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2014
05/14
Wed

始まった ? 中国のバブル崩壊

day by day

 (05:43)中国経済が「下に変調」したことを示す指標が俄然多くなってきている。やれ「中国の首都北京でも不動産価格が下がり始めた」とか、「宝飾品の売り上げも急速に今年の春から落ちてきている」とか。

 かなりまじめな態度で中国経済は4月には回復の兆しを見せるどころか、急速に悪化していると伝えているのはウォール・ストリート・ジャーナルで、「中国の景気悪化は7.5%の成長率目標を掲げる政府にとって見過ごせないものになりつつある」という内容。

 同紙の「the slowdown in the property market is having a knock-on effect on factory output, retail sales, and investment in machinery, land and other physical assets, all of which posted slower growth rates compared with a year ago.」という記述が、中国経済のスローダウンの広範さを伝えている。

 しかし中でも笑えたのはこのFTの記事だ。「中国は2011年と2012年の2年間に、アメリカが20世紀全体を通して生産した以上のセメントを作った」とある。にわかには信じがたいが、中国のこのところの不動産バブルの激しさを象徴するデータ提示となっている。

 両方の記事で共通しているのは、「中国経済の最大の駆動力が"不動産投資"にあり、同国経済の約四分の一(25%)を占めるが、その不動産部門(ビル建設、住宅建設、街作り計画などなど)が政府統計でもはっきりの変調した」という点。

 「政府統計でも」というのが重要です。中国の統計はしばしば「鉛筆を嘗められている」から都合の悪いことは隠される。しかしその政府統計でも不動産市場の変調が明確だ、ということです。

 火曜日に重要な指標発表があったんでしょうね。と思って「今週の予定」表を見たら火曜日のところに

 中国4月工業生産高・小売売上高
 中国1~4月都市部固定資産投資

 この二つなんだ。それにしては昨日の東京の株はよく上がったと思うのですが、出てきた数字はWSやFTがともに警告をならす数字だったということです。「変調を来した不動産投資を一因として、GDPと密接に関連している中国の鉱工業生産の伸びは4月は対前年同月比8.7%にとどまり、小売売上の伸びは3月の12.2%から11.9%になった」とある。この二つだけだと、「傷は浅い」とも読める。

 しかし「gold, silver and jewellery sales plummeted 30 per cent in April from a year earlier」というのは、「へえ」と思う。世界中から中国に進出しているブランドショップは大変だ。むろんこれは、習近平政権の政策とも関連している。中国では「高い値段の腕時計をするだけで罪」という雰囲気。  しかしもっと深刻なのは、「中国1~4月都市部固定資産投資」だ。悲惨な統計が政府から出た。FTが指摘しているのは二つだ。

  1. the all-important real estate market saw sales fall 7.8 per cent in renminbi terms in the first four months from the same period a year earlier
  2. in the first four months newly started construction projects fell 22.1 per cent compared with a year earlier, according to government figures released on Tuesday.

 これは深刻でしょう。政府統計ですからね。「all-important real estate market」というのが具体的に何を指すのか、ま普通に考えれば「全不動産販売」ということでしょうが、それは1~4月に7.8%減少。さらに1~4月の新規着工件数は一年前に比べて22.1%も減少.....と。

 「売れないので、いよいよ業者も作るのを減らし始めた」と受け取れる統計である。「まだ慎重姿勢だが、そろそろ中国政府も何かしないと成長率目標をクリアできなよ」というのがWSJの親切な記事ですが、「バブル再燃に手を貸す」というのは習近平や李克強はやらないでしょう。だって一方では政府関係者や軍の関係者に、「国民の見る目が怖いから奢侈は避けろ」と言っている訳ですから。

 加えてどの国でもそうだが、「不動産バブルの崩壊」をうまく予測し、阻止できた例はない。バブルの崩壊は、その国の多くのセクターに軋みを残す。中国の場合は心配なのは金融セクターです。

 「中国の不動産バブルの崩壊」は、何回も警告され、マーケットが材料とし.....とややデジャブ。しかし火曜日に発表になった数字は、これまでとインパクトが違う、とも思う。

05:34
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