1999
10月

1999年10月の日記

日記

99年10月31日

 ははは、ふっと思い立って携帯インタネット端末である i mode 用のページを作ってみました。別に何かがあった、何かをするということではなく、 i mode が携帯電話というよりインターネット端末としての機能の多いことを確かめたかっただけです。普段はパソコン上で見る自分のホームページを i mode 用に書き換えて見れたら、それを実感できそうで。

 やって見たら簡単です。あっという間にできた。ポイントは i mode の場合は一行に最高まで入れて全角10文字しか入らない点。あと jpeg は駄目。gif だけでカラーも駄目という点。CHTML(コンパクトHTML)といっても基本的にはHTMLなんで、タグをいつもの通り使うことだけ。

 で作ったのがこれ→http://www.ycaster.com/imode/index.html。i mode をお持ちの方はどうぞ。むろん、インターネットのブラウザでも見れます。同じですから。パソコンの画面で見るとコンテンツの内容が左に寄っていますが、i mode で見るとちょうど良くなる。なにせ、10文字しか一行入りませんから。
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 最近金曜日の朝(森本毅郎スタンバイ)と夜(Roundup World Now)のラジオ聴取者からこちらにメールを頂くケースが徐々に多くなりつつある。

 別に番組の中でメールアドレスを宣伝しているわけではないのですが、番組の中でその手の話題が多く、自然と私がホームページを持っている話になる。で聞いている人は、ヤフーで私の名前を入れると一発で URL が出てきますから、そこからメールが来るという形でしょう。

 年齢も千差万別。ネットの広がりのようなものを感じます。

99年10月29〜30日

 今や私にとって最大のデータ持ち運びの手段となっている memory stick 用のフロッピー・ディスク・アダプターが今週初めに出ていたことが分かったので、早速ゲットしました。予定では11月の1日と聞いていたのですが、一週間早まったということでしょう。

 今までどうやって32MB の memory stick (重さはほとんどゼロ、親指くらいの大きさ)を使っていたかというと、PCMCIA カード(専用)の中に入れて使っていた。ということは、カード・スロットのないマシンでは使えなかったということです。具体的に言うと、ノート型以外のデスクトップ型ではカード・スロットはありませんから、LANで結んでノート型から memory stick の中身を変更するという方法をとっていた。

 今回出たのは、フロッピー・ディスク・ドライブに差し込んで直接デスクトップ型コンピューターに memory stick を認識させるもの。これだと、カード・スロットがないコンピューターでも問題なく memory stick を使える。便利になるというわけです。

 しかしちょっと面倒なのは、ドライバーを CD-ROM を使ってインストールしないといけない。PCMCIA カードでもドライバーは入れる必要があるのですが、こちらはOSベースで認識した。まあドライバーですから、あっという間に終える。こんな小さなドライバーのためにCD-ROMを一枚用意したのは、無駄だったのではと思うほどです。英語と日本語が両方入っている。作り分けるのが面倒だったのでは。

 PCMCIA カードに入れた memory stick と、FDD に入れた memory stick を両方使ってみましたが、断然 PCMCIA カードに入れた memory stick の方がスムーズに動く。ファイルの起動、データの保存などにかかる時間が圧倒的に短いのです。

 かつフロッピー・ディスク・アダプターはちょっと重い。最近発売されたソニーなどを中心とする一部パソコンには、既に memory stick 用のスロットが用意されている。これだとアダプターは必要ないのですが、まだ大部分のマシンにはそれはないので、アダプターが必要というわけです。

 おもしろいのは、memory stick とその関連商品(アダプターを含めて)はデジカメの売場で扱っているケースが多い。写真に使っている人が多いのでしょう。まあ、私のように各種のファイルやデータの持ち運びに使っている人間はまだ少数なのかもしれない。しかし、使い始めると病みつきになります。軽いうえに、大容量。
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 時間の経つのは早い。日本シリーズのことなどもうはるか昔のことのように感じられる。しかし、数字好きの私はちょっとスポーツ新聞を見ていて、いくつかのおもしろい数字に気がつきました。計算したら、5戦してダイエーは3、2、5、3、6と19点をとっている。これに対して、中日は0、8、0、0、4と三試合で「ゼロ」で合計も12点。これでは勝てない。

 三振の数はダイエーが37、中日が31。工藤の13三振が印象的だが、実はダイエーの方が三振している。つまり、バットには中日の方が当てている。しかし、昨日も書きましたが、中日のバッターは当てただけの打球が多かった。安打の数は、ダイエー35に対して、中日31でまずまずだが、二塁打以上はダイエーの14に対して、中日は8。中日のヒットは、出てもほとんどが単打だったということです。

 第5戦も実は、ヒットの数は中日が7に対して、ダイエーは6。まあはっきり言って、中日は思い切ってやっていなかったということでしょう。どこかで堅くなっていた。実は中日は第5戦までホームランがなかった。ホームランを一本も打たずに日本シリーズを終えたチームは歴史上なかったそうだから、危なかったということになる。

 テレビにも何にでも中日の選手があまり出てこない。ちょっと気の毒ですな。せっかくセリーグで優勝したのに。

99年10月28日

 日本もアメリカも、野球のチャンピオンシップはあっさり決まっておもしろくない。もっと決着が伸びて競った試合が見たかったのに。今日の試合は2点差でまだ試合らしかったが、このまでにくる4試合はまったくあっけなかった。土日の楽しみを奪われた感じですな。

 それにしても今日も他のことをしながらずっと試合を見ていましたが、中日はバットを思い切って振っていなかった。なぞったようなバッティングばかり。正直言って最近の私の記憶を探してもこれほど面白くない日本シリーズはない。まあ、関東のチームが出ていなかったので、身近ではなかったという事かもしれませんが。しかし、心情的にはダイエーを応援していました、ハイ。小生の予想だと、中日の選手のショックはかなり大きいと思う。たぶん、来年は立ち直れない。
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 日中ちょっと手すきになった時間に CNN のサイトを見たらゴアとブラッドリーのタウン・ミーティングのビデオがあって、それを聞いていたら、面白いことに気が付いた。質問者が相手(副大統領か元上院議員)を指名して質問をぶつけ、その答えを聞くという形でミーティングは進んだのですが、いくらたっても経済に関する質問がない。

 何が出てくるかというと、ヘルス・ケアの問題、学校の安全性確保の問題、それにゲイやレスビアンの問題など。ゲイやレズビアンに関する質問が次から次ぎと出てくるのには驚きました。まあフランスでは彼等同士の結婚が認められる時代ですから、大統領選挙の争点になっても不思議ではないのですが、それにしても日本の感覚とはちょっと違う。日本で首相候補者を集めて質問を募っても、その手の質問は出ないでしょう。

 エネルギーの節約で一つ質問があったかな。他は経済に関する質問ゼロ。これを書いている段階では出ている第三・四半期のGDPは4.8%の伸びで今年に入って最大。対して、雇用コストは予想を下回る0.8%の上昇。これで株や債券は大きく上昇。失業率も低いし、国民も経済は心配していないように思える。

 うーんでもまあ、今のアメリカは「成功のワナ」にはまりつつあるようにも思う。問題は高すぎる状態になってきた株価です。次の大統領になるかもしれない人に対して経済の質問が飛ばないほど経済が好調なのは良いのですが、永続期待はどこかで必ず裏切られるし、問題に直面する。グリーンスパンが言っているように、その時期を予測することはできないから、話はややこしい。

99年10月27日

 「もうやめたら」と思うのが、ダウ工業株30種平均の名前。今の指数をここで見ると、確かに「dow industrial index」の industrial は納得がいく。金融と小売りを除けば、大部分は industrial に相応しい会社である。

 しかし、11月1日からこのうち Chevron Corp. (NYSE: CHV); Goodyear Tire & Rubber Co. (NYSE: GT); Sears, Roebuck & Co. (NYSE: S); and Union Carbide Corp. (NYSE: UK).が落とされ、The Home Depot, Inc. (NYSE: HD); Intel Corp. (NASDAQ: INTC); Microsoft Corp. (NASDAQ: MSFT); and SBC Communications Inc. (NYSE: SBC). が加わる。

 今後も入れ替えがあるとしたら、それは多分モノを作る会社ではなくなるでしょう。とすると、industrial という名前には相応しくなくなる。30の銘柄で全産業を代表させようという方にやや無理があり、投資に関わる業界ではニューヨーク市場の動向を見るのにはSPのこの指数の方が指標として使われているのですが、アメリカを含めて世界中のマスコミはダウ工業株30種平均の方をニューヨーク市場の動向を示す指数として使っている。

 もっとも、industrial を「工業」と訳すのは正しいでしょうか。「産業」と訳すこともできる。しかし、industrial という表現のディメンションと指数の中身が齟齬し始めていることに関してはアメリカでもいろいろ意見があるようで、「まあ、歴史のある名前だから、変えられないだろう」という意見もラジオからは聞こえてくる。でも、なんか良い名前はないものですかね。「ダウ30種株価指数」で全然問題ないと思うんですが。

99年10月26日

 マイクロソフトが打ち出した「チャレンジボーナス300」という人材募集は、過去2週間というもの人員削減の報道ばかりが目立った日本にあって、珍しくまたまとまった採用活動に関するニュース。支度金300万円を採用予定者200人に配ると言うことは、それだけで6億円の予算。年俸はこれとは別でしょうから、かなり大規模な採用活動と言える。

 まとまった形でこうして採用が宣伝されるのは。人員削減に関するニュースの万の単位と比べれば小さいのですが、それだけこの分野の技術者が必要だと言うことでしょう。コンサルタント業務ですから、ネットワーク全体(ハード、ソフト、通信)を知った上で、個々の企業の仕事内容、その流れ、全体的なニーズも的確に掴まなくてはいけない仕事ですから、まあ適任者は少ないのでしょう。日本の大部分の企業では、まだかなりの数の基幹従業員に個々のハードの使い方を周知徹底をしている段階。経営者にも、ネットワークとはなんぞやが分かっていない人が多い。

 多分、今の日本では「ソリューション・サービス」は膨大なニーズがある。日本の企業経営においてはこれまで、自前主義が主流だった。また「外への目」よりも社内論理が優先した。外からの最新テクでのシステムの洗い直しは、各企業にとって急務になっている。で私の予想は、総務・人事などまで外だしする企業が増える中で、システムも「ある程度お任せ...」という企業は増えるのでしょう。最近もこの手のニュースがいくつかあった。

 少ない人数の、内向きのIT技術者で構成する各企業のシステム部門では、知識の劣化や企業内ニーズ充足不足が著しい。最近の金融機関の合併も、急速なシステムニーズの大規模化・変化を想定した場合の自社のシステム部門の対応能力に対する疑念が一つのきっかけになっているのでは。規模だけでなく。だから、伸びるでしょうね、このビジネスは。だからこそ、マイクロソフトは大量採用するのでしょうが。でも、どのくらいの人材が集まるか関心がありまっな。先日も書きましたが、「人材」のニーズはいっぱいある。しかし、それに見合った人材は少ないという日本のミスマッチ。
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 今日の私はちょっと怒ってまんな。この似顔絵のように。介護保険にかかわる当面の保険料不徴収と企業の個人政治家に対する献金禁止の見直しは特に問題が多い。見直しそのものが問題といっているのではない。環境は常に変わっているのだから、その都度見直しをするのは良いが、この二つはそのまま実施した方が将来の日本の為に絶対良いと思う。

 介護保険に関わる保険料不徴収は、国民の「コスト支払い」と「サービス受給」に関して一種合意が成立しつつあるリンク感覚を崩す。コストを支払わずにサービスを受けられるから、現政権に対する支持は広がるだろうとの見方も背景にはあるのかもしれない。しかし、今の政府に財政面でそんなに余裕がないことは、誰でも知っている。とすると赤字国債が増える。昨日の市場で何が起きたかと言えば、長期金利の上昇と円高である。市場は素直に反応する。金利の上昇と円の上昇は、政府自らが進めている景気回復努力に水を差す。

 政治献金はなるべく個人ベースにすべきだと考える。その集積は、国民のニーズに対する政治家の感覚を鋭くする。国民も政治家に対する働きかけのルートを多様化できる。実際には個人の政治献金は増えていないというのが今回の見直しの理由に挙げられているが、それは政治が国民のニーズに応えていない結果であるとも言える。見直しは良いが、一度国民に約束したことを見直すには、政治は慎重でなければならないと思う。今回の場合は正当な理由もなければ、説明もない。本当に「なんや、それ」という感じですな。

 ははは、この似顔絵は新潮社のこのサイトに寄せているエッセイに関連して「ヒキタクニオ」さんが描いてくれたもの。このサイトは今の税制度に異議を唱えるサイトですから、顔も全体に怒っているという訳です<^!^>。

99年10月25日

 10月の下旬から11月の半ば過ぎまで講演会や海外出張、国内出張が目白押しで忙しい期間に突入するので、少し早めですが講演会の為のホームページ作りを始めた。以前にも書いたと思うのですが、インターネットをオンラインにして講演するときは、その講演一つ一つのためにホームページを作るのです。

 非常に大変そうなことをしているように見えるかもしれませんが、ネットはリソースの宝庫ですから、自分のデータベースからでも、ネットの他のサイトからでもソースを引いてくるのは非常に楽だし、インターネット環境がなくてもそれら(本来使うサイト)をpdfファイルにしておけば、接続環境が劣悪でもほぼ同じ臨場感でネット接続時と同じ資料をかなり多くの人に見せることができる。また、それをそのままレジメにもできる。一つHTMLパターンを作れば、あとは内容を書き換えるだけですから(これは結構大変ではありますが)、所要時間はそれほどでもない。「one to one」ですから、相手も満足してくれる。

 で作るページには、公演先のホームページのタイトル的な gif を一つくらいそのまま使っていた。例えば2年前に日本経済研究センターで講演したときはこうした感じで(中身は更新してありませんので参考にはなりません)。で、今まではその gif や jpg を自分のサーバーに取り込んでいた。一端、名前を付けて保存し、改めに自分が使っているサーバーに送っていた。当然、そのたびに小生の使っているサーバーが重くなったというわけ。

 しかし、週末に何かのおりにふっと思ったんですな。自分のサイト間では gif や jpg は自由にやりとりしているのだから、自分の HTML の中に相手のサイトのサーバーにある gif や jpg を拾いに行く文章(html)を書き込んでもうまく機能するはずだと。あたりまえですが、うまく行きました。いままでは講演会をやる度に自分のサーバーが重くなっていた。しかし、これだとほとんどサーバースペースを食わない。やってみたらなんのことはない。実に簡単でした。バックグラウンドを含めて、何でも簡単に拾ってこれる。これで講演会が増えても自分のサーバーは重くしないでも済むというわけです。人間いろいろ思いつくものです。
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 シンガポール出張のあと関西に行くので、本を探していたら「京阪バレー」という良い本を見つけました。日本経済新聞社から出ている。日経出版局の担当者に聞いたら、「東京ではほとんど出ていない本です」とのこと。まあ、出てくる会社が、任天堂、京セラ、村田製作所、キーエンス、日本電産などなど京阪の会社ばかり。しかし、今の日本で非常に元気の良い会社であることも確かです。

 これらの会社、共通するところがいっぱいある。キャッシュを非常に大事にすることや、創業者の個性の強さ。なかなかおもしろい。一読の価値あり。まあ、東京の会社というのはどこかで依存症がある。関西の会社はどちらかというと「勝手に育った」という印象。だから、打たれ強いし、経営にも骨が通っている面がある。

99年10月24日

良い天気の週末。気持ちも和やかに......というわけで、大泉君提供のジョークを。マイクロソフトの windows2000 は既にベータ版が出来ていて、入れている人を知っているのですが、確かに下の「ワイフ」で使われているosは万札数枚で取り替えるのは無理でしょうな。<^!^> 

件名 : ソフトの不具合について
送信者 : みちのく太郎

ソフトのことでちょっとおたずねします。
昨年、ガールフレンド7.0からワイフ1.0にアップグレードしたところ、思い がけないことが次々と起こり、困っています。

アップグレードして間もなく、チャイルドという名前のプログラムがいくつ もでき、容量をすごくとるので、お金をつぎこんで環境を変えざるを得なく なりました。

さらにワイフ1.0は、他のプログラムに勝手に自分をインストールし、全プロ グラムの監視をしています。たとえばゴルフ3.1や飲み会5.0といったアプリ ケーションは、動きが悪くなっています。キャバクラ6.2に至っては、まった く動きません。選択するだけでクラッシュしてしまいます。

そこで、ワイフ1.0をガールフレンド7.0に戻したいんですが、このワイフ1.0 のアンインストールがうまくできません。強引にアンインストールしようとす ると、システム全体を巻き込んでしまいそうです。 いい方法を教えてください。

[ こちらサポートセンター --- 返信メール ]

件名 : Re: ソフトの不具合について
送信者 : サポートセンター

お世話になります。

ワイフ1.0の件ですが、同様のご質問をよくいただきます。たいていの場合、 原因は大きな誤解にあります。

ガールフレンド7.0からワイフ1.0にアップグレードするとき、単なるユー ティリティソフトと考えて何となくアップグレードする方が多くいらっしゃ います。しかし、ワイフ1.0はユーティリティソフトではなく、OSです。 ガールフレンド7.0とは根本的に異なると考えてよいでしょう。

ですから、いったんワイフ1.0をインストールしてしまうと、アンインストー ルしたりガールフレンド7.0に戻すというようなことは、ほとんど不可能です。

ここで無理に、ワイフ2.0やガールフレンド8.0をインストールするようなこ とがあれば、問題がいっそう大きくなり、回復不可能になります。 このあたりのことは、ヘルプファイルの「養育費」「財産分与」に詳しく書か れていますのでご一読ください。

ですから、ワイフ1.0はそのままさわらずに、周りの環境をワイフ1.0に合わせ ていくべきです。何度もクラッシュしたり、他のプログラムへの影響が大きい ときは、

C:\gomen_ne

と打ち込んでみてください。これでたいていの場合、回復するはずです。

新しいソフトを買うときは、ワイフ1.0との相性を考える必要があります。 現在わかっている中では、ケーキ4.0や花束5.2などは、非常に相性がいいよう です。

99年10月22〜23日

 日米でチャンピオンシップの戦いが始まって、また関心が野球に行く。福岡ドームには2回行きました。出張が多かった関係で日本の主要なドーム球場は全部見ているのですが、福岡ドームが一番立派です、というか大きく見える。事実大きいのだと思います。

 あのドーム球場は下に駐車場があって、その上に球場がある。その分だけ elevated なんですよ。それに対して名古屋ドームは何か地面にのめり込んだような感じに見えた。大阪のドームもちょっと銀色に光っているところが、球場を小さく見せている感じです。球場が自分の球場より大きく見えたせいではないでしょうが、中日の選手は土曜日の試合ではちょっと小さく見えた。たぶん、福岡ドームを初めてみた中日の選手は、こころの中で「大きいな.....」と思ったに違いない。

 土曜日の試合では野球が終わってからも楽しめた。花火あり、ドームの開閉あり。知りませんでした。ダイエーにとっては、なかなか良い宣伝の場になったのでは。中日の選手も、あの大群衆、熱狂的なダイエーファンの前では「敵地」を意識せざるを得なかったのかもしれない。

 工藤投手とは時間つぶしで入った赤坂のパチンコ屋で隣同士に座ってゲームをした間柄(?)ですから、試合中ずっと応援していました。(^o^) 名古屋の高校生のころから彼のカーブ、その曲がりの大きさが記憶に残っているのですが、土曜日はストレートが威力がありましたね。本当は見に行きたいのですが、そうはいかない。

 大リーグの中継をインターネットで見ようと思ったら、どうもライブはないみたいですね。どなたか見つけたら教えてください。テレビは目を奪われるので嫌いなので、ラジオで聴きたいのですが、まあワールド・シリーズは FEN がやっていますから、別にインターネットでなくても良いのですが。
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 東京モーター・ショーは行きたいのですが、なかなか時間がとれそうもない。しかし、こちらはここでかなりの内容を見ることができます。

99年10月21日

 久しぶりに「首狩り族」と昼飯を食べましたが、いろいろ話していて今の日本がひどい「ミスマッチの国」になっているということを改めて説明されちゃいました。この種の仕事をしている人のもとには今はレジメがヤマほど集まるのだそうです。職を求めて積極的に動いている人たちは、あちこちにレジメを送っている。

 しかし、「首狩り族」がクライアントから「探してくれ」と言われている人は彼等のところにレジメを送ってくるような人ではなく、今現在どこかの組織であまり不平も不満もなく仕事をしている人。そういう人を引っ剥がすのが「族」の仕事なんだそうです。つまり、「人材不足」と「人余り」が共存している。しかもかなりの不均衡をもって。

 時代にあった、会わせた人間になることが人生でないことは当たり前です。勝手に生きればよい。しかし、生活の糧は何らかの形で社会や個人のニーズにあった製品なり、サービスなりを提供することから得られるわけですから、それを学ぶ術、それを生み出す術はどこかで見つけておかないと長くは生きていけない。

 で思うのは、これだけ大きなミスマッチを生じさせてしまった原因はむろん技術革新が速かっただとかいろいろあるのですが、やはり日本全体としてぼっとしていた、それまでの成功に慢心していたということだと思うのです。国も、企業も、学校も、そして個人も。そういう意味では、エズラ・ボーゲルは罪作りな方ですな....。はっと気づいたら、ものすごい「人材不足」とものすごい「人余り」が共存する時代になってしまった。日本では一般的には「人余り」ばかりが取り上げられる。しかし、実は違うんではというのが彼との話の中で改めて持った私の感覚です。
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 それとの関係で、夕方ある人から電話がかかってきた。「今夜どう」....。4人組の誘い。忙しいので「今日は猫の手も.....」と答えそうになって考えた。日本人は確かに今まで忙しいときは「猫の手」といってきた。しかし、猫の手で忙しさが緩和される仕事とはどういう仕事か。

 まあこの昔からの「慣用句」は一種の例えだから目くじらをたてることはないのですが、まてよ「俺の仕事は猫なんか借りてきてもちっとも忙しさは緩和しなぞ....」と思うのが今は自然ではないかと。穴を掘るとかの仕事なら、猫も手助けになる。なぜなら、彼らは自分が出したものをちゃんとアナに埋めようとするからです<^!^>。

 しかし、今は猫なんかいても邪魔になる仕事が多い。「手」なんていらない。イメージや想像が重要で、それを形にするときに形が必要なだけなのです。その人がいないと、その種の人がいないと、ということが多い。猫ではだめです。仕事はいっぱいある。しかし、はまる人がいない。それが今の日本の現実でしょう。P>  で思う。これからは「猫の手なんかじゃ全く役にたたねえ忙しさなんだよ.....」と言った方が良い、と。

99年10月20日

 いかん。夏のイメージを引きずって夜でも昼でも少し薄着をしていると、確実に風邪を引きそうな雰囲気になってきた。今朝電車で隣に座った女性は、なんと襟巻きをして、コートを着ていた。雨だったせいもあるでしょうが。夏は暑かったという記憶を体は残していますから、つい薄着目にしてしまう。そこが落とし穴になりそうで、風邪ひきさんが増えているようです。
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 多分今週の火曜日だったと思ったのですが、韓国の大宇証券の孫さん(今は常務さん)から電話があって、「伊藤さんの名前を韓国の新聞で見ましたので....」と。すぐ分かりました。私のオフィスに取材に来た内外新聞の記者の方の記事が載ったのでしょう。「送って」と言おうと思ったのですが、どうせ読めないからやめました。言葉が分からないのはつらい。内外新聞というのは夕刊紙らしい。

 いろいろ話しましたが、大宇も大変そうですね。日本では基幹銀行同士の合併があって、財閥解体とか騒いでいる。しかし、国境をまたいで合従連衡が進んでいる時代に、一つの国の中のグループで多少動きがあったぐらいで騒ぐ時代だろうかと思う。壊れるグループもあれば、出来るグループもあるというのが実体だと思う。問題は、それが経済合理性にかなっているかどうかだけである。

 韓国も財閥の整理・統合が進んでいる。日本は「財閥」というけれども、そんなにその単語が持っているような緊密な企業連合はあったんですかね。私はそうは思わなかった。社長連中はいろいろ会合をあるようですが、だからといってそこで大きなビジネスがまとまるという生臭い話はないでしょう。各社ともこれからの海図なき航海の時代をどう舵取りするかに一生懸命でしょうから。
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 日本橋の丸善の地下を通りかかったので、ついでに「2000年」の手帳を買いました。2000年ですよ、もう。パイロットの出しているノートでを既に10年くらい使っている。パイロットであるからにして、本屋では売っていない。文房具屋でしか売っていないのです。丸善の地下は文房具屋になっている。

 一年の休みの具合を見ていたら、来年は年初はついていない。なんと、元旦と二日が土曜日、日曜日でもうここで二日休みを失っている。少し取り戻せるのは2月で11日が金曜日。つまり3連休になる。まあ歓迎できるのは、5月の3、4、5が水、木、金ということ。つまり1、2に休みを取ると、9連休になる。ただし4月の29、30は土日にぶつかってしまっている。

 ははは、人数が多い職場では休みは競争になるでしょう。なんと言っても早い者勝ちですから、来年の休日分布を念頭に置いておくことは無駄ではないσ(^^)。

99年10月19日

 日産が大規模なリストラクチャリングを発表した。14%(21000人)の従業員の削減、系列取引先数の大幅な削減(約半分に)、持ち株の処理、そして最終的には5工場の閉鎖などなど。人員削減の内訳は、日本で16500人、ヨーロッパで2400人、アメリカで1400人、その他アジア、メキシコなどで残りの人数の削減となっている。当然だが世界中のマスコミがこれを報じている。

 目はどうしても、閉鎖される工場で働いていた人々、削減対象になる人々に向くし、今朝の朝刊の記事の社会面にはその関係の記事が多く載っている。削減される14%(自然減、不補充、転籍など)の人々は社を去るが、重要なのは残る86%の人は2003年以降も会社に残る、と言うことである。その数は全世界で12万人にも及ぶ。再生できなければ、この12万人の前途も危うくなる。

 こうした単純な数の論理ばかりでなくて、残る12万人にとって日産という会社がバイアブルなものである続けることが何よりも重要だと思う。私の記憶では IBM はその最も多いときには45万人いた従業員を20万人強に減らした。そこからまた従業員の数を増やしてきている。日産もそうなる可能性がないわけではない。クライスラーも再生した。会社がバイアブルでなければ、将来の雇用も生まれない。

 しかし、思うのはもっと早期に打てる手はなかったかということである。トヨタの奥田さんがああいうことを言っている最中だから、日産の過去の経営者に対する批判の声も強くなるだろう。明らかに今回のリストラクチャリングは、ゴーン COO が断を下したと言うことであって、いずれはやらざるを得なかったことが多いのではないか。
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 恐らく、契約関係を切られる系列会社には、日産から多くの人が行っている。日産との契約関係が切れれば、それらの系列に出た人々のその意味での存在価値はなくなる。いわゆる浮いた状況に置かれる。しかし、今後はこうしたことが増える気がする。言ってみれば親会社、子会社の間の「特殊な人間関係」の意味、存在価値が薄れるのである。私はこうした「特殊な人間関係」ゆえに、多くの会社が発展を阻害されてきた面もあることを考えたら、いったん精算した方が良いと思う。その人の本来的な力が試される時代と言うことである。

 しかし、様々な意味で「企業のグループ」は残ると思う。ただしそれは非常に合理的なものになるだろう。非合理的な人的なつながりではなく、合理的な透明性の高いものに。合理的で透明性の高いものである限り、信頼できる企業同士の関係が深くなるのは当然であり、その方が仕事がスムーズに運ぶだろう。

 それにつけても、熟年労働者の市場や新規産業が育つ環境づくりが不可欠である。今の日本にはこれがない。だから世間で言うリストラは、悲惨のものになる傾向がある。つい「新規産業を育てる」と言ってしまうが、これは間違いだと気がついた。将来の産業というのは育てようと思ってはなかなか育てられない。

 むしろ新産業はその時代の常識に反したところから生まれてくる可能性もある。トヨタは自動車への進出を身内からも霞ヶ関からも反対された。しかし、今の成功は誰もが認めるところである。政府が出来るのは、新しい産業が生まれやすい環境の整備である。直接産業を育てることではない。それだけでも、まだやるべき事はたくさんあると思う。

99年10月18日

 今回の教訓は、「やはりアーカイブを探すのは時間がかかる。必要な記事は、自分のデータベースにその時その時にいれちゃえ」ということです。ニューヨーク・ダウの10000ドル突破などの記事を探した印象ですが。

 というのは、ニューヨーク・タイムズなどの新聞に確かにアーカイブはあります。kimuraさんにはまたまたサイトを教えていただきました。tks。しかし問題は、有料化が進んでいることです。ニューヨーク・タイムズは日々の新聞は無料化した。しかし、アーカイブはむしろ有料化の方向にある。一本の記事について2ドル50セント。

 クレジットカードの番号を打ち込んだり、面倒です。で思ったのは、32MBのメモリー・スティックを記憶媒体に持ち歩いているのだから、「これは」という記事やデジタル・ファイルは全部その中に入れておけば良いということです。フロッピー・ディスクだとpdfにしてかなり軽くしても直ぐ一枚分になってしまった。しかし、32MBのスティックだと相当入れてもディスクがいっぱいになることはない。

 問題は、その時のファイルへの名前の付け方です。これが出来が悪いと、あとでサーチしたときにえらく苦労する。ネットから探した方が早い.....ということになりかねない。ここが問題です。
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 朝起きると、やはりニューヨークの市場に目が向く。昨日のニューヨーク市場の動きは激しかった。しばらくこんな状態でしょう。当面の見通しについては、ここに見通しを入れておきました。

99年10月16〜17日

 私もこれを書くほんの少し前に気がついたのですが、このページとそのリンクで1929年のあの一週間に起きたニューヨークの株価急落とそれを巡る当局や大衆の動きが見ることができる。当時の記事が全部出てきているのです。やはり29日の翌日の30日の新聞の記事が多い。

 ニューヨーク・タイムスが自らの新聞を全部デジタル化して、ネットに読めるようになっているのですが、これはなかなか素晴らしい。私はpdfにして自分のデータファイルの中に入れることにしました。まだ見出しくらいしか読んでないのですが、電話やケーブル(電信)などの使用量が大幅に増加しただのいろいろ当時の事情が分かる。大恐慌についてはいろいろな資料があるのですが、当時の新聞をそのまま読むのも良いでしょう。

 ところで、実は捜し物をしているのです。今年初めてニューヨーク・ダウが10000ドルを突破した翌日のニューヨーク・タイムスの記事を探しているのですが、なぜか見つからない。どなたかURLが分かったら、教えてください。それから11000の分も。よろしく。

99年10月15日

 ははは、金曜日の世界中の市場はまさに「The Greenspan Effect」でしたね。

He's bigger than a king
When he's pulling on the strings
That move the world like a marionette.
Each syllable he speaks
Reverberates for weeks
In a global game of Russian Roulette.
With every breath he takes
The earth begins to quake
From the bankers who are falling to their knees.
They'll hope and they will pray
That he's having a nice day,
And God forbid that he should ever sneeze.

CHORUS

 木曜日の米東部時間の午後7時からのこのグリーンスパンの講演を受けて金曜日には世界中の株が下落したのですが、なんと言ってもグリーンスパンが警告したのはニューヨークの株で、金曜日の引けはダウで見て10019.17ドル。ザラ場では今年4月以来の10000ドル割れ。指数全体を見ると
NYダウ工業株30種 (INDU)  10019.71 -266.90 -2.59% 10/15
S&P 500種 (SPX)        1247.41  -36.01  -2.81% 10/15
ナスダック総合指数 (CCMP) 2731.83  -75.01 -2.67% 10/15

 白状してしまいましょう。実は私が出版社に頼まれて訳し始めて、来年の春には遅くとも出そうと思っているのは、この本なのです。本の最初の方に出てくるフレーズに「Grennspan speaks: the world trembles」という言葉が出てくるのですが、「ピンポン」という感じ。鋭意訳し始めましたから、乞うご期待ということろです。日経から出ます。

 私がチャットのコーナーに載せているこの文章の最後に書き添えて置いたのですが、ちょうどニューヨーク・ダウが10000ドルになったときの環境がこうでした。

ちょっとした統計。(99年4月初め現在)
 アメリカ株の PER =25.6(過去一年の収益に対する)  これまでの平均は16.8
 アメリカ株の配当利回り=1.6% 戦後平均=4.4%
 世界の株式市場に占めるアメリカ株の割合=53%(1988年は29%)
 1998年末で米家計の全資産の25%は株(1984年は8%)
 アメリカ株の対GDP比=150%(1988年=50%)

 配当利回りとか、世界の株式市場にしめるアメリカ株の割合とか少し変わってきているかもしれない。しかし、大筋はこんなものでしょう。やはりちょっと上げすぎだと思う。先週このコーナーを書かなかったら、メールは来る、会った人に言われる、福岡から電話は来るでえらいめにあいましたが、今週は書く予定です。

99年10月14日

 今日は眠い。13日は帰りが遅かったんです。午前2時頃家に着いて、ネットを覗いたら日本経済新聞社のサイトに、「住友とさくら」の話が載っていて、おやおやと思って朝日新聞のサイトみたら何もなし。

 いったん寝たのです。3時ごろだったか。ははは、6時に電話で起こされた。放送局からの電話で。で、眠いというわけ。あとで話を聞くと、日経、読売、サンケイが14日の朝刊段階でこの記事を載せていた。朝日や毎日には朝刊段階では載っていなかったものの、ネットを見たら両社ともこの記事を朝から載せていた。

 で私が判断したのは「火」がある話だな、と。「火」がなければ、他社は直ちには追えない。14日に各社から出た談話も、「関係会社とも話している」という部分を除き、住友とさくらが何らかの話し合いをしている事実は認めていて、否定する話は出てきていない。住友、さくらの両首脳は午後7時から都内のホテルで記者会見をして、事実関係を認めた。

 しかし私の印象からすると、何かこの話は時期尚早な段階でマスコミに出てしまったか、意図的に出したもののような気がする。IBJ、富士、一勧の時は、報道からあまり時間を置かずして、3行のトップが記者会見を開いた。秘密がよく守られ、発表まで話が漏れなかったことが伺える。

 今回は記事の内容も、各社とも似たり寄ったりで、具体的なものあまりなかった。合併を推進したい方か、さもなくば潰したい方が記者にしゃべったのでは。まあ、夕方記者会見しましたから、もう後戻りできないところに来ていますが。これで「やめ」といったら、花の名前の銀行の株価は急落するでしょう。だからもう進むしかない。さくらの知り合いに電話したら、少なくともその人はかなり前向きにとらえていました。
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 日本の銀行がどんどん大きくなっている。11あったのが、今では概念的には6個である。数が少なくなるトレンドは変わらないでしょう。この話がまとまろうがまとまるまいが、方向はその方向にあるし、14日の東京株式市場は銀行株が独歩高となり、ニューヨークが二日にわたって大幅に下げたにもかかわらず、東京市場が日経平均で前日引値を上回って終わる原動力となった。

 しかし、「大きくなること」は銀行再生の一歩に過ぎないと思う。何よりも必要なのは、「大局観を持ったスピードのある動き」である。確かに規模は取引をする人間にとって安心材料だろう。「too big to fail」ということもあるかもしれない。しかし、最後はその機関が自分にとってどのくらい役立つかである。企業や消費者の変転極まりないニーズを満たすためには銀行は機敏でなければならない。サービス業なのだから。

 長々と書く暇はないのですが、これからのサービス産業全体にとってのキーワードは、「hi-tech」と「hi-touch」でしょう。後者を忘れる人がいる。重大な過ちだと思う。最後は商売は、「hi-touch」であってハイテクはそれを実現するためのツールであると思っている。しかし、今はツールを持たない日本の企業が多すぎる。ツールがなければ、戦えない。

99年10月13日

 ははは、ネット上にとんでもない歌を見つけました。アメリカで最近発売された「THE GREENSPAN EFFECT」という本を検索しようと思ったら、ひっかかったのがこれ。多分日本語ブラウザで見ている人はばけがあるでしょうから、小生が文字を修正したものをここに載せましょう。残念なのは、音が見つからない点。


The Greenspan Effect

Words and music copyright 1998 by Steve Brooks

He's bigger than a king
When he's pulling on the strings
That move the world like a marionette.
Each syllable he speaks
Reverberates for weeks
In a global game of Russian Roulette.
With every breath he takes
The earth begins to quake
From the bankers who are falling to their knees.
They'll hope and they will pray
That he's having a nice day,
And God forbid that he should ever sneeze.

CHORUS

'Cause when he opens his mouth,
Watch out for the fallout,
And try to be financially correct.
The market's gonna head South.
Forget about the greenhouse.
Get ready for the Greenspan Effect.
When he goes to testify,
The interest rate is high.
They hang on every whim and every word.
The stocks will fall and rise
By the way he blinks his eyes
And the way he keeps his federal reserve.
Like oracles of old,
He always speaks in code
That's far beyond the ken of common men.
It's hard to comprehend
The signals that he sends,
In his macro-economic kind of Zen.

CHORUS

And even if he's just
A mass of hot, hot air,
I guess somebody has to play the role.
'Cause if the weather's foul,
Or if the weather is fair,
We want to think that somewhere,
There is someone in control.

CHORUS

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 なかなか笑えるでしょう。金融がらみの歌と言えば、ポール・マッカートニーがウィングスになってから作った「Pound is sinking」(ポンドが下げている)という歌も面白い。「Tug of war」というアルバムに入っていたと思った。

99年10月12日

 翻訳に当たっては、今回はエディターを使う予定です。ワードはアクセス権だとかなんだとか本当にややこしい。セーブも時間がかかるし、立ち上げるのも大変。で、秀丸を使いこなすことにしました。軽くて良い。今回キーの割り当てを増やしました。ファイルの頭にカーソルを持ってくること、逆にファイルの最後尾に持っていくときなどなど。文章が長くなると必要なのです。

 秀丸の「その他」を開いて「キーの割り当て」で「ctrl+E」にカーソル移動系の「ファイルの最後に移動」を割り当て、「ctrl+H」に同じくカーソル移動系の「ファイルの先頭に移動」を割り当てました。キーの割り当てを見ていくと、開いている、使われてないキーやその組み合わせが実に多い。こういうキーに作業を割り当てていくと非常に仕事がうまく進むのではないでしょうか。今でも多用しているのは、「ctrl+S」のセーブ、「ctrl+F」の検索、「ctrl+C」のコピー、その前の「ctrl+A」の全部選択、張り付けの「ctrl+V」などはなくてはならない組み合わせです。

 もうひとつ準備的なことをしました。これは白塚 重典さんなどはずっと前からしているらしいのですが、Bookshelf Basic Version 2.0をハードディスク、具体的には「c」に落として(CD-ROMの中身をコピーするだけです)、そこからソフトウエアを起動させるのです。CD-ROM ドライブにあるよりは、きわめてスムーズに稼働する。秀丸を起こし、裏に Booksehlf を走らせて、「Alt+Tab」でソフトウエアを切り替えながら仕事をすると、きわめてスムーズです。

 また、これは先に書きましたが、「Stick Memory」をカードスロットに入れてメインの記憶媒体として使う予定です。セーブがすごく早いんです。フロッピー・ディスクだと音はするし、時間がかかる。あと、今はネットワークにつながっていないコンピューターも、USB リンク・ケーブルでつないでネットワークの仲間入りをさせました。USBポートのあるマシンで win98 が走っているコンピューターなら大体何でも接続できる。
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 ところでこのページの所有者の話が出たので、私からもちょっと紹介しておきましょう。勤めの関係から雑誌などに自由に文章を表すと言うことはできないのですが、結構彼は文章を書いているのです。たとえばこのページを見ても、E-21とE−23はともに彼になる論文。

 E−21はずいぶんと前にもらったので、その英文を含めてじっくり読ませてもらいました。「金融政策は資産価格を政策目標とすべきか」という興味深い問題意識。結論は

  1. 資産価格統計の信頼性は低い
  2. 資産価格の変動は、必ずしも将来の価格動向を指し示さない
 などの理由で、「それは難しい」ということなのですが、80年代の不動産価格や株価の上昇を抑える金融政策はできなかったのかという問題意識がある中では、なかなか興味深い論文。

 E-23は彼がもっとも得意とする分野で、私はまだ詳しく読んでないのですが、日本の統計誤差に関しても徐々に問題意識が盛り上がってきているところだけに、注目して読みたいと思います。最近気がついたのですが、これなどは今まで知りませんでした。今日も俄然注目が日本の中央銀行に集まる。何を考えているかを出すことも、それに注目することも必要でしょう。

99年10月09〜11日

 あら、みなさん気をつけてくださいよ.....でもう一度文章を始めてみましょう。マイクロソフトからのメールを読んで同社のY2Kのサイトに行ったら、次のような文章が。

 現在米国を中心にSupport@microsoft.com という名前でウイルスプログラムを添付したメールが送られるという悪質な被害が発生しております。

 マイクロソフトでは、E−mailでアップデート等の可能なWEBページなどの情報をお送りすることはあっても、直接的にE-mailでソフトウエアを配信することは一切行っておりません。もし、Support@microsoft.com という名前で発信されたメールを受け取りその中にY2Kcount.exe という名前のプログラムが添付されたいたら、それを実行せずにメールごと削除してください。

  詳細は以下のページをご参照ください。
 http://www.microsoft.com/japan/support/warning2.htm

 結局連休中は遠出はしませんでした。あちこち出かけはしましたが。まあのんびりしたということです。金曜日が終わると、土曜日は大体死んでいますから、実質2日のお休みということです。

 一つ翻訳を....という話がきていて、その原書が金曜日の夕方に出版社からバイク便で送られてきていたので、それをちょろちょろ読んでいました。出版に関する秘密もあるでしょうから、出版社の名前とかどんな本かは書けませんが、まあ私の得意分野と言えばそうで、出版社もよく見ておるわいと思いました。

 97年には「スピードの経済」を、98年には「ビッグバン時代のネット活用術」(共著)を出しましたが、今年はまだ本は出していない。週末にはラジオ放送が二本あって毎週末になると忙しい。そんな状態が続いていたので、話はいくつかありましたが、心の中では「今年は休みかな」と思ってました。「そろそろ」と思っていたらこの話。来年の春には出したいというのが出版社の気持ちらしい。まあできたら来年は、自分の本も出したいと思っています。

99年10月08日

 あら。皆さん気を付けて下さいよ。日本ももうすぐこういうことになりますから。会社のコンピューターは会社のものなんですよ。日本人はその区別がついていない人が多い。これは将来の問題でっせ。朝日の記事からちょい引用しました。

 Hなサイト「見過ぎ」、米ゼロックス社が40人を解雇

 複写機大手のゼロックス(本社・米コネティカット州)の社員計40人が、勤務時間中にインターネットでポルノなど成人向けのページをあまりに長く見ていたとして、解雇された。米メディアが7日、一斉に報じた。

 同社の説明では、うち二十数人が職場のコンピューターでポルノ系サイトの閲覧にふけっていた。ほかに解雇されたのは、ネット上のギャンブルや投資活動にのめり込んでいた社員たち。

 広報担当者は「どれも会社設備の極端な乱用。勤務時間の大半を『不適切な』サイトの閲覧に充てていては、職場の生産性はまたたくまに低下してしまう」と話している。インターネットを使う同社社員は米国内だけで約4万人。気になるスポーツの試合結果を確認したり、書籍をネットで手早く注文したりするなど、ごく短時間の私用接続は問題とされなかった。

 「気になるスポーツの試合結果を確認したり、書籍をネットで手早く注文したりするなど、ごく短時間の私用接続は問題とされなかった」というのも妥当なんでしょうな。小さな用事を先送りして生産性が逆に落ちても問題。変なページを延々と見ていたら、そりゃ生産性は落ちますよ...........。「CACHE」がありますから、隠そうとしてもその人が何をそのコンピューターでやっていたかは一目瞭然。ははは。
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 でその話をラジオでしようと思って局で話していたんです。そしたらディレクターの高橋君が、「そういえばおもしろい話をイサイズの人から聞きました」と次の話を聞かせてくれました。ラジオでも紹介したんですが。日本においてネットワークが混雑する時間帯です。
  1. 午後11時以降
  2. 正午から午後1時まで。特に12時30分以降の30分
  3. 午後5時から午後6時
 一目瞭然じゃないですか。テレホーダイ・タイム開始の時間帯は家庭での利用。これは良い。問題は二番目と三番目です。これはお昼時間帯。サラリーマンが会社からインターネットにつなげているのです。何をしているんでしょうか。株取引、それとも H 閲覧 ?。午後5時から一時間。仕事も一段落。ちょと....帰る前に....ということでしょうか。これも大部分の勤労者が家に帰り着かない時間帯であることを考えればオフィス利用。

 この後ろの二つの時間帯は問題ですね。ということは、日本のオフィスではまだ本当の意味でインターネットを仕事に取り入れていないということでしょう。「まだ何遊んでいるの...」といった感じか。

99年10月07日

 いよいよ大リーグが日本で公式試合をするという。ナイス。吉井が投げて、ソーサがバッターボックスに立つ。わくわくするじゃないですか。もっとも来年の春もこの二人が来日するチーム(メッツのカブスでしたっけ)にいるという保証はありませんが。

 二試合するという。日本のプロ野球もやっと「競争」にさらされるというわけです。ホームランのタイトル争いをしている選手がいるチームが醜く四球合戦をするような国の野球は、もしかしたら競争に晒されたら危ないかもしれないσ(^^) アメリカのMLBは明らかに「世界戦略」を持っていると思う。

 野球がメジャーなスポーツになっている国は、実はあまり世界に多くない。アジアでは日本、韓国、台湾などなど。アメリカ大陸ではメキシコ、コロンビア、島ではキューバなど。それらをメジャーリーグの「顧客」にしようというのが戦略だろう。顧客が増えれば、モノが売れる、電波が売れる、選手のコマーシャル需要は増える。日本にはもうソーサがコマーシャルに出ている。そういう意味では、野茂も登場組。

 バスケがそうだが、突出した世界最高を見ると、他のものはみれなくなる。MLBが突出しているかどうかは別にして、優れているのは確かだろう。とすると、味のない時間のかかる、スリリングでない試合で視聴者が離れるのは目に見えている。日本のマスコミのスポーツの時間枠におけるMLBの時間は、日本での公式試合開催を契機に増加すると考えるのが自然である。BSの視聴者が増えるというわけである。

 ほんまに日本のプロ野球も旧弊を打破してもっと面白い、近代的な、スリリングなものにして欲しい。私も野球少年でしたから、野球には思いやりがあるんです。よろしゅう。
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 と書いたところで、今週末は3連休だと気がつきました。これもナイス。どこかに出かけますか。

99年10月06日

 7日の朝書いていますが、寒い。いよいよ秋ですね。9月は史上最高の平均気温だったそうで、「そうだったろうな」と思うのですが、10月もかなり進んできてやっと涼しくなった。このくらいがいいんですよ。

 数日前に、「ヨーロッパの景況感が分かる数字は.....」と書いたら、ドイツにいる梅本さんが以下の文章を送ってくれました。参考になるので、みなさんにも情報のお裾分けをしましょう。

 ユーロ圏はまだ歴史がなく、エコノミストもどの指標を重視するか探っている状態でしたが、ECBも月報で触れている欧州委員会発表の企業、消費者景況感が最も代表的な指標となっているようです。ただし私は詳しく読んだことはないです。http://europa.eu.int/en/comm/eurostat/serven/part6/6som.htmからリンクを伝ってみて下さい。発表日は毎月上旬、時間はブリュッセル時間正午です。今月は7日(きょう)です。

 次に有力なのはロイター通信が調査、発表しているユーロ圏のPMI(購買担当者景況感)です。これはロイターの端末で見られるはずです。さらにドイツに関しては、IFO経済研究所の景況感指数が有名です。Bundesbankも最重視してましたし、過去、ドイツのGDP統計(遅れて出る)とほぼ連動していることで定評があります。指数とデフュージョンの両方が出ていますが、毎月20日前後の指数発表の際は数字のヘッドラインだけが発表され、1週間以上経ってから詳しいリポートが出ます。http://www.ifo.de/aktuell/gk/gsk.htmで見て下さい。

 ドイツではほかに、有力紙のハンデルスブラット、フランクフルター・アルゲマイネがそれぞれ独自調査の景況感指数を出していますが、国際的影響力は限られるようです。このほかフランスでは、INSEEが景況感を出していますが、私はよく知りません。

 tks。まあ景況感というのはあくまで「感」ですから、あまり市場が重視するのは問題だと思うのですが、どうせだったら主要経済圏でそろっていた方が良い。ワールド・シリーズへのプレーオフが始まったニューヨークからは南波君がメールをくれました。ははは、リンクの不備を指摘してくれてtks。もし本当に「Subway Series」が実現するのなら行きたいですね。いつごろですかね。11月にはベトナム、シンガポール、国内では京都と出張が続くのですが......
 今、ニューヨークでは、ヤンキーズとメッツが「Subway Series」でWorld Cup を争うかどうかの話題で持ちきりです。 昨日は両チームともプレーオフの第一戦を 制し、共に強い勝ち方でありましたので、あながち地元贔屓ともいえない感じです。

 ヤンキーズの試合は、私もテレビ中継で見ておったのですが、初めから得点 が入らない割に時間のかかる試合で、8時過ぎに始まって終わったのが12時前でし た。11時からは、アリゾナでメッツの試合があったのですが、(これはさすがに 初めの方を少し眺めただけ)、試合が終わったのは午前3時と言いますから、やは り長い試合だった様です。 10月に入ってニューヨークは急に寒くなりましたから、 地元チームの活躍で興奮しているにしても、野球ファンは相当に根性がなければ、 体が持たないんじゃないでしょうか。

99年10月05日

 実におもしろい本を読みました。「クール」を調べるのに紀伊国屋に行ったときに、新書として並べられていてふむふむと手にとって家に置いておいたうちの一冊。名前は、「マンネリズムのすすめ」(平凡社新書)というのです。

 著者は丘沢静也(おかざわ しずや)さんという。正直言って、今までこのヒトの本は読んだことがなかったのですが、今回読んでファンになりました。まあ、この本はくどくど解説する必要はない。いろいろな言葉が登場する。「自分病」「すぐれた漁師はしっかり日和見をする」「自分の中に自分を見つけることなどできない」などなど。特に「夏の終わりのヒマワリ」の章は、自分に少し自信をなくしている人には考え方の手がかりになるのではないでしょうか。

 マンネリの妙、繰り返しの重要性。地球で生命が生き延びてきた最大の理由は、限りなく退屈なことを繰り返してきたことにある、という考え方は私の中にもあって、さらにいえばいろいろな思想の一番の弱点は、「人間を理想的な存在、理想的なことをし続けられる存在だと考えてしまうことになる」と思っているのですが、この本の考え方はそれに通じるものがある。

 社会主義なんて良い例です。sounds nice ですが、人間性を間違ってとらえている。同じ時に売れているらしい岩波新書の「日本語手帳」(でしたっけ)なんかよりもずっとおもしろい。同時期に読み始めましたが、手はマンネリズムに伸びました。まあ人間は逃れられないマンネリな存在だから、新しいものが欲しくなるという面がある。ある程度、自分に素直になるということではないでしょうか。
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 FOMCは私がこれで予想した通り、FF金利誘導目標据え置き、バイアスを「引き締め」に変えました。声明文は以下の通り。

The Federal Open Market Committee decided today to leave its target for the federal funds rate unchanged.

Strengthening productivity growth has been fostering favorable trends in unit costs and prices, and much recent information suggests that these trends have been sustained.

Nonetheless, the growth of demand has continued to outpace that of supply, as evidenced by a decreasing pool of available workers willing to take jobs. In these circumstances, the Federal Open Market Committee will need to be especially alert in the months ahead to the potential for costs to increase significantly in excess of productivity in a manner that could contribute to inflation pressures and undermine the impressive performance of the economy.

Against this background, the Committee adopted a directive that was biased toward a possible firming of policy going forward. Committee members emphasized that such a directive did not signify a commitment to near-term action. The Committee will need to evaluate additional information on the balance of aggregate supply and demand and conditions in financial markets.

 毎回のFOMC声明をここに残しておくと、あとで検索したときに非常に便利だからですが、生産性の伸びの効果を認めながら、需要の伸びが供給力を引き続き上回っていること、労働者のプールの減少が懸念材料のようです。使われている文言には、特に目新しいものはないように思う。11月は利上げがあるかもしれないと思っています。現時点では。

99年10月04日

 短観のある日は忙しい。ダウンロードして、統計を眺め始めた頃に、もう新聞社などから電話がかかってくる。そりゃお座なりの「予想よりよかった」とかは直ぐには言えますけど、あれだけ膨大な統計ですからやはり全部を見なければならない。

 一人の記者さんはあまりに早く電話してこられたので、もうちょっとよく見ないと....と言ったら向こうが、「じゃ、あと5分後で」というから「いいですよ」と言ったら、結局かかってこなくて、かかってきた電話は他の記者の方でした。

 向こうも忙しいだろうから、分からないではない。まあ何でも簡単にしゃべってくれる人がいいというのであれば、他に行くことです。統計はやはり良く見ないといけないと思うのです。いろいろな人の証言もそうですが。

 短観をつらつら見ながら、「経済における時間軸」といったものを考えていました。たとえば、ずっと110円で推移してきたドル・円がある日に一日だけ90円になる。そりゃマスコミは大騒ぎだし、それは当然です。しかし、その90円が次ぎの日にはまたいつも通りの、たとえば110円に戻ったとする。

 騒いだ割には、実体経済に対する90円の影響は少ないのです。なぜなら、その価格で結ばれる輸出予約は少ないだろうし(多分輸入予約は増えるでしょうが)、それで締結される資本取引の数もそれほどにはならない。相場というのは、ある一定期間続いて初めて実態経済に大きな影響を与える。その価格で契約をしなければならないからです。

 しかし騒がれ方は、「その瞬間」です。ある程度続くと、それはニュースでなくなる。しかし、ニュースで騒がれなくなるほど続いて初めて経済には影響が出る。経済には「時間」が極めて大事です。短観を見ながら考えたのは、日本経済はもう不況が8年近く続いているという事実が重要なのではないかと考えました。ここの統計、例えば設備投資意欲が低いだとかいろいろある。しかし、同じ「設備投資意欲が低い」と言っても例えば数年前の状況とは明らかに違ってきているはずです。「投資」という行為に対する考え方も変わる。必要額も、必要性も。時間の経過とともに。時間でしか治癒できないものがあり、時間の経過の中でしか変わらないものもある。そういうものが動き出している気がする。

 あと思ったのは、ある国の経済は常に相対的な存在だということです。短観だけを見ると、「これが弱い、あれがまだだ」と思う。しかし、例えばアメリカの投資家になった気持ちで考えると、「あそう。でも、これからということを考えるとやはり日本への投資だよね....」ということになるかもしれない。投資判断は常に「相対的」ですから、日本にいるわれわれが「日本はまだまだ」と思っても、そのまだまだの国でも世界の投資市場という観点で眺めて良ければ、お金は動いてくる。日本にいると株は対して上がっていないように思うが、今年上半期で見ると海外の投資家から見ると円高を加えると日本株への投資は凄い利回りになっている。

 「点」を見ながら、いくつかある「点」を比較考量するという作業がいつも必要と言うことです。そういう意味では、例えば「短観」と「ベージュブック」といった日米の景況を測るもっとも便利なツールが、もうちょっと比較できるものになると嬉しいと思う。EUには何か景況を一気に知るツールはないのかな.......。

99年10月03日

 ソニーの盛田さんが亡くなられました。携帯に通信社の至急メールが入ったのが、昼の11時40分くらいだったでしょうか。おしいですね。元気で活躍し続けてほしかった経済人の一番手の人ではなかったでしょうか。病気で倒れられた。93年に経団連の会長になる直前だったような気がする。最近はニュースにも登場されずに、「どうしておられるか...」とたまに思い出していた最中でした。いや本当に。

 実は、盛田さんとは70年代の後半に私がニューヨークに居たときにソニーのビデオテープ工場かなにかがオープンしたというのでそこに見学に連れていってもらったことがある。ニューヨークからソニーの社用機で確かテキサス州のどこかに飛んだ思う。小型ジェットで盛田さんと奥様と私とあとはソニーの社員数人で。むろん威圧的ではない、しかし威厳があるという感じ。ソニーの当時の広報の方とは、今でもたまに連絡しあっています。(町田さん、お元気 !) めちゃめちゃうまいというわけではないのですが、実に良い英語を話す。そこら中に友達が居る感じでした。

 愛知・名古屋の造り酒屋の息子さんだったと思った。14代も続いた。機械の世界にのめり込んだのは、蓄音機だったそうだ。新しいモノ好き。それからはその手のものを集めて、大学も大阪大学理学部物理学科。ご長男だったそうですが、ご兄弟か誰かはまだ酒屋を続けておられると言う話でした。盛田さんは自由にやりたいことをした。そのやりたいことが井深さんと作った東京通信工業になり、それがソニーになって日本を代表するようなデジタル・コングロマリッドになろうとしている。AV機器メーカーのころもありましたが、もうソニーをそう呼ぶ人はいないでしょう。

 夕食でそんな話をしていたら、愚息が「ソニーって、日本のカイシャなの....」。目が点になりましたが、日本の子供達がそうですから、世界の子供達がソニーをどこのカイシャか知らなくても無理はない。そのくらいこの会社は世界に溶け込んだということです。

 なぜ溶け込めたか。二つ理由があると思う。一つはモノを作ったこと。トランジスター・ラジオから始まって、ピークはウォークマンでしょうか。あとはトリニトロンのテレビ。放送機材とかいくつか得意分野をもっていましたが、やはりテレビとウォークマンという二つの製品はこの会社をワールド・ワイドにした。モノは、肝心な箇所に英語でも何でもつけておけばそのものの良さで売れる。映画など文化や言葉を伴うものはそうはいかない。映画では失敗しました。

 二番目のポイントは、遊び心を製品にしたということだと思う。ウォークマンはその点でも優れている。井深さんの「飛行機の中でも音楽を聴きたい」という我が儘から生まれたと聞きました。何でもそうですが、最後は製品は「遊び心」がないと売れない。爆発的には。人間は最後はどんな局面でも、遊び心がないと熱中できないのです。だから人々を熱中させようとしたら、製品のどこかに「遊び心」がないといけない。ソニーの多くの製品にはそれがあったし、それは何回かの失敗の後「遊び心だけを追求した」(開発担当の内藤さん)パソコン(VAIO)に現れて今の成功がある。

 プレステ2はまだちらっと見ただけですが、これも「遊び心」が充満していれば、成功するでしょう。11月に出るとも言われている digital memory walkman もそうです。64のメモリー・スティックは当面高値止まりするでしょうから一挙に普及するとは思いませんが、少なくとも言えるのはスティックのような微細記憶媒体の普及で FD が支配していた過去20年くらいのコンピューター記憶媒体体制に革命が起きそうな気配が濃厚です。たぶん5年後には、FDはとんでもない時代遅れのものになる可能性が大です。digital memory walkman はその先鞭を切る可能性がある。

 ただし「モノ」と「遊び心」だけで成長できる時代からソニーは明らかに脱出しなければならない時期にきていると思う。戦略を見れば、この会社はそれを意識もしている。最近のソニーの製品には、「digital dream kids」とあちこちに書いてある。VAIO の出荷ベースの背景を見れば分かります。でこの一種の理想は、たぶん世界中の「kids」を、しかも年齢を問わずに心に「子供心」がある人間全部を含有しているに違いない。日本という国や日本語という言葉や、そして普遍的でない文化の壁を越えなければならない。ソニーだからそれが出来るとは限らない、と私は思っていて、それが出来るかどうかがこれからのこの会社の一番のポイントだと思うのです。

 たぶん盛田さんはこの数年間は自分が作った会社の状況を詳細に把握はしておられなかったと思う。しかし、「digital dream kids」という標語を作ったのが出井さんだと聞けば、造り酒屋の息子がやんちゃでちょっと自由の気分で作った会社が、その心を忘れていないことは分かる。私はいつも思うのです。造り酒屋の粋で遊びの心が宿っているからあの会社は他の会社より成功する(失敗もたくさんあるのですが)のだと。逆に言えば、それをなくしたら終わりということです。

 でも大きな人を失ったものですね。合掌。
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 知りませんでした。盛田さん関係の長いニューヨーク・タイムズの記事を読んでいたら、SONY という会社の名前がどこからきたかについて次ぎのように書いてあった。

Morita soon realized that the company needed a name that foreigners could pronounce and remember. So in 1958 the company name was changed to Sony, derived from the Latin word sonus, meaning sound, and from the American vernacular "sonny boy," which Morita hoped would purvey a young image.

99年10月01〜2日

 東海村の事故については、今後が心配になってくるような事実が次々に出てきている。もっと出てくるでしょうが、思うのはやはり「日本=安全神話の国」というのはある意味で終わっているし、よってシステム的には二重三重の安全防御を、個人的にも対周辺感度を高める必要があるかもしれないということです。

 最近は毎朝出勤する前に思う。「中央線、総武線はしっかり走っているだろうか...」と。冗談ではないのです。感覚としては一週間に一度くらいは大小含めて「ダイヤの乱れ」を起こしている。「時間通りに、不必要な心配をせずに目的地に着く」という日本では普通だった安全・安心感覚が、私の中で は既に日常的な「心配」に変わっている。そのためには、「ちょっと早めに...」なんて思う。

 池袋や博多ですか、普通の町中で起きた殺人事件は、武器を銃に置き換えるとアメリカで起こっている乱射事件とそれほど変わらない。ここにも心配の種があるということです。そして今回の事故は、「正式」と「裏」の両方のマニュアルがともに無視されるという中で起きている。あちこちで人命に直接関わる問題で手順無視が起きていて(あそこだけではないだろうという感覚が私にはある)、周りにはあらぬ不満をためた人がいっぱいいてとなれば、日本は既に「心配な、いつも自分自身で目配りしなくてはならない国」ということになる。

 基本的には安心で、のほほんとしていてもまあ何も起きない国から、ひょっとしたら駅を歩いていたら、街を歩いていたら襲われるかもしれない国・街、そんなことをしているとも知らなかった施設が突然放射能源になる危険性をはらんでいる国・街になったということである。

 「こうすべきだ、ああすべきだ」という議論は絶対必要だし、関係者には責任をとらせなければならないと思いますが、システム(JRのような交通網、コンピューター・ネットワークなどなど)を作る側、システム(居住空間を含めて)の中に住む人間として必要なことが出てきたように思う。

 前者について言えば、「fail-safe」の考え方です。何かあっても、システム全体が安全の方向に動くようにすること。今回は二重にマニュアルが無視されている。むろんモラルの問題がありますが、一方でともに無視できる、無視しても問題がないマニュアルだったことも問題でしょう。マニュアルを人間が守らざるを得ないものにする努力が必要だと思う。なにしろ、いつも思うのですが人間はlazy ですから守らなくて良いマニュアルは簡単に無視される。無視してうまく仕事を運ぶのが「職人」といった見方もある。

 70年代に最初にニューヨークに行ったときに、「なんだこの街では、背中に目を付けてなければ生きていけないのか」という感覚に見舞われましたが、最近は日本も本当にそうなった。後ろから急に走ってくる人間がいたら注意しなければならないし、異常な動きをしている人間がいたら避けねばならない。まあそういう意味では、日本人も徐々に感覚が研ぎ澄まされてくるんでしょうが。そのためには、居住環境を含めていろいろな情報が公開されていて、それに対する感度が個々人にないといけないということでしょうね。