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2009
03/10
Tue

2009年03月10日(火曜日) 3000ドルの中国

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 (08:45)今朝のニュースで一番面白いと思ったのは、日経の「1人当たり昨年GDP 中国、初の3000ドル台に」でしょうか。この記事に書いてはないのですが、これは中国がとてもそうは言えないかも知れないが、統計上はかつての夢である「小康社会」を実現したことを意味する。

 もうお忘れになっている方が多いと思うが、中国が今の「和諧社会」の前にスローガンとして掲げていたのがこの「小康社会」です。2004年の取材で分かったのは、中国がこの小康社会を統計上で言うと「国民一人当たりGDPで3000ドル」としていることでした。社会科学院の研究員から聞いたと思った。

 3000ドルが何故重要かというと、この記事にも書いてある通り、「消費爆発の起点」になるとこが多い、と過去の諸国の例から言われているからです。この記事にも「自動車など高額商品の購入にはずみがつき、個人消費の拡大につながる」との期待が紹介されている。都市化や工業化が加速する水準ともされる。

 もしそうだとするならば、今の中国の巨額の財政支出とあいまって、中国では個人所得の水準増加もあって、公共事業と個人消費の二本柱が揃い、それが中国の成長をまた押し上げてくれるかも知れない、と期待することが出来る。

 もっともこれには障害が多い。年金システムが都市の住民の役人経験者程度にしか整えられていない中国では、「老後資金の貯蓄」が人々の消費行動を大きく抑制するであろう事、そしてそもそも「国民一人当たり3000ドル」といってもそれは平均すればという話であって、誰もが知っているように格差が異常に大きい中国では他国での例が先例にならないという見方も出来る。

 それにしても、統計上は中国の個人所得の伸びはすさまじい。記事にもあるが、03年から3倍になったらしい。記事の中にも2007年の中国の国民一人当たりGDPは2483ドルに過ぎなかった。それが翌年には3000ドルになったということは、年間500ドルは上がったと言うことです。この記事を頼りに年次別の中国の一人当たりGDPを表にすると以下のようになる。

 2003年 1000ドル
 2006年 2000ドル
 2007年 2483ドル
 2008年 3266ドル

 確かに足早です。1000ドルから3000ドルにするのに、日本は11年、ドイツは15年らしいから、中国の5年は素晴らしい速さです。

 ただし問題がある。中国自身も「小康社会」の標語のすぐあとに「和諧社会」をスローガンに置いたように、問題は格差です。すさまじい。だから平均が3000ドルになっても、まだ一日1ドルで暮らす人が何億もいるのだったら、彼等には購買力は小さいということになる。当時の日本やドイツの方がはるかに格差が小さい社会だった。

 これは容易に想像することが出来るのですが、消費とは一種の国民運動のような形で全員参加の形で盛り上がる。今の中国にはその要素が欠けていると言うことです。まあしかし今週末のG20もそうでしょうが、今の世界には中国やインドの経済成長持続と消費拡大を期待したい雰囲気はある。

 なおこの統計が明らかになったのは全国政治協商会議の場で、明らかにしたのは元国家統計局長の李徳水委員だという。「元」でも委員だからいいのかな。あと私の中国専門家の友人達によると「3000ドルを超えると、政治的自由を求める声も高まる」と。実際そうですね。08憲章もそうだし、その手の動きは強まっている。サンケイが詳しい。

 あと面白い記事としては、東京新聞の最終面にある「たい焼き100年の進化」かな。この記事で初めて「たい焼きの御三家」があるのを知りました。東京での話でしょうが、人形町の「柳屋」、四谷の「わかば」と「浪速家」らしい。

 ははは、全部行ったことがあるな。特に柳家はつい一週間くらい前に久しぶりに水天宮に行ったときに「どんなもんだろう」と覗いたら、例の一つ一つの作り方を継続していて、店の中に長い列が出来ていた。

 柳家の前には昔は表にも長い列が出来ていた。回りから苦情でも出たんでしょうね。それを店の中に入れる努力をして、今は店の外まであまり列はない。しかし、中にはちゃんと毎回列が出来ている。私が覗くと。

 作り方も、「これは大変だ」という一つ一つ。この記事が面白いのは、それは「天然」と称していること。たい焼きに天然も養殖もないだろうと思うが、天然が一本焼きであるのに対して、養殖とは「鉄板の上で6個、8個とまとめ焼きしたもの」らしい。ははは。今は後者がむろん多い。

 昔は一本焼きの天然(?)が多かったらしい。「たい焼き」は「今川焼き」からスタートした、と。今川というのは橋の名前で、江戸時代の神田にあったという。今でも神田駅の近くに「今川」「今川橋」という地名があり、「神田今川橋郵便局」という郵便局が実在する。数寄屋橋のように今はもう川も、橋もないのかも。その近くの商店が始めたから「今川焼き」。

 たい焼きも今は変種が多い。私はあまりたい焼きを食べませんが、食べるとしたら「ミニ」かな。銀座の並木通りの新橋側の入り口の近くにある。「白」とか「四角」は見たことがない。残念。

08:59
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