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2018
09/27
Thu

日米の金融政策...将来衝突しないかい ?

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 今朝読んだ文章で一番面白かったのはFOMEの声明(https://www.federalreserve.gov/newsevents/pressreleases/monetary20180926a.htm)とProjection (https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/files/fomcprojtabl20180926.pdf

)だな。iPhoneやwatchのアップデート(クロスしてややこしい)をこなしながら日経・野村さん向けの原稿を一本書いたのだが、とっても思考が広がって面白かった。

 なにせ短い。「In view of realized and expected labor market conditions and inflation, the Committee decided to raise the target range for the federal funds rate to 2 to 2-1/4 percent.」(政策金利を2.00〜2.25%に上げた)のあとの文章がない。いつもは「The stance of monetary policy remains accommodative, thereby supporting strong labor market conditions and a sustained return to 2 percent inflation.」とあるのに。

 ということは「もうアメリカの金融政策は緩和的ではありません」と言っているに等しい。これは「緩和縮小の完了」を意味する。緩和縮小(出口戦略)にも入れない日銀とのスタンス差はまた一段と大きくなった。資料もとっても面白い。インフレ(PCE inflation)の部分を見ると、中間値(Median)では2018年が2.1%、2019年が2.0%、2020年が2.1%、2021年が2.1%、そして「より長期(longer run)」が2.0と見事に2%に張り付いている。 

 (Change in real GDP)は今後低下を見る。2018年が3.1%、2019年が2.5%、2020年が2.0%、2021年が1.8%と先行き成長率の減速を予想。そして長期(longer run)」を見ると1.8%。つまりFRBの幹部達は「アメリカのGDPで見た成長率は、今後巡航速度(1.8%)に向けて下がっていく」と見ているのだ。

 今アメリカの指標10年債の利回りを見たら3.054%。むしろ下がっている。昨日より。そや「打ち止めの時期が見えた」となれば、長期金利には下方圧力が。ちょっと先ですが。今年はあと一回、来年は計3回の利上げを見込む。2020年は一回。2021年の利上げをFRBは見ていない。

 とどうなるか。今回の利上げで2.00〜2.25%になった政策金利(FF金利)は2020年のいつかの時点で3.25~3.50%に達する。そりゃ成長率が1.8%で、インフレ率が2%近傍な国には行きすぎでしょう。だからその頃からアメリカは「緩和局面」に入る。じゃ、そのころの日本は。金融政策は衝突しないかい ?

11:09
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