INTERNET EDITON


住信為替ニュース

THE SUMITOMO TRUST & BANKING CO., LTD FX NEWS

  第1295号 1996年07月26日(金)

Bundesbank leaves interest rates unchanged  
 「小幅緩和」との予想が強かったドイツ連銀の理事会は、夏休み前にもかかわらずレポ金利を3.3%の固定に据え置いたままで終了しました。大方の見方は、「5〜10bpの下げ」だっただけに、市場では「意外」と受け取られ、外国為替市場ではマルクが対欧州通貨、対ドル、対円で買われました。ドル・円の水準はあまり変わりませんでしたが、マルク・円は再び73円台に。

 ドイツ連銀のレポ金利据え置きの理由については、通貨供給量の伸び率は低下したと言ってもまだ高いと見なしたとも考えられます。イタリアなどが先行的に利下げをしていましたが、この日はフランスも金利を据え置き。ただし、全体的に見れば、欧州の金利が「下げ」モードにあることは変わりないと思われます。

 ――――――――――
 今週の特徴は、世界的に株が安定してきたということではないでしょうか。昨日の東京市場は前日の大幅な下げの半値戻しとなりましたし、昨日のニューヨーク株式市場も朝方の高値は維持できなかったものの、プラス・コラムで終わった。NASDAQもしっかりしていたというのがニューヨークの株価の安定化を物語っている。ただし高値を追う環境が整ったわけではありませんし、「調整は中途半端」との見方もある。来週も荒れ場面がありそうです。

 今週発表されたCOMPAQMICROSOFT、それにIBMの決算は予想よりは良いものが多かった。MICROSOFTの好調な決算発表の直後には同社株が売られると言うような動きもありましたが、全体的に見ればこうした比較的順調な決算が市場の落ち着きをもたらしたと言える。

 今週はっきりしたのは、世界(特に先進国)の株価は依然として世界的な低金利状態に依存している面が多いと言うことです。特に世界最低になっている日本の金利の世界の株価に対する影響は大きい。「利上げ」報道がある度に、世界の金融市場ががたがたするのはその現れだと思います。むろん日本での利上げは必要になりますが、その時は世界の金融市場が効率化し、一つの市場の環境変化が他の国の市場に影響を及ぼしやすくなっていることを考えないといけないと思います。

both decline in June
 アメリカで発表された指標では、6月の耐久財工場受注は0.8%の減少だった。5月は4.2%という9ヶ月ぶりの高い伸びでしたが、これは航空機受注の急増により運輸部門が14.9%という急増になったため。6月は同部門は、航空機、自動車の受注減少により1.3%減。しかし運輸部門を除いても受注は全体で0.6%減少しており、これは今年3月以来のこと。

 ただし、backlog of unfilled orders(未済受注残)は0.7%増加しており、これは過去10ヶ月で9ヶ月目。これは、今後企業が今後設備投資をするかどうかの大きなバロメーターであり、米経済が引き続き強い基調で進むことを予感させる。

 ――――――――――
 中古住宅販売は、6月は2.3%の減少。季節調整済みで418万戸。レベルとしてはまだ高い。また同じくこの日に発表された先週の失業給付申請者数(first-time claims for jobless benefits)は、4万5000人減少して、32万2000人となった。これは過去6ヶ月で最低。

 一連数字については、「鈍化を示している面もあるが、米経済の基調は強い」との見方が大方のようです。

 来週は大きな数字がいくつも発表される。月曜日に取り上げますが、30日には労働省の
employnent cost indexがでますし、2日には雇用統計が出る。これらの数字が、連邦準備制度理事会が8月20日に利上げをするかどうかを大きく左右するでしょう。

have a nice weekend 》 
 暑さが戻ってきましたね。今日も朝からすごく良い天気。服装さえ備えていれば、暑さ何するものぞですが、ワイシャツに背広はいけません。週末は、これらをはずしてごゆっくりと。夏は早足では歩かないのが一番です。のんびりと。それだけでずいぶん違う。今週「Twister」を見ましたが、結構迫力があった。いかにもアメリカ映画という印象ですが、特撮も凄い。すかっとするかもしれない。カスタマーの井上さんが昨日私のところに来て、『「IL POSTINO」はじわりときて良い映画だ』と言っていました。私はまだ見てない。高円寺に住み、青山で働いていると銀座はちょい遠くなる。ここからだと、西麻布あたりが近くて良いのですが、ここには映画館はなし。

 アトランタ・オリンピックはどうも評判が悪いようです。その極めつけは今週の水曜日のヘラトリの一面記事で、「a big mess」「a shambles」「incredibly mediocre」「disastrous
hegemonic」と続く。最後がおもしろいでしょう。中国がアメリカに対して、「アメリカは、アトランタ・オリンピックで他の諸国に対してhegemonicな態度をとっている」と怒っているらしいのです。交通、食事、宿泊、はてはコンピューター・システムまで「すべて駄目」というのが評価として定まってきたらしい。行ってないから知りませんが、これだけ評判の悪いオリンピックも珍しい。やはりもっと涼しいところが良かったのでは。

 もっとも、これはシステムの話であって一つ一つの競技には感動するものが多いような気がします。アメリカの有名な大統領も言っている。「私は新聞は必ずスポーツ面から読む。他の紙面の記事はほとんど人間の行った“愚行”についてのものであるが、スポーツ面には人間が成し遂げた“偉大な記録”があるからだ」と。なるほど。

 ――――――――――
 ところで、昨夜家に帰ってヤフーの最新ニュースを見たら、「エクセルを犯すウィルス発見」とのニュースを見つけましたた。発表したのは、McAfee Associatesという会社。私自身はエクセルはほとんど使わない人間ですが、私の回りにもエクセル愛好者は多い。このウィルスは、
ExcelMacro/Laroux」という名前だそうで、Macro (繰り返し処理を自動的に行う小さなプログラム)を犯す最初のウィルスだそうです。発見場所は、アラスカとアフリカ。データを破壊することはなさそうだという。今朝の段階では、まだインターネットの
http://www.yahoo.com/headlines/960725/business/stories/virusに載っていました。Versionの5と7に発見されたという。ご注意を。            →diary参照

 それではみなさまには良い週末をお過ごしください。

                                  <ycaster@gol.com>