日々のライブな情報ページ

2013
10/31
Thu

中国という深い闇

day by day
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 (10:25) 今日これまでに読んだもっとも興味深い記事は、「習氏の弾圧策裏目...胡錦濤派と闘争激化も」でした。しかし私には「党内闘争」はあまり興味がない。そうかな、と思うだけ。

 興味を持ったのはこの記事の中に、「しかし、香港の人権団体によると、今回の突入事件の死者の一人は、新疆ウイグル自治区ルクチンで6月に発生した暴動の際に、警察に射殺されたウイグル族の遺族だという。」という記述だ。

 天安門に突入した車の同乗者3人については他に興味深い報道がある。それは「一人は高齢の女性だった」というものだ。この二つの報道からは、もしかしたらその女性は「警察に射殺されたウイグル族」の青年の母親だとも考えられる。

 「3人の構成」は男女、年齢ともばらばらだったという報道もある。彼等はガソリンを社内に用意して天安門広場に白いSUVで突入し、柱に衝突した後に車内に持ち込んだガソリンに点火・爆発させ(自爆)、そして車が炎上したというプロセスだと思う。

 ということは、天安門の事件はそのまた背後に組織があるかも知れないが(日経の記事の通り)、最大の要因は「家族としての復讐」という可能性もある。母親まで参加しての。

 「ウイグル族説」に関しては、「中国当局の陰謀では」という見方もある。ウイグルに弾圧を強めるための。しかし私は違うと思う。それだったら、ウルムチか何かで事を起こせば良い。

 起きた場所は、中国共産党の聖地だ。毛沢東の肖像の前で火炎が立つというあの構図は、共産党がもっとも嫌がるものだろう。中国要人の住居にも近いところで、こんな仕掛けが出来るわけがない。彼等は焦った。だからネットの映像を一生懸命消している。

 今回の事件が、「息子を殺された一家の復讐」ととらえれば、「ウイグル族」というのはむしろ副次的な環境かも知れない。無論中国当局が「銃を向ける」のはウイグルとチベットの両方が多い、ということはあるだろうが。

 今回の事件で「ウイグル族への締め付けが強まる」との見方がある。しかし怒りが一定のレベルを超えると、自爆に繋がる。締め付けは強まるかも知れないが、自爆が増えたらそれは政権にとって好ましくはない。

 中国では、「当局への恨み」を背景とする事件は嫌と言うほど起きている。それが群体性事件に発展したり。漢族の中でも同じ事で、農地を地方政府役人に追われた農民、賄賂を要求された露天商などなど当局に対する怒りを抱えたのはウイグルやチベットのみではない。漢族でもそうだ。

 そういう意味では、ことさら「ウイグル」を強調するのは、中国当局の狙いに乗ってしまうことになるのかも知れない。だから私はその見方に与しない。はっきりしているのは、「自分の命を捨てても、何かを主張せざるを得ない人が中国で増えている」という事だ。漢族、ウイグル、チベットを問わず。

 それの方が客観的事実として重い。そして比較的優遇されている街の民も、有害な空気に悩まされている。

10:10
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