2003
08月

2003年08月の日記

日記

2003年08月30日

 (14:04)金曜日の夜の話ですが、この方とその友達である中国の女性と食事をしていて、「ジャンケン」話に花が咲いた。

 まず分かったのは中国にも日本とまったく同じように「ジャンケン」に相当するものがあって、子供の時から、そして大人になっても使うというのです。大人では、順番で誰が酒を飲むか、残り物を食べるかなど。上海出身の彼女はその時のかけ声を、「ツェトリリーツェ」と言った。(その後南京出身の中国の女性に同じ質問をしたら、違う発音で、「上海は訛っているから」と一言)

 ただし日本でよく使う、「最初はグー」に当たる部分はないそうで、一気に「ツェトリリーツェ」と始める。手の形で示される紙、石、鋏の関係は同じようですが、どうも「紙」に相当するものは彼女の説明では「布」であるようです。日本では風呂敷のところもあるらしい。

 中国には「ツェトリリーツェ」の他に、手のひらを上にするか甲を上にするかで手を出し合い、「少ない方が勝ち」という決め方があるそうだ。これはチームに分ける時などに使うと。面白かったのは、日本人が良く使う「あみだくじ」はないのだそうです。少なくとも彼女は知らなかった。

 実は「ジャンケン」については、ずっと私の頭に凝りとして残っているものがある。それはアメリカにいた頃、ゴルフ場に私たちの前にいた日本人のグループがティーオフの順番をジャンケンで決めていた。それを見た我々の後ろのグループのアメリカ人の女性が、「What a secret society.」と言ったのです。

 それで分かったのは、「ジャンケンも知らない人から見ると、それは秘密社会の秘め事のように見えるんだ...」と。そしてアメリカにはないのかな....と。もうずっと前の話ですが、その時から「ジャンケンとは」と私の頭に残っていた。私は少なくとも4年間のアメリカ駐在中に、アメリカ人とジャンケンをしたことはなかった。

 で、寝る前にちょっと調べたのです。「ジャンケン 語源」をキーワードに。そしたら、素晴らしいページが出てきた。そして、「ジャンケン」的な決め方が世界各地にあることが判明した。どのくらい頻繁に使われているかは別にして。欧州では、石が井戸になったり、アジアでは紙が布になったり。いろいろですが、便利な勝ち負けの決め方として使われている。

 ということは、世界でジャンケン的な決め方をしているのは、世界では多数派であって「What a secret society」は当たらないのではないか、と。私もアメリカ人にジャンケンを教えたことはある。とまどっていましたが。語源について広辞苑には、「石拳から。一説に両拳の中国音から」とある。

 ついでに、「あみだくじ」の「あみだ」とは何か。これも調べたら、ここなどに記載があって、それは「阿弥陀如来」に依拠していたのです。なるほど.....。どうして中国にはないのだろう。

2003年08月30日

 (04:04)起きて良かったと。全選手がゴールしてから、3位が発表されるまでの時間の長かったこと。1、2位は比較的素早く発表されたが、3位は微妙だった。末続が高野コーチと抱き合ってあげた雄叫びは、凄まじかったが、嬉しい雄叫びでもありました。20秒38。4位の選手とは、0.01秒差。勝負に勝った感じ。

 リアクション・タイムは末続は遅かった。スタートを係員に注意されていたのです。何を注意されていたのか分かりませんでしたが。「決勝で初めて注意されたが、ま関係ないんで」と末続。最初の50メートルくらいは遅れていた。そこから追い上げたのだから、実力は本物だと思う。

 彼がテレビで3位確定後にインタビューを受けて喋ったのを、何の気なしにキーボードで打っていたら、以下のようになりました。  

 ありがとうございます。まだ、信じられない。はい。もうそれしかない。まだ実感がわかない。....(聞き取れず)、お父さんなどにありがとうと伝えたい。途中で足がちぎれそうになった。皆が応援してくれているって分かっていた。後半足がつりそうになった。ここまでくるまでに先生も、家族のみんなが支えてくれた。それに何とか応えたい、と思った。もうわけわかんなくって。ありがとうございます。嬉しいですね。がんばりました。勝負しに来たので。苦しい思いしてきたので。アテネのきっかけにしたい。
 違っていたかもしれない。目がちょっといっている感じ。しゃべりも遅い、リアクションも遅め。感慨に耽っているのだと思う。それにしても「おめでとう」ですね。日本人で初めて短距離のメダリストになった。ファイナリストを通過して。ビューティフル。

 それにしても、デジタル時代の最大のコンテンツはやはりスポーツ、というのが最近の印象です。水泳、体操、陸上、そして来月には柔道がある。それぞれが面白い。日本人選手が活躍する、ということもありますが。プラズマになって絵が綺麗になった。ゴルフの芝までが綺麗に見える。フラット受像器は、スポーツの映像が綺麗に映る。スポーツのコンテンツ性は上がった、と思う。

2003年08月29日

 (14:45)ブラスター、世界中を騒がせたウィルスを作成したのは、18歳のティーンエージャーだったようです。アメリカ時間の金曜日に逮捕とか。それにしても「a teenager」ですからね。デジタル社会における個人の力は大きい。以前から懸念されていたことでもありますが。

FBI to Arrest Teen In Virus Attack

WASHINGTON -- The Federal Bureau of Investigation has identified a teenager as the alleged author of the damaging Blaster "worm" unleashed on the Internet and plans to arrest him early Friday, a U.S. official confirmed Thursday.

The 18-year-old, whose name and hometown weren't immediately available, was accused of writing one version of the damaging "Blaster" infection, which spread quickly across the Internet weeks ago, the official said.

Further details were expected to be disclosed Friday by the FBI and U.S. attorney's office in Seattle, which has been leading the investigation. A news conference was scheduled for 4:30 p.m. Eastern time.

2003年08月29日

 (04:45)日本の新聞には、「北朝鮮が「核保有望まず」 ロシアとの2国間協議で」といった形で例えば朝日には、

 6者協議の北朝鮮代表の金永日(キム・ヨンイル)外務次官が28日、ロシアとの2国間協議で、「核兵器の保有を望んでいない。朝鮮半島を非核化したい」と発言したと、ロシア代表のロシュコフ外務次官が記者団に語った。また、ロシュコフ次官は「北朝鮮には核施設はあるが、核兵器はまだ保有していないとみられる」と述べた。イタル・タス通信が報じた。 (08/29 01:18)
 といった記事がある。しかし、今朝のウォール・ストリート・ジャーナルには、「North Korea Announces Plan To Test Nuclear Weapons」という形で、北朝鮮が核保有を六カ国協議の場で各国の外交官に対して「公式に核兵器の保有を宣言し、核実験を行う」と述べたという。ある一人の米外交官が述べた、と指摘している。
NORTH KOREA ANNOUNCED plans to conduct a nuclear test, saying it would formally declare possession of nuclear weapons and the means to deliver them. The statements during talks in Beijing marked an escalation of Pyongyang's rhetoric in the long-running standoff.
 このニュースはニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストにも載っていない。抜きなのか、早とちりなのかは不明ですが、本当だとすれば北朝鮮の瀬戸際政策の進展ということで、看過できない動きといえそうです。まあ、今日当たりから出てくる事実もあるのでしょう。

2003年08月29日

 (04:35)早起きして良かった、と。パリの世界陸上での末続選手の準決勝。当該レースは2位で、全体では4番で通過。明日は6レーンでの出走になるようで、メダルに向けた良い位置取りではないでしょうか。

 ただし、インタビューを聞いていたら、あまりにもメダルのプレッシャーが強くなっているのかな、と。東京のスタジオもメダル、メダルと。末続選手は苦笑い。彼にとってはまずの目標は、日本人が未だ経験していない「短距離ファイナリスト」だったようで、その点では達成。

 昨日、今日のレースを見ていて、短距離の最終局面で周りを見ながら走れる日本人は初めて見た感動はありますね。高橋がマラソンで後ろを見る余裕があったのと同じような余裕。あれは凄い。

 明日何時のレースか知りませんが、「これはやなり見たくなる....」と。

2003年08月28日

 (21:45)下で紹介した本は、あまりにも面白いので、私が担当している日経ビジネスの書評で取り上げることにしました。今日原稿を提出しましたので、来週か再来週の日経ビジネスの書評欄に載ると思います。

 ところでもう一つ本の話をすると、この「日本語と外国語」(岩波新書)も実に面白い本です。例えば、アメリカ人が「orange」と言ったときに、実は日本人が茶色を認識している色彩領域を含んでいる、だから「orange cat」がありうるが、日本人はそれをまともに「オレンジ色の猫」と訳すから話がおかしくなるとか、逆にフランス人が「黄色」と言ったときには、日本人が茶色と認識している色が含まれるとか。

 読んでいて目から鱗です。もともとは1990年に出版された本ですが、今年の4月に30版として新たに出てきた。カラーの色のあとは、虹が出てくる。日本では7色ということになっているが、世界には虹を様々な色の数で数えているようで、これから読みますが、その話でしょう。この本は面白そう。
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 「虹」で脈略もなく思い出したのですが、同じように綺麗なものとしてあるのは「夜景」。実は雨の季節が過ぎた後、何かと高いところに夜に登る機会が多い。ずっと「東京の夜景はどこが一番綺麗だろうか」と漠然と考えていた。で、私としてはここだろうなということろが見つかったのです。それは、「レインボーブリッジとその周り」

 数ある東京の夜景の中でなぜあそこなのか、は第一にあの長い綺麗な橋であり、第二に水(海)です。そして第三はその上や下を動く車や屋形船など乗り物。実に人の心を動かすものがある。六本木ヒルズもいいが、あそこから見る夜景は水が遠すぎる。真ん前に見える東京タワーは綺麗だが、それだけ。人間の活動があまりにも下過ぎる。レインボーブリッジでは、人々の活動が身近に感じることが出来る。

 実は、今日はフジテレビで会合が夕刻からあって行ったのですが、そのパーティー会場(18階だったと思う)から見るレインボーブリッジも実に綺麗だった。同じ理屈で言えば、日航ホテルの上の階から左手に見えるブリッジも綺麗なのでしょう。行き交う車、下をゆっくり通過する、提灯をつけた屋形船。水面が光を反射して実に綺麗です。

 このレインボーブリッジを少し離れて見ようと思ったら、新橋先の汐留の新しいビル群が良い。例えばロイヤルパークからは実に綺麗にあの橋が見える。またお台場全体を把握できるのです。大観覧車も手に取るように。この夜景はお勧めです。そこからさらに六本木ヒルズに行ってブリッジを見ると、もうこれが遠すぎる。

 パークハイアット(新宿)から見る夜景、皇居端のビルの上から見る外堀通りの夜景、六本木ヒルズ周辺の夜景。東京にも夜景が綺麗な場所はいっぱいある。しかし、ニューヨークのマンハッタンの夜景としては、ニュージャージーサイドから川越しに見るマンハッタンの夜景が一番良いように、東京でも水回りの夜景が一番で、今のところではやはりレインボーブリッジとその周りが一番ではないでしょうか。
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 お台場にはこれまでほとんど日曜日しか行ったことがなく、平日に行くのは珍しいので、かねて局の方々から「陳麻婆豆腐」は美味しいと聞いていたので、矢野、浜、ツッチーの3君を誘ってパーティーが終わった後、実際に行ってみました。いやパーティーでは軽めにしか食べずに。

 辛さは、脅されたほどではなかった。manageable でした。西新橋・趙揚と同じくらいかな。ただし「陳麻婆豆腐」にはもう一段上のクラスがあるそうで、今度はそれに挑戦することにしました。どうなることやら。

2003年08月28日

 (07:45)すっごく長い本を今読んでいます。この本で、値段も高いし分厚いが、目から鱗。加えて、例えば日本人の中にも「昔は良かった」という話をする人が結構居る。そうした見方に基本的に疑念を持つ私としては、主張に賛同できることが多い本です。

2003年08月26日

 (19:45)実に久しぶりに「金融引き締め」のニュースを聞いたと思ったら、それはやはり中国からでした。物価はそれほど上がっていない。しかし中国では資産価格の上げが著しいらしい。

 中国の中央銀行が取った措置は、預金準備率の1%引き上げ。7%に。この引き上げに関して、アジア・ウォール・ストリート・ジャーナルは「modest」と表現。そりゃそうだ。幅は小さい。

 しかし、市場へのインパクトは大きかったようで、元建ての国債(yuan-denominated Treasury-bonds)は月曜日の市場では寄り付き急落、その後も下落。あと落ち着いたが、下げ幅は大きかったようだ。中国ではこの当局の引き締め措置を受けて、株価も下落。今日もこれまでで見る限り(日本時間の夕方)、ハンセン指数などは小幅下げている。(ただしH株などは上げているモノが多い)

 中国の金融当局が引き締め措置を取るのは、実に1990年代半ば以来らしい。この措置の狙いに関して上記の新聞は、「中国の当局が成長第一の政策からインフレ圧力緩和にポイントを移し始めた証拠ではないか」と。来年の夏にかけては、中国の人たちがそう呼んでいるかどうかは知りませんが、日本の公定歩合に当たる金利を引き上げるのではないか、との観測もあるようだ。

 今年1〜7月の期間で、中国の固定資産投資は昨年同期に比べて32%も増加した。海外から大量の資金が流入したこともあるし、上海などの大都市でのマンション投資ブームもあった。対して一般物価はあまり上がっていない。同期間に消費者物価は0.5%の上げだったとの統計もある。

 経済の発展段階が違うが、日本で言えば80年代の資産価格の上昇が一般物価にも広がる危険が指摘され、三重野さんが「乾いた薪に火がつきそう」(記憶は定かではありませんが)と言った時期にに似ているのかもしれない。中国のエコノミストも、「今の資産価格の激しいインフレ=値上がりは、一般物価に波及の一歩手前にある」と指摘。

 資産価格の値上がりが、資金需要を高め、それに銀行が応えているのは、80年代の日本の金融情勢と良く似ている。そこで、預金準備率の引き上げとなった。しかし、たった1%の引き上げで、事態が沈静化するのかという疑念は残る。だから、「modest」で「警告的な措置」ではないか、というのがもっぱらの観測である。

 中国には一方で膨大な数の失業者と、行き詰まりに直面している国営企業がある。それらへの支援の意味でも、「成長路線」の放棄は難しい。胡錦濤率いる中国の新しい指導部としても、政権発足早々の景気後退は避けたいだろう。ということは、中国の金融当局の歩まざるを得ない道は、今後も「tight rope」ということだ。

2003年08月25日

 (07:45)高校野球は結局常総の勝ちですか。木内さんには、良い記念になったでしょう。嬉しそうな顔でした。

 といっても個人的には、東北の優勝を応援していました。「何人が県外からの選手か」という私の疑問に関しては、武田さんという方が

今の2年生の学年は宮城県内でのライバルである仙台育英が新入生を採らなかった(一昨年の夏の大会後に発覚した不祥事のため。一時は廃部の危機にもありました。)ので宮城県内の優秀な選手は皆、東北へ流れたという話もあります。
 というコメントとともに以下のURLを教えてくれました。これですが、案外県外が少ない。どこかの県のどこかの高校などは、地元出身の高校生がまったくいなくて、甲子園出場が決まっても地元は全く盛り上がらなかった、ということもあったそうです。

2003年08月23日

 (00:45)おやおや、ブラスターの次はsobigですか。とにかく伝染が素早いらしい。あまりにも多くのメールを送出して、ネットワークを機能不全にするという。

SOBIG SUBJECT LINES
Re: details
Re: approved
Re: my details
Re: Thankyou!
Re: That movie
Re: wicked screensaver
Re: your application
Your details
Thankyou
 などのタイトルのメールが多いという。毎週末にウィルスに揺さぶられるのはもう飽きましたね。
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 ところで土曜日は天気が良ければ甲子園で高校野球の決勝ですか。私は東北高校に何人の県外高校生(主に関西の)が入っているのか知りません。また常総の木内監督が最後だから優勝で飾って欲しい気持ちもある。

 しかしそうであっても、優勝旗が東北に行くのは良いことではないかな、と思って居ます。宮城勢は決勝に行ったことがあるが、優勝はない。沖縄も優勝したし、次は北へと優勝未経験地域に旗が行って欲しいものだと思います。

2003年08月22日

 (07:45)いったいあの時、レアルの選手達はどう思っていたんだろう、とずっと思っていました。それが今朝の読売に掲載されたジダンのインタビューに掲載されている。レキップ(L'EQUIPE)というフランスの新聞の特約として読売が伝えていて、興味深い。ジダンは言う。

「まさに異常だと言わざるを得ない。特にベッカムみたいな若者がここでは神様扱いだ。3週間、世界一のロックグループに所属しているような気分だった。ヨーロッパでも一定の人気はあるし、サポーターが追いかけてくるが、アジアでは想像を絶するものがある。驚きの連続だった」
 と素直に述べている。そうだったでしょうね。傍目に見ていても、アジアにおけるベッカム、グッティ人気はアメリカや欧州の「プロ好み」の連中には理解できないことなんでしょう。いや、ベッカムやグッティの技がプロの名に恥じると言っているのではない。恐らくジダン(名前はあまり知られていないが、ジネディーヌ)が問題にしているのは、両氏の主に女性ファンは二人のプレーの意味など分かっていないのに....という気持ちがあるのでしょう。

 ジダンは言う。「アジアには大スターが不足している。彼らはサッカーが大好きだから、レアルに接することが最高のイベントになるのだろう」とも述べている。「そうだろうか」と私は思う。本当にサッカーが大好きなんだろうか、と。ジダンの言うところの彼ら(アジアのファン達)が強い心象を抱いているのは、「二人の姿形」なのではないかと思う。まあ、サッカーの腕が一流なことは専門家がそう太鼓判を押しているから「その点はクリア」ということで、それ以外で。

 世界でもっともブランドが売れるのは、アジアである。銀座や青山、それに六本木ヒルズを歩くと、「誰が買うのだろう」と思うくらいブランドショップがある。あまり客は入っていないのだが、店だけはでかい。もっと隠れた場所にあって、少数の親密な顧客が買う店がブランドではないか、と思うのだが、この地では全くそういうことがない。

 レアルにとってのアジアのお客さん達にすれば、ベッカムやグッティは姿形の良いヨーロッパからのブランドの一種なんでしょう。それが良い悪いの議論をしても仕方がない。しかし思うのは、アジアでのベッカム人気の発信点はどうやら日本で、日本の女性達の「白馬の騎士願望」が、アジア全域に広まったということである。

2003年08月21日

 (07:45)今日はコンピューターで通常の使い方に入る前に時間がかかりました。Windows update (二つぐらいありました)でまず時間がかかり、次にこのチェックを一応やってみたら、立ち上げてから使い始めるまでに30分以上かかった。

 毎日のように一般紙にまで載るウィルス情報が駆けめぐっている。ブラスターだのウェルチだの、あと一つありましたね。そうそう sobig でしたっけ。毎日こんな事をしていたのでは、たまらんという感じ。まコンピューターを使い続ける、ネットワークを使い続けるためにはこうした「有害菌」との付き合いは続くのでしょうが。それにしても、最近は多い。
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 昨日はサンドイッチを囓りながらの定例勉強会だったのですが、なかなか面白い問題意識が出てきた。

  1. 日銀が量的金融緩和の枠組みを外すときはいつごろで、その時の日本の金融情勢の方向性をどう予想できるか
  2. アメリカの金融政策でキーワードとなった緩和期間を示す「considerable」(FOMC声明の中の)とは、具体的にはどの程度の期間を指し、実際にどうなるか(市場は半年先の利上げを読む)
  3. アメリカ経済の回復持続性と、その原動力、機関車をどう考えるか
  4. 日本の2003年度の名目成長率がプラスになるかどうか
  5. 年末の日本の株価と為替レートをどう予測するか
 などなど。それぞれ非常に面白い論点を持つ問題なのです。私はあまり気が付かなかったのですが、日本では既に雇用は伸び始めているという意見があった。あと市場のセンチメントを変えうるものとしては、この11月に発表される日本の銀行決算が重要だという意見があった。

 経済の話が一段落したあと政治の話になったが、これは難しい。大体自民党の総裁選で小泉さんが勝つかどうかが不明。負けたら、小泉さんは総裁の地位は失うが総理だから、一気に政界再編を狙って解散に打って出る可能性がある。その場合は、石原新党が出来る可能性があるし、日本の政治地図は大きく変わる可能性が強い。

 総選挙になったら、菅代表の人気はないが政党としては一定の支持を集めている民主・自由合同党が、本当に自民党にどの程度まで接近できるか、または上回ってしまうのかという論点も生まれる。

 政治が代わった場合に、経済政策はどうなるのか。金融にしろ財政にしろもう打つ手は非常に少なくなっていて、大きな方向は財政のお金の行く先を変える(増やすのではなく)程度だという点では意見が一致した。しかし、債券、為替、株式市場への影響を検討したら、それぞれシナリオが出てきた。まあ、この先数ヶ月は各市場のボラは上がるでしょう。

 それにしても、世の中はパラドックスだ。一時は16万人いた日本の証券業界で働く人の数は、最近では8万人に落ち込んでいたと言われる。しかしこの活況。今年の冬の彼らのボーナスは相当凄いものになる、という話もある。

2003年08月20日

 (06:45)こんなおもしろいニュースは滅多にないから、備忘のためにとっておこう。人間は着るモノを着て初めて「人」になる面があるんでしょうね。「文化」という観点からは。

 なぜなら、それ以前は種としての人類でも、今我々が持っている形での裸体に羞恥心などはなかった筈ですから。それとも、それ以前も、紐と葉っぱで隠すようなことはしていたのかな。

  人の衣類、起源は7万年前? 寄生シラミをDNA分析

 人間が衣類をまとうようになったのは約7万年前だった――。独マックスプランク研究所のチームが18日、生物学専門誌カレント・バイオロジー(電子版)に、そんな研究成果を発表した。人間に寄生するシラミの遺伝子の突然変異をもとに推定したものだ。

 人間に寄生するシラミのうち、衣類にすむコロモジラミは、頭にすむアタマジラミから枝分かれしたといわれる。コロモジラミが現れたのは、人間が裸の生活をやめて衣類をまとうようになった結果だと研究チームは推定。コロモジラミの登場と衣類の起源はほぼ一致すると考えた。

 世界中の12カ所から2種類のシラミ計40匹を収集。チンパンジーのシラミも含め、DNAの突然変異を比べた結果、コロモジラミの出現は約7万2000年前であると推定できた。

 もう一つ新聞記事ということでは、ウォール・ストリート・ジャーナルのこの記事が興味深かった。バグダッドの国連本部に対するテロは、より大きな問題が形として現れたものに過ぎない、と。

 見出しは「Iraq Mess Is Mere Symptom Of a Broader War of Ideas」で、イスラム過激派の主張に乗って、「イスラムの教義と民主主義を重視する西側の考え方の共存は不可」といった前提に立つことは間違っていると主張している。主要なイスラム諸国で世論調査を行うと、「民主主義や民主主義的な理想(democratic ideals)に対する民衆の支持」は、西側諸国におけるのと同じくらい強いのだという。

 しかしイスラムの過激派にとっては、民衆の民主主義に対する支持は邪魔になる。彼らがほしいのは、「イスラムの支配」です。今朝の朝日新聞かどこかの新聞に酒井啓子さんが「イラクでテロを行っているのはアメリカの行政に対する不満のある民衆ではなく、過激派」と言っているのは参考になる。つまり、過激派はイスラム教と西側の民主主義思想が相容れない(incompatible)ものであることを事件を起こすことによって広めている、と考えられる。彼らの狙いについてこの記事は、

The goals of Islamic militants are clear: Roll back that U.S. presence, reduce American influence, eradicate governments friendly to the U.S., and install Islamic rule. To the extent that militant Islamic forces can latch onto nationalist movements -- unhappy Palestinians in the occupied territories, for example, or Baathist elements in Iraq -- and turn their fights into an Islamic cause, they will, as graphically illustrated by a suicide bombing last night in Israel for which two radical Islamic groups, Islamic Jihad and Hamas, claimed responsibility.

 と述べている。まあそうなんでしょう。ではどうすれば良いのか。この新聞記事を書いたGERALD F. SEIB という方は

What to do about all this? The Bush administration may have done a fine job handling the military response to Islamic terror since 9/11, but it has done a lousy job of waging the underlying war of ideas. It has articulated its case badly and sporadically, has failed to appreciate the symbolic clout of the Palestinian cause throughout the Islamic world, and has allowed itself to be seen more as a military occupier of Iraq than a builder of alliances.

What's been most neglected is a serious and effective effort to explain America's values to the world's one billion Muslims. With any luck, that's about to change.

 と述べている。確かにブッシュの口調から「a builder of alliances」の印象を感知することは難しい。どちらかと言えば、「a military occupier of Iraq」でしょう。だから、袋小路に入ったようなイラクでの問題からの脱出方法については、筆者は以下のような方法しかない、と思う。今のままだとアメリカは民主主義を支持する民衆の支持まで失ってしまう。
  1. 民政の安定、インフラの復興に全力を尽くし、国の建設に汗を流している姿を示す。それにはイラク国内の諸勢力に協力を求める
  2. イスラムの人々が心の底に持っているパレスチナ問題に対する不満、アメリカへの不満に真摯に応える努力をする。和平に尽力し、イスラエルに抑制を働きかける
  3. その上で、国連など第三者機関、国の参加を促進する
 まあでも、こう書きながらも難しいだろうな、とは思いますよ。民衆が民主主義を欲し、願っていても、武力を持っているのは過激派で、彼らが命を捨てながら主義主張と武力を前面に打ち出せば、民主主義願望は引っ込んでしまう。染みついたアメリカへの「占領者」のイメージを一夜にして変えるのは難しい。アメリカ国内のイスラエル支持勢力は無視できない。

 しかし、民衆までもイスラム過激派に動かされる事態になれば、イラクは懸念されているような形でベトナム化する危険性がある。それは、日本もその中にいる世界経済にとって良くないでしょう。

2003年08月19日

 (15:45)今日は何だか海外の新聞に興味深い記事が多い。

  1. マイクロソフトのソフト欠陥自動アップデート案
  2. クレメンスのオリンピック出場案
 など。最初の記事については、windows update やウィルス定義の更新を出来ない、しない人が多いという現状から見れば、当然頭をかすめる案だと思う。しかし、勝手にupdate される私たちのコンピューターの安全度はどうなるのだろう。この記事には以前は「勝手に俺のマシンを弄るな」が多かったが、最近は「やってちょ」が多くなったと書いてある。しかし最低限、ユーザーには選択肢を残すべきでしょう。auto update が出来るようになると、以前紹介した意識のズレはかなり克服されることになる。

 次のニュースは、米大リーグ、特にヤンキースに関心がある人向き。大リーグでは全ての名誉を手中にした。で、オリンピックの金メダルが欲しい....とクレメンスが考えているという。しかし、松井もそうだが、大リーガーはでれないのでは。ただし、クレメンスは今シーズンのオフに引退すると思われている。本人は正式にはそうは言っていませんが。本当なら、日本の打者と対戦することになるでしょう。
 

2003年08月19日

 (14:45)アメリカがちっとも大停電の原因を特定できないためか、ネット上には「(大停電は)アルカイダの仕業」といった情報も流れているようです。

 たとえば、このサイト。ただし筆者はこうした情報の信憑性に関しては分かりません。アメリカはこういう情報が広がらないためにも、早く原因を特定する必要があるんでしょうね。

2003年08月19日

 (08:05)このどうみても異常な夏で体調を崩されたんでしょうね。父方の一番上の叔母が飯田橋の大きな病院に入院したので、月曜日はお見舞いに。御高齢であられるので、モノは意味がないと思って少し踏ん張って花をお持ちしました。結構大きくなりました。

 自らは89とおっしゃっていましたが、確か満で88才。それにしては、顔などが凄く艶やかで、声は多少小さくなりましたが、言葉ははっきりしている。「物忘れがひどくなった」とご自分では言っておられたが、逆に記憶が凄く鮮明なところもあって彼女にとっての祖母、私にとっての曾おばあちゃんの話などが出来て、とても良かった。

 話していて二人で意見が一致したのは、このご先祖様はよく「アメを忍ばせていて、子供達に配った」ということで、その笑顔と同時に人間っているのは変なことで思い出されるものなんだな....と。でも本当にいいおばあちゃんだったのですよ。

 この病院には、彼女にとっての息子、私にとっての従兄弟が医師として勤務していて、その面でも安心なんでしょうね。昔から夏と冬は老人にとって鬼門と言われましたが、今は夏の方が厳しいのでは。体力が落ちる。入院中に早く良くなって元気になって欲しいと思いました。

 病院の中をしばらく歩きましたが、ちらっと見えてくる他の病室が目にはいると、ラップトップを持ち込んで賢明に何か作成している人、昔ながらテレビを小さくして見ている人など様々。病院はいろいろな人の人間模様が凝縮される場所でもあります。

2003年08月18日

 (08:05)そうなんですな。今朝の日経産業新聞には良いことが書いてある。MSブラスト、ブラスター、ラブサンなどいろいろな名前で呼ばれるウィルスについて

(このウィルスの登場は)7月17日に原因となるウィンドウズOSの欠陥が公表された時点である程度予想されていたが、対策を取らなかった人が多数いたために騒動が拡大した。(中略)過去のウィルス騒動はほとんどがこの意識のズレに起因する。

 (中略)コンピューターのソフト・ハードメーカーは専門家を中心に商売してきた。「パソコンやネットは不完全な製品で、永遠に修正し続けるもの」という業界内部の常識は、「商品は一度買えばそのまま壊れるまで使える」という家庭の消費行動まで計算していない

 つまり、ウィルス・テロは知識のズレを狙ったもので、全く新しいテクを持ち込むものではない。だから、利用者側がキチンとメーカーが警告を発したときに処置を取れば問題のかなりの部分は回避できる。ところが、それが出来ない人が多い。個人では特にそうです。PCはなんとか使えるが、ウィルス対策には全く知識がない人は結構私の周りにもいる。

 リナックスでも、ホールの発見、アップグレードが繰り返されるのは同じことなのだそうだ。と言うことは、コンピューターの利用者は今後ずっとウィルス定義の更新に付き合っていかねばならない、ということになる。道路の利用者が事故との取り組みをやめられないようなものだ。

 だから、使い方をキチンと教えなければならないと思うのである。個人にも。学校などを通じて。しかし、今の日本では、「出来る出来ない」のチェックもなく製品が売られ、その後もメンテしない。これではダメです。今の日本の学校では、教えられる先生が少ない。

 私が問題だと思うのは、企業や役所のPCがウィルスに感染することです。これは企業のネットワーク監視者が自分の監督下にあるコンピューターの定義更新をさぼっていたということになる。専門家がこれでは話にならない。リナックスもメジャーになるに従ってウィルスは増えていると言われる。

 「ウィルスとの戦いはコンピューターを使っている以上永遠に続く」という意識と、それにはそれぞれの利用者の意識が重要という当たり前のことの再確認が必要なんでしょうね。今日もなにもなければ良いのですが。

2003年08月17日

 (00:05)両親が東京に移ってからしばらく行っていなかった諏訪に久しぶりに行きました。諏訪の花火大会は大規模なもので、どうせ予定の15日は出来なくて順延になって16日だろう、それを見て最終で帰ってこよう、という下心もあったのです。

 ところがところが、東京であれだけ降っていた雨も、諏訪では午後から上がってむしろ天気は晴れ。予定通り15日に実施された、と。花火と言えば、神宮の花火大会は延期になったとか。ああ、結局今年は大規模な花火は見ることが出来なかった。

 そうそう、タクシーに乗って運転手の話を聞いていたら、「企業や役所の人達もチケットを使うようになったし、2〜3年前に比べれば大分前向きになってきました....」と。プリンターや精密工業など諏訪は大きなIT工業集積地域ですが、徐々に動いてきたと言うことでしょうか。

 帰りの電車には茅野から乗ったのですが、それにしても寒かった。私は半袖でしたが、殆どの人が長袖で、この季節には私には記憶にない。今年は結局夏がないのか、とも思いました。まあでもいろいろな人に会ったり、両親から頼まれた仕事を片づけたりでそれなりきに忙しかった。そうそうお墓参りもしました。

 電車が遅れて夜11時過ぎに新宿に到着して、小腹が空いたのでファミマで冷やし中華を買ったのです。家族は食事を終えているだろうという予想で。家で開けてみたら冷やし中華にマヨネーズが付いている。「なんだこれは」「冷やし中華にマヨネーズ.....」と。

 ところがその直後に開いた日経の夕刊には、「冷やし中華にマヨネーズ」というフィーチャー記事が。それによると、中京圏では冷やし中華にマヨネーズをかけて食べるのが普通だというのです。それもあるファーストフード店のメニューから発して。スガキヤです。

 私には「冷やし中華」にマヨネーズは邪道だと思うのですが、どうですかね。ファミマが東京の店でマヨネーズを付けているというのは、全国化の途上にあるということでしょう。まあ私はもったいないので、そのマヨネーズはまた何か別のモノに使おうとどけておきましたが。

2003年08月16日

 (09:05)驚きですな。アメリカの停電はまだ復旧しない。部分復旧にとどまっている。週末一杯電気なしで過ごさなければいけない人もかなりいるようだ。先進国かいな、と思っていたら以下の表現がニューヨーク・タイムズにあった。

``We are a major superpower with a third-world electrical grid,'' said Gov. Bill Richardson of New Mexico, an energy secretary during the Clinton administration. ``Our grid is antiquated. It needs serious modernization.''
 リチャードソン前エネルギー長官の言葉。「アメリカは、第三世界並の送電システムしか持たない超大国」と。送電システムは英語では、power grid とか electrical grid というらしいのですが、ではなぜアメリカの送電システムがリチャードソンの言うところの「antiquated」(旧式化)したのか。それについてはこう書いてある。
The problem of preventing such power failures has been that, for the most part, no one has an incentive to invest billions of dollars in new wires, new towers and new transformers, which are often opposed by residential neighbors. The old utilities have sold off their power plants but still hold a highly regulated monopoly on the network of lines, and they would only invest in new transmission if state regulators would guarantee them rate increases to pay for it.
 つまり、送電システムを中心とした電力供給システムに投資するインセンティブを誰も持っていない、というのである。料金は激しい競争もあって低く抑えられている、効率化を求める声も高い。アメリカではカリフォルニア州でも去年の夏に停電騒ぎがったことが思い出される。システム的欠陥があるということでしょう。

 日本の停電率が低いことは先日述べた。その代わり、日本の電気料金はアメリカの1.5倍はする。「停電率の最後の数%を上げるのにはコストがかかる」と日本の電力会社の担当者。恐らく先進国の中で、日本とアメリカはそれぞれの極に位置する。

 「このようなことは日本では考えられたない」と土曜日の日本の新聞には大体書いてある。専門家の話として。一方で各紙は社説で「教訓にしたい」とまあ決まり切った反応。だからといって日本の高い電力料金はそのままでいいということにはならないと思うが、社会の枢要なインフレに「投資するインセンティブがない」というのも困る。両方のシステムとも改善の余地はあると思うのですが。

2003年08月15日

 (17:05)ニューヨークの金融市場は株式取引所を含めて、金曜日の取引を通常通りやる予定のようです。日本時間の今日の午後10時半ぐらいからでしたかね。自家発電でも、と言っている。

 しかし、働いている人が来ることが出来るかですよね、問題は。地下鉄は動かすということらしいが、信号がどうかなどなど問題は山積。1977年のケースでは、翌日は何もなかったような気がした。とにかく13日の午後9時10分過ぎに発生して、復旧したのが翌日の午後4時過ぎだと思った。

 まあ、今日の夜は指標もあるのですが、「停電とその後」という意味でもちょっと注目と言うことです。

2003年08月15日

 (09:05)ラジオ番組のために早起きしてテレビを見たら、「ニューヨークからの中継が繋がりません....」とある番組のアナウンサー。普通そういうことはない。おかしいなと思ってニューヨークに電話したら、うんともすんとも言わない。ロンドンに電話したら、繋がる。

 番組の頭にはニューヨークからの市況報告があるので、ディレクターの藤井君に「ニューヨークがおかしいよ。停電かも」と連絡した。そのうち日本のメディアが「ニューヨークが停電」と報道し始めた。今のところ混乱は起きていないようだが、CNNで見るニューヨークの街は人であふれかえっている。家路に急ぐ人々で。

 ニューヨークの停電といえばニューヨークにいた頃の1977年を思い出します。7月13日の夜9時10分過ぎだと思った。その時はまだニュージャージーに居て、テレビがニューヨークは停電と伝え始めた。で、車を出してマンハッタンに行ったのです。その時の光景は今でも忘れない。

 枢要な交差点に黒人であれ白人であれ、真ん中に立って交通整理をしている。信号が全部ダウンしているので、当然ボランティアでやっていたのでしょう。誰に頼まれたのでもないでしょうに、市民が自発的に。ニューヨークは怖いところだと思っていたのですが、その時にニューヨークの印象がものすごく変わったことを今でも覚えている。

 その時の停電の原因は「落雷」でした。テロ説、具体的には東西対立していたソ連の陰謀説が流れたが、そうではないということになった。今回もテロ説が出た。しかし、ナイアガラの近くにあるモホーク・パワー・グリッド(grid は送電基地)のオーバーロードが原因という。ニューヨークの電力回復は夜中になるでしょう。

 停電といえば、今年の夏は日本の関東がそうなる危険性があった。日本は世界各国と比べても「停電率」が異常に低いそうで、それは電力会社がそれなりきの努力をしているからだ、という説明が会社側から聞こえる。それはそうなんでしょうが、「だから日本の電力料金は高くて良い」という意見には賛成できない。

 しかしニューヨークでは大停電が1965年にもあったと聞いている。そうすると、過去50年で3回も大きな停電があったことになる。これは日本では考えられないことだ。その分だけ日本のシステムはしっかりはしているということかもしれない。

 しかし思うのは、であるがゆえに、日本、東京で大停電があったときに市民が交差点に立って交通整理をするだろうか、ということだ。多少はこういう緊急事態が起きて、それに市民が慣れておくことも必要かも、と。パラドックスですが。

2003年08月14日

 (07:05)へええ、それってなんぞや、というニュース。今朝のウォール・ストリート・ジャーナルのサイトを読んでいたら、伝説の投資家ウォーレン・バフェットがカリフォルニア州知事に立候補したアーノルド・シュワルツネッガーの財務・金融、経済に関わる選挙参謀(キャンペーン・アドバイザー)になることを決め、その旨契約したという。

 シュワちゃんも、意外なところで、意外な人物とのつきあいがあるんですな。バフェットはもともと民主党系の人間だと思われていた。事実、ヒラリー・クリントンの選挙参謀でもあった。シュワルツネッガーは共和党員ですが、穏健派と言われていて、この二人が手を組む素地はあったというわけです。

Mr. Buffett, the chief executive of Berkshire Hathaway Inc. said in a prepared statement. "It is critical to the rest of the nation that California's economic crisis be solved, and I think Arnold will get that job done."

The backing of Mr. Buffett, the billionaire, could be a major boost to the credibility of Mr. Schwarzenegger, the action-film star, who thus far hasn't taken many positions and whose capacity to govern the huge state has been ridiculed.

 バフェットは「カリフォルニアの経済危機が解決することが、アメリカの他の地域にとっても重要」と。政治的にもシュワルツネッガーにとってプラスになるとの専門家の話が載っている。今回のカリフォルニアの州知事リコール・選挙の同時進行劇では、100才の老人、学校の先生、ポルノ女優、ポルノ雑誌の発行人など実に数多くの候補者が出ているそうだが、シュワルツネッガーが最有力候補としての地位を固めつつある、ということでしょうか。

 オーストリアだったか、海外生まれの彼には大統領になる目はない。キッシンジャーと同じです。その面では、「その後」がないのですが、「政治の劇場化」の中で来年の大統領選挙前の最大の政治劇となりそう。

2003年08月13日

 (08:05)FOMCの声明を受けた米債券市場の反応は、「短期が急騰、長期は軟調」という形でのスティープニング化でした。つまり、短期金利は「 policy accommodation can be maintained for a considerable period」という時間軸から見たより強い形での緩和継続姿勢に素直に反応して低下したが、長期金利は「景気は回復基調」との見方を変えずにさらに上昇した、ということです。

 では金利はどうなったか。二年債は 1.68%、三年債は2.26%、五年債は 3.22%に低下。対して、指標の10年債は価格が 5/32下落して4.38%に、30年債は21/32も下がって、5.32%に上昇した。短期(2年債)と長期(10年債)の間の金利格差がどのくらい拡大したか(スティープニング化)については、ウォール・ストリート・ジャーナルに「A steeper yield curve, or spread between the two-year and 10-year notes, traditionally emerges when an economic rebound appears on the horizon. The curve steepened 11 basis points to 270 basis points from 259 basis points late Monday.」という文章がある。つまり、11ベーシスポイントは拡大したと言うことだ。

 上の文章にあるように、スティープニング化は「景気回復が地平線に見えるとき」に顕現化する。今回も市場はそれを見ているので、長期金利はFOMCの意図にもかかわらず上昇した、ということだろう。FOMCの声明には、景気に対しては強気になれる要因が列挙してある。

 FOMCが緩和姿勢の時間軸を過去にないような強い姿勢で明確にして短期金利が今後も低い水準で推移することが鮮明になり、そして市場には「回復期待」が強ければ、株式市場の反応は決まっている。「上げ」で、事実12日のニューヨーク株式市場はダウで92ドル71セント、Nasdaqで25.50ポイント上昇した。

 しかし、逆に株がこれだけ上がると、債券市場の長い資金は株式市場に流れて、金利は上昇する。この日の債券市場の反応で言えることは、引き続きFOMCは長期金利の制御が出来ないでいる、ということだろう。今後FOMCの「時間軸決意」が長期金利にも影響してくるかは不明である。

 長期金利が「out of control」の状態を続け、それが景気の足かせになるような、雇用の抑制要因になるような事態が続けば、「時間軸の表明」以外にFRBは何かをしなければならない、ということになる。今FRBはそれを検討中の状態なのではないか。「時間軸の表明」のようなことは普通はFRBはしない。今後の政策の手足を縛ることになるからだ。その分だけ、FRBは物価情勢が抱えるリスクを、「上げ」より「一段の下落」に置いていると言うことでしょう。

 FRBはその歴史から見れば並々ならぬ決意(時間軸を明確化した緩和姿勢)を示したが、一番願っていた長期金利の低下にはとりあえず失敗した、というのが今回のFOMC決定・声明の意味合いということだろう。

For immediate release

The Federal Open Market Committee decided today to keep its target for the federal funds rate at 1 percent.

The Committee continues to believe that an accommodative stance of monetary policy, coupled with still-robust underlying growth in productivity, is providing important ongoing support to economic activity. The evidence accumulated over the intermeeting period shows that spending is firming, although labor market indicators are mixed. Business pricing power and increases in core consumer prices remain muted.

The Committee perceives that the upside and downside risks to the attainment of sustainable growth for the next few quarters are roughly equal. In contrast, the probability, though minor, of an unwelcome fall in inflation exceeds that of a rise in inflation from its already low level. The Committee judges that, on balance, the risk of inflation becoming undesirably low is likely to be the predominant concern for the foreseeable future. In these circumstances, the Committee believes that policy accommodation can be maintained for a considerable period.

Voting for the FOMC monetary policy action were: Alan Greenspan, Chairman; Ben S. Bernanke; Susan S. Bies; J. Alfred Broaddus, Jr.; Roger W. Ferguson, Jr.; Edward M. Gramlich; Jack Guynn; Donald L. Kohn; Michael H. Moskow; Mark W. Olson; Robert T. Parry; and Jamie B. Stewart, Jr.

 「景気が抱えるリスク」「物価が抱えるリスク」の二つのリスク認識方式は、今後もしばらく続きそうです。景気と物価の関係が従来のパターンからは大きく違った状況が続くと言うことです。つまり、景気回復→物価上昇というパターンの崩壊。

 「時間軸の鮮明化」は、前回の6月の声明と比べれば明らかです。6月の声明の当該部分は以下の通り。「for the foreseeable future」(6月声明)と、「for a considerable period」(8月声明)の違いです。

The Committee perceives that the upside and downside risks to the attainment of sustainable growth for the next few quarters are roughly equal. In contrast, the probability, though minor, of an unwelcome substantial fall in inflation exceeds that of a pickup in inflation from its already low level. On balance, the Committee believes that the latter concern is likely to predominate for the foreseeable future.

2003年08月12日

 (18:05)ここをアップしたので、興味ある方はどうぞ。それにしても、最近では一番面白いアメリカの新聞記事でした。カンザスシティーのこの新聞記事は。その昔の、「自軍が勝った」一辺倒式の記事。笑えると同時に、もの悲しい。

 でも松井も徐々にペースが上がってきた。勝ち試合で出るHRの方がやはり良いのですが。11日はマリナーズもヤンキースも負け。ともに二位が3ゲーム前後で着いてきている。ちょっと気を締めないとプレーオフに出られないかも。

2003年08月12日

 (09:05)真夏の週だというのに、今週は経済指標の発表が多い。第一弾が午前8時50分に発表された日本の第二・四半期のGDP統計(速報値)。「物価変動の影響を除いた実質で0.6%増(年率換算で2.3%増)だった。名目GDP成長率も前期比0.1%増(年率換算で0.6%増)で3四半期ぶりのプラス。個人消費・設備投資とも堅調だった内需が支えた」と日経のサイトが報じている。

 実質値の市場予想は、「プラス0.2%」だったから、これは高い数字だと言える。注目されるのは名目GDPがプラスになったこと。実質という言葉は中身があり、名目には中身がないように感じるが、しかし世の中は「名目」で動いていることが多い。そういう意味でも、「名目もプラス」というのは意味がある。

 SARSなどもあり「海外旅行の手控えで旅行収支が改善したことも寄与した」との記述もあるのが面白い。この統計に続いて、アメリカでは今夜にFOMCがあって、その声明内容が注目される。FOMCと言えば、朝日新聞で山脇記者の「FRBの軌跡」が昨日から始まっている。

 山脇さんとは彼がワシントンに行く前からお付き合いがあり、最近「9月1日で帰国します。今回の論文は卒業論文」とメールを貰った。今日が「中」ですが、今FRBやグリーンスパンが置かれている難しい立場が良く出ていると思う。グリーンスパン・ワッチャーとしてもグリーンスパンのマスコミとの付き合い方法に関する比較的強面の面など知らないことが多かった。良い文章だと思う。

 あとは、小売売上高と小売り、卸の両物価統計ですかね。日本のGDPのアップに関してはまだ速報値ですから改訂があるでしょうが、経済を見ている私から見ても皮膚感覚にあう統計だと思う。

2003年08月11日

 (22:55)これは笑える。TBSラジオの看板番組の月曜日の朝のゲストは、コリアレポートの辺真一さんがいつもの岸井さんに代わってコメンテーターを務められたようですが、面白いのは「ズームアップ+α」。

 これは朝のズームアップ(主要ニュース2〜3本を取り上げる)の一つをちょっと違った観点からその曜日のコメンテーターが3分ほど喋って、ネットサービスするというコーナーなのですが、辺さんは金正日の料理人に一ヶ月前くらいにインタビューしたというのです。その時の話のエッセンスがアップされている。

 聞いて頂ければ一番良いのですが、金正日は菅原文太と島倉千代子が好きなのだそうです。自分でも歌を歌うという。あと草津の湯なんてのも知っているようです。強面の顔と、意外な側面。まあだからといって、彼が北朝鮮で行っている許容されると言うものではありませんが。

2003年08月10日

 (23:55)東京は静かになりました。人が少ない。まだ車は多いのですが、月曜日からは少なくなるでしょう。しかし、なんか実感のないお盆ウィーク。梅雨が終わったらもう、ですからね。全く間がなかった。

 この静かな週末を利用して、100人以上の学生のレポートを全部読んで、採点を終えました。結構力仕事だったな。多くのレポートのトーンが似ている。ああ、こういう教え方をしたのか、と自分で思い出す。

 その中でも聞いたことだけでなく、何か一つ問題意識をもって自分で調べた結果が入っているレポートというのは、好感が持てる。ただ聞いたことを並べるだけではなく、問題意識を持ったことが分かって、かつそれをインターネットなどなどを使って調べた形跡や結果が書き込まれているのが良い。

 不思議なんですな。短い文章なのに、そのやる気というかそういうものは出てくるものなのです。好奇心というか。そういうのがレポートの中に出ていると、多少は漢字で書くべきところがひらがなになっていたりしても、okってなものです。

 それにしても、数多くのレポートを読んでいたこともあるのですが、加えてニューヨークのヤンキースとマリナーズの試合が午前2時からということもあって、この週末で昼夜が逆さまになった気がする。

 そういえば、土曜日に面白いテレビの収録をしました。木村剛氏に誘われて、彼がブローバに持っているチャネルで日本経済に関する30分番組。お互いに喋りまくるという番組。インターネット専用テレビに出たのは初めてです。放送は今週の水曜日からだそうで、繰り返し何回か放送するんでしょう。

 収録は彼の丸の内のオフィスの応接室で。小型カメラが二台あって、照明を多少あてて。それで全部です。あとはテープを編集して終わりなんでしょう。今は小型カメラでも映像の美しさは変わらない。小生が韓国で自分で取った絵もかなり日本のテレビに綺麗に出ましたから。大型のカメラは手ぶれを防ぐために必要なので、固定なら小型カメラでもokです。

 その気になれば、これからは簡単にテレビ番組は出来ると言うことです。問題は音楽ですね。著作権がありますから。

2003年08月08日

 (17:55)まるで「台風のシールド」に覆われて、他の、外の世界は全く見えなくなってしまったようですな。そりゃ、今回の台風は大きいですよ。被害も出るでしょう。しかし、NHKを見ていると今のニュースは「台風しかない」ように見えてしまう。

 世界ではいろいろなことが起きている。イラクだって大変だし、シュワちゃんの立候補はアメリカの政治状況をどう変えるのか。そういうものに適切な目配りをして、比重をかけて報道するのが使命だと思う。ところが、もう台風一辺倒。それも繰り返しばかり。まるで「災害チャンネル」のようになっている。

 もちろん必要です。しかし、九州から報道を始め、その台風が東北地方を抜けるまでもっぱら台風ばかりを報道するのはどうか。NHKはいろいろな波を持っているのだから、そっちの波に「災害チャンネル」を設けたらどうか。

 例えば、ある地点に住んでいる人間を考える。その人間が実際に台風の被害、影響を受けるのはせいぜい数時間だろう。時間軸のなかではその比重がその人にとっては適切だ。ところが、長すぎる。むろん事前情報は必要だが、過ぎればかなり影響はなくなる。

 今のNHKの総合を使った台風報道は、延々と続く。だからどう考えても、too much に見えてしまう。うーん、ネットを使ったり、他の波を使って災害報道をもっと厚みのある複層的なものにできないものですかね。世の中のニュースの比重が非常に歪むケースがあると思うのですが。

2003年08月07日

 (07:55)日本のニュースメディアにはほとんど登場しないので、備忘のために残しておきます。エボラにワクチンが出来たとのこと。この記事を読むと、アメリカはテロリストがエボラの病原菌を使うことを恐れていたようで、それに対するワクチンが出来た、という内容。

 ワシントン・ポストの記事の見出しは、「Scientists Achieve Unexpected Success With Ebola Vaccine 」で、「unexpected」というのが面白い。

Government scientists have developed a new vaccine against the dread Ebola virus that works rapidly after a single injection, an unexpected success that means the nation could soon have a defense against one of the most fearsome weapons in the terrorist arsenal.

So far the vaccine has been proven to work only in monkeys, which were completely protected against death from Ebola infection when they were exposed to the virus a month after being inoculated. But vaccine results in monkeys usually translate well to humans, and government scientists hope to launch human tests of the vaccine by sometime next year. If all goes well, the vaccine could enter government stockpiles in large quantity as a safeguard against Ebola outbreaks, natural or man-made, as soon as 2006, a decade sooner than many scientists once thought it would take to get an Ebola vaccine.

2003年08月06日

 (12:55)今日これまでに読んだ新聞記事で一番面白かったのはこれですね。見出しは、「In Most of the U.S., a House Is a Home but Not a Bonanza」で、「アメリカの大部分の国民にとって、持ち家はスイートホームであることに違いはないが、棚から落ちてきたぼた餅ではなかった」と。

 では「大部分ではない」アメリカの国民にとって、持ち家はぼた餅だったのか。実はそうだったのです。どこに住んでいた連中かというと、この記事では「coasts」と表現されている。つまり、サンフランシスコやロサンゼルスを中心とする西海岸と、ボストンからワシントンまでの東海岸。こうした地域では、過去10年ほどの間に住宅は大きく値上がりし、たとえ借金のある人でも、金利低下を利用した借り換えで潤沢に資金を回せた。海岸地域の家を売って中西部に移り住めば、左団扇というわけです。

 対して、アメリカの中西部や南西部に住み、そこに家を持っていたアメリカの大部分の国民にとっては、持ち家は「ぼた餅」ではなかったというのです。ではなぜ「coasts」の家が値上がりして、中西部や南西部の家は値上がりしなかったのか。このギャップをこの新聞記事は「gulf」(溝、隔たり)と呼んでいるのですが、挙げている理由は以下のようなものです。

  1. 中西部、南東部では家を建てる敷地が潤沢にあるし、建設基準や規制も緩やかで、需要の先食いのような形で家を建てやすい。だから値上がりしない。対して、西と東の海岸地帯ではそもそも敷地が足りないし、規制も厳しい
  2. 国際的な貿易の隆盛とそれに伴う金融活動の活発化などもあって、アメリカの両海岸が米GDPに占める割合は1980年の39%から最近では45%にまで増大している。中西部が得意とする製造業は、アメリカ経済の中で地位を落としている。当然MAIN STREETの地位は下がる
  3. それに伴って、教育水準の高い、知識・技能に熟練した人々が「coasts」に移住して、住宅需要を潤沢なものとしており、それはウォール街やシリコンバレーの景況悪化によっても変わらない傾向となっている
 この記事にも少し書いてあるのですが、こうした国内での、また国民国家における「gulf」の増大は、中央銀行や政府の政策の有効性を落とす。なぜなら、全国が均一の経済状態の方が、単一の対処で経済トレンドの変更が可能になるからだ。それは、域内に複雑な経済模様を抱えたEU経済の舵取りが難しいことでも分かる。むろん、多様だから経済が柳腰だということは言えるが。
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 この文章を読みながら、筆者は日本の事も思っていた。たとえば大阪に出張する。曾根崎の中心部に取り壊し中のビルが汚い姿をさらしてずっと建っている。東京ではあり得ないことだ。どうしてだろう。東京の行きつけだったワインハウスの経営者が、大阪の不動産会社に店を売る、行きつけの寿司屋で盛んに大阪弁が聞こえる。どうしてなんだろう。

 最近の出張で大阪の不動産の大地主さん達と話をしたとき、私は思いきって「大阪の方々は、資本を東京に持って行っているのではないですか」と聞いてみた。多少は言いにくそうでしたが、「それはそうですよ。そういう人は居ます」と。資産を維持しなければならない人々の決定としては理解できる。大阪で土地を持っていても仕方がないとしたら、それは需要の大きく、敷地が潤沢にない東京、企業の本社機能を一手に引き受け始めている東京に移すのは非常に合理的な判断だと言うことになる。

 日本のGDPに占める東京の割合がどのような変化をしたのかは直ちには分からない。知っている方がいたら教えて頂きたいのですが、多分上昇している。その大地主さんの意見なのですが、「大阪にはUSJと、そうだな東大阪の中小企業の皆さんと。それ以外はな〜〜んもない」と。

 これは大阪に限った話ではない。日本の他の大部分の都市でもそういうことが進展している、とも考えられる。日本の国内で「gulf」が拡大しているとしたら、それをどう考えたら良いものか。むやみに埋める方向に動くのが正しいのか、それともヒト、モノ、情報が集まるところでまず経済活性化の火種を作って点火し、それを燎原の火のごとく全国に広げていくのか。

 多分、この議論は政治の世界では難しい。しかし、考えておくべき問題でしょう。「gulf」は経済活動を阻害するものなのか、それとも最後は活性化するものなのか....。恐らく両方です。ではそれをどう活かすのか。

2003年08月06日

 (07:55)ユビキタスの「時空自在」っていうのが、一番笑えますな。これは逆に覚えてやろう、という気になる。面白いかもしれない。

 言い換え表をネットでクリックして見ていくと、今でもほぼ等価に使い分けられているんじゃないかってのも多い。トレンド(傾向)とかバーチャル(仮想)とか。つまり、二つがともにその意味合いが広く理解されているもの。

 しかし明らかに翻訳語の方が全く新しくて、普及するには力がいると思われるものも多い。時空自在などですが、おかしいというのもある。リアルタイムを「即時」としているが、印象としては「同時」が近いのでは。

 私の考え方は、言葉は自然なもの。たとえそれが外来語であろうと、馴染んできたものはそのままでも良いのでは、というものです。言葉はそれぞれ固有のディメンション(領域)を持っている。そのディメンションは、しばしば代替が出来ない。

 翻訳語の方が妥当になれば、また新しい意味を持てば、それはそれで普及するのです。だから、あえて「飴細工」のようにいじろうとするのは不自然だと。

 意図的に作ったものの、全く普及せずに消えていった言葉も多い。「E電」なんてのもありましたね。あれはどこに行った。

2003年08月05日

 (17:55)ははは、これは大変。と同時に、可哀想。私が今これを書いている5日の午後6時前の時点で、千駄ヶ谷駅と外苑前駅の間にはどうやら12万人に上る人が集まっているらしい。何があるかというと、国立競技場とその周辺にレアルのベッカム、グッティ etc を見たさに8万人、そして神宮球場での阪神ーヤクルト戦見たさに4万人ほど。

 ところがところがなんですよ。今時点ですごい雨。一部には大雨注意報との噂も。うーんちょっと分かりませんが、これでは野球は無理では.....と。とにかくすごい雨なんですよ。すごい人が集まるとどうなるかというと、携帯電話が繋がらなくなる。私のオフィスは神宮球場に歩いて4分くらいの至近距離。

 やだやだ、あたしゃ7時の夜の食事の約束があるので、もうすこしでこの地域を離れますが。神宮球場はどうなっているんでしょうか。六甲おろしがこの大雨の中ごうごうと起こっているとか。じゃ、国立競技場は.....。もう選手の練習は始まっているのでしょうに...。テレビが見れないので分かりませんが。

2003年08月05日

 (11:45)もういつだったか忘れましたが、最近観た映画の話を。ニューヨークから帰ってきた佐々木君の推薦で、渋谷の文化村で北京ヴァイオリンを見たのです。

 中国の映画は比較的良く見ていて、最近観た中では心の湯なんてのも良かったのですが、北京ヴァイオリンも良かったですね。最近は「ピアノ」の映画が多かったりして、ヴァイオリンは影が薄かったのですが。

 まああえて言えば良く仕組まれすぎている印象がする。やはりあの天才肌の息子には演奏会に出て優勝して欲しいような気が私にはする。しかし作り方はあれが一番だったのかも。中国の今というか、少し前というか、そういう時代が良く表れていると思う。残留孤児のことをちょっと考えました。

 マトリックス・リローディッドも踊る大捜査線もいいところはあるが、こういう映画もなかなか良いな、と思います。

2003年08月03日

 (11:45)昨日のLINDOWSの話を私のコンピューターのコンサルタントにメールしたら、以下の返信。専門家はさすがに詳しい。まあ一旦作って、いろいろ操作してみます。「KDE」が何の略だか知りませんが、徐々に勉強していきましょう。

 「Lindows Os 」とは、「LINUXマシンでWindows 用プログラムを利用できるようにするソフトウエア」が違っています。

 「LINUXマシンでWindows 用プログラムを利用できるようにするソフトウエア」はwineといいます。Lindowsは一応linuxのディストリビューションの一つと考えられ、windowsのソフトをlinux上で動かす多分wineか何かを組み合わせたものだと思います。

 Linuxのguiのwindowsマネージャーにはgomeとkdeがメジャーです が、使っていてkdeのほうがwindowsに操作性は近いと思いますので今回はkdeをベースにしたいと思います。

 LINDOWSもアプリケーションのLindows Office などを買っていくと結構高いソフトになるようですが、それでもLINUXベースのマシンはかなり安くなる。windows との使い勝手が似てくれば似てくるほどLINUXマシンは市場で伸びてくる可能性が高い。市場も大きく変わると言うことです。

2003年08月02日

 (23:45)東芝の決算が大きく悪化したことはアメリカでのダイナブックの大幅売れ行き減少が一因ですが、それに関して「アメリカのウォールマートでは200ドルを切るデスクトップPCが販売されている」と聞いて、「おかしいな」と。だってそうでしょう。仮にそのPCのOSにマイクロソフト製(2000でもXPでも)が使われているとしたら、200ドルではOS代も出ない。

 しかし、アメリカでは目新しい、格安のOSが登場してきているようで、近く日本でもそのOSが発売されるという。そのOSとは、Lindowsというらしい。一見してリナックスとウィンドウズの掛け合わせが連想できるのですが、要するに「Lindows Os 」とは、「LINUXマシンでWindows 用プログラムを利用できるようにするソフトウエア」と。

 当然予想されることは、マイクロソフトの提訴。ここを相手取って行っていた。しかし、ワシントンの連邦地裁は昨年訴えを拒否。で、日本では8月の29日にLindows4.0が発売されるという。

 ちょっと興味ありますね。というのは、今友達にLINUXPCを作ってもらっている最中で、もしかしたらこのOSは仕えかもしれない。6000円前後のOSらしいので、XPに比べれば5分の一程度でしょうか。

 それにしても、PCが200ドル、日本円で24000円で買える時代ですか。メーカーは大変だ。一説にはアメリカのPCの5%はLINUXベースだという。リナックス対応が日本でも必要なんではないでしょうか。

2003年08月01日

 (07:45)今年上半期の日本の為替介入額が9兆0256億ドルに上った。これは1999年一年間の年間過去最高7兆6411億ドルを上回る凄まじい介入額である。直近を見ても、6月27日から7月29日まで一ヶ月超の介入額は2兆0272億ドルに達したという。

 日本円は一時の130円台から120円前後に円高になった後の介入であるとの違いはある。さらに言えば、日本円は固定相場制の360円から120円近くまで切り上がってきているという歴史的な視点からの議論を展開することも出来る。

 またその介入があって今のドル・円為替相場があり、アメリカが日本経済の苦しい現状とイラク問題での日本の協力姿勢を評価してこの大規模介入を特に問題視していないというのも事実である。また今の東京市場の株価の水準と、日本経済にかなり目につき始めた回復の兆しが、一部今の為替相場水準を前提にしていることも確かである。

 しかし、110円台の後半から介入を繰り返す今の方式がいつまでも続く、続けられると考えるのには無理があるだろう。アメリカの雇用環境が一挙に改善するなら話は別だが、それが難しい現状から見れば、アメリカ国内のドル為替相場に対する不満は充満してくる可能性が高い。

 その不満の充満の今のはけ口は中国に向いている。中国の元は確かに歴史的な第切り上げ期を経験したわけでもないのに、1ドル=8.3元前後での対ドルリンクを続け、切り上げ阻止の介入を続けている。一方で対米では1000億ドルを超す大きな黒字を計上している。この黒字は日本のそれを上回る。

 しかし、アメリカの対日、対中の為替を巡る姿勢には、どこか「double standard」の臭いがする。これは恐らく、いつか日本にも介入の抑制と円相場の市場依存回帰によって解消するだろう。なぜならそれはアメリカの原則だし、政治的圧力もその方向に向かうだろうからだ。

 今朝の日経金融新聞の「ポジション」欄(3面)はこの問題を取り扱っていて興味深い。確かに米政府サイドの動きは秋以降かもしれない。しかし、民間ベースでほもう少し早いだろう。日本も「円高への備え」が必要な時期が近づいてきているのではないか。