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2010
10/30
Sat

2010年10月30日(土曜日) 許諾の対象

day by day
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 (13:30)今ちょっと面白い問題が起きているので、皆さんにシェアしますね。今後の「引用」を考える上で面白い。

 先週の月曜日でしたが、頼まれていたのでIT雑誌に10000字くらいの文章を書いたのです。長い文章の中に新聞記事の引用を入れて送った。そしたらこの出版社はきちんとしていて、私にこうメールで聞いてきた。「許諾を得る関係で記事を調べましたが、伊藤さんが引用された文章はありましたが、最後の2行はございませんでした」と。

 出版社のメールに添付されていたのは新聞”紙”の記事のスキャニングした部分でした。確かにそこには私が引用した文章の最後の2行はなかった。で私は、「あれ、その引用は新聞社のネットの記事から採用したな」と思い出した。

 これはネットで新聞を読む人はよく分かると思うのですが、新聞社は時として紙の新聞に載せきれなかった部分についても、ネットには載せる。ネットで別料金をとっている日経さんなどはことさらそうです。

 新聞紙には絶対的に面積の制約がある。しかも最近は活字を大きくしているから、その分だけ記事の掲載スペースは減る。しかしネットはその制約がないので、記者が書いた記事の長さに近くなる。ということは、紙にすられた記事とネットに掲載された記事は長さやコンテンツが少し変わってくるのです。

 私はネットから引用した。当然コピーアンドドロップで。一方の出版社は許諾を得ようと紙の新聞を調べて、「この部分はない」となった。もっとも、紙かネットかの問題は別にして、一つの新聞社の記事にもいろいろなバージョンがあります。一刷りから最終刷りまでにはそれぞれ個性があるし、地域によっても違う。「新聞社の記事」といってもかなり違うのです。

 今はそれにネットが加わっているのですが、ネットの記事も分量などが変化する可能性がある。だって事実関係が詳細に分かってくるに従って、記事をアップデートする可能性があるからです。

 今は私が、「それはネットにありました」と返事をしている段階で、出版社がどのように新聞社から許諾を得るのか知りませんが、ちょっと面白いケースかなと。私の考え方によれば、紙であろうとネットであろうと、新聞社はいったん掲載した記事の引用については、原則的に認めるべきだと。

12:48
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