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2011
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Thu

2011年01月20日(木曜日) そこまで必要?

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 (23:25)中国というのは、面白いというか、可哀想というか、自信がないというか、変な国ですね。自国のトップが外国で言ったことも「こう報道しなさい」と指示したり、NHKなど外国のメディアがトップ発言を報道したり、海外メディアの記者が胡錦濤さんに質問しているところを報じるのもブロックする。

 朝日新聞に面白いことが書いてある。『中国の胡錦濤(フー・チンタオ)国家主席が19日の米中首脳会談後の共同会見で「人権の普遍的な原則を尊重する」と発言したことについて、中国外務省が中国主要メディアに対し、「強調しすぎないように」と報道に自制を求める内部文書を出していたことが分かった。中国同行筋が明らかにした。』

 実際のところ中国のメディアは、この部分についてほとんど報道していない、という。アメリカなどのマスコミが「まずは理解しているんだ」と注目したところが、中国では報道されていないことになる。まあこれだけ価値観が違えば、中国がいくらボーイングを200機買い、3.7兆円の商談をまとめても、アメリカと中国の価値観は乖離したままでしょう。

 そういえば、今週は中国の報道姿勢に関して、日本経済新聞に面白い記事があった。

中国、言論統制を広範に強化 「文革以来の弾圧」の声

<中国共産党が通知した言論統制のポイント>

災害・事故など
・発生地と異なる地域のメディアは取材などをしてはならない
・重大な災害や事故は中央メディアによる現場中継も認めない
・死者10人以下の事案は地元メディアのみが報道

土地収用問題
・法律や規定に従った正常な収用に疑問を差し挟んではならない
・暴力的な撤去や立ち退きの過程で起きた自殺、自傷、集団抗議行動は報道しない抗議デモなど
・中央と発生地以外のメディアは報道しない
・問題の矛先や焦点が党委員会や政府に向かうことを防ぐ

腐敗問題
・政治体制改革の内容に関する討論や問題提起をしてはならない
・政府と対立する立場に立つことは絶対に許さない
・メディアの観点から民衆の意見を誘導することは許さない

住宅問題
・不動産市場に対する世論をうまく導くこと
・不動産価格の独自調査や価格に対する市民の意識調査をしてはならない
・極端に不動産価格が変動した事例を取り上げ騒ぎ立ててはならない

その他
・全国的な(重大)ニュースや人物、事件などの選定をしてはならない
・旧正月の帰省ラッシュに関し、切符の入手が困難といった問題を宣伝してはならない

 これだけ事細かく決められたら、「一体何を報道すればよろしいのか」ということになるし、自国の首脳の発言も「ここはいい、ここはダメ」とは本当に驚きです。これは逆に、国民間に国民の間に「指導部に対する憶測」「不満の鬱積」を呼ぶことになるのでしょう。

 日経の記者は、『中国指導部は党創立90年などの節目を迎える今年、世論誘導の強化を通じ社会安定の維持を図りたい考え。しかし、国内メディア関係者は「国民生活のすべてを党が掌握した文化大革命以来の言論弾圧だ」と反発を強めている。』と伝えているが、そうだろう。

 同紙はさらに、『中国紙記者は「報道規制が強まった2008年の北京五輪や09年の建国60周年の際にも、これほど広範囲の指示はなかった」と批判。「なりふり構わぬ世論誘導は、自らの統治能力に対する指導部の危機感の表れだ」と指摘している。』としているが、その通りだろう。

 一部の中国人の間では、中国共産党のいろいろな問題に対する自信のない対応や、党員の腐敗を見て「もうあの組織は終わり」との見方が広がっているようだが、今回の一連の報道規制は、その可能性を示唆していると言える。

23:59
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