

 その?ところでカルフールですが、私の家からは歩いて10分とかかりません。入場制限は、ゆっくりと買い物をしてもらおうという趣旨。大型のカートでも全く不自由しないほど通路も広く、天井まで届く陳列棚に表紙を向けて並べた雑誌類とか、伊藤さんおなじみのバーコードによるCD視聴とか、ゲート式のレジ(日本でもトイざラスで一般化してますが)など、確かに違う雰囲気です。

 一つには視察のフランス人が多かったせいもあるかもしれません。日本人の関係者も、ファッションがありがちなサラリーマンルックでないところが如何にもフランス系という感じです。米は量り売りしてました。一見の価値はあると思います。地元住民は近くのヨーカドーが安売りをするなどの恩恵に預かる一方、道路が大渋滞という副作用も被ってますが・・・

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 その?8日にオープンしたカルフールですが、米(宮城産、ひとめぼれ)が5キロ、1400円台で売られておりました。オープン時の特別価格かも知れませんが、これは安いなと思いました。カルフールは、メーカーからの直接仕入れを模索するなど、これまでにない手法で低価格を実現しようとしております。

 それが、上手く行くかどうかはともかく、 こうした新規参入が増えると、競争への恐怖感から 既存企業も値下げせざるを得ないですね。 それで、値下げできない人はどうするかというと、 カルフールの隣のイトーヨーカ堂(幕張店)は、 営業開始時間を9時に繰り上げました。 それしか手がないのも悲しい話です。

2000年12月08〜10日

 土曜日は朝10時から全日本鍋物研究会の水木会長が学生時代に考案し、それ以来同家でだけ40年間かなりの頻度で食べられながら一度も同家から出たことがない門外不出のナベ、「もやし鍋」なるものの収録が新宿の「ねばし」という店であって、小生も「研究会広報部長」(勝手に作ればいいんです)ということでそれに参加しました。

 今のところ1月24日放映ということで、なんだか知らないのですがTBSの「オフレコ」という番組なんだそうです。そこで、「鍋」の特集をしてその一コーナーにこの水木家の「もやし鍋」が登場するという。私たち(今泉さん、辻さん、石田さんと私)もナベ研のメンバーということで、「これはうまい」とか言って参加したという次第。

 まあ、本当においしかった。朝からナベというのはちょっと思ったし、「そこはもう一度」とかいろいろ出るんですな。「もやし鍋」を食べる収録スタッフだから、本当に楽しめるということではない。まあでも40年も門外不出という鍋も珍しい。

 ここのメンバーとは、来年早々に天童市の平成鍋合戦に大挙して押し掛け、その熱戦状況の視察と<^!^>、今後の参加の形を詰めるつもりでいて、いろいろ予定が入っているのです。もっとも、「全日本鍋物研究会」の旗を掲げている関係でただ視察というわけにもいかず、この優勝鍋を持ち込んで50人分を提供して参考参加する予定。

 実は最初フル参加の道を探ったのですが、それはちょっと無理だとわかった。なにせ実行委員会の方では、「500人分を作る」のが参加条件とおっしゃる。そりゃなんぼなんでも........ってなもんです。だいたい材料がどのくらいいるかも見当がつかない。それらをどう運び、どう調理し....と想像を超える。ということで、今回は参考参加ということです。第5回の新作鍋コンは過去4年間1月の下旬でしたが、今年はこの天童があるので2月と言うことになりました。
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 VAIOは結局コンフィグがどうしてか何カ所か壊れて修復不可能ということで、プロダクト・リカバリーから全く作り直しと言うことになりました。なぜかは不明。秋葉原のバイオ・ステーションの方は「fat をいじりましたか....」と。最初から32なのにいじるわけがないってなもんです。

 プロダクト・リカバリーしたらその他は順調だったのですが、モデムを認識しない。しかもインターナルのモデムを認識しないのだからどうしようもない。また、一週間くらいかけて「入院」ということになりそうです。

 しかし、リカバリーすると何か機械全体が軽くなった印象がするのは結構なことで、貴重なデータを全くハードディスクの上に置かない私としてはまあ時間は損した気はしますが、たまにはいらないものが捨てられるのが良い。

2000年12月07日

 いろいろな方にご心配、ご紹介いただき、TBSの並木君の取材体勢は整いました。tks。ネットの力は大きい。

2000年12月06日

 いろいろありまんな。尾道の安保(あぼう)さんがハワイの帰りに東京に立ち寄ったので、西麻布の「日影茶屋」で待ち合わせをしたのですが、会ったらすぐ

「伊藤さん、ネットで調べたんですけど、この店は年内らしいですね......」
 知らなかったので、「まさか...」といったものです。和食の店としてはずっと好きな店だった。料理は美味しいし、量もむやみに多くはなかった。店の人に聞いたら、「私たちもつい最近聞かされました....」と。ここを見ると確かにそう書いてある。もう一度、年内行かねば。葉山の店は引き続き営業。従業員の方々は、皆それぞれ...ということのようです。
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 買ってから今まで順調に動いたVAIOの「SR9/K」が動かなくなった。起動しそうになっても、途中で進行をやめる。理由は不明。オフィスでずっと使っていて何も問題なく、「日影茶屋」に寄って、それから家に帰って使おうとしたら unworkable。

 どないなってんでしょうね。オンラインで買ったので、秋葉原のバイオ・ステーションに持ち込むしかないかも知れない。古いタイプのマシンが残っていますから、直ちに不便はないのですが、それにしても何か気になる。
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 ところで、今日はお願いです。TBSラジオの私の曜日の担当者である並木君が今週末からアメリカに取材に行くのですが、デジタル家電を含めていろいろなデジタル製品を使いこなしている人、またニューヨークの近郊でベンチャーを起こしている人を捜しています。

 デジタル家電はまだ本番はこれからでしょうし、ベンチャーと言えば西海岸の方が多いのでしょうが、このサイトをお読みの方で心当たりがありましたらご一報(無論、メールで結構です)を頂ければと思います。彼は取材のためならボストン当たりまで行く用意がある、と申しております。連絡は、私のアドレスへのメールで結構です。
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 テレビ東京の朝の番組「オープニングベル」という番組に出て、ゲストは以前パーティーでお会いしたことのあるあさお慶一郎さんで不良債権問題を話したのですが、本当に時間が短い。話し始めたらもう終わりという印象。もっと話すことがあったのに。

 でも、聞いたら彼は36才。日本はどの分野でも「人材枯渇」。まだ彼の思考のどこかに「政府頼み」のところがあったのが気になりましたが、明らかに人材不足の日本の政界の中にあって出てきて欲しい人ですな。

2000年12月05日

 たぶんこういうシナリオになるんでしょうね。

 1.次回のFOMC(12月19日)でリスクの傾きを中立に戻すか景気後退までもっていく

 2.21世紀最初のFOMC(1月30〜31日)で0.25〜0.50%の利下げ

 FRBが今まで動けなかった最大の理由は、労働市場のタイトさだったと思う。しかし、先週発表された失業保険の申請者数などを見ても、米労働市場には明確な緩和の兆しが見える。もう一方の原油は落ち着いている。FRBが説明責任を全うする形で緩和に動ける環境が出来つつあると言うことだ。ポイントは今週末に発表される米11月の雇用統計だろう。これが緩ければ、FRBは大手を振って動ける。

 NASDAQの2000ドル台の半ばへの下落は、私にとって予想通りでした。株式の勉強会などでも周囲の人の冷たい目を気にせずにずっとそう言ってきた。3月10日の高値からは半値ですが、昨年11月からの上げが凄まじいものであったことを考えれば、半値は十分考えられた。多くのハイテク企業には「労組」結成の動きがあり、「レグテク」への動きは変えがたい。競争の激しさを考えれば、業種全体のPERはオールドより低くても良い。

 ニューヨークの株式のチャートを見ていて、ダウは99年の4月から、つまりいままで一年半以上に渡って全くレンジ内にとどまっていることに気が付いた。踊って、踊り疲れたのはNASDAQに多く収容されている銘柄だけである。ダウに登用されたハイテク株がこの間に増えた(4銘柄でしたっけ)ことを考えれば、ダウの安定は特筆に値する。

 世界のマスコミには、「credit crunch」の単語が並び始めている。ジャンクボンドは売れなくなり、資金調達に苦しむベンチャーが出てきた。世界的に金融は引き締まってきている。この間最も締めたのはアメリカ、次いで欧州、そして日本である。もっとも締めたアメリカが緩めてくれば、市場には少なくとも一時的には安心感が漂うだろう。
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 問題は上のシナリオ通りの動きをしたとしても、それが「too late」にならないかの懸念だろう。ウォール・ストリート・ジャーナルなどに明らかにFRBのリークだと思えるような記事が出てきたと言うことは、今の世界のマスコミにおける話の展開を放置することのの危険性をFRBが悟っていると言うことだろう。少なくとも今後の展開に関して市場に事前知識を与えたとも思える。FRBも「too late」の危険性を心配している。

 次の問題は、FRBの緩和姿勢・利下げがアメリカ経済をどこに導けるか、だろう。対処措置が「too late」で景況の悪化が勢いを増せば、今や言葉として懐かしくなったリセッションになる。たぶん今のモメンタムから言って、「急激な再浮上」はないだろうから、「pre-emptive」であろうとすればウォール・ストリート・ジャーナルが言うような「とりあえず中立」から一歩進んだ緩和方向もあるだろう。そこで私は可能性は低いが次回FOMCでの「リスクの傾斜の景気後退方向」を入れた。

 金融政策に絡んでくるのが財政政策である。ブッシュの減税案が急激に注目されている。半年前はみな「やり過ぎ」と言っていたものである。使える資金はある。これが日本との違いだが、政権交代の微妙な時期にあって金融政策の発動のほうが速いだろう。グリーンスパンFEDの真価が問われる時期、ということでしょうね。とりあえずは、グリーンスパンの15日の講演やいかに.....。

2000年12月03〜4日

 私が最近メンバーになったサイトに「Joke a day」というサイトがあるのですが、そのサイトに大統領選がらみの面白いジョークがありました。KATAYAMA さんに教わったものですが、ちょっと面白いので私が翻訳を付けました。このサイトのジョークは、「著作権フリー」ということなので。ゴルファー向きだな、これは。ENJOY !!

A proposed revision to the rules of golf is being sought in South Florida which will replace the traditional call of "FORE".

Once a player has hit an errant shot he will be allowed to call "GORE" while the ball is still in flight. He can then replace the ball in the same spot and hit it again.

The player can do this until he is satisfied the ball is going where he intended to hit it in the first place. This will cause the time of play to be extended until such time the player can claim the hole.

This revision is causing some consternation to the PGA but proponents say it is only fair.

A recent test of this new rule was recently played out in an exclusive club in Palm Beach County Florida and the first hole only took 19 days to complete.
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(新着ジョーク 私の訳)

 ゴルフでは、ゴルファーがコースを外れるなど危ない球を打った場合には、「フォアー」と叫ぶのが伝統だった。しかし、アメリカはサウス・フロリダではこの伝統的なゴルフのルールを変えようと言う提案が出ている。

 新ルールはこうだ。プレーヤーが行方定まらぬボールを打ったときは、「フォアー(FORE)」ではなく、そのボールが着地する前だったら「ゴアー(GORE)」と叫ぶことが許される。そうすれば、そのプレーヤーは同じ場所にボールを置き直し、もう一度打つことが出来る。

 しかもそのプレーヤーは自分が最初に意図したところにボールが飛んで満足するまでこれを繰り返すことが出来る、というのだ。その結果は、ゲーム時間が著しく長くなる。プレーヤーがそのホールをものにできるまで続くからだ。

このルール改正提案でPGAは大パニックになりつつあるが、ルールの改正提案者達は「フェアであろうとしているだけだ」と譲らない。

 この新ルールが最近パームビーチ郡の高級会員クラブで試験運用されたが、第一ホールを終了するだけでなんと19日間もかかった。

 ゴアもこんなジョークを作られるようだと、もの悲しい。エリザベス女王がアメリカのあまりの混乱に独立を取り消したというジョークもイギリスでははやっているようです。

2000年12月02日

 連絡事項をいくつか。

  1. 久しぶりにchatのコーナーに新しい文章をアップしました。メールの限界と効用です。数日前に書いたメールに関する文章をベースにしている
  2. また同じくチャットに、「joke 2000」を加えました。寂しい。考えたら、今年はまだ一本しかない。皆さん、送って下さいね。
  3. 私も良く行く西麻布のキッチン5の年末・年始の営業予定と、お休み予定が以下のように決まりました。この店が寒くなって休むと、「年末か」と思う

2000年12月01日

 ははは、今日は朝から大笑い...........。

 6時にスタジオ入りするんですな。毅郎スタンバイには。朝刊チェックをするのですが、メールの話になった。その数日前に、小生はあるメールを番組関係者全員に送ったつもりでいたのですが、遠藤さんが「私には来ていない....」と言っていた....いう話になった。

 「おかしいな.....」ってなもんです、こちとら。何が何でも、あたしゃ確かに送っている。「仲間はずれ説」「私の送り忘れ説」など、いろいろ出ていたそうだ。冗談半分で。????? その時は、原因が分からずじまい。「まあまた送ろう....」と思っていた。ところがそれから数分して遠藤さんが突然、「私、メールアドレスを変えて.....」

 あたしゃ、立ち上がりそうになりましたね。「なに、変えた....」

私:「今、なんと....何を.....」

遠藤:「いえね、アットマークの前をね、今までの.......」

森本:「????????」

私:「それで、何時からですか......」

遠藤:「今週...。アットマークの前は、どう変えても変わらないと思って....今までの○○○を○に...」

森本:「そりゃだめだよ.....泰子さん......」

伊藤:「(呆然)!!!!!!!!!」

遠藤:「え、そうなの。だって私やってみたらうまくいって.......」

森本・伊藤:「ぎょえ.......」

森本:「自分の住む所を変えて、自分が新住所に手紙出せばちゃんと返ってくるワナ....」

伊藤:「それで、連絡しました....他の人に.....」

遠藤:「大丈夫だと思って...........」

森本・伊藤:「が〜ん.......」

 番組もその話でしばらく盛り上がっちゃったな....。ときどきやってくれるんですわ....あの方は。<^!^>