私が食べ歩いたお店の紹介

私伊藤洋一が全国津々浦々を食べ歩き、見つけたおススメのお店を紹介します。

その他の魅力的な店

 最近は、創作料理など分類できない料理が増えている。西麻布の北海園の前の店のように、スパゲッティにキムチをかけてみるような冒険はあまり好きではないが、好きになれるし、他の人に紹介しても後悔しない料理も幾つかある。世界的に料理はクロスオーバーしてきていると言える。そういうなかで、記録に残したい店をいくつかこのコーナーに記す。

煙事、燻
 煙事は銀座にある。ロエベの裏側のビルの一階、ハンティング・ワールドの並びの八丁目方向である。メニューはない。要するに基本的にスモークを使った肉とか魚とかを、野菜とうまく併せて食べさせてくれる店である。

 煙が似合うところ、酒が似合う。ビールから日本酒、ワインとそのレパートリーは広い。煙事は場所と電話番号が公開されている。場所は上記の通りで、電話番号は 03-5537-5300 である。しかし、赤坂にある「燻」は、場所も電話番号も公開していない。「煙事」に何回か行って聞くと教えてくれる、という説もある。

 私も「燻」に行ったが、実にわかりにくい。よくあんなところに店を作ったものだと思うほどだ。しかし、静かな良い佇まいである。ゆっくり出来る。8席ほどのカウンターとあとは4人掛けのテーブルが二つ。

Grand Central Oyster Bar
 品川アトレの4階レストラン群に出来たニューヨークの老舗の出店である。ニューヨークに駐在していたとき、グランド・セントラル駅の地下の店にはよく行ったので、東京に出来た2004年の春から行きたかったのだが、やっと6月の最後に実現。

 ニューヨークの店とよく似た天井の形と色合い、ニューヨークの店とそっくりのテーブルクロス、ニューヨークの店に似せたテーブル配置。レストランの形は違うが、入った瞬間にニューヨークのあの地下の店を知っている人間には「Flash Back」

 そうそう。メニューまで外見、中味ともニューヨークの店のそれと非常によく似ている。ほぼ一緒。私が見た限りでは、違っているのは Raw Oyster(生牡蠣)に産地が日本のがいくつか並んでいるだけ。岩手、広島(大黒神島)、宮城、北海道、広島(小町)と。

 この店は4人以上で行くのがよろしい。いろいろ頼んで、お互いの注文品に手を出しながら食べるのだ。とりあえず第一回は参加者の希望でもあったので、私がニューヨークでよく食べていたものを中心に頼みました。ナマが駄目な人がいたのでフライドオイスター(のつもりが牡蠣フライを頼んでしまった)、ナマ好きの人にはオイスタープラター、あとピリリと辛いジャンボ・シュリンプカクテル、サラダを二種類と二種類のクラムチャウダー、女性陣の希望に添ってブイヤベース、あとはオイスタームニエルかな。ま、この次は別のものを。時間がなかったので、キーラムパイを食べるのを忘れた。

 とにかく今はなかなか入れない店だ。店の人に聞いたら、「2~3割の予約、残りは順番でのフリー客」という。予約をあまり取ると、店の賑やかさが失われるのだそうです。そのフリーに入ろうとしたら、午後6時を過ぎて店に入ろうとすると二時間待ちとか。その前、つまり5時台だったらスムーズに入れるらしい。予約は6月末の段階で8月の半ばとか。だから、手っ取り早くこのレストランを試すには、午後5時台狙いということでしょう。

 ニューヨークの店と同じように、ペラ一枚のメニューをもらってきました。ニューヨークの店のそれを思い出しながらしげしげと家で見たら、本当によく似ている。値段もリーゾナブルでした。なかなか入れないのが玉にきずだが、使える店です。

                            (2006年2月04日記)