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2011
08/02
Tue

2011年08月02日(火曜日) 人材の問題

day by day

(14:25)もうこれは、「人材の問題」だなと思いました。事故を起こした中国の高速鉄道で、よりによって問題を起こした信号(または信号群)が動かない、と聞いて。ニュースは以下の通りです。

2日付の上海紙、新聞晨報は、高速鉄道事故があった浙江省温州市と同省寧波市を結ぶ区間で1日午後、10本以上の列車が大幅に遅れるトラブルがあり、駅に停車した列車の車掌が「信号が発信されなくなった」と原因を語ったと報じた。(サンケイなど各紙)
システムを動かす一番重要な変動要因は、実は人間ではないでしょうか。所与の条件をしっかり知っている、それ故にそれを直せる、使える、運用できる人間がいなければならない。世の中「全自動」なんてことはないわけだから。

中国は新幹線など「高速鉄道」の建設を急いだ。おそらくそれをしっかりと運用できる人間は少ないのだと思う。人材が払底しているのにシステムを広げて失敗した会社や国は一杯ある。最後は人間を大事にしないと、そしてその人間達が共有できる情報、知恵、伝承がないとプロジェクトは順調に動かない。それは日本の銀行のコンピューター・システムでもそうです。

だから、何か起きたときに広く社内は無論のこと、社会全体にそれを公表すると、失敗、知恵、立ち直りの情報が共有できて、今後の問題発生を未然に防げる。というより、それを聞いた人は未然に防ぐ知恵を身につける。

何が起きたのかの情報が、そして知恵が共有されなければ、「誰もが初体験」で、同じ過ちが繰り返される。中国が鉄道事故を隠蔽しているとしたら、それは「共有」を阻んでいると言うことで、同じ過ちを繰り返し、それがいつが体制崩壊の切っ掛けになるかもしれない。長い目で見れば、隠した方が損なのです。

日本もそうだと思う。原発で失敗した。失敗したらしたで、その情報を公開しないと、日本にとっても原発を数多く持つ国にとっても、「経験と知恵」の共有が出来ない。そしてまた重要なことは、企業内の人間が、そして社会が経験や知恵を共有し、伝承できるようになるのはやはり「時間がかかる」ということです。人を育てると言うことは、大変なことなのでしょう。

中国の新幹線は急ごしらえだ。運転手の訓練期間もびっくりするほど短い。そして事故情報は隠したまま。まだまだ事故は起きるでしょう。大事にならなければ良いが。

14:26
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