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2014
01/09
Thu

韓国経済の"錯視現象"

day by day
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 (15:25)今の韓国のマスコミの話題は二つに集約することが可能だ。一つは対日関係。これは予想通りだが、もう一つはサムソン電子(グループの中核企業)の昨年10~12月期の減益。そこから浮かんできた単語は「錯視現象」という。

 サムソンの発表した同四半期の業績予想は、「営業利益は8兆3000億ウォン、売上高は59兆ウォンだ。営業利益は第3四半期(7~9月)より18.3%の大幅減となった」というもの。

  「サムスン電子の業績不振は売上高の60%、利益の67%を占めるIT・モバイル事業部の減益が最大の要因」(同紙)とされるが、それは頷ける。日本でもギャラクシーを買い求める人は本当に少なくなったし、最大の市場である中国ではファーウェーなどが安さでサムソン電子の製品を追い詰めている。アップルも地歩を築こうとやっきだ。

 その結果は、サムソンの安売りであり、それが「個数は出ているが、利益は出ない」という構造となっている。問題はサムソン電子が韓国経済に占める大きさが。株式の時価総額(韓国の市場全体に占める)の割合から輸出に占める割合まで、「ほぼ2割」という現実だ。

 ということは、これまで何回も指摘してきたが、「韓国経済はサムスンがおかしくなったら、全体がおかしくなる」という構図である。この問題、つまり「韓国経済が一つの会社を挙げるとしたらサムスン、もう一つ付け加えるとしたら現代自動車に過度に依存している」はとっくに取り組まねばならない問題だったはずだが、やっと動き出す気配がある。まあでもとっても難しいだろうが。

 「韓国政府は、経済の実態をより正確に反映させるため、サムスン電子と現代自動車を除外した経済指標を発表する準備を進めていることが8日までに分かった」と韓国紙。「政府高官は「サムスン電子と現代自がなければ、国内総生産(GDP)がどれだけ減少するのか、貿易収支や為替レートがどう変化するのか、下請け企業に与える影響の範囲はどの程度かなどを計量化し、複数の指標を作成している」と続く。つまり韓国は今の自国経済を「錯視」してる。それを変えなければ、という考え方だ。

 日本では決して出てこない話だ。なぜなら日本経済で時価総額トップであるトヨタの市場全体に占める割合は、僅かに4%ほどだ。同社の株は他社が上げっている中でも最近は上がっていないから、まだ割合は下がっているだろう。

 つまり日本経済では「トヨタを抜いてもそれほど変わらない」という重層構造をしている。第2位のソフトバンクを抜いても同じだ。そんな経済統計を出す意味がない。しかし韓国は同国経済を引っ張ってきた(過去)二つの会社の、そろっての不振直面が国を大きく揺さぶっている、ということになる。

 ではサムソン電子と現代自動車を除いて経済統計を作ったら実際にどうなるのか。悲惨なことになる、というのが実際だ。それに関しては、「サムスン電子抜きでは立ち行かない韓国経済」という記事がある。

 「サムスン電子抜きでは、経済成長率や輸出の伸び、株式市場も低調な数字にとどまり、政府の法人税収も20%減少する。韓国経済は一見活力を保っているように見えるが、サムスン電子というトップ企業を除けば、韓国の成績表はみすぼらしいものだ。」と同紙。

 問題は、サムソン電子にはスマホ以降の新商品がなく、現代自動車では労使対決から労働者の賃金が世界最高水準に上がってしまった、という現実がある事だ。2社の行き詰まりを敏感に反映しているのは同国の株式市場だ。去年からいつ見ても2000の前後を行ったり来たり。

 韓国は抜本的な経済改革が必要なのに、朴政権は何もしないですな。

13:08
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