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2009
01/06
Tue

2009年01月06日(火曜日) 草食系

day by day

 (09:23)「保八」ですか。今朝の朝日新聞に今中国のメディアで頻繁に使われる言葉として紹介されている。「経済成長率で8%維持」ということだそうですが、その意味合いは「成長率が8%を割ると失業の大量発生など社会不安→政治不安が起こりかねない」というもの。

 しかし実際には中国の成長率に関しては7%台の予想も多くなっているし、「内需拡大」と言っても社会の大部分の人口に対して社会保障もない状況では民需はなかなか難しい。結局まだ主要国の中では収支状態が比較的良い政府に頼るしかないのでしょう。「保八」はなかなか難しい目標かもしれない。

 朝日新聞の記事では、昨日だか一昨日だかにあった仲代達矢さんの文章が良かったな。無名塾でしたっけ。まあ役者なんてのは究極の非正規労働者ですから、自分の生き方と重ね合わせて思うところを述べていて興味深かった。

 あと今朝の新聞で目立つ言葉としては、「草食」「草食系」でしょうか。各紙にこの言葉が出てくる。海外旅行、車、ブランド品、性などなどあらゆるものに対して欲望水準が弱い状態を指すらしい。

 日経には「もう今年は.....買わない」という27面の記事もある。この記事は「借りる」にポイントがあるので欲望はまだあるのですが、確かに「所有欲」は剥落、または低下している。車が売れないのも「草食系」の動きか。

 実は「常時持っているものを少なくしたい」という動きは、例えば離婚の増加、恋愛への欲望低下、定職保有への意欲の減退などなどでも静かに進行してきたように思う。今朝の日経には年賀状を出すのも慎重になっている人々の話が載っていて、その記事の見出しは「草食消費」となっている。

 では草食系人付き合いとはどういうことか。深入りしない、新しい関係ではなく、旧来の関係(家族とか古くからの友達など)を大事にする、ということらしい。心地よいだろうが、何か新しい展開に乏しそうに思える。まあでも若者が海外に行かない、海外への関心を失っている状況はそういう背景もあるのかも知れない。満ち足りた社会に起きそうなことだ。

 理解はできる。自分の卑近な例を引いても、しゃぶしゃぶを食べると、「やはり野菜が旨い」と思う。まあそれは半分冗談だが、私も草食派の側面がある。家なども持ちたくない、という気持ちが根っこにはある。人間は地球からの「借り物の生物だ」という考え方が根本にある。だから所有を喧伝するのは滑稽でもあると思っている。

 しかしまた卑近な例で恐縮だが、しゃぶしゃぶでも「やはり肉がないとだめ」という考え方だ。牛でも豚でも羊でも、はてまた白身魚でも良い。だいたいそれらが良い肉汁を出すから野菜が美味しくなる。味だしに使うだけではなくむろん肉も食べる。大きなものに対する所有欲はあまりないが、時計とかペンにはすごく愛着がある。

 ははは、変な方向に話が進んでしまいました。「草食系」ね。まあマスコににこの言葉が踊るようになったらその現象はダウンなのかもしれない。事実「職」に対する草食系の対応は「見直し期」に入っている。

 今年はうし年か。そう言えばアンカーの特集コーナーは、牛肉に関してだ。草食の時代に牛肉に関して論じるとはまた面白い。

10:03
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