日々のライブな情報ページ

2011
06/28
Tue

2011年06月28日(火曜日) 選挙前のお仕事

day by day
EOF; } ?>

(14:45)昨日の菅首相の記者会見を見ていて、「私を含めて日本の選挙民は結構難しい選択を迫られるかもしれない」と思いました。新聞には、菅首相がやっと「辞任の三条件」を明示した、となっている。しかし、そうだろうかと私は思うわけです。

三条件とは、第二次補正予算、特例公債法案、それに再生エネルギー法案の三つで、菅首相はそれらの「成立」が辞任の目処だと言った。私の記憶だと岡田幹事長はずっと再生エネルギー法案については、「採決」が辞任の条件だと言っていたが、菅首相はそのハードルを上げた。

これらの三法案が今の与野党の、というより菅首相と野党の不信頼関係の中で、すんなり通るとは思えない。浜田議員(参議院 自民)を一本釣りした経緯を考えると、メンツもあって自民党は二次補正以外の法案には抵抗するでしょう。

ということは三条件を明示したようで、菅首相はその三条件が満たされる環境が整うのを自ら注意深く破壊しているとも思える。岡田、仙石、安住各執行部との確執も最近になく高まっていると言われる。今回の人事も殆ど相談なしだったと言われるから、菅首相の「非組織人ぶり」には磨きが掛かったと言える。

文章とは全く関係ありません。今朝大阪で見つけた面白いオブジェ。私が「壁を登る豚」と名付けました。普通の人間ならこれだけ世論からも自分の党の要人からも叩かれれば、「それでは仕方ないので」となる。しかし、どうやらずっと非組織人である菅首相には、「違う常識」があるようだ。それは、常に苦境にいる状況(社会運動から小政党)の中で「どう切り抜けるのか」という菅的、経路依存的な発想だ。

それを考えると、確実に私は彼の頭の中には「解散」があると思う。しかも小泉流の「一点争点の選挙」を。それは、例えば「日本から原発をなくそう」「日本を再生エネルギーの国にしよう」などかもしれない。いずれにせよ、選挙(もしあれば)では日本のエネルギー(源、電力を含めて)をどうするのか、を問うことになる。

となると、例えば浜岡を止めたことについては世論は「評価」が多い。反原発の世論が当然強いからだ。しかし菅首相個人に対する国民の評価は低い。もし彼が、「私に賛成することは原発を止め、再生エネルギーの国に日本を導くことにつながる」と言った場合に、さあ投票者がどうするかです。

たとえば、民主党と国会勢力で競っている自民党が、明確なエネルギー政策をもっていれば、その政策と菅政策の対決という形になって、それは争点が明確化する。しかし今の段階では、自民党の再生可能エネルギーと原子力の関係(時間軸を入れた)にかかわる考え方は明確とは言えない。

とすると、国民は考えてしまうわけです。「菅さんは嫌いだし、指導力もない」「しかし、今のままの曖昧なエネルギー政策を自民党に任せるのも」となる。これは多くの真面目な日本人にとって、結構悩む問題だと思う。

そうした事態になるのを避けるためには、最大野党である自民党が今まで自分達が進めてきた原子力政策をどう見直すのか、再生可能エネルギーをどう位置づけるのか、日本の電力供給の時間軸的変化をどう見通すか、電力の効率的利用をどのように現実のものにすべきか、など非常に重要なそれぞれのテーマについて今から固めておいて、菅首相の「一点突破」の戦略にどう対応するか準備する必要があるように思う。

それはむろん、民主党にも言える。何につけ意見が割れる民主党も、実は日本の今後のエネルギーや電力をどうするかの明確なアイデアはない。ということは、今度菅首相が「選挙」を国民の前に持ち出したときには、二つの政党とも「右往左往」ということになりかねない。小泉さんの時がそうだったように。

「非常識人」「非組織人」たる菅首相は、もしかしたらそこまで考えている可能性がある。今の日本の首相の権限の中には、そこまで事を運ぶ力がある。それはまた、そうなったときに国民一人一人が「どうするか」考えておく必要がある、ということだが。

15:40
EOF; } ?>
ページの先頭へ
twitter
伊藤洋一公式Twitterアカウント

サーチ


カテゴリー


最新の記事

カレンダー

キーワード