日々のライブな情報ページ

2012
10/22
Mon

2012年10月22日(月曜日) 中国方式の限界

day by day
EOF; } ?>

(21:35)ミャンマーには私も今年の暮れから一週間ほど行く予定にしていますが、私より先に日本の経済団体の代表として同国を訪れた財界の人から、先日面白い話を聞きました。言ってみれば「中国式海外開発方式の限界」とでも呼べるものです。

周知の通り、ミャンマーは今民主化の真っ最中にあって、東南アジア最後のフロンティアと言われている。そのミャンマーが今まで頼ってきた国と言えば中国です。軍事独裁政権が日本を含む欧米諸国から様々な制裁を受ける中で、頼るは北の大国・中国しかなかった。中国はミャンマーの資源と、同国がインド洋に開けた国であるという地政学的な位置を評価した。

その中国頼りだったミャンマーが、「中国以外の国々に門戸を開き始めた」のはここ1~2年です。民主化の進展と同時に、日本を含む各国は対ミャンマー支援姿勢を明確にし、ミャンマーは徐々に「中国離れ」を模索している。何故か。

今まで中国は、ミャンマーに色々なものを作ってきたそうです。道路、ダム、橋などなど。しかし、そのかなりの工事はずさんだったそうです。ミャンマーの北部にはダムが結構あり、そのかなりの部分は中国の建設会社が建設したものであるのだそうですが、経年劣化が激しく、また手抜き工事があり、かなり危ない。

でミャンマーが「修理・修復」「再工事」を建設した中国の会社に依頼しようとしても、「もうその会社はありません」ということが多いのだとか。私も先日四川大地震の後の普及工事の為に、それまで全くその世界(建設)にいなかった中国人が、「これはもうかる」ということで、コネと大型土木機械の購入だけを頼りに、建設・土木の世界に入る記録映像を見たばかりなので、「ああ」と思いました。

多分そのダムや橋や道路を作ったのは、中国でもあまり経験がないようなにわか作りの中国の業者も多かったようなのです。そして一仕事・一儲けでとっとと会社をたたんでしまうケースも多いと言う。ミャンマーが「このダムを造ったのは....」と探しても、その業者はもういない、というわけです。

中国の資源開発も独特です。大量に中国人を連れてきて、ダダだと掘り尽くして、地元には雇用もお金もあまり残さずに去る。この資源開発方式を中国は世界のどこでもやる。アフリカでも、モンゴルでもそうです。最近アフリカのある国で中国人が大挙して来て金を採掘し、大きな問題となった国がある。

モンゴルでも中国の業者は嫌われ者でした。銅山開発をしているのですが、大量の中国人を連れてきて働かせ、掘り尽くして去るという方式。ミャンマーがこうした中国式資源略奪方式、無責任な開発方式を見て、「これは他の国に入って貰わなくては」と思ったのは頷ける、とその財界人が言うのです。

尖閣の問題もその側面があるのですが、中国には「13億の民を食わすためには、資源小国たる中国は資源を周辺に求めなければならない」と考えている節がある。海洋はその最たるものです。言ってみれば、「遅れてきた資源渇望の帝国主義国家」というわけです。

しかしそれに限界があることは間違いない。それは周囲の国々と必ず衝突する。中国はフィリピンやベトナム、そして日本とも対立関係になって、その打開策が見えない。多分、「とにかく資源が欲しい」という姿勢そのものが間違っているのです。それは平和的に買うしかない。

多分「帝国主義」はその狙いが資源であろうと、領土であろうと、行くところまで行くのです。そしてぶち当たって初めてその方針の展開が「やむなし」ということになる。中国もそうなる可能性が強いと思う。

21:12
EOF; } ?>
ページの先頭へ
twitter
伊藤洋一公式Twitterアカウント

サーチ


カテゴリー


最新の記事

カレンダー

キーワード