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住信為替ニュース

THE SUMITOMO TRUST & BANKING CO., LTD FX NEWS

第1286号 1996年06月17日(月)

TWO TRADE FIGURES

 今週はまず、二つの貿易統計が注目です。日本の5月の貿易収支統計(大蔵省、速報)と、20日に発表されるアメリカの4月の貿易統計。日本の5月の統計は、日本の17日午前8時50分に発表されて、2316億8700万円の黒字。これは、前年同月の5869億8900万円に比べ、60.5%の大幅減少。上中旬では1798億円の赤字となっており、月全体で赤字になれば12年ぶりとなるところでした。

 5月の貿易統計では、輸出が14.2%の増加に対して輸入は32.6%の大幅増加。分母が違いますが、伸び率のこの大きな差は日本の貿易構造の大きな転換を物語っていると思われる。なお貿易統計の詳しい内容はまだ分かりませんが、全体的傾向から言うと、日本の輸入は各方面で大きく伸びている。これに対し、輸出は太宗を占めていた自動車を中心に伸び率が鈍化している。

 日米の二つの貿易統計を除けば、今月はあまり大きな指標はなくて、アメリカ関係では18日の住宅着工件数程度。米貿易収支に関する予想は、前回値の89億ドルの赤字に対して、4月は82億ドルの赤字になったとの予想が多い。

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 ロシアの大統領選挙に関しては、決戦投票に持ち込まれる見通しが強いようです。だいたいの結果は日本時間で言えば17日の夕刻から夜にかけて判明の予定ですが、今朝のYAHOOTOP NEWSによると、CNNの118カ所、1万人を対象とする出口調査によれば、得票率は

 エリツィン大統領  :35%

 ジガーノフ共産党候補:25%

 となっていて、ともに過半数は取れず。しかしこの数字を見ると、エリツィンの追い上げ作戦は成功したように見える。市場はエリツィン勝利を織り込んでいますから、このような第一報が入れば、まずは安心と言うことになりそうです。今朝のNHKニュースなどによると、開票率30%(極東中心)程度の段階では、このCNNの出口調査に比較的近い数字が出ているようです。

DOLLAR IN THE RANGE

 政治がらみでもう一つ注目しておきたいのは、ホワイトウォーター事件を巡る議会共和党とホワイトハウスとの確執の行方。ホワイトハウスが不正に400点以上に上るFBI秘密文書を入手した問題で、ヒラリー夫人の果たした役割に関心が集まりつつある。クリントン政権にとっては、ホワイトウォーター事件は喉に突き刺さった棘のようになっていて、大きく発展すれば多少相場材料になるかも知れない。ただし、共和党のこの問題を巡る動きも、かなりの程度「選挙目当て」と見られており、よほど大きな事実が判明したりしなければ、ドル相場に大きく響くことはなさそう。

 相場は、先週一週間を通じてドルの上値の重さと、もう一方で下値の堅さを確認するものとなりました。110円を手前に何度も足踏みし、まだ依然としてこのレベルにタッチしてもいない。逆に、下値トライも一端は107円台に突っ込んだものの、すぐに109円台に戻されると言う形になっており、下値トライも失敗。

 今週もとりあえずは、レンジ感の強い寄りつきになりそう。しかし、日本の対外収支構造の変化の進展や日本の低金利状態の持続見通しなど、円を取り巻く環境は引き続き「下値模索」にあると考えられる。

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 住友商事の銅取引をめぐる巨額損失事件にからんだ市場への影響は既にかなり出た感じがしますが、余震は続きそうです。銅相場は引き続き不安定で、これは卑金属、貴金属相場全体に影響している。為替の世界では、銅相場はその他非鉄金属相場の下落を嫌気してオーストラリア・ドルが大きく下げている。こうした通貨の動揺は続きそうです。

 

HAVE A NICE WEEK

 週末はいかがでしたか。暑かった。今年一番の暑さではなかったでしょうか。梅雨の最中の夏の前触れという感じ。結構体調を壊しやすい。土日は一日は外で運動していましたが、それはそれは暑かった。帽子がなかったらひっくり返る(大げさでなく)ところでした。日差しが強い日はそろそろ要注意です。

 何か面白い映画でもと思っているのですが、なかなかない。何か良い映画はありませんか。どなたか知っていたらお教え乞う

 それでは、皆様には良い一週間をお過ごしください。  <ycaster@gol.com>